2023年6月、エミュ搭載の携帯ゲーム機を数多く開発・販売するANBERNICは、同ブランドの最新モデルである『ANBERNIC RG Nano』を発売した。
いつでも・どこでも気軽にレトロゲームタイトルを遊ぶことの出来る、キーホルダーサイズの超小型ゲーム機となっている。
今回は同製品について、提携先より提供していただいたので、実際に使用した感想を基にレビューしていきたいと思う。
いつでも・どこでもレトロゲームが遊べる超小型携帯ゲーム機
今回紹介する『ANBERNIC RG Nano』は、非常に小型かつ軽量な筐体で、キーホルダーのように気軽に持ち運べる超小型携帯ゲーム機だ。
ブランド | ANBERNIC |
製品名 | ANBERNIC RG Nano |
カラー | ブルー, パープル, レッド |
OS | LINUX |
ディスプレイサイズ | 1.54インチ IPSスクリーン |
解像度 | 240×240 |
CPU | ARM Cortex-A7 @ 1.2GHz |
RAM(メモリ) | 64 MB DDR2 |
ストレージ | TFカード |
TF カード | TFカード拡張サポート 最大512GB |
対応通信規格 | WiFi |
バッテリー容量 | 1,050mAh(約2.5時間可能) |
対応ゲーム | GBA, SFC, NES, PCE, GB, GBC, for GG, MD, SMS, WSC, NGPなど10種類以上のエミュレーター |
スピーカー | Hi-fi スピーカー |
本体サイズ | 7.1cm × 4.3cm × 1.7cm |
本体重量 | 約180g |
7.1cm × 4.3cm × 1.7cm、わずか約180gの軽量かつコンパクトな筐体に、1.54インチ IPSディスプレイを搭載。解像度は240×240に対応しており、カラフルで鮮明な映像を楽しむことが可能だ。
片手にスッポリ収まるほどのコンパクトなポータブルデバイスとなっており、ポケットやカバンなどに入れてラクラク持ち運ぶことが出来るだろう。
▼CNCアルミニウム製の金属ボディには高級感があり、耐久性にも優れている。
OSはLINUXを採用しており、CPUにはARM Cortex-A7を、RAM(メモリ)は64 MB DDR2を搭載。プレイステーションやゲームボーイアドバンスなどのレトロゲームを快適に遊べる性能を擁している。幅広いプラットフォームのエミュレータに対応。
▼Hifiスピーカーを内蔵。小型の筐体に対して満足度の高いサウンド体験を実現。
1,050mAhのバッテリーを内蔵しており、最大2.5時間程度の連続使用が可能。外出先でちょっとした空き時間にゲームを楽しむ分には十分な容量だと言える。
キーホルダーのように持ち運ぶことができ、外出先や旅行先でのちょっとした空き時間にレトロゲームを遊ぶには最適な端末となっている。
製品本体および付属品
▼外箱の様子
▼内容物一覧をすべて取り出した様子
内容物一覧は以下の通り。
【内容物一覧】
- ゲーム機本体
- TFカード
- Type-C ⇔ 3.5mmジャックアダプタ
- USB Type-Cケーブル
- 説明書
- キーチェイン
▼ユーザーマニュアルは英語/中国語表記のみに対応。
▼ゲーム機に取り付けられるキーチェインが付属。
▼ゲーム機本体。ゲームボーイを彷彿とさせる味のあるデザイン。なお今回のレビュー時にはレッド色を提供していただいた。
▼手のひらに収まるほどのサイズ。約180gと非常に軽く、ポケットに入れて持ち運んでも支障にならないだろう。
▼付属のキーチェインを取り付けることで、キーホルダーのように持ち運べる。
▼金属製ボディの手触りは良好。金属特有のヒンヤリ感と光沢があり、そこそこの高級感も感じられる。
続いてインターフェース構成について見ていく。
▼正面には1.54インチディスプレイに加えて、十字キー、ABXYボタン、スタートボタン、セレクトボタンが用意。ゲームボーイと同様の構成だ。
▼左側面の様子。
▼右側面の様子。電源ボタンとカードスロットが用意。
▼上部の様子。LRボタンとType-Cポートが用意。
▼下部の様子。スピーカー穴に加えて、キーチェイン取付用の穴が用意されている。
このように、コンパクトな筐体に必要なインターフェースがすべて詰め込まれた、洗練されたデザインとなっている。
LINUXの起動
電源ボタンを長押しすると、LINUXが起動する。
メインメニュー画面からは、ゲームリストのほか、設定などにもアクセス可能。
▼プリインストール済みのエミュレータが表示される。
メインメニューには様々なアプリケーションや設定が用意されている。
▼設定より、インターフェース言語を日本語に変更できる。
▼壁紙も自由に変更可能。
▼メディアプレイヤーも用意されており、映像データや音声データを再生できる。
▼動画を再生している様子
各種操作はややこやしい
一方で、本製品は筐体サイズが限られているということもあり、筐体自体にボリューム調節ボタンなどは搭載されていない。
そのため、色々な操作を行うために各ボタンを同時押しするなど、ややこやしい操作が求められる。
操作方法一覧
- ボリューム+:セレクトボタン + Aボタン
- ボリューム-:セレクトボタン + Yボタン
- 明るさ+:セレクトボタン + Xボタン
- 明るさ-:セレクトボタン + Bボタン
- メニュー呼び出し:電源ボタン短押し
- キャッシュ:セレクトボタン + ↑ボタン
- アスペクト比調節:セレクトボタン + ↓ボタン
- ズームアウト:セレクトボタン + ←ボタン
- ズームイン:セレクトボタン + →ボタン
- 電源オン/オフ:電源ボタン長押し
- 動作情報表示:セレクトボタン + Lボタン + Rボタン
各操作に慣れるには、やや時間がかかるかもしれない。
安定したパフォーマンスでゲームをプレイ可能
実際にいくつかのゲームをプレイしてみた。
実際にプレイしている様子①
実際にプレイしている様子②
実際にプレイしている様子③
実際にプレイしている様子④
3Dゲームプレイ時に激しい動き(アクション)を伴う場面では、多少のフレームレート低下やカクつきを感じることはあった。しかし全体的にスムーズなパフォーマンスを実現しており、プレイステーション1などの3Dタイトルでも、スペック不足を感じることはほとんどなかった。
▼このサイズでも優れたパフォーマンスを実現している。
▼1.54インチIPSスクリーンでは、240×240解像度でも十分クリアに描画される。
なお、ゲーム中に「セレクトボタン + Lボタン + Rボタン」を押すことで、CPU使用率などの動作情報を表示できる。
また、電源ボタンを短く押すことで、メニュー画面を呼び出せる。
▼音量や明るさ調節のほか、中途セーブ&ロードを行うことも可能だ。
操作には慣れが必要
筐体に搭載された各ボタン類は、素材自体に安っぽさこそ感じられるものの、反応性は良好でありストレスのない操作を楽しむことが出来た。
▼2D・3Dゲームのいずれでも問題なく操作可能であった。
ただし、各ボタン間の距離が近いため、指の大きな人は、慣れないうちは誤操作を起こしやすい。
また、LRボタンが各種1ずつしか用意されておらず、L2/R2ボタンが用意されていないため、遊べるPS1対応タイトルは限られてしまう点に注意が必要だ。
スピーカー音質は良好
スピーカーの音質も良好だ。
流石に高音質とは言えませんが、このサイズにしては十分な音圧を実現できていると感じた。
低音こそ響きませんが、中~高音域に関してはよく響く。
普通にゲームを楽しむ分には、問題のない音質であると言える。
バッテリーの持ちは2時間ほど
最後にバッテリーについて。
本製品には1,050mAhバッテリーが内蔵されている。
実際に本製品でゲームを遊び続けてみたところ、約2時間ほどの連続使用で90%ほどのバッテリー消費であった。
そのため、バッテリーの持ちは満充電の状態から2~2.5時間程度であると思われる。
この筐体サイズに対して、バッテリー持続時間を実現できているのではないだろうか。外出先でちょっとした時間にプレイする分には十分な容量であると感じた。
なお、長時間の連続使用時でも本体から気になる発熱等はなかった。
『ANBERNIC RG Nano』のまとめ
今回紹介した『ANBERNIC RG Nano』について、特長をまとめると以下の通りだ。
良かった点
- コンパクトかつ軽量なデザイン
- 安定したパフォーマンス
- 発色の綺麗なIPSスクリーン
- PS1タイトルもスムーズに動作
- 音圧の強いHifiスピーカー
- リーズナブルな価格
悪かった点
- L2/R2ボタンが非搭載(遊べるタイトルに制限がある)
- 小型でボタン同士が近い(誤操作を起こしやすい)
- 各ショートカット機能を使いこなすには慣れが必要
以上の通り、キーホルダーサイズの筐体に対して、PS1のタイトルでも快適に遊べるパフォーマンスを実現した携帯ゲーム機となっている。
各ボタンが小さく、ボタン間の距離も近いため、最初のうちは操作に苦戦するかもしれない。しかし、ある程度慣れればこのサイズでも快適に遊べるようになるだろう。
中途セーブやスリープ機能が用意されていたり、2.5時間程度持続可能なバッテリーを搭載していたりと、携帯ゲーム機として必要な条件を満たしていると言える。
そして何より、キーホルダーサイズの筐体は持ち運びの面では実に優れており、付属のキーチェインを装着することで、バッグや財布に取り付けて気軽に持ち運べるようになる。
外出先で暇な時間にレトロゲームを楽しみたい方にとって、これ以上ないうってつけの携帯ゲーム機だと言える。
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