数多くのPC関連商品を手掛けるメーカー「GEEKOM」(台湾)は、2023年の同ブランドの最新小型PCとして『GEEKOM Mini IT11』を発売した。
記事執筆時点で以下の3種類のモデルが販売されている。
- Core i5-1155G7 CPU / 16GB RAM / 512GB SSDモデル
- Core i7-11390H CPU / 16GB RAM / 512GB SSDモデル
- Core i7-11390H CPU / 32GB RAM / 512GB SSDモデル
今回、提携先より本製品(Core i7-11390H CPU / 16GB RAM / 512GB SSDモデル)を提供していただいたので、実際に使用した感想を基にレビューしていきたいと思う。
第11世代Core i7搭載の高性能ミニデスクトップPC
今回紹介する『GEEKOM Mini IT11』は、第11世代Core i7搭載の高性能ミニデスクトップPCだ。
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ブランド | GEEKOM |
型名 | Mini IT11 |
OS | Windows 11 Pro (64bit) |
CPU | Intel Core i7-11390H |
RAM | 16GB / 32GB DDR4 ※64GBまでの拡張に対応 |
ストレージ | 512GB SSD(2280 M.2 PCle)※2TBまでの拡張に対応 |
対応通信規格 | Dual-Band Wi-Fi6(2.4G+5G) Bluetooth 5.2 有線LAN |
グラフィック | Intel® Iris® Xe |
インターフェース | ・USB 3.2 Gen 2 ポート ×3 ・USB4 ポート ×2 ・SDカードリーダー ・3.5 mmオーディオジャック ・イーサーネット ポート ・HDMI 2.0 ポート ・Miniディスプレイポート ・DC電源 |
本体サイズ | 117 x 112 x 45.6 mm |
本体重量 | 約564.9 g |
117 x 112 x 45.6 mm、約564.9 gというコンパクトかつ軽量な筐体サイズとなっており、付属の金具を利用してモニター裏などへ取り付けたり、カバンに入れて外出先へ持ち運ぶ用途にも対応可能だ。
▼設置場所をとらず、様々な場所で利用できる。
小型な筐体に対してCPUにはIntel Core i7-11390Hを採用。RAMを16GB/32GB搭載するなど充実したスペック構成となっており、リモートワークやテレワーク仕事はもちろん、YouTubeやネットフリックス等のメディア視聴用途にも適している。
▼4K・8K解像度でもスムーズに動作する性能を擁している。
筐体の前後左右には充実のインターフェースを搭載。一般的なデスクトップPCと同様の扱い方が可能だ。
▼USB 3.2 Gen 2 ポートおよびUSB4ポートが搭載されており、高速データ伝送に対応している。
シンプルな内部構造は拡張性にも優れており、RAMは最大64GBまで、SSDは最大2TBまでの拡張に対応している。
そして通信規格はデュアルバンドWi-Fi6(2.4G+5G)、Bluetooth5.2に対応しており、高速伝送が可能となっている。なお有線LAN接続にも対応している。
このように、手のひらに載るほどコンパクトな筐体サイズに対して、通常のタワー型デスクトップPCにも勝るとも劣らない、実用的なミニデスクトップPCとなっている。
製品本体および付属品
▼外箱の様子
▼内容物をすべて取り出した様子。
内容物一覧は以下の通り。
【内容物一覧】
- USB 3.2 Gen 2 ポート ×3
- USB4 ポート ×2
- SDカードリーダー
- 3.5 mmオーディオジャック
- イーサーネット ポート
- HDMI 2.0 ポート
- Miniディスプレイポート
- DC電源
▼説明書は一部のみ日本語に対応。図付きで説明は分かりやすい。
▼VESAマウントブラケットと専用ビスが付属。モニター裏などへ取り付けて省スペース化を実現出来る。
▼ケーブル類一式。
▼電源アダプタはやや大きめなサイズ。
▼付属する電源ケーブルは3Pケーブルなので、日本の一般的な家庭で使用する場合は3P⇒2P変換アダプタが必要になるだろう。
▼PC本体の外観。グレーを基調としたシンプルかつスタイリッシュなデザイン。
▼マットな質感にはそこそこの高級感もある。
▼片手に収まるほどのコンパクトさ。
▼背面の様子。左右にゴム製の滑り止めが施されているほか、マウント取り付け用の穴が空いている。
▼厚みは4.56cmと薄く、カバンなどに入れて持ち運んでも支障にならないだろう。
底面のカバーをドライバーで取り外すと、SSD&RAM拡張用のスペースが現れる。
▼最大2TBのSSDを増設可能。
▼内部の様子。
▼RAMは最大64GBで換装可能。
このように、拡張性にも優れた設計がなされている。
続いて本体インターフェースについて紹介していく。
▼本体正面。画像左側からUSB4ポート、USB 3.2 Gen 2ポート、3.5mmオーディオジャック、電源ボタンが搭載。
▼左側面にはSDカードリーダーが用意。
▼右側面には盗難防止用ロック穴が用意。
▼背面の様子。画像左からDC電源ポート、Miniディスプレイポート、LANポート、USB 3.2 Gen 2ポート×2、USB4ポート、HDMIポートが用意。
以上の通り、限られたスペースに必要なポート類が集約されたインターフェース構成となっている。
USB 3.2 Gen 2 ポートおよびUSB4ポートが搭載されており、高速データ伝送に対応している点が魅力的だ。
miniディスプレイポートとHDMiポートを用いた映像出力が可能。LANケーブルによる安定した有線接続が可能な点も嬉しい。
SDカードスロットも搭載されているなど、一般的なサイズのデスクトップと遜色ない利便性を実現していると言える。
一般的な作業は問題なくこなせる性能
本製品をいくつかの用途で実際に使用して、パフォーマンスを確認してみた。
▼サイズが非常にコンパクトなため、どのような場所に設置しても邪魔にならない。
今回のレビュー時には4Kモニターに接続して利用した。
▼映像出力情報。4K・60fpsで快適に動作する。HDR出力にも対応している。
▼実際に接続した様子。マウスやキーボードなどはBluetooth対応機種を使うことで、設置周りがスッキリする。
▼512GBモデルのストレージでは、デフォルトの状態で475GB分が使用可能領域となっている。
▼デバイスの仕様表
▼CrystalDiskMarkでのテスト結果。
まずは実際にいくつかのウェブサイトを閲覧し、動作を確認した。
画像の多いサイトから、Javascriptを多用した処理の重いサイトまで閲覧してみたが、いずれの場合においても、快適に閲覧することが可能であった。
▼ウルトラワイドモニターでスムーズなウェブブラウジングが可能。ページ読み込みからスクロールまでいたって快適だ。
▼高解像度出力で、細かな文字まで明瞭に描画される。
また、YouTubeやネットフリックスといったサイトにおいて動画を視聴してみた。
動画サイトにおいても、カクつくことなくスムーズに再生された。
▼高画質設定(4K)でもスムーズに動作を再生できる。
▼4K・60fpsで安定した描画が可能なため、美しく滑らかな映像視聴を楽しむことが可能だ。
また、エクセルやワードなど、Officeソフトを用いた作業を行ってみた。
作業用ソフトの動作も問題なく快適に行うことができており、スムーズな表計算・文字入力等が可能であった。
▼同時に複数ウィンドウを開いた状態での作業も問題なし。
以上の通り、デスクトップPCとしての一般的な用途(ウェブサイト閲覧・動画視聴・作業用ソフト使用)は概ね快適にこなせるだけの性能だと確認できた。
リモートワークやオンライン授業用にPC購入を検討している方にも、十分に満足度の高いパフォーマンスを提供するだろう。
ゲーミング性能について確認
続いて、ゲーミング性能についても確認してみた。
今回は試しに『ファイナルファンタジー14』のベンチマークテストを実施した。
テスト条件①
- 1920×1080解像度
- 標準品質(デスクトップPC)
- ウィンドウモード
- DirectX 11
上記の条件でベンチマークテストを行った結果、スコア5199点、評価は "普通" であった。
標準品質であれば、FF14クラスの大規模MMOMRPGを、ある程度快適なパフォーマンスで遊ぶことが可能となっている。
続いて、描画設定を上げて再テストしてみた。
テスト条件②
- 1920×1080解像度
- 高品質(デスクトップPC)
- ウィンドウモード
- DirectX 11
上記の条件でベンチマークテストを行った結果、スコア3224点、評価は "設定変更を推奨" であった。
さすがに高品質まで設定を上げると、プレイに支障をきたすレベルまでパフォーマンスが低下するだろう。
しかしテスト条件①の設定内容であれば、FF14クラスのPCゲームでも十分に遊べることが確認できた。
ちなみに、マインクラフト(PC・Java版)もプレイしてみたが、その場合も常時40fps~60fps以上で快適に遊ぶことが出来た。
仕事やクリエイティブ作業、そしてゲーミングにも利用できる高性能なミニPCとなっている。
優れた放熱性能と静音性
レビュー時には本製品を4時間ほど連続使用したが、PC本体からの発熱はかなり抑えてられており、高負荷で連続利用した場合も背面からやや暖かい廃熱を感じる程度であった。
▼筐体自体はほどんど熱を持たない。
▼背面からわずかに温かい熱を感じる程度。
また、PC本体からの動作音も非常に静かであり、耳を近づけると多少のファン回転音が聞こえる程度であった。
▼耳を近づけると、小さな "フォーン" という回転音が聞こえる程度。
このように優れた静音性と排熱性能を実現しており、長時間の利用にも安心だ。
『GEEKOM Mini IT11』のまとめ
今回紹介した『GEEKOM Mini IT11』について、特長をまとめると以下の通りだ。
良かった点
- コンパクトで軽量な筐体サイズ
- 充実したインターフェース構成
- 優れた拡張性
- USB 3.2 Gen 2 ポートおよびUSB4ポートが搭載
- 一般的な作業はスムーズにこなせる性能
- ゲームもそこそこ快適にプレイ可能
- 4K・60fpsで快適動作
- 優れた静音性と放熱性能
悪かった点
- 電源アダプタサイズがやや大きめ
- 付属コンセントが3P形状(2P変換アダプタが必要)
以上の通り、手のひらサイズのコンパクトな筐体に対して、実用的な性能を発揮する小型デスクトップPCとなっている。
ウェブサイト閲覧や動画視聴はもちろん、作業用ソフトを用いた仕事にも問題なく活用することが可能だ。4K・60fpsの美しく滑らかな描画で快適に動作した。ゲーミングに関しても、設定さえ調整すればFF14クラスのタイトルをスムーズにプレイすることも出来る性能を実現している。
本体のインターフェースも充実しており、多くのデバイスを同時接続できるため実用的な構成であると言える。特にUSB 3.2 Gen 2 ポートおよびUSB4ポートが搭載されており、高速伝送が可能な点も実にGOOD。
ストレージやRAMの拡張性にも優れており、必要に応じてパフォーマンスの底上げが可能だ。
コンパクトなサイズ、比較的リーズナブルな価格で実用的な性能を擁するPCを求めている方には、ぜひオススメしたい一品だ。
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