2024年11月8日(金)より、Teclast(テックラスト)はAndroid 15を搭載した同ブランドの最新タブレット『TECLAST P50Ai』を発売する。
最新OSのAndroid15を搭載し、起動や応答速度が向上したほか、姿勢認識やジェスチャー操作などのAI機能も充実。データ伝送、映像・オーディオ出力、充電に対応するデュアルType-Cポートを搭載するなど、機能性に優れたモデルとなっている。
今回、メーカーより本製品を提供していただいたので、実際に使用した感想を基にレビューしたいと思う。
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ブランド | Teclast |
モデル名 | TECLAST P50Ai |
ディスプレイ | 11インチ IPS |
解像度 | 1280×800(16:10)HD+ |
リフレッシュレート | 最高90Hz |
OS | Android 15 |
CPU(SoC) | Allwinner A733 オクタコアプロセッサー |
RAM | 6GB LPDDR5(最大10GBの仮想RAM拡張をサポート) |
ストレージ | 128 GB UFS3.0 |
マイクロSDカード | 対応(最大1TBまで) |
SIMカード | 非対応 |
対応通信規格 | Wi-Fi6、Bluetooth5.4 |
搭載カメラ | フロント:5MP リア:13MP |
搭載ポート | デュアルType-Cポート(データ伝送、映像・オーディオ出力、充電) |
スピーカー | ステレオスピーカー内蔵 |
バッテリー容量 | 7,000mAh |
Widevine | L1サポート |
本体サイズ | 約170×258×8mm(実測値) |
本体重量 | 約530g |
『TECLAST P50Ai』は、2024年最新OSのAndroid 15を搭載したタブレットだ。
起動や応答速度が向上したほか、姿勢認識やジェスチャー操作などのAI機能も充実。セキュリティ保護機能が強化され、よりパーソナライズされた機能を利用できるようになっている。
▼AIを活用した豊富な便利機能を利用可能。
▼PCモードをサポート。マルチウィンドウ表示で、作業効率を上げることができる。
本体サイズは258×170×8mm、約530gで、持ち運びにも適している。
11インチIPSスクリーンは1280×800(HD+)解像度、および最高90Hzのリフレッシュレートに対応。WidevineはL1サポートとなっている。
AIビデオアップスケーリング機能により、720p以下の動画を最大2.5K解像度にアップスケールして、鮮明な映像を楽しむことも可能だ。
サウンド出力用にはステレオスピーカーを内蔵。3.5mmオーディオジャックも搭載している。また、データ伝送、映像・オーディオ出力、充電に対応するデュアルType-Cポートを搭載。
CPU(SoC)には最新の "Allwinner A733 オクタコアプロセッサー" を採用しており、AIによるパフォーマンス最適化を実現。6GB LPDDR5 RAM(メモリ)を搭載し、ウェブサイト閲覧や動画視聴、軽めのゲームアプリ程度の用途であれば、快適にこなせる性能を備えている。なお、最大10GBの仮想RAM拡張が可能だ。
ストレージは128 GB UFS3.0を用意。マイクロSDカードを挿入することで最大1TBまでの拡張も可能だ。
通信規格は2.4G/5GデュアルバンドWi-Fi 6とBluetooth5.4をサポート。一方でSIMカードの挿入には対応しておらず、モバイルデータ通信を行うことができない点に注意したい。
前面・背面にはそれぞれ8メガピクセル・13メガピクセルのカメラが内蔵。テレワークやオンライン授業用デバイスとしても活用できるだろう。
▼AIセカンダリーカメラによる、高速オートフォーカスに対応。
そして大容量7,000mAhバッテリーを内蔵。外出先でも長時間の連続使用が可能だ。
製品本体および付属品
▼外箱の様子
▼内容物をすべて取り出した様子
内容物一覧は以下の通り。
【内容物一覧】
- タブレット本体
- Type-Cケーブル
- 電源アダプタ
- ユーザーマニュアル
▼タブレットの外観。11インチディスプレイ搭載のシンプルかつスタイリッシュな外観。
▼前面には5MPのフロントカメラを搭載。
▼背面の様子。
▼背面には13MPのAIデュアルリアカメラが内蔵。
▼本体重量は約530g。11インチタブレットとしては比較的軽量。
▼背面は綺麗な光沢を魅せ、そこそこの高級感がある。指紋や手脂などの汚れも目立ちづらい。
▼厚みは8mm。カバンなどに入れて持ち運んでも支障にならないだろう。
続いてインターフェースについて紹介していく。
▼上部には3.5mmオーディオジャック、カードスロット、およびデータ伝送、映像・オーディオ出力、充電に対応するデュアルType-Cポートを搭載。
カードスロットには最大1TBまでのマイクロSDカードを挿入できる。
▼デュアルType-Cポートは、対応する機能がアイコンで表示されている。
▼下部の様子。
▼右側面には電源ボタン、音量調節ボタンが用意。
▼左側面には2基のスピーカーが内蔵。
充実したポート類が集約されたインターフェースとなっている。
AnTuTuベンチマークテスト
本機について、スマホ・タブレット端末の性能を測ることのできる『AnTuTuベンチマークテスト』を実施してみた。
▼Android端末におけるAnTuTuベンチマークテストの実施方法はコチラを参照
-
Android端末でAnTuTuベンチマークテストを行う超簡単な方法(2024年時点)
2024年12月26日追記 記事内容を最新の状態に更新しました。 スマートフォン・タブレットなどのモバイル端末のスペック(スコア)を計測することのできるツールとして、『AnTuTu Benchmark ...
続きを見る
結果として、約30万点のスコアを記録した。
2万円前後の格安タブレットの中ではそこそこ優れたスコア記録できている。一般的なタブレット用途に用いる分には、十分に実用的な性能のモデルだ。
ゲームアプリに関しても、設定を抑えることである程度スムーズに動作させることができるだろう。
大抵のタブレット用途をスムーズにこなせる性能
本機のパフォーマンスを確認するため、ウェブサイト閲覧時・動画視聴時の動作について検証した。
ウェブブラウジングは実に快適であり、画像が多めのサイトや、処理の重いサイトであっても スムーズに閲覧することが出来た。
▼ほとんどのウェブサイトが素早く表示される。
画像やスクリプト多めのサイトでも、読込時やスクロール時にカクつきを感じることは無く、閲覧に支障をきたすことはなかった。
▼ベゼル幅は公式イラストと比べて太めな点に注意。
▼1280×800(HD+)解像度では文字などの描画でやや粗さを感じることはあるが、読み取りに支障をきたすレベルではない。
▼最高90Hzのリフレッシュレートに対応しているため、ページスクロール時も滑らかに描画される。
また、YouTubeやネットフリックスなどの動画サイトを閲覧した場合においても、スピーディかつスムーズに動画を再生することが可能であった。
▼高画質映像を、スムーズに視聴することが出来る。
▼IPSパネルの発色は良好。実写からアニメまで、色鮮やかで満足度の高い視聴体験が可能だ。
WidevineはL1サポートとなっている。
なお、設定より最大10GBの仮想RAM拡張が可能だ。
以上の通り、一般的なタブレット作業に関しては、支障なく利用できることが確認できた。
PCモードに対応
本製品はPCモードに対応しており、Windowsのようなインターフェース配置でタブレットを利用できる。
▼PCモード利用時のインターフェース。
▼複数ウィンドウを同時表示して、マルチタスクをこなせる。
タブレットを用いた作業効率を向上させたい場合には、役立つ機能となっている。
スピーカー性能はそこそこレベル
本機のスピーカー品質について確認してみた。
本製品は左側面に計2基のスピーカー(デュアルスピーカー)を内蔵しており、音圧はそこそこ強め。中~高音域に関してはクリアに出力できていた。
▼音質確認の様子
一方、低音に関してはほとんどつぶれてしまっており、サウンドに立体感もない。
音質は悪くはないが、それほど良いとも言えない、と言ったところだ。満足度の高いサウンドを楽しみたい場合は、3.5mmジャックを利用して外付けスピーカー等を利用すると良いだろう。
実用的なカメラ性能
また、本機に搭載されているカメラについても確認した。
▼実際にフロント(前面)カメラで撮影した画像。
全体的に画質がクリアで、人物の表情から背景の様子に至るまで明瞭に映し出すことが出来ていた。発色に関しても肉眼で見た場合に近い印象を受ける。
激しく動いても残像などはほとんど発生せず、ウェブ会議やオンライン授業に利用しても全く問題ない品質だろう。
なお、カメラの設定画面からジェスチャー機能をオンにすることで、カメラの前で "OK" のジェスチャーを作ることで、3秒カウントダウンを起動して撮影することができる。
▼笑顔を認識すると、自動的に撮影する機能も用意。
▼"OK" のジェスチャーで自動撮影。
続いて、リア(背面)カメラについて確認してみる。
▼実際にリアカメラで撮影した画像。
▼撮影時に明るさをリアルタイムで調節できる。
背面カメラについて、フロントカメラ以上に鮮明で美しい写真を撮影することが可能であった。発色はフロントカメラよりも良く、肉眼で見た場合に近い自然な色合いを実現できている。
旅行時の記念撮影用としては心もとないが、単純な映像記録用デバイスとしては活用できるだろう。
AIを活用した豊富な便利機能を利用可能
Android 15を搭載した本製品には、Teclastの様々なAI機能が用意されている。
エアジェスチャー
設定から「エアジェスチャー」をオンにすることで、タブレット画面に手のひらを向けて、手首を上下にスワイプしたり、裏返したり、握ったりすることで、画面スクロールやスクリーンショット撮影などを機能を利用できる。
▼手のひらが認識されると、画面上部にアイコンが表示される。
▼ジェスチャー操作を行う様子(スクショ撮影)
いちいち画面をタップせずに様々な機能を利用できるので、ディスプレイを触って汚したくない場合や、ワケあってディスプレイに触れられない場合などには役立つかもしれない。
ただ、ジェスチャーの認識精度がお世辞にも高いとは言えず、手の動きが正しく認識されないことが多々あった。
あくまでオマケ程度の機能だと認識しておいた方が良いだろう。
AI画像強化
「AI画像強化」は、ゲームプレイや映像コンテンツ視聴時、画像表示時の描画を改善することができる機能だ。
AI姿勢認識
「AI姿勢認識」は、タブレット使用時のユーザーの姿勢を正すための機能だ。
この機能をオンにすると、頭を下げ、首に負担のかかる姿勢のままタブレットを使用している場合に、画面上部に警告が表示されるようになる。
AIビデオアップスケーリング
「AIビデオアップスケーリング」は、映像コンテンツの解像度を底上げできる機能だ。
この機能をオンにすると、540pのビデオ解像度は1080pで出力でき、720pのビデオ解像度は1440pで出力されるようになる。Teclast公式によると、トム&ジェリーやドラえもんなど、特に昔のアニメ動画において高い効果を発揮するとのこと。
▼往年の名作を高画質映像で楽しめる
▼動画再生時に、AIビデオアップスケーリングの適用効果が表示される。
▼アップスケーリング前
▼アップスケーリング後
上の比較画像では効果が分かりづらいが、実際のタブレット画面では、アップスケーリング後に、やや画像の粗さが低減されたように感じられた。
アップスケーリング効果に過度の期待を持たない方が良いが、少しでも綺麗な画質でコンテンツを楽しみたい場合には、オンにしておくと良いだろう。
プライベートスペース
「プライベートスペース」とは、公開したくないアプリやファイルを、パスワード入力後のみ表示されるプライベートスペースに保存できる機能だ。
▼プライベートスペース機能をオンにすると、アプリ一覧画面の下部にロックアイコンが表示されるようになる。
▼事前に設定したパスワードを入力することで、隠しアプリやファイルを保存できるプライベートスペースが表示される。
他人には隠しておきたい秘密のアプリやファイルを保存しておきたい場合には、非常に役立つ機能だ。
文字認識
「AW OCR」アプリを起動することで、文字認識機能を利用できる。
多言語のテキストを認識して翻訳したり、検索したり、テキストに起こして保存することが可能だ。
以上のように、非常に便利なAI機能の数々を利用できる。
ゲーミング性能の確認
本機を用いて各種ゲームアプリを遊んだ際のパフォーマンスについても確認していく。
『統合版マインクラフト(旧PE)』プレイ時
まずは『統合版マインクラフト(旧PE)』の場合について。
ワールドを作成して実際にプレイしてみたが、スムーズで快適に移動することが出来た。
▼チャンク読み込み時にもそこまで重さを感じることはない。
▼カクつきもなく、スムーズに移動可能。処理の重くなりがちなバイオームでもスムーズに操作できた
アドオンを導入したり、友人らと多人数マルチサーバーに参加した場合でも、スムーズなゲームプレイを楽しむことができるだろう。
『PUBG』プレイ時
続いて『PUBG』の場合について。
まずグラフィッククオリティに関しては『HD』まで選択できた。
実際にいくつかの試合に参加してみたが、たまにテクスチャの読み込み遅延が発生する程度であり、大人数のプレイヤーが密集する場所においても、スムーズなゲームプレイが可能であった。
▼画質もそこそこ良い。普通にプレイする分には支障のないレベルだと言える。
▼11インチディスプレイは、探索や索敵を行う際に役立つ大きさだ。
『原神』プレイ時
最後に "激重" ゲームとしても有名な『原神』の場合について。
非常に重いゲームアプリとして有名な『原神』であるが、本機では設定を抑えることでプレイすること自体は可能であった。
▼画質設定はデフォルト状態で "最低" に設定されており、デバイス負荷は "スムーズ" の状態。
▼画質設定を "低" に設定した場合、デバイス負荷が上昇するが、まだ比較的スムーズなプレイが可能だ。
▼画質設定を "中" に設定した場合、さすがに負荷が高すぎて映像がカクカクになってしまい、まともなゲームプレイはできなかった。
画質設定を "最低~低" に設定すれば、原神クラスのゲームアプリでも、ある程度スムーズなパフォーマンスで遊ぶことができた。
多少のカクつきを感じることもあるが、ゲームプレイ自体に支障をきたすレベルではなかった。
1日中持続するバッテリー
本製品は7,000mAhの大容量バッテリーを内蔵している。
実際に軽めの動画視聴、ウェブさいと閲覧などを行ってみたが、計9時間ほどは充電なしでも利用し続けることが可能であった。
▼バッテリーセーバーを利用すれば、より長いタブレット利用が可能になる。
一般的なタブレット利用であれば、丸1日はバッテリーが持続するだろう。
『TECLAST P50Ai』のまとめ
今回紹介した『TECLAST P50Ai』について、特徴をまとめると以下の通りだ。
良かった点
- リーズナブルな価格
- メディア視聴に適した11インチ大画面
- 一般的なタブレット用途はスムーズ
- 7,000mAh大容量バッテリー搭載
- 3.5mmオーディオジャックを搭載
- デュアルType-Cポート搭載
- 実用的なカメラ性能
- 豊富なAI機能を利用可能
悪かった点
- 解像度が低め(HD+)
- 公式イラストに比べてベゼル幅が太い
- スピーカー品質はそこそこレベル
- ジェスチャー認識精度はイマイチ
- 高負荷での連続使用時に、タブレット背面(Type-Cポート付近)が高い熱を持つことがあった
以上の通り、2万円前後というリーズナブルな価格に対して、幅広い用途に活用できる性能を備えた、高コスパなAndroid 15タブレットとなっている。
最新OSであるAndroid 15を搭載した『TECLAST P50Ai』には豊富なAI機能が用意されており、従来モデル以上に優れたユーザビリティを実現。使い方次第で、自身に最適なタブレット環境を実現できるだろう。
基本性能もそこそこ優れており、ウェブサイト閲覧や動画視聴はもちろん、マイクラやPUBG、原神クラスのゲームアプリでも画質設定を調節すればそこそこスムーズに動作した。
搭載カメラは十分に実用的な品質であり、映像記録からウェブ会議、オンライン授業用としても活用できるだろう。
バッテリーの持ちも良好。通常のタブレット利用であれば丸1日持続する。
一方で、このディスプレイサイズであれば、解像度はFHD以上には対応していてほしかった。せっかくのWidevine L1サポートも意味をなしていないように思われる。
また、目玉機能の一つとして謳っているジェスチャー認識機能は、精度があまり高くないうえ、使い道が限られるので、あまり期待しないほうが良いだろう。
何はともあれ、「Android 15」と「Allwinner A733 オクタコアプロセッサー」を採用した最新の構成により、Teclastの同価格帯の従来モデルよりはワンランク上のパフォーマンスを発揮するモデルとなっている。
2万円前後で実用的なタブレットを求めているのであれば、選択肢の1つに入れても良いのではないだろうか。
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