イヤホンやヘッドホンを数多く手掛けるSoundPEATS(サウンドピーツ)は、同社の最新モデル『SOUNDPEATS Space』をリリースした。
最大123時間連続再生できるバッテリーを内蔵したイヤホンであり、大口径40mmドライバー、ノイキャン対応、マイク内蔵、無線・有線接続のいずれにも対応するなど、6,000~7,000円前後のリーズナブルな価格に対して優れたパフォーマンスを発揮する高性能イヤホンとなっている。
今回、メーカーより本製品を提供していただいたので、実際に使用した感想を基にレビューしていきたいと思う。
ブランド | SOUNDPEATS |
モデル名 | SOUNDPEATS Space |
タイプ | 無線(ワイヤレス)、有線(3.5mmオーディオケーブル) |
型式 | オーバーイヤー型 |
本体操作 | ボタン式 |
ドライバー | 大口径40mmドライバー |
対応プロファイル | A2DP,AVCTP,AVDTP,AVRCP,HFP,HID |
対応コーデック | AAC,SBC |
通信範囲 | 約10m |
Bluetoothバージョン | Bluetooth 5.3 |
マイク | 内蔵(ANC対応) |
最大持続時間 | 約123時間 |
本体サイズ | 165×187×85mm |
本体重量 | 約264g |
バッテリー容量 | 1,000mAh |
充電時間 | 約2時間 |
充電ポート | Type-C |
ノイズキャンセリング機能 | 35dBアクティブノイズキャンセリング(ANC)機能搭載 |
専用アプリ | SOUNDPEATS |
『SOUNDPEATS Space』はアクティブノイズキャンセリング技術を採用し、可聴域で最大35dBというノイズ低減効果を実現。飛行機などの騒音環境下はもちろんのこと、街中やカフェの中など人の声が多い環境でも、ノイズを除去して音楽に没入することができる。トランスペアレントモード(Transparency)も搭載しており、上質なサウンドを維持しつつも、周囲の雑音を自然にフィルタリング、周りの状況に気を配りつつ、音楽を楽しむことも可能だ。
SOUNDPEATS 専用設計の大口径40mmドライバーを採用。繊細な音からダイナミックな音まで、深みのある表現を楽しめる。専用アプリ「SOUNDPEATS」を使用することで、イコライザーを調節したり、プリセットのサウンドモードを選択することが可能。楽曲のジャンルに合わせた設定や、視聴環境に合わせた音作りを簡単に設定できる。
1000mAh大容量のバッテリーを内蔵しており、1回のフル充電で最大123時間の連続使用が可能。音楽再生であれば約1500曲以上聴できる。1日4時間使用した場合、1ヶ月間も使用可能だ。また、付属の3.5 mm オーディオ ケーブルを使用することで有線接続も可能となっている。
オーバーイヤー型のカップと着け心地の柔らかい低反撥ウレタン素材を採用しており、柔軟性と通気性に優れている。装着時も耳への圧迫感やベタつきなどの不快感はない。ヘッドホンのサイズは使用者の頭の形に合わせて調整が可能で、より快適なフィット感を実現している。 約264gと軽量なだけでなく、折りたたみ可能なため、持ち運びにも便利だ。移動時間だけでなく出張や旅行向けとしても最適なヘッドホンとなっている。
製品本体および付属品
▼外箱の様子
▼内容物をすべて取り出した様子。
内容物一覧は以下の通り。
【内容物一覧】
- ヘッドホン本体
- USB Type-Cケーブル
- 3.5mmオーディオケーブル
- ユーザーマニュアル
▼ユーザーマニュアルは日本語にも対応。
機能的かつシンプルなデザイン
ヘッドホン本体はスタイリッシュなデザインとなっている
▼本体は約264gと非常に軽く、筐体素材も手触りが良い。
▼イヤーカップ部分を90度展開することで、使用可能形態となる。
▼着け心地の柔らかい低反撥ウレタン素材を採用したイヤーカップは、柔軟性と通気性に優れており、長時間装着し続けてもストレスを感じないよう設計されている。
▼頭の大きさに応じて、アームは0~3cmほどの範囲で長さを調節可能。
続いて、搭載インターフェースについて紹介していく。
▼左耳側にアクティブノイズキャンセリング(ANC)ボタン、および充電用のType-Cポートが用意。
▼右耳側に電源ボタン、音量調節ボタン、3.5mmオーディオジャックが用意。
各ボタンを押す時間や回数に応じて、様々な機能を利用できる。
▼操作と機能一覧
再生/一時停止 | ヘッドホンの電源ボタンを1回押す |
音量- | ヘッドホンの「音量-」ボタンを1回押す |
音量+ | ヘッドホンの「音量+」ボタンを1回押す |
次の曲 | ヘッドホンの「音量+」ボタンを1秒間押し続ける |
前の曲 | ヘッドホンの「音量-」ボタンを1秒間押し続ける |
電話を受ける/切る | ヘッドホンの電源ボタンを1回押す |
着信拒否 | ヘッドホンの電源ボタンを1.5秒間押し続ける |
ペアリングモードに入る | 「音量+」ボタンと「音量-」ボタンを同時に5秒間押し続ける |
端末の音声認識アシスタント機能(Siri/Google)を起動 | ヘッドホンの電源ボタンを2回押す |
ゲームモードON/OFF | ヘッドホンの電源ボタンを3回押す |
ANC ON/トランスペアレンシーモード/ノーマルモード切替 | ヘッドホンのANCボタンを1回押す |
操作と対応する機能を憶えるのは大変かもしれないが、慣れれば複数の機能へ瞬時にアクセスできるようになる。
有線・無線接続に対応
本製品は有線・無線(ワイヤレス)接続のいずれにも対応している。
有線接続の場合、付属の3.5mmオーディオジャックでヘッドホンとデバイスとを接続するだけで、瞬時に利用可能状態となる。
無線(ワイヤレス)接続の場合、電源がオフの状態でヘッドホンの電源ボタンを5秒間長押しすることで、ペアリングモードに入る。
▼ペアリングモード中、インジケータが青色・赤色に点滅する。
するとデバイス上で『SOUNDPEATS Space』が検出される。
▼スマホ画面
あとはペアリング(接続)を完了することで、ヘッドホンの利用が可能になる。なお、Bluetooth接続の場合は最大2デバイスに対するデュアル接続に対応している。
わずか2ステップのシンプルな手順でワイヤレス利用を開始できるため、デバイスの扱いに慣れていない方でも問題なく利用できるだろう。
用途や場面に応じて、接続方法を切り替えると良いだろう。
快適な装着感
実際にヘッドホンを装着してみた。
着け心地の柔らかい低反撥ウレタン素材を採用したイヤーカップは、柔軟性と通気性に優れており、長時間装着し続けても蒸れたり、耳が痛くなるなどの不快感は生じなかった。
頭頂に当たる部分も柔らかく、ズレ落ちないよう強めに装着しても、痛みや圧迫感を感じることはほとんどなかった。
実に快適な装着感を実現出来ていると感じた。
深みのある音を楽しめる
実際に様々な楽曲を再生して、音質を確認してみた。
音質自体は良好であり、価格以上のサウンド品質を実現出来ていると感じた。
中~高音域はクリアに響き渡り、解像度の高い音を楽しめる。爽快に響き渡る一方で、耳がキンキンと痛くなるような不快感は無く、長時間聴き続けていても疲れやストレスを感じることはなかった。ホワイトノイズ等も特になく、高音でも割れることはなかった。
低音もそこそこ素晴らしい響きを聴かせてくれて、EDMなどのズンズン響き渡る楽曲から映画まで、深みと迫力のあるサウンド体験が可能であった。
また、ボリュームを上げても、装着中の音漏れはそこまで気になるレベルではない。外出先でも安心して利用できるだろう。
1万円未満の比較的リーズナブルなヘッドホンの中でも、優れたパフォーマンスを発揮するモデルだと言える。
ヘッドホンから様々な操作が可能
前述した通り、本製品はイヤーカップに用意されている物理ボタンを押すことで、様々な機能へ瞬時にアクセスできる。
▼ボタンが大きいので、押しやすい。
▼操作と機能一覧
再生/一時停止 | ヘッドホンの電源ボタンを1回押す |
音量- | ヘッドホンの「音量-」ボタンを1回押す |
音量+ | ヘッドホンの「音量+」ボタンを1回押す |
次の曲 | ヘッドホンの「音量+」ボタンを1秒間押し続ける |
前の曲 | ヘッドホンの「音量-」ボタンを1秒間押し続ける |
電話を受ける/切る | ヘッドホンの電源ボタンを1回押す |
着信拒否 | ヘッドホンの電源ボタンを1.5秒間押し続ける |
ペアリングモードに入る | 「音量+」ボタンと「音量-」ボタンを同時に5秒間押し続ける |
端末の音声認識アシスタント機能(Siri/Google)を起動 | ヘッドホンの電源ボタンを2回押す |
ゲームモードON/OFF | ヘッドホンの電源ボタンを3回押す |
ANC ON/トランスペアレンシーモード/ノーマルモード切替 | ヘッドホンのANCボタンを1回押す |
操作と対応する機能を憶えるのは大変かもしれないが、慣れれば複数の機能へ瞬時にアクセスできるようになる。
接続中のデバイス側をいちいち操作する必要が無い点は非常に便利だ。
ノイキャン・トランスペアレンシーモードの切り替えに対応
また、ANCボタンを押すことでトランスペアレンシーモード / ANCモード / ノーマルモードを瞬時に切り替えられる。
トランスペアレンシーモードでは、外部音を取り込みつつ音楽を楽しめる。周囲の環境音に気を配りつつ音楽を視聴したい場合にはうってつけだ。
逆にANCモードをオンにした場合は、外部音を高度にシャットアウトして、騒音や環境音を気にせずにヘッドホンからの音のみに集中することが可能となる。ANCのレベルは高く、就寝中の耳栓としても利用できるだろう。
使用する場面やその時の気分に応じて、これらの機能をスムーズに使い分けることができるのは実用的であると言える。
公式アプリから詳細なカスタマイズが可能
本製品は公式アプリとの連携に対応しており、アプリ上で様々なパラメータの調整を行うことができる。
SOUNDPEATS
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デバイスにアプリをインストールして起動すると、ペアリング中のヘッドホンが表示される。
アプリ上ではイコライザーの調整や、ノイズキャンセリングモードの切り替え、ゲームモードの切り替えなどを行うことができる。
▼ゲームモードを有効化することで、低遅延のサウンドを楽しめるようになる。コンマ数秒の反応を求められるゲーミングにはうってつけの機能だ。
▼イコライザーによる詳細なカスタマイズも可能。
また、イコライザーを細かく調節するのが面倒な方向けに、複数のEQプリセットも用意されている。
EQプリセットでは、低音抑制や低音強調、ヒップホップ、クラシックなど、視聴する音楽種別に最適なサウンド環境をワンタッチで実現することが出来る。
選択するプリセットによって全く異なる傾向のサウンドを楽しむことが出来る。しかも微々たる違いではなく、同じ楽曲でも体験がガラリと変わるほど、各プリセットが差別化されていた。
音響にあまり詳しくない方にとって、イコライザーをイジるのは敷居が高い。しかしアプリ上でプリセットが用意されていることにより、音の変化を気軽に楽しめるのは優れた機能であると感じた。なお、どの設定が最適か分からない場合は、「アダプティブイコライザー機能」を利用して自動調整を行ってもらっても良いだろう。
長時間持続するバッテリー
本製品はフル充電状態から最大123時間の連続使用が可能と謳っている。
実際に使用してみたところ、1日に3時間ほどの頻度で使用するケースでは、約1ヶ月間は充電せずに利用し続けることが可能であった。いちいち充電残量を気にせずに使用し続けられる点は非常に嬉しい。外出先に持参しても、安心して利用できるだろう。
また、バッテリー残量が低下した場合はType-Cポート経由で、わずか2時間ほどで満充電を完了できる。充電器に繋いでおく時間が短く済む点も素晴らしい。
▼Type-Cポートがケース下部に位置しており、充電時にデスク上へ置きやすい点もGOOD。
『SOUNDPEATS Space』のまとめ
今回紹介した『SOUNDPEATS Space』について、特長をまとめると以下の通りだ。
良かった点
- 性能に対してリーズナブルな価格
- シンプルかつスタイリッシュな外観
- 物理ボタンで様々な機能へ瞬時にアクセス可能
- ペアリングが簡単(スムーズ)
- マルチポイント接続に対応
- 快適な装着感
- 優れた音質
- ANCモード/トランスペアレンシーモードのスムーズな切り替えが可能
- アプリ経由で様々な調節が可能
- 長持ちするバッテリー
悪かった点
- 電源を切る際の、押し続ける時間が長い(5秒間)
以上の通り、価格以上のパフォーマンスを発揮するヘッドホンとなっている。
1万円未満のリーズナブルな価格に対して音質が優れており、特に中~高音域に関しては満足度の高いサウンド体験が可能だ。中~高音域が爽快に響き渡る一方で、耳がキンキンと痛くなるような不快感は無く、長時間聴き続けていても疲れやストレスを感じることはなかった。ホワイトノイズ等も特になく、高音でも割れることはなかった。
装着感も快適で、長時間使用し続けても耳が痛くなったり、蒸れたりすることはなかった。
バッテリー持続力も非常に優れており、一般的な利用頻度であれば1ヶ月ほど充電しなくても済む。
そしてアプリとの連携に対応しており、様々な音質調整を行うことが出来る点も嬉しい。
1万円未満では最高クラスのコスパを発揮するモデルといっても過言ではないだろう。安価で性能の良い完全ワイヤレスヘッドホンを探している方には、是非オススメしたい製品だ。
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