富士フイルムがリリースしたチェキ(インスタントフォトシステム)の中でも、圧倒的に大きな人気を誇っているのが「INSTAX mini Evo」だ。
INSTAX mini Evoはチェキ最上位機であり、カードサイズのミニフォーマットフィルムを使用して、撮影した写真をその場でプリントアウト(現像)することが可能。スマホによる写真撮影が一般的となった昨今において、そのアナログ感が若者のあいだで大きな注目を集めている。
今回は、2023年6月29日にリリースされた「INSTAX mini Evo」の新モデル(ブラウン色・Type-Cポート搭載)について、提携先より提供していただいたので、実際に使用した感想を基にレビューしていきたいと思う。
メーカー・ブランド | 富士フイルム株式会社 |
モデル名 | instax mini Evo |
カラー | ブラウン(2023年新モデル) |
露光画素数 | 1600×600ドット(スマホアプリからの印刷時は、800×600 ドット) |
露光解像度 | 25 ドット / mm × 12.5 ドット / mm (635×318 dpi、40×80 μmドットピッチ) スマホアプリからの印刷時は、12.5 ドット / mm (318 dpi、80 μmドットピッチ) |
インターフェース | Bluetooth Ver.4.2 (BLE) |
露光階調 | RGB各色256階調 |
プリント可能画像フォーマット | 本機で撮影したJPEG画像 |
プリント出力時間 | 約16秒(起動直後にinstax-Richモードを使用して印刷する場合は、7秒プラスされます) |
プリント機能 | 内蔵メモリー内の画像+メモリーカード内の画像をプリント可能 |
リプリント | プリント履歴に保存されている画像(50枚まで)について、再プリント可能 |
スマートフォンアプリ連携機能 | スマートフォン画像プリント機能、リモート撮影機能、 プリント画像転送機能、バージョンアップ機能 |
外部インターフェー | USB Type-C(2023年新モデル) |
電源 | リチウムイオン電池(内蔵型:取り外し不可) |
プリント可能枚数 | 約100枚(フル充電から) |
充電時間 | 約2~3時間 |
使用フィルム | 富士フイルム インスタントフィルム instax mini(別売) |
フラッシュ | オートフラッシュ / 強制発光 / 発光禁止 撮影可能範囲 約50 cm~1.5 m |
画像エフェクト | レンズエフェクト10種、フイルムエフェクト10種 上記かけ合わせ計100種 |
記録メディア | 内蔵メモリー、microSD/microSDHCメモリーカード |
記録枚数 | 記録枚数内蔵メモリー約45枚、 microSD/microSDHCメモリーカード 1GBあたり約850枚 |
セルフタイマー | 約2秒 / 約10秒 |
ホワイトバランス | AUTO、晴れ、日陰、蛍光灯1、蛍光灯2、蛍光灯3、電球 |
本体サイズ | 87mm×122.9mm×36mm(突起部除く) |
本体重量 | 約285g |
▼公式紹介動画
今回紹介する『instax mini Evo』(2023年新モデル)は、撮影・記録部分がデジタルのハイブリッドインスタントカメラだ。
2021年にリリースされた旧モデルは充電用端子にmicro-Bポートを採用していたが、今回レビューする2023年新モデルではUSB Type-Cポートに変更されている。
クラシックなデザインが特徴的であり、ダイヤルやレバーなど、物理インターフェースを操作する楽しみが詰め込まれている。
カードサイズのミニフォーマットフィルムを使用して、撮影した写真をその場でプリントアウト(現像)できる。10種類のレンズエフェクトと、10種類のフィルムエフェクトを組み合わせてプリントすることも可能だ。
フィルムへの露光密度を従来の約2倍に高めることで、他のチェキと比べても高画質のチェキプリントを実現。
▼2種類の画質を選択可能。
「プリント画像データ保存機能」を搭載した専用アプリにより、フレーム付きのプリント画像をスマホに転送可能。
また、スマホの内の好みの画像をカメラ本体に送信して、チェキプリントを行うことも出来る。
チェキ本体の外観
▼チェキ本体の外観。ブラウン色。クラシックなデザイン。
▼カメラ本体の重量は約285gと非常に軽く、持ち続けても腕が疲れることは無かった。
▼筐体サイズも87mm×122.9mm×36mm(突起部除く)とコンパクトであり、携行性に優れたサイズ感となっている。
▼正面右上にはセルフィーミラー、シャッターボタン、フラッシュ発光部が用意。
▼正面左下には電源レバーが用意。
▼背面の様子。操作ボタンとディスプレイが用意。
▼背面左端のレバーを引くことで、フィルムパック挿入部を開くことができる。
▼「富士フイルム インスタントフィルム instax mini」の挿入に対応。
▼上部の様子。
▼上部右側にはプリントレバー、シャッターボタン、エフェクトリセットボタンが用意。
▼上部左側には、アクセサリーシュー、フィルムダイヤルが用意。
▼右側面には三脚穴が用意。
別売りの三脚(スタンド)を購入することで、アクセサリーシューもしくは三脚穴にスタンドを装着し、より安定した撮影が可能となる。
▼アクセサリーシューに三脚を装着した様子。
▼三脚穴に三脚を装着した様子。
▼左側面にはフィルム排出口が用意。
▼下部の様子。カードスロット、ストラップフックが用意。
▼キャップを外すと、カードスロット、充電用Type-Cポートが現れる。
本製品は約45枚分の内蔵メモリーを備えているが、別売りのmicroSD/microSDHCメモリーカードを挿入することで、1GBあたり約850枚分の容量を増設することができる。
このように、カメラ自体は高級感のあるクラシックなデザインとなっており、レンズダイヤル、フィルムダイヤル、プリントレバーなどアナログ感ある操作を楽しめるようになっている。
自撮りがしやすいようにセルフィーミラーを搭載するなど、ユーザビリティに優れた設計がなされている。
フィルムパック
チェキプリントを行うためには、別売りの「フィルムパック」をカメラ内部に挿入する必要がある。
▼「富士フイルム インスタントフィルム instax mini」の挿入に対応。
▼フィルムパックの外観
カメラ背面にフィルムパックを挿入し、カメラの電源を入れることでカバーが自動的に排出され、チェキプリントが可能となる。
カメラ起動&スマホ連携
カメラ前面の電源レバーを引くことで、電源がオンになる。
カメラの電源を入れると、ディスプレイが表示されるので、初期設定を行おう。
初期設定完了後、Bluetoothによるスマホアプリとのペアリングを行う。
▼対応する公式アプリ「instax mini Evo」(iOS・Android対応)
アプリをスマホにインストールした後、アプリ上で表示されるmini Evo(INSTAX-○○○○)を選択して、ペアリングを完了させる。
接続が成功すると、アプリ側からでもカメラ操作を行えるようになる。
▼スマホ上の写真をチェキプリントしたり、遠隔撮影を行ったり、カメラからスマホへ写真を転送することも可能。
インストールすることでmini Evoを最大限に活用できるようになるため、ぜひインストール&ペアリングを行っておこう。
なお、「INSTAX UP!」という公式アプリをインストールすることで、フレーム付きのプリント画像をスマホに転送することができる。こちらは必要に感じたらインストールすると良いだろう。
写真撮影~チェキプリントまでの手順
mini Evoを使用して写真撮影~チェキプリントまでを行う手順は、非常に簡単だ。
まず電源を入れた状態のカメラで、写真撮影を行う。
撮影した写真は、ディスプレイ上でプレビューできる。
続いて、プリントしたい写真を表示した状態で、カメラ上部のプリントレバーを引く。
すると、ディスプレイの写真が上にスライドしてゆき、プリントされたフィルムが排出口から出てくる。
▼チェキプリントの様子
排出されたばかりのフィルムは真っ白な状態となっている。
フィルムを熱で温めると、1分ほどで現像が完了する。
▼ズボンのポケットに入れるなど、人肌で温めると良いだろう。
これだけの手順で、写真撮影&チェキプリントを完了できる。
非常にシンプルかつ直感的な手順であり、チェキに初めて触れた方でも支障なく利用できるだろう。
本製品はフィルムへの露光密度を従来の約2倍に高めることで、他のチェキと比べても高画質のチェキプリントを実現している。現像された写真は非常に鮮明で解像度が高く、色合いもカラフルだ。
数あるインスタントフォトシステムの中でも、優れたプリント品質を実現出来ていると言える。
複数のエフェクト&画質を選択可能
カメラのダイヤルを回すことで、レンズエフェクト10種、フイルムエフェクト10種から好みのエフェクトを掛け合わせて撮影を行うことができる。
▼バリエーション豊かなエフェクトが用意。
また、設定画面から2種類の画質を選択可能。
▼「instax-Rich Mode」(左側)と「instax-Natural Mode」(右側)で撮影した写真の比較。
「instax-Rich Mode」の方が全体的に明るく鮮明で、「instax-Natural Mode」の方は色温度が濃い印象を受けた。
撮影する被写体や場面に応じて、柔軟に使い分けると良いだろう。
充電時間はやや長め
本製品はフル充電状態から約100枚ものチェキプリントが可能なバッテリーを内蔵している。
普通に利用する分には、5~6時間程度はバッテリーが持続するだろう。
ただ、 バッテリーを満充電状態まで回復させるためには2~3時間ほどの充電時間が必要になり、少々長い。
一度充電が切れると長時間カメラを利用できなくなるため、外出先でのヘビー利用を考えている方は、モバイルバッテリー等の電源を一緒に携行することをオススメしたい。
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あると便利なアクセサリー
mini Evoを利用するにあたり、あると便利なおすすめアクセサリーについて紹介したい。
カメラケース&ストラップ
対応するカメラケース&ストラップがあれば、カメラの持ち運び・保管がラクになる。
▼カメラケース&ストラップを装着すれば、携行性が格段に向上する。
▼ケースに入れたまま、撮影を含む各種操作を行うことが可能。
レンズキャップ
レンズキャップがあれば、重量なレンズ部分を保護した状態で保管・携行できる。
カメラケース&ストラップと併せて、ぜひ揃えておきたいアクセサリーだ。
▼レンズキャップを装着した様子
チェキ用アルバム
mini Evo用のフィルムは独自サイズのため、一般的な写真アルバムには補完しづらい。
そこで、チェキ用のアルバムを用意しておくことで、プリントしたフィルムを保管しやすくなるだろう。
デコレーションペン
デコレーション用のペンを用意しておけば、プリントしたフィルムを自由に彩ることができる。
▼できるだけ多彩なカラーが用意されたデコペンを用意すると良いだろう。
▼デコった様子。
撮影時の思い出を文字やイラストで刻むことで、より特別な一枚になることは間違いない。
『instax mini Evo』のまとめ
今回紹介した『instax mini Evo』について、特長をまとめると以下の通りだ。
良かった点
- 高級感のあるクラシックなデザイン
- 比較的コンパクトかつ軽量な筐体サイズ
- 充実したインターフェース設計
- アナログ感のある小気味の良い操作を楽しめる
- 撮影からプリントまでの手順がシンプル
- スマホアプリとの連携に対応
- 多彩なフィルター・撮影品質を用意
- 明瞭でカラフルなプリント品質
悪かった点
- フィルムパックの価格が高い(20枚/4,000円ほど)
- 充電時間がやや長め
以上の通り、デザイン性・携行性・機能性のいずれも優れた、高性能チェキとなっている。
高級感のあるクラシックなデザインのおかげで所有感があり、手触りも心地よく、指紋汚れなども目立ちづらいため常に気持ち良く使用できた。
比較的コンパクトかつ軽量な筐体サイズとなっており、別売りのケースを購入することでより持ち運びやすくなる。バッテリー持続時間も長く、一般的な利用頻度であれば1日中使用し続けられるだろう。
撮影からプリントまでの手順がシンプルで分かりやすく、チェキに初めて触れた方でも支障なく利用できるだろう。
フィルムへの露光密度を従来の約2倍に高めることで、他のチェキと比べても高画質のチェキプリントを実現している。現像された写真は非常に鮮明で解像度が高く、色合いもカラフルだ。数あるインスタントフォトシステムの中でも、優れたプリント品質を実現出来ていると言える。
一方で、フィルムパックの価格が高い(20枚/4,000円ほど)点がやや難点だ。これと決めた特別な写真のみをプリントするように気を付けなければ、あっという間に数千円分のフィルムを消耗してしまうだろう。
何はともあれ、数あるインスタントフォトシステムの中でも、トータルの品質が間違いなくトップクラスのモデルであると言える。
撮影した写真を素早く・高品質でカタチに残したい方は、ぜひ本製品を使用してみてはいかがだろうか。
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