2022年4月、Vivoは最新モデルのスマートフォンである『vivo X80』の販売を開始した。
Dimensity 9000搭載の6.78インチ型ハイエンドAndroidスマホであり、現時点(記事執筆時点)で以下の4モデルが販売されている。
- 8GB RAM + 128GBストレージ:$645.99(約83,000円)
- 8GB RAM + 256GBストレージ:$664.99(約85,500円)
- 12GB RAM + 256GBストレージ:$724.99(約93,200円)
- 12GB RAM + 512GBストレージ:$855.99(約110,000円)
※価格はAliExpress調べ
円安の影響もあり結構な価格のモデルとなっているが、その分性能の高さも抜きんでている。
今回はこの『vivo X80』について、実際に使用した感想を元にレビューしていきたいと思う。
Snapdragon 870搭載のハイエンドモデル
今回紹介する『vivo X80』は、Dimensity 9000搭載のハイエンドAndroidスマートフォンだ。
今回のレビューでは 8GB RAM + 128GBストレージ モデルを使用している。
ブランド | vivo |
型名 | X80 |
ディスプレイサイズ | 6.78インチ |
解像度 | 1080 x 2400 |
リフレッシュレート | 最高120Hz |
OS | Android 12, OriginOS Ocean |
CPU | Dimensity 9000オクタコアプロセッサー |
RAM | 8GB, 12GB |
ストレージ | 128GB, 256GB, 512GB |
SIMカード | 対応(デュアル nano SIM) |
マイクロSDカード | 非対応 |
対応通信規格 | Wi-Fi, Bluetooth 2G GSM: 850/900/1800/1900MHz; 2G CDMA: BC0; 3G WCDMA: B1/B2/B4/B5/B8; 3G CDMA2000: BC0; 4G TD-LTE: B34/B38/B39/B40/B41(160MHz); 4G FDD-LTE: B1/B2/B3/B4/B5/B7/B8/B28A; 5G SA: n1/n3/n5/n8/n28A/n41/n77(3300-3800MHz)/n78; 5G NSA: n41/n77(3300-3800MHz)/n78. |
搭載カメラ | フロント:32MP リア:50MP (メイン)+ 12MP(望遠) + 12MP(超広角) |
バッテリー容量 | 4,500mAh |
本体サイズ | 165 x 75.2 x 8.3 mm |
本体重量 | 203g |
CPUには "Dimensity 9000 オクタコアプロセッサー" を採用しており、8GB/12GB RAM(メモリ)を搭載。パワフルなパフォーマンスで大抵の作業を快適にこなすことが可能だ。
6.78インチインチディスプレイは 1080 x 2400(FHD+)解像度、および最高120Hzの高リフレッシュレートに対応しており、美しく滑らかな映像を楽しむことが出来る。
またエッジディスプレイ(曲面ディスプレイ)を採用しており、コンパクトな筐体いっぱいに広がる画面でFHD+映像が楽しめる。
ストレージは128GB/256GB/512GBの3モデルが用意。マイクロSDカードの挿入には対応していない。
通信規格はWi-FiとBluetoothに対応。デュアルnano SIMカードの挿入も可能であり、GPS通信や国内の主要バンドを利用した4G/5G通信を行うことが出来る。
前面には32MPのフロントカメラ、背面には50MP (メイン)+ 12MP(望遠) + 12MP(超広角)が内蔵されており、デジカメに負けず劣らずの高品質写真を撮影することができる。
▼Vivo X80が世界初の採用となる、SONYのRGBWセンサーのIMX866をメインに採用。
バッテリー容量は4,500mAh。80W充電に対応しており、公式は11分で約50%の高速充電が可能であると謳っている。
そして何より、筐体サイズが非常にコンパクトかつ軽量であり、長時間持ち続けても疲れづらい。
仕事からウェブサイト閲覧、動画視聴、ゲーミングまで幅広い用途に活用できるハイエンドモデルとなっている。
製品本体および付属品
▼外箱の様子
▼内容物をすべて取り出した様子
内容物一覧は以下の通り。
【内容物一覧】
- スマートフォン本体
- スマホケース
- カードスロット開閉用ピン
- USB Type-Cケーブル
- 電源アダプタ
▼付属の電源アダプタを利用することで、80W高速充電を行うことが可能だ。
▼スマホ本体の外観。同インチの他モデルより比較的コンパクトなサイズに収まっている。
▼前面中央には32MPのフロントカメラを内蔵。
▼背面の様子。
▼背面には背面には50MP (メイン)+ 12MP(望遠) + 12MP(超広角)カメラを内蔵。
▼本体重量は203gと非常に軽い。
▼手触りや素材感にも高級感がある。
▼背面素材は指紋や汚れが付着しづらい。
厚みも約8.3ミリと薄く、掴みやすい。
続いて、インターフェースについて紹介していく。
▼本体右側面。電源ボタン、音量調節ボタンが搭載。電源ボタンは指紋認証にも対応している。
▼左側面には特に何もない。
▼本体上部の様子。
▼本体下部にはカードスロットとType-Cポート、1基のスピーカーが内蔵。付属のピンを用いてカードスロットを開き、デュアルnanoSIMカードの挿入が可能だ。
全体的に必要最低限のインターフェースのみが搭載された、シンプルでスタイリッシュな印象を受けるデザインとなっている。
また、本製品には専用のケースが付属している。
▼実際に装着した様子
ケースの質は高く、着脱もしやすいため実用的だ。
AnTuTuベンチマークテスト
本機について、スマホ・タブレット端末の性能を測ることのできる『AnTuTuベンチマークテスト』を実施してみた。
▼Android端末におけるAnTuTuベンチマークテストの実施方法はコチラを参照
-
Android端末でAnTuTuベンチマークテストを行う超簡単な方法(2023年時点)
スマートフォン・タブレットなどのモバイル端末のスペック(スコア)を計測することのできるツールとして、『AnTuTu Benchmark』(アンツツ ベンチマーク)というものがあります。 AnTuTuと ...
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結果として、約97万点のスコアを記録することが出来た。
ハイエンドモデルと言って差支えのないスコアを記録しており、ウェブサイト閲覧や動画視聴はもちろん、『原神』などの激重ゲームアプリでも問題なく快適に遊ぶことのできる性能の高さだ。
仕事や動画視聴、ゲーミング用のスマホを探している方にもオススメできるモデルである。
それでは以下からは、実際に使用した感想について紹介していく。
FHD+・120Hzで美しく滑らかな描画のエッジディスプレイ
本機のディスプレイは 1080 x 2400(FHD+)解像度、120Hzの高リフレッシュレートに対応しており、美しく滑らかな映像を楽しむことが可能だ。
▼リフレッシュレートは設定アプリより切り替えることが出来る。
▼ウェブサイト閲覧時も、細かい文字まで明瞭に表示され見やすい。ページスクロールもなめらかで心地よい。
▼ディスプレイの発色が良く、ゲームや映画、アニメなどでもカラフルな映像を楽しめる。
▼120Hzの高リフレッシュレートで描画される映像は実に滑らかで、ストレスなく操作できる。
また、エッジディスプレイ(曲面スクリーン)により、縁ギリギリまで映像が描画される。
ゲーミングや映像視聴をメイン目的にスマホの購入を検討している方でも、満足度の高い体験が可能だろう。
ほぼ全ての作業をスムーズにこなせる性能
本機のパフォーマンスを確認すべく、ウェブサイト閲覧時・動画視聴時の動作について検証した。
ウェブブラウジングは基本的に快適であり、画像が多めのサイトや、処理の重いサイトであっても スムーズに閲覧することが出来た。
▼ほとんどのウェブサイトが一瞬で表示される。
また、YouTubeやネットフリックスなどの動画サイトを閲覧した場合においても、スピーディかつ滑らかな動画再生が可能であった。
▼4K画質の美しい映像を、スムーズに視聴することが出来る。
▼アニメから実写映画まで、満足度の高い映像体験が可能。
以上の通り、ウェブサイト閲覧や動画視聴といった一般的なスマホ用途に関しては、何の問題もなく快適に行うことが出来た。
サウンド品質はそこそこ
本機のスピーカーについて、音質を確認してみた。
率直に言って、サウンドの品質はそこそこレベルだろう。
中~高音域に関してはクリアに響き渡る一方で、低音はあまり響かず迫力に欠ける。
またスピーカーが1基のみのため、音に立体感がない。
音質自体はクリアで聞き取りやすいが、迫力のあるサウンドは求めない方が良いだろう。
高画質カメラ
また、本機に搭載されていカメラについても確認した。
▼実際にフロント(前面)カメラで撮影した画像。
フロントカメラに関して、画質は概ね良好であり、全体的に明るく、ヒトの輪郭から表情までクリアに映し出すことが出来ていた。
発色も自然で肉眼で見た場合に近い。激しく動いても気になるレベルの残像は発生しないため、見づらさを感じることもかなった。
自撮りだけでなく、ウェブ会議やオンライン授業など、オンライン通話用途に利用しても問題のない品質だ。
▼リア(背面)カメラで撮影した画像。
背面カメラについても、フロントカメラ以上に鮮明で美しい写真を撮影することが可能であった。快晴の日に撮影したこともあり、やや照り返しが明るすぎる印象はあるものの、発色も良好で、肉眼で見た場合に近い色合いを実現している。
遠景から近景まで、クリアで発色の良い写真を撮影することができている。
旅行や記念撮影用のカメラとしても十分に活用できる品質だろう。
▼自動的に最適化された画像を表示できる "AIシーン最適化機能" も用意。
▼ほかにも、様々な場面やシーンに対応できる撮影モードが多数用意。クリエイティブ用デバイスとしても役立つだろう。
ゲーミング性能の確認
本機を用いて各種ゲームアプリを遊んだ際のパフォーマンスについても確認していく。
ちなみに本機には "ウルトラゲームモード" 機能が用意されており、スマホ処理をゲーム向けに最適化することが出来る。
▼各ゲームアプリに対する処理能力を自動的に最適化して、パフォーマンスを向上。
▼ゲームアプリ起動中に、描画の最適化や画面録画など、ゲーミングに関する様々な機能を利用することが可能。
▼パフォーマンスモードも複数用意されており、残バッテリー残量などに合わせていつでも変更可能だ。
『統合版マインクラフト(旧PE)』プレイ時
まずは『統合版マインクラフト(旧PE)』の場合について。
ワールドを作成して実際にプレイしてみたが、スムーズで快適に操作することが出来た。
▼チャンク読み込み時にも全く重さを感じない。
▼処理の重くなりがちな森林バイオームでも、カクつきやフレームレート低下はほとんど感じられなかった。
クリエイティブやサバイバル、またはマルチサーバーに参加した際などにも、パフォーマンスは非常に安定しており終始スムーズなゲーミングが可能だ。
なお、画質改善MODである『影MOD』を導入した場合でも、快適に動作させることが出来た。
※影MODの導入方法はコチラのサイトを参照。
影MODを始めとする多くのアドオンを導入した状態でマルチサーバーに入っても、スムーズな動作を期待できるだろう。
『原神』プレイ時
最後に "激重" ゲームとしても有名な『原神』の場合について。
非常に重いゲームアプリとして有名な『原神』であるが、本機ではスムーズにプレイすることが可能であった。
▼画質設定はデフォルト状態で "中" に設定されており、デバイス負荷は "スムーズ" の状態。
▼画質設定を "最高" に設定した場合、デバイス負荷は "非常に高い" となるが、ゲーム自体はいたってスムーズに遊ぶことが可能であった。
▼美しく滑らかな描画で原神を楽しめる。
▼激しく動いた場合でもカクつきや遅延を感じることはほとんどなかった。
『原神』クラスの激重ゲームでもこれだけ快適に遊べるのであれば、大抵のゲームアプリはスムーズに動作するだろう。
以上の通り、ゲーミング用途にも活用できるほどのパフォーマンスを発揮するスマホとなっている。
発熱が気になる
本製品を使用していて唯一気になった点が、本体の発熱だ。
特にゲームアプリなど、端末に負荷をかける処理を数分行っているだけで、スマホ自体がかなりの熱を帯びてくる。
性能の高さゆえの発熱なのだろうか。しかし熱を帯びてくると同時に、パフォーマンスにも顕著な影響が見られるようになる。
例えば原神を "中" 画質設定でプレイしたとき、30分ほどプレイし続けていると本体がかなり熱くなり、本来快適であるはずのパフォーマンスが低下して、フレームレート低下や多少のカクつきが感じられるようになってしまった。
せっかくの高スペック構成であるにもかかわらず、それ自体の熱でパフォーマンスが低下してしまうのは本末転倒ではないだろうか。
『vivo X80』のまとめ
今回紹介した『vivo X80』について、特徴をまとめると以下の通りだ。
良かった点
- AnTuTuベンチマークで100万点近いハイパフォーマンス
- コンパクトかつ軽量な筐体サイズ
- 高画質・高リフレッシュレートのエッジディスプレイ
- 実用的なカメラ性能
- ゲーミング含め、大抵の作業を快適にこなすことが可能
悪かった点
- サウンド品質はそこそこ
- 高負荷時の発熱が気になる
- 発熱によるパフォーマンスの低下が生じる
以上の通り、100万点近いAnTuTuスコアを記録する、パワフルな高性能スマホとなっている。
FHD+解像度・120Hzリフレッシュレート対応のエッジディスプレイにより、滑らかで美しい映像を楽しむことが出来る。また強力なパフォーマンスにより、ゲーミングを含め大抵の作業を快適にこなすことが可能だ。
映像視聴やゲーミング目的でスマホを探している方でも、満足度の高い体験が可能だろう。
カメラ性能も優れており、オンライン通話はもちろん、旅行時や記念撮影用カメラとしても十分に活用できる品質だ。
ただし価格に対してサウンド品質はイマイチであり、高音質サウンドを楽しみたい場合はイヤホンなどを利用すると良いだろう。
また、スマホ本体の発熱が気になった。持っていられないほどの熱を帯びるワケではないが、いかんせん発熱がパフォーマンスへダイレクトに影響するため、もう少しどうにかならなかったのか、というのが正直なところだ。
価格に対する性能の高さは及第点レベルに達していると言えるだろう。しかし前述した発熱の問題があり、そもそも一般的な用途でしかスマホを利用しない方にとってはオーバースペックであるため、個人的にはもう少し性能と発熱を抑えた『realme GT Neo3』あたりをオススメしたいところではある。
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