シャープ(SHARP)が販売する調理用電化製品の中でも、特に人気のある製品が『シャープ ヘルシオ ホットクック』だ。
鍋の中に材料を入れてスイッチを押すだけで、自動的に調理を行ってくれる自動調理器(オートクッカー)であり、かきまぜも火加減調整も全自動で行ってくれる便利ツールだ。
今回、提携先より本製品(KN-HW16F-R)を提供していただいたので、実際に使用した感想を基にレビューしていきたいと思う。
ブランド | シャープ(SHARP) |
型名 | KN-HW16F |
容量 | 1.6L(2~4人分) |
設定温度 | 35~90℃ |
電源 | AC 100V 50-60Hz 共用 |
定格消費電力 | 600W |
最大予約設定時間 | 15時間 |
メニュー集掲載数(内蔵) | 142(自動メニュー130/手動メニュー12) |
保温 | 最大12時間 |
電源コード長 | 約1.4mm(マグネットプラグ方式) |
外形寸法 | 35.4×28.3×23.2cm |
本体重量 | 約5.2kg |
▼公式紹介動画
今回紹介する『シャープ ヘルシオ ホットクック』は、材料を入れてボタンを押すだけで、自動的に調理を行ってくれるオートクッカーだ。なお、今回のレビューでは2021年に発売されたモデル「KN-HW16F」を使用しているが、現時点(記事執筆時点)では後継モデルとして「KN-HW16G」が販売されている。また、以下の3種類の容量のモデルが販売されている。
▼サイズはKN-HW16Fのもの。
KN-HW10G/F | KN-HW16G/F | KN-HW24G/F |
1~2人向け | 2~4人向け | 2~6人向け |
ホットクックの使い方は非常に簡単。材料を入れて、ボタンを押すだけ。あとはおまかせで、ふたを開ければおいしいごはんができている。
食材に含まれる水分を活用して調理する「無水調理」に対応しており、おいしさが凝縮し「甘み」が多く残り、食材本来のおいしさが味わえる。さらに抗酸化作用のあるビタミンC、葉酸などの栄養素もより多く残る。例えば煮込み料理なども、普段お鍋で作る時より薄めに味付けしても、素材の味を活かしておいしく仕上げることが可能となっている。
「まぜ技ユニット」が付属しており、かきまぜや、火加減まですべて自動でコントロールしてくれる。焦げてしまいがちなカレーやシチュー、さらに無水で調理するメニューまで、ほったらかしでも上手に調理。加熱しながら、か き混ぜることにより、中までしっかり味がしみ込み、おいしく仕上がる。
▼低音調理、焼き物、蒸し物など、非常に幅広い料理に対応。
さらに、食材の衛生面に配慮しながら、最大15時間の予約調理が可能。 出かける前にホットクックに食材をセットしておけば、帰宅後すぐ にアツアツの夕食が食べられる。また、夜セットしておけば、朝 起きてすぐに温かいみそ汁やスープを食べることも可能だ。
製品本体および付属品
▼外箱の様子
▼内容物をすべて取り出した様子。
内容物一覧は以下の通り。
【内容物一覧】
- ホットクック本体
- 内鍋
- 蒸しトレイ
- メニュー集
- 取扱説明書
- 電源ケーブル
- まぜ技ユニット
付属品一覧
▼メニュー集が付属。ホットクックに搭載されている調理メニューを確認できる。
▼調理設定から必要な材料まで、すべて記載されている。
▼食材を混ぜるための「まぜ技ユニット」。
▼調理時には足が自動的に開閉して、最適な塩梅で食材をかき混ぜてくれる。
▼電源ケーブルはマグネットプラグ方式。
▼蒸し調理を行うための「蒸しトレイ」も付属。
ホットクック本体
▼ホットクック本体の外観。今回のレビュー時には「KN-HW16F」(1.6Lモデル)を使用している。
▼1.6Lモデルのサイズは35.4×28.3×23.2cm、重さは約5.2kgであり、少し大きめの炊飯器と同程度のサイズ感。
▼キッチンに設置した様子。艶のある滑らかなフォルムのため、キッチンの景観にこだわる方でも抵抗感なく設置できるだろう。
▼上部にはディスプレイと各種操作ボタンが搭載。
▼上部の両端には取っ手が付いており、持ち運び時に便利。
▼正面から見た様子。
▼右側面の様子。
▼左側面の様子。
▼左側面下部には電源端子が用意。
▼背面の様子。
▼フタを開けた様子。
▼フタ上部には内ぶたが装着されている。取り外して洗うことが可能。
▼内鍋を取り出した様子。
▼内鍋の内側には目盛り線が印字されており、炊飯器のように米を炊くことも出来る。
▼1.6Lサイズの内鍋は約560g、2.4Lサイズでも約680gと非常に軽く、フッ素コート加工のため汚れも落ちやすく、非常に手洗いがしやすい。
まぜ技ユニットの取り付け方法
付属の「まぜ技ユニット」を取り付けることで、食材をまぜる必要のある調理を行うことが出来る。
まずまぜ技ユニットのロックを解除する。
続いて、内ぶた中央の穴に、まぜ技ユニットの出っ張りをはめる。
最後にレバーを押してロックすれば、装着は完了だ。
ここで注意したいのは、まぜ技ユニットのアームは閉じた状態でフタを閉める必要があるという点だ。アームは調理中に自動で開閉するので、ユーザーが手動で開ける必要は無い。
▼これはダメなケース。ユニットのアームを手動で出した状態にすると、ホットクック本来の調理効果を発揮できないので注意したい。
必ず、まぜ技ユニットのアームを閉じた状態で調理を開始しよう。
インターネット接続&スマホアプリと連携
ホットクックの利用を開始する前に、インターネット接続&スマホアプリとの連携を完了しておこう。
まずホットクックの電源ケーブルをコンセントに繋ぐことで、電源がONになりディスプレイが表示される。
▼操作ボタンでメニュー画面を操作可能。
メニュー画面の「設定」⇒「無線LAN設定」より、Wi-Fi接続設定を開始できる。
このとき、スマホ側には公式アプリ「COCOROHOME」をインストールしておこう。
インストール後、アプリを起動するとホットクックとのペアリング画面が出現するので、画面の手順に従って接続を完了しよう。
ペアリング完了&インターネット接続完了後、アプリ上でホットクックの状態を確認できるようになる。
アプリからレシピをダウンロード可能
本製品では、最初から内蔵されているレシピに加えて、アプリ経由で新たなレシピをホットクック内へダウンロードすることができる。
▼アプリでホットクック対応のレシピを検索。
▼製品付属のレシピ本と同様に、必要な食材や手順がすべて記載されている。
レシピ上の「ホットクックに送信」ボタンをタップすることで、ホットクックにレシピが転送される。
▼ダウンロードしたレシピは「ダウンロードメニュー」より確認できる。
レシピは常に新しいものが追加されており、公式が提供するものはもちろん、一般ユーザーが提供しているものもある。人気順でのソートも可能であり、新しい料理のレパートリーを増やしていくことが可能となっている。
実際に調理を行ってみた
実際にホットクックを利用して、いくつかの調理を行ってみた。
① 無水カレー
1つ目に、水の追加が不要で、食材に含まれる水分のみで調理できる「無水カレー」を作ってみた。
まずはレシピ本に記載されている食材を用意する。
▼一般的な食材のみで、特別なものは何もない。
続いてホットクックに内鍋をセットし、まぜ技ユニットを取り付ける。
▼上述した通り、まぜ技ユニットはアームを収めた状態で装着しておく。
そして用意しておいた食材を、そのまま内鍋に投入する。
▼トマト投入。
▼たまねぎ投入。
▼鶏肉&セロリ投入。
▼カレールー&にんにく&ショウガ投入。
これだけで調理準備は完了だ。
そして本体メニュー画面より「無水カレー」を選択。
「調理を開始する」を選択すれば、調理が開始される。
あとは調理が完了するまで、放置しておけば良い。
▼調理中はディスプレイに残り時間が表示される。
調理中の音は実に静かであり、そばに耳を近づけると、コトコトという加熱音と、まぜ技ユニットが食材をかき混ぜる小気味の良いグルグル音がわずかに聴こえる程度だ。
▼静音性に優れており、真夜中に調理を行っても全く問題ない。
▼上部後方の穴からは、たまに水蒸気が噴出する。噴出孔を塞がないように注意したい。
近くにいても熱気はほとんど感じられず、ホットクック本体を触れると温かい微熱を感じる程度。
▼火傷するほどの熱は発生しないため、小さな子供のいる家庭でも安心して利用できるだろう。
調理が完了すると、電子音とAIボイスで出来上がったことを知らせてくれる。
▼ペアリング中のスマホにも、通知が届く(画像は別の調理の場合)。
フタを開けてみると、見事なカレーが出来上がっていた。
▼鶏肉にはシッカリと熱が通っており、ほろほろと柔らかい。
▼たまねぎもトロトロに仕上がっている。
▼盛り付けた様子。
実際にホットクックで調理した無水カレーを食べてみたところ、一般的なカレーとは比べ物にならないほど野菜の旨味が凝縮されており、非常においしかった。
▼トマトの甘みが逃げず、カレーに完全に溶け込んでおり、甘口でもないのに結構な甘さを感じる。
▼鶏肉にも完全に火が通っており、箸で掴むとホロホロと崩れてしまうほど柔らかく仕上がっていた。
このように、食材を投入する ⇒ レシピを選択 ⇒ 調理ボタンを押して出来上がるまで放置 といった手順のみで、今までで最高クラスと言っても過言ではないほどおいしいカレーを作ることが出来た。
恥ずかしながら筆者は料理が非常に不得手であり、チャーハンすら作れないレベルだ。しかしこのホットクックさえあれば、まるで玄人が作ったかのような料理を自分で作れてしまった。
食材をまぜるのは全自動であり、火を使わず、熱加減も自動調整してくれるため、調理中にキッチンに居る必要が無い。ゲームや仕事をしていれば気づいたら出来上がっているため、まるで専属シェフがいるような気分になる。
「一人暮らし時代にホットクックさえいてくれれば...」と思えてしまうほど、素晴らしい料理を食べることが出来たのであった。
▼なお、あたため直しの機能も用意されており、冷めてしまっても再度温かい料理を食べられる。
② パスタ料理
続いてパスタ料理にも挑戦。
無水カレーの場合と同じく、レシピ本に記載の食材を内鍋に入れていく。
▼ペペロンチーノを作ってみた。
▼パスタ(乾麺)もそのまま入れればいい。
あとはフタを閉め、メニューより「ペペロンチーノ」を選んで調理開始だ。
▼出来上がりの様子。
パスタの場合も、麺がシッカリと程よい塩梅で茹で上がっており、硬すぎず、柔らかすぎず、ちょうど良い歯ごたえに仕上がっていた。
味ももちろん素晴らしく、今までに自分が作ったパスタの中でも間違いなく最高の出来であった(今回は自分ではなくホットクックの作品だが...)。
▼トマトパスタを作った場合も同様に、美味しく作ることが出来た。
パスタの場合も、自分で水茹でする必要が無いため、茹でる時間を気にしたり、水の吹きこぼれを心配する必要が無く、非常にラクに調理を完了することが出来た。
③ 豚の角煮
最後に、一般的に調理が面倒で難しいと考えられがちの「豚の角煮」を作ってみた。
豚の角煮と言えば圧力鍋を使うことが一般的だが、圧力調理に対応していないホットクックでも調理することができる。
▼食材を投入して「豚の角煮」を選択。
▼約1時間の調理後の様子。
豚の角煮を調理した場合、まるで圧力鍋で調理したように豚肉が柔らかくなっていた。
▼内部までシッカリと熱が通っており、旨味も染み込んでいる。
角煮を口に入れてみると、肉汁が口いっぱいに溢れてきて、肉の柔らかさとコリコリとした触感を楽しむことが出来た。
このように、圧力調理に対応していないホットクックでも、豚の角煮などの料理を高いクオリティで作れるようになっている。
メンテナンス(洗い物)がラク
上述したように、本製品の内鍋は非常に軽いため、洗い物の際に腕が疲れづらくて助かる。
▼同サイズの炊飯器の内釜よりも圧倒的に軽い。
そしてフッ素コート加工のため汚れも落ちやすく、非常に手洗いがしやすい。
▼油を多用する調理後でも、洗剤で軽く注ぐだけで簡単に汚れが落ちる。
その他のパーツ(内ぶた、蒸気口カバー、まぜ技ユニット、つゆ受け)などに関しても、素手で簡単に取り外してそのまま水洗いできる。
調理もラクだが、後片付け(洗い物)も実にラクな点が、本製品の大きなメリットの一つだ。
『シャープ ヘルシオ ホットクック』のまとめ
今回紹介した『シャープ ヘルシオ ホットクック』について、特長をまとめると以下の通りだ。
良かった点
- スタイリッシュなフォルム
- 扱い方が簡単
- 多彩な調理レシピが用意
- レシピ本が付属
- 公式アプリ経由で新しいレシピをダウンロード可能
- 食材を入れて放置するだけで簡単に調理できる
- いずれの料理でも、出来上がりが非常においしい
- 調理中にキッチンに居なくても良いため、自分の時間が増える
- 後片付け(水洗い)がラク
悪かった点
- 特に無し
以上の通り、食材を投入する ⇒ レシピを選択 ⇒ 調理ボタンを押して出来上がるまで放置 といった手順のみで、誰でも簡単においしい料理を作ることが出来る超便利なオートクッカーとなっている。
筆者のような料理のド素人でも、食材さえ用意出来れば、あとはホットクックが勝手に調理してくれる。調理中はキッチンに居る必要が無いため、出来上がりまでの時間を自由に使うことが出来る点が嬉しい。調理の予約も可能なため、多忙な主婦やサラリーマンにとっては実に助かるだろう。
購入時点で100種類以上のレシピが内蔵されているほか、公式アプリ経由で新たなレシピを自由にダウンロード可能。常に最新の料理を試せるため、料理のレパートリーをどんどん増やすことが出来る。
そしていずれの料理も出来上がりのクオリティが非常に高く、個人的には、もはやプロ並みといっても良いほど美味しい料理の数々を自宅で堪能できた。
料理だけでなく、使用後の片付け(洗い物)もラクなため、後処理がめんどくさくなって三日坊主でオートクッカーの使用をやめてしまった...といった事態には、よほどのことが無い限りならないだろう。
「料理の手間を減らしたい...」「料理下手な自分でも自宅で美味しいものが食べたい...」という方々には、もはや必須レベルのオートクッカーであると断言できる。
本当にこんな器具で美味しく出来上がるのか?と疑心暗鬼になっている方は、ぜひホットクックの威力を直に確かめてみてほしい。
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