世界中で数多くのモバイル端末をリリースしてきたOnePlus(中国)は、同ブランドの最新スマートフォンである『OnePlus 12』を2023年12月より販売開始した。
記事執筆時点で以下の4モデルが販売されている。
- 12GB RAM +256GBストレージ:4,299元(約85,800円)
- 16GB RAM +512GBストレージ:4,799元(約95,800円)
- 16GB RAM +1TBストレージ:5,299元(約105,700円)
- 24GB RAM + 1TBストレージ:5,799元(約115,700円)
Snapdragon 8 Gen 3搭載、最大24GBのLPDDR5X RAM搭載、最大1TBのUFS 4.0ストレージ内蔵といった優れたスペック構成に対して、比較的リーズナブルな価格を実現した高コストパフォーマンスなハイエンドAndroidスマートフォンとなっている。
今回、提携先より本製品(12GB RAM +256GBストレージモデル)を提供していただいたので、実際に使用した感想を基にレビューしていきたいと思う。
ブランド | OnePlus |
モデル名 | OnePlus 12 |
カラー | 蒼緑、留白、岩黒 |
防水防塵 | IP65 |
ディスプレイサイズ | 6.82インチ AMOLED |
解像度 | 3,168×1,440(QHD+ ) |
リフレッシュレート | 最高120Hz |
OS | ColorOS 14(Android 14ベース) |
CPU(SoC) | Qualcomm Snapdragon 8 Gen 3 オクタコアプロセッサー |
RAM | 12GB/16GB/24GB LPDDR5X |
ストレージ | 256GB/512GB/1TB UFS 4.0 |
SIMカード | デュアル nanoSIM対応 |
マイクロSDカード | 非対応 |
搭載カメラ | フロント:32MP リア:3眼カメラ(50MPメイン + 64MP望遠 + 48MP超広角) |
スピーカー | ステレオスピーカー内蔵 |
USBポート | USB Type-C 3.2 Gen 1 |
生体認証 | 指紋認証(画面内)・顔認証 |
バッテリー容量 | 5,400mAh(100W急速充電対応)50Wワイヤレス充電対応 ※10Wワイヤレスリバースチャージ対応 |
対応通信規格 | Bluetooth 5.4 IEEE 802.11 a/b/g/n/ac/ax/be (Wi-Fi 7) NFC GPS 5G |
対応バンド | GSM:850/900/1800MHz CDMA:BC0 WCDMA:Bands 1/4/5/8 LTE FDD:Bands 1/3/4/5/7/8/18/19/20/26/28A/66 LTE TDD:Bands 34/38/39/40/41 5G NR:n1/n3/n5/n7/n8/n20/n28A/n38/n40/n41/n77/n78/n66 |
本体サイズ | 164.3×75.8×9.15mm |
本体重量 | 約220g |
OnePlus 12はSnapdragon 8 Gen 3を搭載しており、約8.9万円~という10万円切りの価格でありながらも明るいディスプレイや大容量バッテリー、ペリスコープ望遠レンズなどを搭載している。
50MP SONY LYT-808をメインカメラとしており、64MPペリスコープ望遠カメラでは3倍光学ズームが可能。
競合となるXiaomi 14 ProはOnePlus 12より高いにもかかわらずペリスコープ望遠を搭載していないため、テレマクロ撮影や遠景撮影が多い方にはOnePlus 12の方がおすすめだ。
Hasselbladとのコラボも継続し、自然な色味の写真を撮影できる。
▼カメラ周りは時計をイメージした意匠となっている。
LPDDR5Xメモリ、UFS 4.0ストレージを搭載し、最大構成では24GBメモリと1TBストレージを搭載している。
9,140m㎡のベイパーチャンバーを搭載したことで、放熱性能も向上。
ディスプレイは6.82インチ3168×1440解像度で、ピーク輝度はついに4500nitに。あくまでピーク時のため実用面では1500nitほどになると思いますが、屋外でもかなり見やすいと思われる。
BOE X1発光材料を使用し、発光効率がよく消費電力が少ないそうだ。
OnePlus 12は5400mAhもの大容量バッテリーを搭載。100W有線充電と50Wワイヤレス充電に対応しており、有線なら26分で満充電可能となっている。
1600サイクルの充電後でもバッテリー寿命は80%以上を保てるとのこと。
USB 3.2 Gen 1ポートを採用し、USB Type-Cケーブル一本でモニターなどに映像出力できるようになった。データ転送も高速で快適だ。
IP65防水防塵で、水しぶきがかかっても問題ない。IP68でないことは残念だが、コスト削減のためには仕方が無いだろう。
製品本体および付属品
▼外箱の様子
▼内容物をすべて取り出した様子
内容物一覧は以下の通り。
【内容物一覧】
- スマートフォン本体
- スマホケース
- ユーザーマニュアル
- ブランドシール
- 電源アダプタ
- USB Type-Cケーブル
- SIMカードピン
▼付属の充電アダプタ。100W給電に対応。
▼専用のスマホケースが付属。
スマホ本体
▼スマホ本体の外観。164.3×75.8×9.15mm、約220gの筐体サイズ。
▼前面中央には32MPのフロントカメラを内蔵。
▼背面の様子。
▼背面上部には3眼カメラ(50MPメイン + 64MP望遠 + 48MP超広角)を搭載。
▼筐体背面はツルツルしており、肌触りは良好。ただし指紋などが目立ちやすい。
▼持ち運びに適したサイズ感と重量。
▼厚みは9.15mmと薄く、ポケット等に入れて持ち運んでも支障にならないだろう。
続いて、インターフェースについて見ていく。
▼本体右側面。電源ボタンと音量調節ボタンが用意。
▼左側面にはアラートスライダーが搭載。アラートスライダーは、マナーモード・サイレントモードへ即座に切り替えられる優れモノ。
▼筐体上部には赤外線ポートが搭載されており、家電のリモコンとしても使える。
▼下部にはUSB Type-C 3.2 Gen 1ポート、カードスロット、そしてスピーカーが内蔵されている。
▼付属のピンを用いてスロットを開き、デュアルnanoSIMカードの挿入が可能。
AnTuTuベンチマークテスト
本機について、スマホ・タブレット端末の性能を測ることのできる『AnTuTuベンチマークテスト』を実施してみた。
▼Android端末におけるAnTuTuベンチマークテストの実施方法はコチラを参照
-
Android端末でAnTuTuベンチマークテストを行う超簡単な方法(2023年時点)
スマートフォン・タブレットなどのモバイル端末のスペック(スコア)を計測することのできるツールとして、『AnTuTu Benchmark』(アンツツ ベンチマーク)というものがあります。 AnTuTuと ...
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結果として、約182万点のスコアを記録することが出来た。
以前紹介した、同ブランドの旧モデル「OnePlus Ace 2」(約112万点)を超える非常に高いスコアを記録した。
ウェブサイト閲覧や動画視聴はもちろん、『原神』を含めた激重ゲームアプリでも問題なく快適に遊ぶことのできる性能の高さだ。
価格相応のパフォーマンスを実現出来ていると言える。本格的なゲーミング用のスマホを探している方にも間違いなくオススメできるハイエンドモデルである。
それでは以下から、実際に使用した感想について紹介していく。
QHD+ ・120Hzの美しく滑らかな描画のエッジディスプレイ
本機のディスプレイは3,168×1,440(QHD+ )解像度、最高120Hzの高リフレッシュレートに対応しており、美しく滑らかな映像を楽しむことが可能だ。
▼リフレッシュレートは設定アプリより切り替えることが出来る。
▼解像度も切り替えが可能。バッテリー残量に応じて自動的に調整を行う機能も用意されている。
▼ウェブサイト閲覧時、細かい文字まで明瞭に表示され見やすい。ページスクロールもなめらかで心地よい。
最高120Hzの高リフレッシュレートで描画される映像は実に滑らかで、ストレスなく操作できる。
▼ディスプレイの発色が良く、ゲームや映画、アニメなどでもカラフルな映像を楽しめる。
また、エッジディスプレイ(曲面スクリーン)により、縁ギリギリまで映像が描画される。
ゲーミングや映像視聴をメイン目的にスマホの購入を検討している方でも、満足度の高い体験が可能だろう。
ほぼ全ての作業をスムーズにこなせる性能
本機のパフォーマンスを確認すべく、ウェブサイト閲覧時・動画視聴時の動作について検証した。
ウェブブラウジングは基本的に快適であり、画像が多めのサイトや、処理の重いサイトであっても スムーズに閲覧することが出来た。
▼ほとんどのウェブサイトが一瞬で表示される。
また、YouTubeやネットフリックスなどの動画サイトを閲覧した場合においても、スピーディかつ滑らかな動画再生が可能であった。
▼最高画質の美しい映像を、スムーズに視聴することが出来る。
▼実写からアニメまで、実にカラフルな発色の映像を楽しめる。
▼画面の色温度も自由に調節可能。
また、WidevineはL1サポートとなっており、Amazon PrimeビデオやHuluなどのサイトにおいて高画質設定の映像を楽しめる。
以上の通り、ウェブサイト閲覧や動画視聴においては、何の問題もなく快適に行うことが出来た。
サウンド品質はそこそこレベル
本機のスピーカーについて、音質を確認してみた。
本製品にはステレオスピーカーが内蔵されており、音質はそこそこレベルと言える。
音に立体感はなく、低音もあまり響かないものの、中~高音域に関してはクリアなサウンドを楽しむことができる。
普通にアニメや映画を視聴したり、音声通話を行うぶんには全く支障のないレベルとなっている。
優れたカメラ性能
本機に搭載されているカメラの性能について確認した。
▼実際にフロント(前面)カメラで撮影した画像。
フロントカメラに関して、画質は実に良好であり、全体的に明るく、ヒトの輪郭から表情までクリアに映し出すことが出来ていた。発色も自然で肉眼で見た場合に近い。激しく動いても気になるレベルの残像は発生しないため、見づらさを感じることもかなった。
自撮りだけでなく、ウェブ会議や授業など、オンライン通話用途に利用しても問題のない品質だ。
▼リア(背面)カメラで撮影した画像。
▼屋外撮影(1倍)
▼屋外撮影(3倍)
▼屋外撮影(60倍)
▼屋外撮影(120倍)
以上の通り、3眼カメラ(50MPメイン + 64MP望遠 + 48MP超広角)を搭載していることもあり、近景から遠景にいたるまで非常に明瞭で美しい写真を撮影できた。旅行や記念撮影用のカメラとしても十分に活用できる品質となっている。
ゲーミング性能の確認
本機を用いて各種ゲームアプリを遊んだ際のパフォーマンスについても確認していく。
『統合版マインクラフト(旧PE)』プレイ時
まずは『統合版マインクラフト(旧PE)』の場合について。
ワールドを作成して実際にプレイしてみたが、スムーズで快適に操作することが出来た。
▼チャンク読み込み時にも全く重さを感じない。
▼処理の重くなりがちなバイオームでも、フレームレート低下やカクつきを感じることは無かった。
クリエイティブやサバイバル、またはマルチサーバーに参加した際などにも、パフォーマンスは非常に安定しており終始スムーズなゲーミングが可能であった。
多くのアドオンを導入したり、友人らと多人数マルチサーバーに参加した場合でも、スムーズな動作を実現することが出来るだろう。
『PUBG』プレイ時
続いて『PUBG』の場合について。
まずグラフィッククオリティに関しては、現時点で最高設定の『ウルトラHDR』までを選択することが出来た。
▼フレーム設定はウルトラを選択可能。
実際に試合に参加してみたが、大人数のプレイヤーが密集する場所においても、処理落ちやカクつきなどはほとんど生じず、終始快適なゲームプレイが可能であった。
▼近くのテクスチャから遠くの風景まで、美しく描画される。
▼激しく動き回っても、ラグやフレームレート低下などを感じることはほとんどなかった。120Hz高リフレッシュレートのおかげで、全体的に動きが滑らかに描画される。
▼滑らかな描画で鮮明なゲームプレイが可能。遠方も索敵しやすい。
『PUBG』に関しては、満足度の高いゲームプレイが可能であった。
『原神』プレイ時
続いて "激重" ゲームとしても有名な『原神』の場合について。
非常に重いゲームアプリとして有名な『原神』であるが、本機では全く問題なくスムーズにプレイすることが可能であった。
▼画質設定はデフォルト状態で "中(Medium)" に設定されており、デバイス負荷は "スムーズ" の状態。
▼画質設定を "最高(Highest)" まで上げるとデバイス負荷も高まるが、依然としてスムーズな動作が可能であった。
▼最高画質設定の鮮明な描画で、高FPS安定のスムーズなパフォーマンスで原神をプレイすることができた。
▼ゲーミングPC並みの高品質グラフィックで原神を遊べる。
▼激しく動いた場合でもカクつきや遅延を感じることはほとんどなかった。
『原神』クラスの激重ゲームでもこれだけ快適に遊べるのであれば、大抵のゲームアプリはスムーズに動作するだろう。
ゲーミング向け機能が充実
なお、ゲームアプリ起動時にディスプレイ左端をスワイプすると、ゲーミングに適した各種機能を利用できる。
このウィンドウでは、画面録画や各種通知OFF、ゲームパッド設定など、ゲーミングに役立つ多彩な機能にアクセスすることが出来る。
▼着信強制拒否やネットワークアクセラレーション、画面録画、クイックスタートアップまで、非常に豊富な便利機能が用意。
▼ゲーミング中のフレームレート(fps)等もリアルタイムで確認可能。パフォーマンス切り替えもできる。
▼ゲーム映像に関して、より詳細に調整できるGPU設定項目も用意。本格的にいじり倒すことができる。
以上の通り、ゲーミングスマホとしても問題なく活用できるほどのパフォーマンスを発揮するスマホとなっている。
長持ちするバッテリー
本製品には5,400mAhの大容量バッテリーが内蔵されており、長時間の連続利用が可能だ。
実際に満充電の状態から3時間ほどゲームアプリを連続して遊んでみたところ、20%ほどしかバッテリーが減っていなかった。ただし画質などのパフォーマンスに影響を及ぼす設定によっては、バッテリー消費速度は大きく変化する。
▼長時間の連続使用後は、筐体背面がほんのり熱をもつが、心配になるほどの高温ではなかった。
また本製品は最高100W高速充電に対応しており、少しの充電時間で一気にバッテリーを回復できる。
短時間の充電で数時間分のバッテリーを回復できる点は魅力的だ。
▼50Wワイヤレス充電にも対応。置くだけでスムーズに充電できる。
ほかには10Wワイヤレスリバースチャージにも対応しており、他デバイスに対する非常用バッテリーとしても機能するだろう。
『OnePlus 12』のまとめ
今回紹介した『OnePlus 12』について、特長をまとめると以下の通りだ。
良かった点
- 優れたスペック構成とパフォーマンス
- 性能に対して比較的リーズナブルな価格
- 発色の良い120Hz対応ディスプレイ
- 原神レベルの激重ゲーミングアプリも、最高画質設定で快適にプレイ可能
- 高品質3眼構成カメラ内蔵
- 長持ちするバッテリー
- ワイヤレス充電に対応
- 実用的なカメラ性能
悪かった点
- エッジディスプレイの必要性はあまり感じられない
- スピーカー品質はそこそこレベル
- 背面に指紋等の汚れが付着しやすい(ケースの装着を推奨)
以上の通り、182万点超えのAnTuTuスコアを記録する、パワフルな高性能スマホとなっている。
QHD+ 解像度・最高120Hzリフレッシュレート対応のエッジディスプレイにより、滑らかで美しい映像を楽しむことが出来る。また強力なパフォーマンスにより、ゲーミングを含め大抵の作業を快適にこなすことが可能だ。映像視聴やゲーミング目的でスマホを探している方でも、満足度の高い体験が可能だろう。
カメラ性能も優れており、オンライン通話はもちろん、旅行時や記念撮影用カメラとしても十分に活用できる品質だ。
バッテリーの持続時間も延長されており、ワイヤレス充電に対応した点も嬉しい。
これだけのスペックとパフォーマンスを実現しつつ、下位モデルであれば4,299元(約85,800円)というリーズナブルな価格で購入できるのは魅力的だ。
あらゆる用途を快適にこなせるハイエンドスマホを手ごろな価格で求めている場合は、間違いなく選択肢の1つに入れても良いモデルだろう。
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