2024年7月19日(金)の夜に開催されたXiaomiの発表イベントにおいて、最新スマートバンド『Xiaomi Smart Band 9』の発売(リリース)が正式発表された。
バリエーション豊かなバンドが用意されており、従来モデルと同様に高度な健康管理機能を搭載。多くの点でさらなるアップグレードが施された最新モデルとなっている
3種類のバージョンが発表されており、中国国内向けの価格は以下の通り。
- 通常版:249元(約5,400円)
- NFC版:299元(約6,500円)
- セラミックスペシャルエディション NFC:349元(約7,560円)
現時点(記事執筆時点)において中国版のみがリリースされている。
今回、提携先より本製品(通常版・中国版)を提供していただいたので、実際に使用した感想を基にレビューしていきたいと思う。
バッテリー寿命大幅向上、ピーク輝度1200nitsを誇る高コスパスマートバンド
今回紹介する『Xiaomi Smart Band 9』は、日本国内でも大きな人気を博した前モデル(Xiaomi Smart Band 8)をベースに、全体的にアップグレードが施された最新スマートバンドだ。
▼スペック表(通常版のもの)
ブランド | Xiaomi(シャオミ) |
モデル名 | Xiaomi Smart Band 9(Mi Band 9) |
ディスプレイ | 1.62インチ, AMOLEDタッチスクリーン |
輝度 | 1200nits(ピーク) |
リフレッシュレート | 60Hz |
防水規格 | 5ATM |
対応通信規格 | Bluetooth 5.4 |
OSサポート | Xiaomi HyperOS |
対応OS | iOS / Android |
バッテリー容量 | 233mAh |
バッテリー持続時間 | 約21日間持続 |
本体カラー | シルバー系, ブラック系, ブルー系, ピンク系 |
バンド素材 | TPU(熱可塑性ポリウレタンエラストマー) |
対応する手首の太さ | 135~210mm |
本体重量 | 約27g(バンド含む) |
本体サイズ | 46.6×21.6×11mm |
Xiaomi Mi Band 9は前モデル(Xiaomi band 8)のデザインを継承しており、楕円形のダイヤルとアップグレードされたカラフルなメタルボディを採用。5ATMの防水性能を備えている。
1.62インチのAMOLEDスクリーンを搭載しており、60Hzのリフレッシュレートに対応。
最大輝度は1200nitに達し、前モデル(Band 8)と比べて2倍にもなっており、明るい屋外でもクッキリと画面が見える。
カラーバリエーションにはピンク、シルバー、ブラック、ブルーの4色があり、通常版、NFC版、セラミックスペシャルエディション(NFC)の3種類のエディションがリリースされている。
バンドの種類も豊富に用意されており、以下のデザインのものが発表されている。
- 中空ブレスレット
- チェーンバックルメタルリストバンド
- レザーリストバンド
- ナノレザー磁気リストバンド
- ループ織りリストバンド
- 不規則な模様のメタルリストバンド
- ペンダントバージョン
なお、Band 9はSwitchの体感型ゲーム「Just Dance」との独占連携に対応しており、ダンスゲーム用のウェアラブルデバイスとしても利用できるとのこと。
「Xiaomi Sports Health」アプリのバージョン3.31.0より、睡眠時無呼吸症候群の研究機能をサポートする「Mi Health Research」アプリの提供を開始しており、Xiaomi Watch S4 Sport および Mi Band 9との互換性を備えている。
Xiaomi Smart Band 9は生体情報読み取り端子をアップグレードしており、睡眠トラッキングの精度が7.9%向上、心拍数監視機能の精度が16%向上、バッテリー寿命が約21日間(前モデルは約16日間)に延長されている。
振動機能をサポートするリニアモーターもアップグレードされており、20を超える振動パターンに対応している。
製品本体および付属品
▼外箱の様子
▼内容物をすべて取り出した様子。
内容物一覧は以下の通り。
【内容物一覧】
- Xiaomi Smart Band 9本体
- ユーザーマニュアル
- 充電ケーブル
▼スマートバンド本体の外観。46.6×21.6×11mmのコンパクトな筐体に、1.62インチのAMOLEDタッチスクリーンが搭載。
本体重量はバンド込みで約27gと非常に軽量。
▼真横から見た様子。
▼後ろから見た様子。熱可塑性ポリウレタン製のバンドは汚れが付着しづらく、手触りも良好。
▼展開した様子。135~210mmの太さの手首に装着可能。
▼裏面の様子。
▼裏面の手首にあたる部分には、装着者の生体情報を読み取る端子と、充電ポートが用意。
このように、スマートバンド自体はシンプルかつスタイリッシュなデザインとなっている。
余計なボタンやダイヤル類がないため、初めてこの手のデバイスを扱う方でも困ることはないだろう。
バンドは簡単に取り外し可能
なお、背面に用意されたボタンを押すことで、両側のバンドを簡単に取り外すことが出来る。
▼バンドを取り外した様子。
バンドを取り外して別のストラップと交換したり、ネックレスのように身に着けたり、アクティビティ用のアクセサリーとしても活用できる。
公式アプリのインストールでスマホと同期
本製品の利用を開始する際は、スマートウォッチと連携したいスマホやタブレット端末へ、事前に公式アプリをインストールしておこう。
▼公式アプリ(iOS・Android対応)
スマートバンドに電源ケーブルを接続すると、起動してスクリーンが表示される。
▼アプリからQRコードをスキャンして、ペアリングを行う。
▼中国版では、地域設定を日本にするとペアリングできなかったため、地域を中国に設定する必要があった。
アプリ(スマホ・タブレット端末)とのペアリングが完了すると、端末上でスマートバンドの状態を確認したり、データの分析や機能のカスタマイズなどを行うことが可能となる。
▼本製品を使いこなすうえで必須のアプリなので、必ず初起動時にインストール&ペアリングしておこう。
▼なお、アプリ内の表記は日本語に対応している。
軽くて非常に快適な着け心地
本製品の装着感は実に快適であり、柔らかいバンドが手首へ柔軟にフィットする。
バンド込みで約27gという軽さのため、長時間装着し続けても手首の疲れや違和感を感じることはなかった。
▼強めに締め付けた場合でも、皮膚との擦れなどはほとんど生じない。見た目的にもスタイリッシュで、オシャレな場で他人に見られても気にならないだろう。
▼どのような太さの手首にも柔軟にフィットする。
▼ボタン式のバンドは、脱着が非常にラクだ。
そして5ATMの防水規格で設計されているため、装着した状態で手洗いを行ったり、水を浴びても故障することはない。
▼TPU製のバンドも汚れが付着しづらく、水滴をはじく。
このように、普段から自然な気分で装着し続けることが可能となっている。
非常に豊富な機能を利用可能
本製品には、一般的なスマートバンドやスマートウォッチ以上に豊富な機能が用意されている。
▼ホーム画面から上下左右にスワイプすることで、各アプリや機能を利用可能。
60Hzのリフレッシュレートに対応していることもあり、スワイプ時にはスムーズに画面が遷移して気持ちが良い。
▼「Alipay」や「Weixin Pay」などの機能も用意。
天気表示やタイマー、ストップウォッチ、リモート撮影など、前モデル(Xiaomi Smart Band 8)で搭載されていた機能はほぼ全て用意されている。
▼スマホ上の音楽を遠隔操作(再生・停止・ボリューム調整・曲送り&戻し)することも可能。
バンドのディスプレイ上に表示されるウィジェットは、連携済みの公式アプリ上で自由にカスタマイズ可能だ。
屋外でも見やすい高輝度スクリーン
『Xiaomi Smart Band 9』の最大輝度は1200nitに達する。これは前モデル(Band 8)と比べて2倍もの値であり、屋外など明るい場所でも画面がクッキリと見える。
屋外にスマートバンドを装着して行く機会の多いユーザーにとって、嬉しい改善と言える。
バリエーション豊かなバンドフェイス
アプリから無料のテーマをインストールすることで、スマートバンドのホーム画面(バンドフェイス)のデザインを自由に変更することも可能だ。
▼公式が配布する数百種類ものテーマを、オンライン上から無料でインストールすることが出来る。
クール系からビジネス系、デザイナーズ系まで幅広いバリエーションが用意されており、常に新しいテーマが更新されている。
▼デザイン性を重視するか、見やすさを重視するか、好みのテーマを適用しよう。
常時表示に対応、簡易表示でバッテリー長寿命化も実現
『Xiaomi Smart Band 8』と同様に、『Xiaomi Smart Band 9』もディスプレイの常時表示に対応しており、バンド上の設定画面より変更可能だ。
これにより、いちいちスマートバンドを持ち上げずとも時刻を確認できる。
▼常時表示中は簡易的な表示になる。
▼ディスプレイをタップすると、通常表示になる。
各テーマごとに常時表示に対応する簡易表示が用意されており、バッテリー消耗を最低限に抑えることが出来るようになっている。
常時表示機能をONにした状態でも、1週間を超えるバッテリー持続を実現することが可能だ。
高度な健康管理が可能
本製品では、公式アプリと組み合わせることで高度な健康管理を行うことが出来る。
運動(ワークアウト)計測
本製品はウォーキング、ランニング、サイクリング、ウェイトリフティング、水泳など、150以上のスポーツモードに対応している。
▼メジャースポーツからマイナースポーツまで、豊富な種類のワークアウトに対応。
▼5ATMの防水性能を備えているため、水泳などのウォーターアクティビティ計測にも対応している。
▼ジムでのワークアウト計測にも対応。
運動終了後は、ワークアウトデータを保存し、アプリ上からいつでも過去の記録を閲覧することが出来る。自身がどの程度の運動を行ったかを詳細に確認できるようになっているため、記録として積み上げていくことで、今後のモチベーション維持にもつながるだろう。
ちなみに、ランニングモードを切り替えることも出来る。
前述した通り、Mi Band9はバンドの脱着が容易に可能であり、様々な身に着け方を楽しめる。多彩な装着方法に対応した計測モードが用意されている点は嬉しい。
健康モニタリング機能
本製品には健康モニタリング機能が備わっており、ストレス・睡眠・心拍数・血中酸素飽和濃度などの数値を24時間監視(トラッキング)し、データとして可視化・保存しておくことが出来る。
▼健康状態に異常が生じた場合、即座に通知する機能も用意。
こちらもワークアウト計測の場合と同様に、アプリ上で過去の記録データを閲覧できる。
日々の健康状態が可視化されることで、体調管理を意識することができ、生活習慣を正すことで健康促進にもつながるだろう。
Mi Band8では健康スコアの測定がしづらいうえ、計測値にバラつきが見られるなどの問題点があった。しかしMi Band9では生体情報読み取り端子がアップグレードされたことで、睡眠トラッキングの精度が7.9%向上、心拍数監視機能の精度が16%向上している。実際に使用してみても改善具合を体感でき、Mi Band8より遥かにスムーズで安定した計測を行えるようになっていた。
サードパーティデータの共有が可能
アプリでは「Zepp Life」や「ヘルスケア」など、サードパーティから過去のデータを転送(共有)することも可能だ。
健康データ等を引き続き利用したい場合には役立つだろう。
通知連動機能がとても便利
スマートバンドを利用している中で、個人的に最も重宝している機能が "スマホ通知連動" である。
これはスマホ上に通知された着信、メッセージ受信、その他SNSアプリ等のプッシュ通知を、スマートバンド上でも確認できる機能だ。
▼高解像度ディスプレイのおかげで、細かな文字まで見やすい。
この機能を利用すると、音声着信はもちろん、メッセージ受信時に内容を確認することも可能となる。LINEやSkype、E-mailなど、メッセージアプリで届いたテキストの内容をディスプレイで確認することもできる。
各種通知をスマートバンド上で確認できるため、スマホを出さずとも内容を把握することが出来るようになる。各通知はバイブレーションで通知してくれるため、重要な着信やメッセージが届いた際にも、気付かずにとり逃してしまった!確認が遅れてしまった!といった事態を防ぐことが出来るだろう。
実際に利用してみると、実に便利で重宝する機能だ。アプリごとに通知のON/OFFを切り替えられる点も嬉しい。
また、Mi Band9は振動機能をサポートするリニアモーターもアップグレードされており、20を超える振動パターンに対応している。これにより、通知の種類に応じて振動パターンが細かく変化するため、スクリーンを見なくてもどのような種別の通知なのかが、なんとなく分かるようになってくる。より直感的に利用出来るようになった点は嬉しい。
2週間以上持続可能なバッテリー
前モデル(Mi Band8)のバッテリー容量は190mAhであったが、Mi Band9の容量は233mAhに増加している。
そしてエネルギー効率が改善された結果、バッテリー寿命が約21日間(Mi Band8は約16日間)までに延長されている。
実際に使用したところ、丸4日間のあいだMi Band9(ややヘビー使用・常時画面表示オフ)を装着し続けたところ、バッテリーは25%ほどしか消耗していなかった。
単純計算すれば、あと11日間以上使用できるため、合計で15日間以上の連続使用が可能であると言える。
筆者は就寝時を除くすべての場面でバンドを装着し続け、スマホ経由の通知もバンバン受け取っていたため、普通にバンドを使用する分にはさらに長い期間バッテリーは持続するだろう。
いちいちスマートバンドを充電する手間を省けるため、バッテリーの長寿命化は実に嬉しい改善だ。
なお、充電速度も非常に素早く、わずか10分強ほどの充電で70%⇒100%までの満充電が完了した。
ウェアラブルデバイスの充電の手間を極限まで減らしたい方にとって、本製品は間違いなくうってつけであると言える。
『Xiaomi Smart Band 9』のまとめ
今回紹介した『Xiaomi Smart Band 9』について、特長をまとめると以下の通りだ。
良かった点
- 軽量で快適な装着感
- スタイリッシュなデザイン
- 非常に充実した機能を利用可能
- 多彩な装着方法が可能
- 5ATMの高い防水規格に対応
- 24時間の健康モニタリング機能
- 前モデルよりも長寿命化を果たしたバッテリー
- 見やすい高輝度スクリーン
- 高速充電で素早く回復
- 常時表示に対応
- 改善された生体情報読み取り機能
- リーズナブルな価格
悪かった点
- 特になし(日本語版のリリースを求む)
以上の通り、日本円で5,000円強というリーズナブルな価格に対して機能が非常に充実し、前モデルよりも性能が向上した高コスパなスマートバンドとなっている。
血中酸素測定や睡眠モニタリング機能をはじめとした多くの健康管理ツールが用意されており、普段から自然と健康を意識出来るようになるだろう。デザイン的にも軽量・薄型かつスマートな印象を受けるため、女性や装着時の見た目を気にする方でも、抵抗感なく装着できるだろう。ボタン式のストラップも着脱しやすくストレスを感じない。
ストラップは簡単に取り外せるため、別のストラップと交換したり、ネックレスのように身に着けたり、アクティビティ用のアクセサリーとしても活用できる点が嬉しい。
バッテリーの持ちは実に良好で、よほどヘビーに利用しない場合は、充電なしで2週間以上利用し続けることが可能だ。高速充電のおかげで、残量ゼロから1時間足らずで満充電できる。そして常時表示に対応している一方で、簡易表示によってバッテリーの長寿命化も実現。とことん実用性を重視した設計となっている。
Mi Band8では健康スコアの測定がしづらいうえ、計測値にバラつきが見られるなどの問題点があった。しかしMi Band9では生体情報読み取り端子がアップグレードされたことで、睡眠トラッキングの精度が7.9%向上、心拍数監視機能の精度が16%向上している。実際に使用してみても改善具合を体感でき、Mi Band8より遥かにスムーズで安定した計測を行えるようになってる。
全体的に『Xiaomi Smart Band 8』から正当な進化を果たしたモデルとなっている。
是非とも日本国内向けバージョンのリリースを期待したいところだ。
2024年8月14日追記
▼『Xiaomi Smart Band 9』が日本国内Amazonおよび楽天にて販売開始されました。
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