"高音質ワイヤレスイヤホン" と聞くと、多くの方が『AirPods Pro』を思い浮かべるのではないだろうか。
『AirPods Pro』はAppleが2019年10月にリリースした、完全ワイヤレスタイプのハイエンドイヤホンだ。本記事執筆時点で発売から2年以上経過しているにもかかわらず、いまだに最も人気の高いワイヤレスイヤホンとして君臨している。
しかし、AirPodsの名前を聞いたことはあるものの、未だに使ったことが無い方も多いと思う。
そこで今回は、発売からちょうど2年目を迎える現時点において、今さらながらAirPods Proをレビューしていきたいと思う。
購入するか悩んでいる方の参考になれば幸いだ。
高音質ノイズキャンセリング対応イヤホン『AirPods Pro』
『AirPods Pro』は、バッテリー内蔵型でコードレスタイプの、完全ワイヤレス使用が可能な高性能イヤホンだ。
ブランド | Apple |
型名 | AirPods Pro |
カラー | ホワイト |
材質 | プラスチック |
接続方式 | Bluetooth |
バッテリー持続時間 | 最大4.5時間 |
チャージケース持続時間 | 24時間以上 |
防水防塵性能 | IPX4 |
搭載センサー | デュアルビームフォーミングマイクロフォン、デュアル光学センサー、動きを感知する加速度センサー、音声を感知する加速度センサー、感圧センサー |
本体サイズ | AirPods Pro(左右各):21.8 × 24.0 × 30.9 mm ワイヤレスチャージケース: 45.2 × 21.7 × 60.6 mm |
本体重量 | AirPods Pro(左右各):5.4 g ワイヤレスチャージケース:45.6 g |
製品にはイヤホン本体に加え、充電用のワイヤレスチャージケースが付属する。イヤホン本体のバッテリー持続時間は最大4.5時間ほどであり、満充電状態のワイヤレスチャージケースを持ち歩くことで、充電環境が無くても24時間以上の使用が可能だ。
▼ "収納用" 兼 "イヤホン充電用" のチャージケース。Qi規格の充電器によるワイヤレス充電も可能だ。
指でつまめるほどのサイズのイヤホン内部にはデュアルビームフォーミングマイクロフォン、デュアル光学センサー、動きを感知する加速度センサー、音声を感知する加速度センサー、感圧センサーなど多彩なセンサー類が搭載されており、値段相応に機能が充実している。
ノイズキャンセリングにも対応しており、外部音をシャットアウトして音楽のみを堪能することも出来る。
イヤホン内部には専用のスピーカードライバ、ハイダイナミックレンジアンプ、H1チップ等が内蔵されており、コンパクトな外観からは想像もつかないほど迫力のあるサウンドを実現する。
価格は30,000円前後とワイヤレスイヤホンの中でも比較的高価な部類だが、間違いなく値段相応かそれ以上の音楽体験を可能にする、ハイエンドモデルのイヤホンである。
製品本体および付属品
▼外箱の様子
▼箱の中には、チャージケースや付属品一式がコンパクトに収まっている。
▼内容物をすべて取り出した様子。
内容物一覧
- ワイヤレスチャージケース
- イヤホン本体(左右)
- イヤーチップ(S・M・Lサイズ)
- USB-C – Lightningケーブル
- 説明書一式
▼扱い方の書かれた説明書一式が付属する。
▼説明書は日本語にも対応しているので安心だ。
▼どのような耳の大きさにも合わせられるように、イヤーチップ(S・M・Lサイズ)が付属する。必要に応じて交換しよう。
ワイヤレスチャージケース
製品には収納とイヤホンの充電器を兼ねた、ワイヤレスチャージケースが付属する。
▼指でつまめるほど非常にコンパクトなサイズ。重量も約50グラムと軽いため、ズボンのポケットに入れて簡単に持ち運ぶことも可能だ。
▼下部には充電用のUSB Type-Cポートが用意されている。
▼背面の様子。見えづらいが、背面中央にはペアリング用のボタンが用意されている。
▼上部のフタをカパッと開けると、左右のイヤホンがスッポリ収まっている。
Qi規格対応充電器によるワイヤレス充電に対応
ちなみにワイヤレスチャージケースは、USB Type-Cケーブルによる有線充電の他に、Qi規格対応充電器によるワイヤレス充電にも対応している。
▼ケースごとワイヤレス充電器に置くだけで、簡単に充電を行うことが可能。
いちいちケーブルを接続する手間も省けるため、非常に便利な設計となっている。
AirPors Pro本体
AirPors Pro本体も非常にコンパクトなサイズとなっている。
▼気を付けないと紛失し兼ねないほど小さい。
▼イヤホン本体はIPX4等級の防水防塵性能を擁しており、さすがに水没などには耐えられないが、小雨や多少の汗程度であれば壊れることは無いだろう。
▼耳の外側と内側のノイズをマイクロフォンが検知し、その音と釣り合うアンチノイズ機能が働くことで、外のノイズをシャットアウトして音楽に集中することができる(ノイズキャンセリング機能)。
▼左右のイヤホンには感圧センサー(画像赤枠部分)が搭載されており、装着中にタッチすることで様々な機能を利用できる。
【主な操作方法】
- 1回タップ:オーディオを再生/一時停止、電話に出る
- 2回タップ:次の曲に進む
- 3回タップ:前の曲に戻る
マイクも内蔵されているため、iPhone等と接続時にハンズフリーで通話を行うことも出来る。
なお、"Hey Siri" と呼びかけてSiriを起動することも可能だ。
快適な装着性
イヤホンは左右各5.4グラムほどしかなく、装着しても重さや不快感などは一切感じない。
▼実際に装着した様子。
長時間装着し続けても耳が痛くなったり、疲れることは無かった。
数あるワイヤレスイヤホンの中でも、実に快適な装着性を実現できていると言える。
デバイスとの接続(ペアリング)方法
AirPods ProはBluetoothによるワイヤレス接続に対応しており、接続(ペアリング)方法はいたってシンプルだ。
iPhoneとの接続
iPhoneとの接続方法は特に簡単だ。
イヤホンを収納した状態でワイヤレスチャージケースのフタを開くと、自動的に最寄りのiPhoneが認識され、画面上に "AirPods Pro” の接続ボタンが表示される。
あとは "接続" ボタンをタップするだけでペアリングが完了し、AirPods Proが使用可能になる。
▼充電残量データなどもリアルタイムで表示。
▼iPhoneの画面上からもイヤホン音量の調節などが可能。
これだけの手順で接続を完了できる。
次回以降はAirPods Pro本体を耳に装着することで自動的に接続されるようになるため、この手のデバイスの扱いが苦手な方でも、全く問題なく使用することができるだろう。
PC等との接続
AirPods Proは、PCなど一般的なBluetooth対応デバイスとの接続も可能となっている。
iPhone以外のデバイスと接続したい場合、イヤホンを収納した状態で、チャージケース背面のボタンを約5秒間長押しする。
するとケース前面のLEDランプが白色に点滅し始め、デバイス側でBluetooth検出が可能となる。
あとはデバイスごとに接続(ペアリング)手順を進めることで、AirPods Proを使用できるようになる。
コチラの場合も、いたって簡単な接続が可能だ。
音質は極めて良好、迫力のあるサウンドを体験可能
実際に本製品を使用して様々な楽曲を視聴してみたが、音質は極めて良好であり、低音から高音にいたるまで、実にクリアなサウンドを実現できていた。
私は今まで数多くの有線・無線タイプのイヤホンを試用してきたが、これほどの音質を実現できているワイヤレスイヤホンは他に類を見ないレベルだ。特にワイヤレスイヤホンの場合、低音が弱く音に迫力が感じられない傾向にある。しかしAirPods Proの場合は、低音もシッカリとした重厚な響きを聴かせるため、EDMなどの楽曲でもズンズン響く迫力のあるサウンドを楽しむことができた。
ボリュームの調整幅も広く、音量を7割ほどに調整しても十分な音圧を感じることが可能だろう。
この価格帯のイヤホンの中では、間違いなくトップクラスのサウンドを実現できていると言える。
高性能なノイズキャンセリング機能
ノイズキャンセリング機能についても試してみた。
イヤホンを耳に装着してノイズキャンセリングレベルを最大まで引き上げると、外界の音(ノイズ)が8割ほど消える。
完全に外界の音をシャットアウトできるワケではないが、少なくとも通りの車両の通行音や、風切り音などのノイズは完全にシャットアウトされる。
この状態で音楽を流してみると、耳が音楽のみに支配されるため、圧倒的な没入感を感じることができた。
例えるなら、BGMの鳴り響くゲーム内の主人公にでもなったような気分だろうか。おそらくこの感覚は、実際にノイズキャンセリングイヤホンを着けてみた人にしか分からないと思う。
音楽に集中したい方や、イヤホンを耳栓代わりに使用したい方にはうってつけの機能であると言える。
ただし、外で使用する際はノイズキャンセリング機能をOFFにすることを推奨する。背後からせまる車や自転車などの音が全く聞こえなくなってしまうので、危険だ。
取り回しが楽
実際にAirPods Proを使用すると、取り回しが実に楽なことに気が付くだろう。
まずケースからイヤホンを取り出すと瞬時にペアリングされ、耳に装着する頃にはサウンドを出力する準備が完了している。ワイヤレスイヤホンによってはペアリングに時間のかかるタイプもあるが、本製品はその点でストレスに感じることは無い。
そして使い終わった際は、耳から外すことで自動的にサウンドがOFFになる(iPhone接続時)。そしてチャージケースに収納することでBluetooth接続が解除され、充電が行われる。
この流れが非常にシンプルでラクなため、日常の中でストレスなく自然に使用し続けることが可能だ。
AirPodsユーザーが非常に多いことも納得がいく、ユーザービリティに優れた設計が成されていると感じた。
『AirPods Pro』のまとめ
今回紹介した『AirPods Pro』について、特長をまとめると以下の通りだ。
良かった点
- 低音から高音まで、迫力のあるクリアなサウンドを体験可能
- 非常にコンパクトで持ち運びに便利
- ワイヤレス充電に対応
- ペアリング手順が簡単
- 非常に軽量で装着感が無い
- ハンズフリー通話にも対応
- 優秀なノイズキャンセリング機能
悪かった点
- バッテリー持続時間が短め(最大4.5時間ほど)
- ランニングなど、汗を大量にかくスポーツ時には適さない(IPX4等級)
以上の通り、3万円前後という価格相応、もしくはそれ以上の性能を発揮するワイヤレスイヤホンとなっている。
扱い方も非常に簡単で、初めてワイヤレスイヤホンを購入した方でもストレスなく利用することができるだろう。
イヤホン本体およびチャージケースのサイズも非常にコンパクトで、ポケットなどに入れて気軽に持ち運ぶことも可能だ。チャージケースの充電は24時間以上持続するため、充電環境の無い場所でも1日以上イヤホンを利用し続けられる。
一方で、防水防塵性能がIPX4等級までしか対応していないため、ランニングなど汗を大量にかくスポーツ時に装着すると、下手をすれば壊れてしまう可能性があるので注意した方が良いだろう。
また、イヤホン自体のバッテリー持続時間が連続4.5時間ほどと比較的短めな点がやや残念だ。サイズを考えると仕方が無いとは思うが、個人的には6時間以上が持続してくれると嬉しい。
いずれにせよ、高音質イヤホンを探しているのであれば、間違いなく一番オススメ度の高い製品である。
今後もしばらくの間は第一線で活躍するモデルだろう。現時点でまだAirPods Proを体験したことのない方は、ぜひ躊躇せず家電量販店などの体験コーナーで、高音質サウンドを体験してみてはいかがだろうか。
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