- プールなどで水中撮影を楽しみたい!
- 川や湖で釣りをする際に、水中を確認できるガジェットが欲しい
- 水質調査の仕事用に手ごろな水中ドローンを用意しておきたい
新型コロナウイルスの影響により、最近では人込みを避けて、湖や川などにアウトドアアクティビティを楽しみに行く人々が増えている。
その様子を撮影した画像や動画を、SNS上にアップロードするのがもっぱらの流行りだ。
そんな中で、今注目を集めているのが "水中ドローン" である。
▼水中を高画質で撮影できるユニークなガジェット。
一般的なドローンが空中から地上を撮影するのに対して、水中ドローンはその名の通り、水の中の様子を撮影することが出来る。
プールなどで自分たちの水中の様子を撮影したり、釣りの際に魚群を確認したり、時には水質調査目的でも役に立つ便利なガジェットとして、最近大きな注目を集めている。
しかし水中ドローンは一般的に高価であり、また扱い方も複雑なものが多いため、一般人にはなかなか手が出づらい。
そこで今回は、まったくの初心者でも簡単に扱うことができ、価格も比較的リーズナブルな水中ドローン『CHASING DORY』について紹介したいと思う。
▼『CHASING DORY』公式紹介動画
水中ドローンのエントリーモデル『CHASING DORY』
今回紹介する『CHASING DORY』は、リーズナブルな価格の一方で非常に実用的な性能を擁しており、初心者にはオススメの水中ドローンだ。
メーカー | CHASING DORY |
製品名 | CHASING DORY |
対応種別 | 淡水用(海水非対応) |
最大深度 | 15m |
最大スピード | 1.5kn(2m/s) |
カメラ解像度 | 1920×1080(フルHD)30fps |
画像フォーマット | JPEG |
動画フォーマット | MP4 |
通信距離 | 15m |
充電持続時間 | 最大60分 |
本体重量 | 約1.3kg |
本体サイズ | 247mm × 188mm × 92mm |
『CHASING DORY』は、現時点(記事執筆時点)において世界最小クラスのコンパクトさを誇る水中ドローンだ。
大きさはiPad miniと同程度であり、重量はたったの1.3キログラムほど。カバンに入れて持ち運んでも全く支障にならないサイズだ。
▼女性や子供でも、片手でラクラク持ち運べる。
当然ながら完全防水仕様であり、最大深度15メートルまでの潜水に対応している。
▼深度ロック機能も実装されており、一定の深さで撮影し続けることが可能。
▼2基のLEDライトを搭載しているため、深い場所や暗い場所でも問題なく潜航できる。
ドローン本体の前方には1920×1080(フルHD)解像度対応の水中カメラが搭載されており、高画質な映像もしくは画像を撮影することが可能だ。
そして公式アプリを用いて、スマートフォンやタブレット端末からラジコン感覚で操作できるようになっている。
▼ゲームのように仮想コントローラで操縦を楽しめる。
そして価格は5万円前後となっている。一般的な水中ドローンが軒並み10万円を超える値段であることを考えると、非常にリーズナブルであると言えるだろう。
このように、コンパクト・簡単操作・高性能・リーズナブルの各点を満たした、初心者のエントリーモデルとしてオススメの水中ドローンとなっている。
製品本体および付属品について
▼外箱の様子。
▼ドローンを収納・持ち運べる専用ケースも付属している。
▼箱の下には付属品一式が収まっている。
▼内容物をすべて取り出した様子。
▼説明書・保証書一式
内容物一覧は以下の通り。
【内容物一覧】
- ドローン本体
- 専用ケース
- 説明書一式
- 保証カード
- 充電ケーブル&アダプタ一式
- 予備部品一式
- Wi-Fi接続ブイ
- テザーケーブル(15m)
▼説明書やスタートガイドは日本語に完全対応しているため、使用方法は簡単に理解できる。
▼付属しているブイを経由して、ドローン本体とスマホ・タブレット端末とをワイヤレス接続することが可能。
▼ブイとドローン本体とを接続するためのテザーケーブル。15メートルの長さで完全防水仕様。
コンパクトなドローン本体
▼ドローン本体の外観。
ドローン本体は約1.3キログラムほどであり、片手でも十分に掴むことのできるサイズ。
▼ドローン前方には1080p解像度対応の水中カメラ、およびLEDライトが搭載されている。
▼横から見た様子。
▼側面から水を取り入れ、後部からジェット噴射することで水平方向への推進力を生み出す。
▼後部には2機のスクリューが搭載。これにより最大速度2m/sで移動可能。
▼そして前方に2機、後方に1機のスクリューが搭載されており、これらにより垂直方向(上下)への移動が可能。
このように、水中ドローン自体は非常にシンプルかつコンパクトなデザインとなっている。
▼専用ケースも付属するため、持ち運びや収納の際にも便利だ。
ドローンの充電方法
ドローンは満充電状態から、最長で1時間の連続使用が可能だ。
充電はドローン後部の端子に、充電アダプタを接続して行う。
ちなみに本製品には各国のコンセント形状に対応できるアダプタが複数付属しており、場面に応じて簡単に使い分けることが可能だ。
▼アダプタ下部のボタンを押しながら捻ることで、アダプタの交換が可能。
▼多種多様な形状のアダプタが付属。
▼充電の様子。バッテリーゼロの状態から、約2時間で満充電が完了する。充電完了時は、LEDランプの点灯が赤⇒緑色に変化する。
ドローンへの接続方法
ドローンと操作用の端末(スマホ・タブレット)とを接続する手順はいたって簡単だ。
まず最初に、専用アプリ(iOS・Android対応)を端末にインストールする。
▼専用アプリ『CHASING GO2』
なお、アプリの初起動時には会員登録(無料)が必要となる。
続いて、ドローン本体と『Wi-Fi接続用ブイ』とを接続する。
▼テザーケーブルでブイとドローンとを接続する。なお使用中にケーブルが外れないように、接続部の根本(カップリングボルト)を手でシッカリと締めておこう。
ドローンとブイを接続すると、音が鳴りドローンが起動したことを知らせる。
そしてブイに対して、端末の接続(ペアリング)が可能な状態となる。
▼端末のWi-Fi設定画面において『Dory_〇〇〇』が表示されるので接続しよう。パスワードは "12345678"。
Wi-Fi接続後、アプリを確認するとステータスが "接続済み" になっている。
▼使用スタンバイ状態。
以上でドローンへの接続は完了だ。
▼ "カメラに入る" をタップすると、ドローンのカメラに写っている映像を端末上で確認できる。
ドローンの起動~操作
ドローンの接続が完了したら、いよいよドローンを作動させてみる。
なお、今回のレビュー時には 滋賀県・琵琶湖の北側 にて本製品を実際に使ってみた。
▼天候は快晴であったが、梅雨時期による連日の雨のせいで、水中が若干濁っていた。
▼初めは浅瀬に浮かべてみて、動作確認を行うことをオススメする。
▼アプリの操作画面上において、中央下部の電源アイコンをタップすることでスクリューが作動する。
※ドローンのスクリューを作動させる際は、故障を避けるため必ず本体を水につけた状態で行おう。
アプリ上の仮想コントローラを用いて、ゲーム感覚でドローンを操作することができる。
▼詳細な操作方法は説明書に記載されている。事前によく確認しておこう。
実際に使用した感想
それでは、実際に『CHASING DORY』を使用した感想について紹介していく。
フルHD解像度の非常に綺麗な画質で撮影可能
今回は実際に、水深2~3メートルほどの深さまでドローンを潜航させて動画を撮影してみた。
以下が、実際に撮影した映像だ。
▼流れがほとんど無く、波の落ち着いた場所
上動画では、流れがほとんどなく、波も落ち着いた場所において撮影している。
動画を観ても分かる通り、非常に綺麗な画質で撮影することが可能であった。
色温度も現実に近いため、実際にゴーグルを装着して肉眼で海中を見たサイト同様の風景を録画することができていた。
フレームレートも30fpsに対応しているため、映像は十分にスムーズで滑らかだ。
▼流れが速く、波の高い場所
そして2番目の動画は、流れが速く、波も比較的高い場所において撮影した時の様子だ。
見て分かる通り、波にかなりさらわれるため、撮影した動画がかなりグラグラと見づらくなってしまっている。
また、水の流れにより周囲の砂ぼこりが巻き上げられてしまい、海中が濁って見づらくなっている。
この通り、流れが無い・波が立っていない状況では、非常にクリアで美しい映像を撮影することが可能だ。
一方で、海が少しでもあれている状態では、満足できる映像を撮影することは出来ないだろう。
『CHASING DORY』を使用する際は、水場の状況を選んで潜水させた方が良いだろう。
初心者でも簡単に操作できる
上述した通り、本製品は専用アプリ上に表示される "仮想コントローラ" を用いて操作することが可能だ。
私はこの手のガジェットに初めて触れたが、とても簡単にドローンを操縦することができた。
私は普段からスマホのレースゲームアプリを遊んでいるが、感覚的には同じ感じで操作を楽しめた。
ただし、前身・後退や浮き沈みといった大雑把な操作は簡単にできる一方で、カメラ方向のみを変更するホバリングのような細かい操作に関しては、仮想コントローラではかなり困難であった。
そのため、より快適かつ繊細にドローンを動かしたいのであれば、公式が販売している専用コントローラの購入を強く推奨する。
▼専用コントローラ
有線接続のため安心して潜航できる
本製品は、ドローン本体をブイと有線接続して使用する。
有線接続であるため移動範囲に限りがある一方で、水流に流されて、ドローン自体があらぬ場所へ行ってしまい紛失する事態を防ぐことができる。
このおかげで、紛失の心配をすることなく、撮影や操縦に集中することができた。
人によっては完全ワイヤレスタイプを好む方もいるだろうが、ドローン操作に慣れていない私のような初心者にとっては、有線タイプの方が遥かに安心して扱うことができるだろう。
隙間に砂や石が詰まりやすい
本製品は15メートルまでの水深に対応している点がメリットだが、深く潜れば潜るほど、細かな砂や小石が舞い、ドローンの隙間やスクリューに詰まりやすくなる。
実際に私も1時間ほど潜航させてみたところ、結構な量の砂がスクリュー部分に詰まっていた。
これを放置しておくと、次回以降のドローンの挙動に影響を及ぼしかねない。
そのため、使用する度に真水で全体的に洗い流すなど、定期的なメンテナンスが必要となるだろう。
水中ドローン『CHASING DORY』のまとめ
今回紹介した水中ドローン『CHASING DORY』について、特長をまとめると以下の通りだ。
良かった点
- 他の水中ドローンと比べてリーズナブルな価格
- コンパクトかつ軽量なデザイン
- ブイとの有線接続で安心して使用可能
- 接続から使用開始までシンプルな手順
- 初心者でも操作しやすい設計
- フルHD画質の綺麗な映像を撮影可能
悪かった点
- 砂や小石が澄まりやすい(⇒ 定期的なメンテナンスが必要)
- 仮想コントローラでは細かな操作がしづらい
- 波の高い場所や、流れの強い場所の使用には向いていない
このように、リーズナブルな価格・持ち運びやすいコンパクトさ・扱いやすいシンプル設計の3点が揃った、初心者にはうってつけの水中ドローンとなっている。
接続から使用開始までの手順もいたって簡単であり、各種操作や設定をすべて専用アプリ上で行えるため、初めてドローンに触れる方でも抵抗感なく扱うことができるだろう。
そして水中カメラで撮影された映像は実にキレイであり、発色も自然なため肉眼で見た場合と比べて違和感が無い。
ただし、波の高い場所や流れの強い場所の使用にはあまり適していない。
そのため...
- プールなど波のたたない場所
- 流れの少ない(遅い)淡水の池・湖
上記のような環境での使用に適していると言える。
何はともあれ、エントリーモデルとしてはかなり優秀で実用性も高い。
レジャー・釣り・水質調査などの目的で、手ごろな水中ドローンを探している方にはぜひオススメしたい一品だ。
▼こちらの記事もオススメ
-
『BALDR ポータブル電源500W』レビュー | 実用的な大容量の家庭用蓄電池
地震や台風などで停電した時のために蓄電池を用意しておきたい! でも出来るだけ持ち運びやすいサイズのものが良い... 日本は地震大国であり、2011年に東北地方太平洋沖地震が発生して以降、災害用電源(蓄 ...
続きを見る
-
『BALDR 120Wソーラーパネル』レビュー!災害・停電・アウトドアにはうってつけ
地震や台風などの災害時に電気が使えなくなることが心配... キャンプなどアウトドアの際に、スマホやタブレットを充電できるガジェットが欲しい! 日本は災害大国であり、地震や台風、津波、大雪など、毎年多く ...
続きを見る