モニターの開発を手掛けるInnocnは、同社が手掛けるブランドの最新ゲーミングモニター『Innocn 39G1R』について、2022年11月より販売開始した。
2560x1440(WQHD)解像度、最高165Hzリフレッシュレート対応の38.5インチモニターであり、ゲーミングや動画視聴、作業用途まで幅広く活用できる高性能モデルとなっている。
今回、提携先より『Innocn 39G1R』を提供していただいたので、実際に使用した感想を基にレビューしていきたいと思う。
最高165Hz・WQHD解像度対応の38.5インチ湾曲モニター
今回紹介する『Innocn 39G1R』は、最高165Hz・WQHD解像度対応の38.5インチ湾曲モニターだ。
ブランド | Innocn |
型名 | 39G1R |
ディスプレイサイズ | 38.5インチ, VAパネル |
解像度 | 2560x1440(WQHD), HDR10対応 |
アスペクト比 | 16:9 |
コントラスト比 | 3000:1 |
輝度 | 300~400Nits |
色域 | sRGB99% |
応答速度 | 5ms(Adaptive-Sync/G-SYNC Compatible対応) |
リフレッシュレート | DP端子使用時:最高165Hz HDMI端子使用時:最高144Hz |
スピーカー | 2基内蔵 |
インターフェース | ・Display Port(1.4) x1 ・HDMI (v2.0) x2 ・Audio out x1 入力端子 ・電源ポート |
全体サイズ | 879.2×514.1×83.6mm(モニター部分のみ) |
本体重量 | 約12.1kg |
本体サイズは879.2×514.1×83.6mm、重量は約12.1kgである。筐体背面にはLEDライトを内蔵。ゲーミングデバイスらしい点灯を見せる。
VAパネルで構成された高解像度ディスプレイは、プレイヤーに臨場感あふれる映像体験を提供する。広視野に対応しており、見る角度によって色やコントラストの変化は少なく、どの角度からでも鮮やかな映像を堪能することが可能。16:9の縦横比は人の目に適合し、快適な視覚体験をもたらすだろう。
▼曲率3000の湾曲(曲面)ディスプレイを採用。
HDR10対応、従来のモニターに比べ3000:1と高いコントラスト比を実現しており、VAパネルによって明るい部分と暗い部分がクッキリと描画分けされるため、リアルで深みのある色合いの映像を演出することが出来る。
最高165Hzのリフレッシュレートに対応しており、一般的なモニターと比べて遥かに滑らかな描写が可能になるため、動きの速いシーンやゲーミング時において映像が遅れたり残像が生じるのを抑えることが出来る。
5msの高速応答により遅延のない映像を提供。コンマ数秒の反応が求められるシューティングゲームなどにおいても、満足度の高いゲームプレイが可能となっている。また、Adaptive-Sync/G-SYNC Compatible対応により、画面のリフレッシュレートとコンテンツのフレームレート間のずれによって生じるティアリングを回避し、カクつきを減らすことが出来る。
sRGB99%の広色域対応することで、カラフルで鮮明な色合いを実現している。ブルーライトカット機能も用意されているため、ゲーミングだけでなく、動画・画像編集などのクリエイティブ用途にも適した設計だ。
筐体背面には充実したポート類が用意されており、最新ゲーム機やPCなど、幅広いデバイスとの接続に対応可能。
【インターフェース構成】
- Display Port(1.4) x1
- HDMI (v2.0) x2
- Audio out x1 入力端子
- 電源ポート
以上の通り、ハード面・ソフト面ともにゲーミングに適した設計がなされた、高性能モニターとなっている。
製品本体および付属品
▼外箱の様子
▼内容物をすべて取り出した様子
内容物一覧は以下の通り。
【内容物一覧】
- モニター本体
- スタンド
- ベース
- ユーザーマニュアル
- ドライバー
- ビス×3本
- 電源コード
- DPケーブル
- HDMIケーブル
▼説明書は日本語にも対応している。
▼電源ケーブルにはアダプタ等が付いていないため、省スペース化を目指す方にとっては嬉しい設計だ。
▼モニターを水平面に設置するためのベース&スタンド。
▼ベース&スタンドを組み立てるためのビス&ドライバーも付属。
HDMIケーブルやDPケーブルも付属しており、充実したパッケージ内容となっている。
続いてモニター本体について。
▼正面から見た様子。
▼曲率R3000の綺麗な湾曲を見せるディスプレイ部分。
▼下部中央には電源ボタン 兼 操作用のアナログスティックが搭載。
▼背面の様子。
▼背面中央にはスタンド取り付け用のポートが用意。VESA規格にも対応している。
▼対角線上にLEDライトが仕込まれている。
▼左右の下部には計2基のスピーカーが内蔵。
▼そして背面下部にはインターフェースが集約されている。
▼画像左から電源ポート、HDMI (v2.0) ポートx2、Display Port(1.4)ポート×2、3.5mmオーディオ入力ジャックが用意。
このように、モニター自体はスタイリッシュなデザインとなっている。
城を基調としておりオシャレな印象も受けるため、自宅だけでなく、オシャレなオフィスなどに設置しても違和感は無いだろう。
モニターの組み立て手順
本製品を組み立てる手順はいたって簡単だ。
背面にスタンドを取り付ける。
続いてスタンド下部にベースを挿入し、付属のビス&ドライバーを用いてしっかりと固定する。
これだけの手順で、モニターの組み立てが完了する。誰でも簡単に設置できるだろう。
▼実際に組み立てた様子。安定性は優れており、ちょっとやそっとの揺れで倒れることは無い。
▼ベゼルは約1cmの厚み。
▼真上から見た様子。
本製品は上下の高さ、および前傾・後傾の調節が可能だ。
▼モニターを一番高く上げた状態。
▼一番高く上げた状態で設置面から約11cmの高さ。
▼モニターを一番低く下げた状態。
▼一番低く下げた状態で設置面から約4cmの高さ。
▼真横から見た様子。
▼前傾5度、後傾20度の角度で調節が可能。
▼背面の様子。
▼スタンド下部にはコード類を束ねておくことの出来る穴が空いている。
VESA対応のはずが、専用金具が付属しない
本製品の背面はVESA規格に対応していることになっているが、なぜか専用金具が付属しない。
▼VESA対応マウント取り付け用の専用金具(同ブランド別製品の画像)。
▼説明書には専用金具の存在が記載されているのに...。
このせいで、VESA規格対応のマウントやスタンドを取り付けることが困難になってしまっている。この点はパッケージ内容に関して改善の必要があるだろう。
▼私の場合、所有しているモニタースタンドに付属するビスを用いて、無理矢理に取り付けることが一応できた。
▼完璧に安定はしないが、仕方がない。
▼実際にモニタースタンドへ取り付けた様子。
▼ちなみに私が使用したモニタースタンドはコチラ
この手のモニターを購入する方の中には、モニタースタンドやアームを接続して利用する方も多いだろう。メーカーには付属品について、今一度見直してもらいたいところだ。
色合いの鮮やかな2560x1440(WQHD)解像度ディスプレイ
実際にモニターを利用した感想について紹介していく。
▼PCと接続した様子
▼PC接続時の出力設定。
2560x1440(WQHD)解像度対応のディスプレイで映し出される映像は、綺麗で見やすい。
ウェブサイト閲覧時でも細かな文字まで鮮明に描画されるため、見やすくて目が疲れづらく感じた。
▼ディスプレイサイズが大きいため、作業用モニターとして利用する際は座席からやや離れた距離に設置することをオススメする。近すぎると端までが見づらい。
YouTubeで動画を再生してみたが、高い色域カバー率とコントラスト比によって、深みのある色鮮やかな映像を楽しむことができた。
▼VAパネルの発色は良好だ。
▼HDR10対応、3000:1の高コントラスト比により、細部まで深みのある色合いでカラフルかつ明瞭に描画される。映像視聴目的でも満足度の高い体験が可能だろう。
気になる色ムラなども見られず、ゲーミング、動画視聴などでも満足度の高い映像体験が可能となっている。
▼なお、電源がONの状態では背面LEDが綺麗な点灯を見せる。
続いて、所有する『Fire TV Stick 4K Max』を接続してみた。
▼本製品はUSBポートを搭載していないため、Fire Stick等の外部機器への給電に関しては、別から行う必要がある点がネックだ。
▼Amazon Prime VideoやHulu、Netflixなどのオンデマンドサービスを利用できる。
▼178度の広視野角に対応しており、どの角度からでも鮮明に映る。
▼湾曲ディスプレイは、どの角度から見ても鮮明度や発色を損なうことなく綺麗に描画できていた。
このように、映像体験自体は非常に満足度の高いものであった。画面サイズが大きくて一度に多くの情報を表示できるほか、ブルーライトカット機能など眼精疲労を低減する機能も用意されており、作業用モニターとしても活躍するだろう。
音質はイマイチ
モニター下部には2基のスピーカーが内蔵されている。
正直、音質に関してはイマイチだ。最低限の音が聞こえれば良いという方であれば問題ないが、音楽・映像視聴時に満足度の高いサウンドを期待してはいけない。
幸い、背面に3.5mmオーディオ入力ポートが用意されているので、別途スピーカーを接続することで迫力のあるサウンドを実現できるだろう。
▼ちなみに、私はこちらのスピーカーを接続している。
充実したオプション項目
本製下部のアナログスティックを押し込むと、オプション画面を呼び出すことができる。
▼メニュー画面上部には描画情報がリアルタイムで表示されている。
オプション画面では、明るさやコントラストと言った一般的なモニター設定が用意されている。
▼インターフェースは日本語にも対応しているため、問題なく扱えるだろう。
▼一般的な設定項目から詳細なオプションまで幅広い項目が用意。
用途別の設定プリセットも充実。
▼ノイズリダクション機能も用意。
▼PIP(ピクチャ・イン・ピクチャ)機能およびPBP(ピクチャ・バイ・ピクチャ)機能も用意。マルチウィンドウ描画が可能だ。
▼PIP機能利用時。
▼PBP機能利用時。
▼PIP機能利用時のサブウィンドウは、表示サイズ・位置を自由に変更可能。
マルチウィンドウ描画機能は、上手く活用することで作業効率を飛躍的に向上させられるだろう。
その他、ゲーミングに適した機能も多数用意されている。
▼Adaptive-SyncおよびHDRの項目が用意。
クロスヘアー機能が用意されており、画面中央にマークを表示させることが可能だ。
▼シューティングゲームなどで、中央に照準を合わせる際に便利な機能。
以上の通り、一般的な映像品質設定からゲーミング向けの機能まで、豊富な機能が用意されている。
高リフレッシュレートで滑らかなゲーミングが可能
本製品は最大165Hzのリフレッシュレートに対応しており、PCゲームや家庭用ゲーム機などで滑らかな描画のゲーミングを楽しむことが可能だ。
▼PCゲームプレイ時
▼ゲーム側の設定で165Hzリフレッシュレートを指定。
▼ディスプレイ側の描画も自動的に同期される。
一般的な60Hzモニターと比べて、非常に滑らかな映像でゲームを楽しむことが出来た。
▼激しいアクション(動き)やエフェクトなどもヌルヌル描画されるため、ゲームプレイ時の爽快感が圧倒的に増す。
▼PS5と接続してみた。
▼通常時は60Hzで出力される。
PS5などの次世代ゲーム機では、対応タイトルでのみ100Hz以上のリフレッシュレートでプレイすることが可能となっている。
▼対応タイトルの1つである『レインボーシックスシージ』をプレイ。
▼ゲーム内設定で『パフォーマンス優先」を選択。
これにより、PS5でも120Hzでゲームを楽しめるようになる。
高リフレッシュレートでプレイするゲームは非常に滑らかで遅延もなく、画面を激しく動かした場合でも酔いを感じづらい。
▼咄嗟の反応を求められるゲームなどにうってつけ。
ゲームを本気で楽しみたい方にもオススメできるゲーミングモニターだ。
『Innocn 39G1R』のまとめ
今回紹介した『Innocn 39G1R』について、特徴をまとめると以下の通りだ。
良かった点
- スタイリッシュな薄ベゼルデザイン
- どの角度からも鮮明さを損なわない湾曲ディスプレイ
- 組み立てが簡単かつシンプル
- 充実した機能・オプションが用意
- WQHD解像度の鮮明な描画
- 最高165Hzリフレッシュレート対応
- Adaptive-Sync + G-Sync Compatible
悪かった点
- VESAマウント接続用の金具が付属していない
- USBポートが非搭載
以上の通り、ゲーミングから仕事、動画視聴まで、幅広い用途に活用できる湾曲モニターとなっている。
2560x1440(WQHD)のVAパネルで描画される映像は実にクリアで、細かな文字まで鮮明に描画されるため見やすい。HDR10対応、および高コントラスト比のおかげで明暗にメリハリが生まれており、ゲーミングや動画視聴時に、映画館のような臨場感のある映像を楽しめる。
そして何より、最高165Hzリフレッシュレート対応により、PCゲームや次世代ゲーム機において、滑らかで遅延のないゲーミングを楽しむことが可能だ。
一方で、USBポートが用意されていない点がやや残念だ。個人的には外部機器への給電用に2つほど欲しかったところだ。
また、VESAマウント接続用の金具が付属していない点は問題に感じた。説明書には金具の存在が明記されているため、パッケージには同梱すべきではないだろうか。
いずれにせよ、全体的に優れた湾曲モニターであり、高リフレッシュレート対応のゲーミングモニターを探している方にもぜひオススメしたい一品だ。
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