イヤホンやヘッドホンなどの音響デバイスを数多く手掛ける1MORE(ワンモア)は、2024年2月28日(金)より、同ブランドの最新ヘッドホン『1MORE SonoFlow SE HQ31』(以降、1MORE HQ31)を販売開始した。
通常販売価格は9,800円(税込)だ。
600mAhバッテリーを内蔵し、最大90時間のワイヤレスでの連続使用が可能。40mm大口径ドライバーを採用、高音質コーデックLDACやハイレゾに対応することで、ワイヤレスでも原音の細かい表現まで忠実に再現された音質を楽しめるヘッドホンとなっている。
今回、提携先より本製品を提供していただいたので、実際に使用した感想を基にレビューしていきたいと思う。
ブランド・メーカー | 1MORE(ワンモア) |
製品名 | 1MORE SonoFlow SE HQ31 |
形式 | オーバーイヤー |
対応アプリ | 1MORE |
色 | ホワイト、ピンク、ブラック、ブルー |
搭載ドライバー | 40mm大口径ドライバー搭載 |
周波数 | 20Hz ~ 40,000Hz |
ボタンコントロール | 対応 |
接続方式 | Type-C有線、Bluetooth 5.4 |
動作温度 | 0℃ ~ 45℃ |
アクティブノイズキャンセリング | 対応(最大-42dB) |
外音取り込み | 対応 |
低遅延モード | 対応(ワイヤレス:80ms, 有線:1ms) |
Bluetoothプロトコル | HFP/A2DP/AVRCP |
コーデック | SBC,AAC,LDAC |
マイク | デュアルマイク内蔵(環境ノイズキャンセリング対応) |
充電 | Type-C有線 |
急速充電 | サポート(5分間の充電で約5時間の使用が可能) |
バッテリー容量 | 600mAh |
充電時間 | 120分 |
連続使用可能時間 | ・ANCオフ:90 時間 ・ANCオン:60 時間 |
その他の機能 | 空間オーディオ、EQプリセット、ゲームモード |
認証 | 「Hi-Res Audio認証」&「Hi-Res Audio Wireless認証」 |
サイズ | 181×185×79mm |
重量 | 公称値:約273g 実測値:約260g |
『1MORE SonoFlow SE HQ31』は、Type-Cケーブルによる有線接続と、Bluetooth 5.4によるワイヤレス接続に対応したヘッドホンだ。
独自開発の40mm強力マグネットとチタンコーティング複合ダイアフラムドライバーを搭載。最大40kHzの広帯域再生で、繊細な音のディテールまで表現できる。
「Hi-Res Audio」と「Hi-Res Audio Wireless」認証を取得。LDAC対応で、AAC/SBCの約3倍のデータ伝送が可能であり、解像度の高いクリアな音質を楽しめるモデルとなっている。
▼高ビットレートの音源でも細かなニュアンスや空気感まで再現。
-42dBのアクティブノイズキャンセリング機能を備えており、優れた密閉型イヤーカップデザインと組み合わせることで、外音ノイズを高度にシャットアウト。飛行機、地下鉄、バスなど、人の多い場所でも音楽に集中できるようになっている。
洗練されたデザインで快適な装着感を実現。伸縮式ヘッドバンドに加えて、イヤーカップにはスローリバウンドクッションを採用。筐体重量は約273g(公称値)と非常に軽量であり、長時間装着し続けても快適さを保つことができる。
ヘッドホン本体にはデュアルマイクを内蔵。AIノイズリダクションにより、騒がしい場所でも快適な会話が可能となっている。
▼外音取り込みモードも搭載。いちいちヘッドホンを取り外さずとも、周囲の音を聴き取ることができる。
そして600mAhバッテリーを内蔵し、最大90時間のワイヤレスでの連続使用が可能。いちいち充電する手間を省くことができ、旅行先や外出先でもバッテリー残量を気にせずに利用できるだろう。
▼急速充電にも対応。わずか5分間の充電で約5時間の利用が可能となる。
対応アプリでEQプリセットを切り替えたり、低遅延モードや3Dオーディオモードなどを利用することも可能だ。
幅広いシーンで活躍してくれる高機能ヘッドホンとなっている。
製品本体および付属品
▼外箱の様子。今回のレビュー時にはホワイト色を使用している。
▼内容物をすべて取り出した様子
内容物一覧は以下の通り。
【内容物一覧】
- ヘッドホン本体
- ユーザーマニュアル
- USB Type-Cケーブル
▼ユーザーマニュアルは日本語にも対応。
▼ヘッドホン本体。オーソドックスなオーバーイヤー型デザイン。
▼耳全体を優しく包み込むイヤーパッド。柔軟性と通気性に優れており、長時間装着し続けてもストレスを感じないよう設計されている。R・Lと大きく表示されており、左右が分かりやすい。
▼イヤーカップを折りたたんだ様子。収納や携行性に優れた形態。
▼ヘッドホン本体は、実測で約260gと軽量。
▼左右のイヤーカップを90度回転させることで、使用可能形態となる。
▼イヤーカップを展開した様子。
▼頭頂に当たる部分(ヘッドバンド)にはクッション性があり、頭のカタチに合わせて柔軟にフィットする。
▼頭の大きさに応じて、アームは0~約3.3cmの範囲で長さを調節可能。
続いて、搭載インターフェースについて紹介していく。
▼右耳側に、音量調節ボタン、多機能ボタン、LEDインジケーター、ANCボタン、Type-Cポートが用意。また、手前側の小さな穴にAIノイズリダクション対応マイクが内蔵されている。
▼左耳側の様子。手前側の小さな穴にAIノイズリダクション対応マイクが内蔵。
このように、コンパクトかつ軽量な筐体に、必要最低限のインターフェースのみが用意された、シンプルなデザインとなっている。
ボタンの押し方で各種機能を利用可能
各ボタンを押す時間や回数に応じて、様々な機能を利用できる。
▼ボタン操作と機能一覧
操作 | 機能 |
多機能ボタンを2秒間長押し | 電源オン、通話拒否 |
多機能ボタンを5秒間長押し | 電源オフ |
多機能ボタンを1回押し | 再生/停止、応答/切断 |
多機能ボタンを2回押し | 携帯通話に切り替える、音声ガイダンス起動 |
ANCボタンを1回押し | ANCオン⇒パススルー⇒ANCオフの順に切り替える |
+ボタンを1回押し | 音量上げる |
+ボタンを2秒間長押し | 前の曲 |
-ボタンを1回押し | 音量下げる |
-ボタンを2秒間長押し | 次の曲 |
操作と対応する機能を憶えるのは大変かもしれないが、慣れれば複数の機能へ瞬時にアクセスできるようになるだろう。
有線・無線接続に対応
本製品は有線・ワイヤレス(Bluetooth)接続のいずれにも対応している。
有線接続の場合
有線接続の場合、Type-Cケーブルで、ヘッドホンとデバイスとを接続するだけで、瞬時に利用可能状態となる。
プラグアンドプレイ対応のため、ヘッドホンの使用にあたり、ソフトウェアやドライバのインストールは不要だ。
▼PCでも問題なく利用可能。
ワイヤレス(Bluetooth)接続の場合
ワイヤレス(Bluetooth)接続の場合、多機能ボタンを長押しして電源をオンにすると、自動的にペアリングスタンバイ状態となる。
▼ペアリングモード中、インジケータが白色点滅する。
するとデバイス上で『1MORE HQ31』が検出される。
あとはペアリング(接続)を完了することで、ヘッドホンの利用が可能になる。次回以降は、ヘッドセットの電源をONにすると自動的に接続が完了する。
快適な装着感
実際にヘッドホンを装着してみた。
装着感は率直に良好。ヘッドホン自体は260g程度の軽さで、頭頂に当たる部分も柔らかく、長時間装着し続けても頭や首の痛み・疲れを感じることは無かった。
イヤーパッドにはスローリバウンドクッションを採用しており、耳全体を優しく包み込んでくれる。長時間装着し続けていても、耳が痛くなるなどの不快感は生じなかった。
▼イヤーパッドの通気性はまずまず。湿度55%の室内で2時間程度装着しても、蒸れは感じられなかった。
十分に快適な装着感を実現できていると言える。
低音から高音までバランスの取れたサウンドを楽しめる
実際に様々な楽曲を再生して、音質を確認してみた。
音質自体は良好。40mm大口径ドライバーを搭載しているおかげで繊細なディテールまで忠実に再現できており、低音から高音までフラットで心地よいリスニング体験を楽しむことができた。
中~高音域はクリアに響き渡り、解像度の高い音を楽しめる。爽快に響き渡る一方で、耳がキンキンと痛くなるような不快感は無く、長時間聴き続けていても疲れやストレスを感じることはなかった。特にボーカルや楽器の音がクリーンで、音場の広がりが感じられる。
▼「Hi-Res Audio」と「Hi-Res Audio Wireless」認証を取得。またLDAC対応により、高ビットレートの音源でも細かなニュアンスや空気感まで再現出来ているように感じられた。
一方で、初期設定状態では低音がそこまで強く響かない。ただし、後述する専用アプリで「低音ブースト」をオンにすることで、低音の響きを底上げすることが可能だ。
ワイヤレス接続時でも十分にクリアなサウンドを楽しめるが、有線接続時には、音の解像度が明らかに増す。特にオーケストラ楽曲を視聴すると差を感じやすく、一つ一つの楽器の音色をより明確に聴き分けることができた。
音楽以外にも映画やアニメなどを視聴してみたが、有線接続時・ワイヤレス時ともに遅延やラグはほとんど体感できなかった。
なお、密閉型イヤーカップデザインのおかげで、ボリュームを上げても音漏れはそこまで気になるレベルではなかった。外出先でも安心して利用できるだろう。
以上の通り、高解像度で自然な音場感を楽しめるヘッドホンとなっている。ポップスからクラシック、アコースティックまで、幅広いジャンルの楽曲の視聴に適しているだろう。
1万円未満の比較的リーズナブルなヘッドホンの中でも、優れたパフォーマンスを発揮するモデルだ。
(参考)聴こえ方の確認
参考までに、ヘッドホンから聞こえるサウンドを録音したデータを掲載する。
▼ヘッドホンにマイクを近接させて録音。
※あくまで低音・高音の強さをなんとなく分かってもらうためのものなので要注意。実際には、よりクリアで響きの良いサウンドが耳に届けられる。
▼録音サウンド①
▼録音サウンド②
▼録音サウンド③
優れたANCモードを搭載
本製品は、右耳側のANCボタンを押すことで、ANCオン⇒パススルー⇒ANCオフの順に切り替えることができる。
-42dBのアクティブノイズキャンセリング機能を備えているという製品説明の通り、優れたノイズキャンセリングパフォーマンスを発揮。優れた密閉型イヤーカップデザインと組み合わせることで、ANCモードオン時には、周囲の環境音やノイズが高度にシャットアウトされ、音楽のみに集中できる。
デスク上を手で叩いても、音がほとんど聞こえないレベルだ。飛行機、地下鉄、バスなど、人の多い場所で音楽を楽しみたい際には最適と言える。
一方で、パススルーモードを起動すれば、外部の音もクリアに聴き取りつつ、ヘッドホンのサウンドを同時に楽しむことも可能だ。
AIノイズリダクション対応マイク内蔵
本製品には通話用デュアルマイクが内蔵されており、ヘッドホン越しに高品質通話を行うことが可能だ。
ノイキャン効果は高く、周囲のノイズを効果的に取り除き、装着者の声のみをクリアに拾い上げることができていた。
▼1MORE HQ31で収録した音声
上動画は、スマホで撮影した映像の音声を、1MORE HQ31の内蔵マイクで収録した音声に置き換えたものだ。
さすがに専用のハイエンドマイクと比べると録音品質は劣るものの、普通に通話するには十分に優れた性能となっている。
▼1MORE HQ31の内蔵マイクで収録した音声
周囲の環境ノイズ(空調音や屋外の音)を効果的に除去し、発言内容を明瞭に拾い上げることができていることが分かる。
通話だけでなく、オンライン会議などにも利用できるだけの品質となっている。
長時間持続するバッテリー
本製品は600mAhバッテリーを内蔵しており、ANCオンの状態で60時間、ANCオフの状態であれば90時間もの連続ワイヤレス使用が可能となっている。
よほどヘビーに利用しなければ、1週間以上連続して使用できる。
▼ヘッドホンのバッテリー残量が低下した場合は、有線接続状態で使用することで、充電しつつサウンドを楽しめる。
なお急速充電にも対応しており、わずか5分間の充電で約5時間の利用が可能となる。
使いたい時にすぐ使える、実用性に優れたヘッドホンとなっている。
公式アプリでサウンドの調整が可能
ちなみに、本製品には公式アプリ(無料)が用意されており、スマホにインストールしてヘッドホンと連携することで様々な調節を行うことが可能だ。
▼公式アプリ『1MORE』
※以前はApp StoreからiOS版をダウンロードできたが、本記事執筆時点(2025年2月末)ではなぜかアプリページが削除されてしまっていた。
スマホにヘッドホンをBluetooth接続した状態でアプリを起動すると、接続中のデバイスが自動で認識される。
▼アプリのメイン画面。ヘッドホンの充電残量や接続状態、音質に関する各種パラメータの調節などを行うことが可能。
低遅延モードの切り替えやEQ(イコライザー)プリセットの変更など、用途に応じてカスタマイズすることが可能。ANCモードやパススルーモードの切り替えをアプリ上から行うこともできる。
▼ゲームサウンドの聞き取りに最適な「低遅延モード」や「空間オーディオ」機能などが用意。特に低遅延モードでは、ワイヤレス:80ms、有線:1msの低遅延サウンドで本格的なゲーミングも楽しめる。
▼実験的機能の中には「2台同時接続機能」も用意。
▼ヘッドホンのANCボタンだけでなく、アプリ上からもリスニングモードの切り替えが可能。
また、プリセットEQ(イコライザー)が用意されており、低音抑制や低音強調、ヒップホップ、クラシックなど、視聴する音楽種別に最適なサウンド環境をワンタッチで実現できる。
選択するプリセットによって全く異なる傾向のサウンドを楽しむことが出来る。しかも微々たる違いではなく、同じ楽曲でも体験がガラリと変わるほど、各プリセットが差別化されていた。
音響にあまり詳しくない方にとって、イコライザーをイジるのは敷居が高いが、このようにプリセットがいくつも用意されていることで、音の変化を気軽に楽しめるのは優れた機能であると感じた。
▼なお、イコライザーを細かく調整できる設定項目も用意されている。
このように、アプリを利用することで、ヘッドホンの利用シーンや視聴楽曲のジャンルに応じて柔軟な使い方ができるる点も本製品の魅力の1つだ。
本製品を利用する際はアプリのインストールをぜひオススメしたい。
『1MORE SonoFlow SE HQ31』のまとめ
今回紹介した『1MORE SonoFlow SE HQ31』について、特徴をまとめると以下の通りだ。
良かった点
- スタイリッシュなデザイン
- 軽量で着け心地の良い設計
- 物理ボタンで様々な機能へ瞬時にアクセス可能
- 有線/ワイヤレスの両方の接続方法に対応
- ペアリングが簡単(スムーズ)
- アプリ機能が充実
- ハイレゾ・LDAC対応による優れた音質
- 高品質なANCモード
- 長持ちするバッテリー
- 急速充電をサポート
悪かった点
- 専用アプリがApp Storeからインストールできない
以上の通り、優れた音質とANCモードを備え、アプリ機能も充実した、価格以上のパフォーマンスを発揮するヘッドホンとなっている。
装着感は率直に良好。ヘッドホン自体は260g程度の軽さで、頭頂に当たる部分も柔らかく、長時間装着し続けても頭や首の痛み・疲れを感じることは無かった。イヤーパッドにはスローリバウンドクッションを採用しており、耳全体を優しく包み込んでくれる。長時間装着し続けていても、耳が痛くなるなどの不快感は生じなかった。
1万円未満のリーズナブルな価格に対して音質が優れており、特に中~高音域に関しては満足度の高いサウンド体験が可能だ。「Hi-Res Audio」と「Hi-Res Audio Wireless」認証を取得。またLDAC対応により、高ビットレートの音源でも細かなニュアンスや空気感まで再現できているように感じられた。
初期設定状態では低音がそこまで強く響かないが、専用アプリで「低音ブースト」をオンにすることで、低音の響きを底上げすることが可能だ。ただし、専用アプリがApp Storeからインストールできない点が残念。改善を求めたい。
高解像度で自然な音場感を楽しめるヘッドホンとなっている。ポップスからクラシック、アコースティックまで、幅広いジャンルの楽曲の視聴に適しているだろう。
ANCモードも優れており、デスク上を手で叩いても、音がほとんど聞こえないレベルだ。周囲の環境音やノイズが高度にシャットアウトされ、音楽のみに集中できる。
AIノイズリダクション対応の内蔵マイクに関しても、オンライン会議などにも利用できるだけの品質となっている。
そして何より、バッテリー持続時間が最大90時間と非常に長く、いちいち充電する手間を省くことができて嬉しい。よほどヘビーに利用しなければ、1週間以上連続して使用できるだろう。
急速充電にも対応しており、わずか5分間の充電で約5時間の利用が可能となる。使いたい時にすぐ使える、実用性に優れたヘッドホンとなっている。
1万円未満のモデルの中では優れたコスパを発揮するモデルといっても良いだろう。この価格帯で音質と利便性にも優れたヘッドホンを探している方には、是非オススメしたい製品だ。
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