数多くのPC関連商品を手掛けるメーカー「GMKtec」(台湾)は、2023年4月に同ブランドの最新小型PCとして『GMKtec NucBox G1』をリリースした。
第12世代 Intel Alder Lake N95を搭載しており、一般的なPC用途は問題なくこなせる性能を擁している。
現時点で以下の2モデルが販売されている。
- 8GB RAM + 512GB SSDモデル
- 16GB RAM + 1TB SSDモデル
今回、提携先より本製品(8GB RAM + 512GB SSDモデル)を提供していただいたので、実際に使用した感想を基にレビューしていきたいと思う。
ブランド | GMKtec |
型名 | NucBox G1 |
OS | Windows 11 Pro (64bit) |
CPU | Intel N95(Alder Lake-N) |
RAM | 8GB / 16GB DDR4-3200 |
ストレージ | 512GB / 1TB SSD(2280 M.2 PCle Gen3x4)※2TBまでの拡張に対応 |
対応通信規格 | Wi-Fi 6, Bluetooth5.2, 有線LAN |
グラフィック | UHD Graphics |
インターフェース | ・USB3.2 Type-A×2 ・HDMI×2 ・有線LAN ・USB3.2 Type-A×2 ・3.5mmオーディオジャック ・DC電源ポート |
本体サイズ | 幅114×奥行き106×高さ42.5mm |
本体重量 | 約361g |
幅114×奥行き106×高さ42.5mm、約361gというコンパクトかつ軽量な筐体サイズとなっており、付属の金具を利用してモニター裏などへ取り付けたり、カバンに入れて外出先へ持ち運ぶ用途にも対応可能だ。
小型な筐体に対してCPUにはIntel N95(Alder Lake-N)を採用。RAMを8GB搭載するなど充実したスペック構成となっており、リモートワークやテレワーク仕事はもちろん、YouTubeやネットフリックス等のメディア視聴用途にも適している。
▼4K・60fps描画でもスムーズに動作する性能を擁している。
筐体の前後左右には充実のインターフェースを搭載。一般的なデスクトップPCと同様の扱い方が可能だ。
シンプルな内部構造は拡張性にも優れており、SSDは最大2TBまでの拡張に対応している。
そして通信規格はWi-Fi 6、Bluetooth5.2に対応しており、高速伝送が可能となっている。なお有線LAN接続にも対応している。
このように、手のひらに載るほどコンパクトな筐体サイズに対して、通常のタワー型デスクトップPCにも勝るとも劣らない、実用的なミニデスクトップPCとなっている。
製品本体および付属品
▼外箱の様子
▼内容物をすべて取り出した様子。
内容物一覧は以下の通り。
【内容物一覧】
- ミニPC本体
- 電源アダプタ
- 説明書
- HDMIケーブル
- モニター裏取付け用マウント
- 保証カード
▼説明書は日本語にも対応している。
▼電源アダプタは比較的コンパクトなサイズ。
▼モニター裏等への設置に用いるマウントが付属。
▼PC本体の外観。黒を基調としたシンプルかつスタイリッシュなデザイン。
▼上部はツヤツヤしており、質感的にはそこそこの高級感もある。
▼片手に収まるほどのコンパクトさ。
▼背面の様子。四隅にゴム製の滑り止めが施されているほか、マウント取り付け用の穴が空いている。
▼厚みは4.25cmと薄く、カバンなどに入れて持ち運んでも支障にならないだろう。
▼マウスと並べると筐体のコンパクトさが際立つ。
底面のカバーをドライバーで取り外すと、SSD拡張用のスペースが現れる。
▼SSDは最大2TBまで換装可能。
続いて本体インターフェースについて紹介していく。
▼本体正面。画像左側からUSB3.2 Type-Aポート×2、電源ボタンが搭載。
▼両側面の様子。
▼背面の様子。DC電源ポート、HDMiポート×2、3.5mmオーディオジャック、LANポート、USB3.2 Type-Aポート×2が用意。
以上の通り、限られたスペースに必要なポート類が集約されたインターフェース構成となっている。
HDMIポートを2つ併用することで、2画面同時出力も可能となっている。
ただ、個人的にはType-Cポートもほしかったところだ。
一般的な作業は問題なくこなせる性能
本製品をいくつかの用途で実際に使用して、パフォーマンスを確認してみた。
▼サイズが非常にコンパクトなため、どのような場所に設置しても邪魔にならない。
▼マウスやキーボードなどはBluetooth対応機器を用いることで、デスク周りをスッキリ収められる。
今回のレビュー時にはウルトラワイドモニター(3440×1440:UWQHD解像度)に接続して利用した。
▼HDR出力にも対応している。
▼ウルトラワイドモニターに接続した状態で、100Hz近い高リフレッシュレートでスムーズに動作した。
▼512GBモデルのストレージでは、デフォルトの状態で475GB分が使用可能領域となっている。
▼デバイスの仕様表
まずは実際にいくつかのウェブサイトを閲覧し、動作を確認した。
画像の多いサイトから、Javascriptを多用した処理の重いサイトまで閲覧してみたが、いずれの場合においても、快適に閲覧することが可能であった。
▼ウルトラワイドモニターでスムーズなウェブブラウジングが可能。ページ読み込みからスクロールまでいたって快適だ。
また、YouTubeやネットフリックスといったサイトにおいて動画を視聴してみた。
動画サイトにおいても、カクつくことなくスムーズに再生された。
▼高画質設定(4K)でもスムーズに動作を再生できる。
▼高リフレッシュレートで安定した描画が可能なため、美しく滑らかな映像視聴を楽しむことが可能だ。
また、エクセルやワードなど、Officeソフトを用いた作業を行ってみた。
作業用ソフトの動作も問題なく快適に行うことができており、スムーズな表計算・文字入力等が可能であった。
▼同時に複数ウィンドウを開いた状態での作業も問題なし。
以上の通り、デスクトップPCとしての一般的な用途(ウェブサイト閲覧・動画視聴・作業用ソフト使用)は概ね快適にこなせるだけの性能だと確認できた。
リモートワークやオンライン授業用にPC購入を検討している方にも、十分に満足度の高いパフォーマンスを提供するだろう。
ゲーミング性能について確認
続いて、ゲーミング性能についても確認してみた。
今回は試しに『ファイナルファンタジー14』のベンチマークテストを実施した。
テスト条件①
- 1920×1080解像度
- 標準品質(デスクトップPC)
- ウィンドウモード
- DirectX 11
上記の条件でベンチマークテストを行った結果、スコア2125点、評価は "設定変更を推奨" であった。
デスクトップ用の最低設定まで落としてテストを実施したが、プレイには適さないという結果が得られた。
さすがにオンボードグラフィック処理では、FF14クラスのPCゲームを快適に遊ぶことは難しい。
軽めのブラウザゲーム程度であれば問題なく遊べるだろうが、本製品はあくまで仕事・作業用デバイスとして活用すると良いだろう。
優れた放熱性能と静音性
レビュー時には本製品を4時間ほど連続使用したが、PC本体からの発熱はかなり抑えてられており、高負荷で連続利用した場合も背面からやや暖かい廃熱を感じる程度であった。
▼筐体自体はほどんど熱を持たない。
▼背面からわずかに温かい熱を感じる程度。
また、PC本体からの動作音も非常に静かであり、耳を近づけると多少のファン回転音が聞こえる程度であった。
▼耳を近づけると、小さな "フォーン" という回転音が聞こえる程度。
このように優れた静音性と排熱性能を実現しており、長時間の利用にも安心だ。
『GMKtec NucBox G1』のまとめ
今回紹介した『GMKtec NucBox G1』について、特長をまとめると以下の通りだ。
良かった点
- コンパクトで軽量な筐体サイズ
- 充実したインターフェース構成
- 一般的な作業はスムーズにこなせる性能
- 高リフレッシュレートで滑らかな描画が可能
- 優れた静音性と放熱性能
- 比較的リーズナブルな価格
悪かった点
- ゲーミングには向かない
- 個人的にはType-C出力ポートがほしかった
以上の通り、手のひらサイズのコンパクトな筐体に対して、実用的な性能を発揮する小型デスクトップPCとなっている。
ウェブサイト閲覧や動画視聴はもちろん、作業用ソフトを用いた仕事にも問題なく活用することが可能だ。
筐体前後のインターフェースも充実しており、多くのデバイスを同時接続できるため実用的な構成であると言える。
一方でゲーミングは向いていないため、ゲーミングも楽しみたい方は注意した方が良い。
それでも、リーズナブルな価格に対して十分な性能を実現できていると感じた。
コンパクトなサイズ、リーズナブルな価格で実用的な性能を擁するミニPCを求めている方には、ぜひオススメしたい一品だ。
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