最近では身に着けるデバイス、いわゆる "ウェアラブルデバイス" が爆発的な普及を見せており、スマートウォッチはその最たる例と言って良いだろう。
スマートウォッチと言えばApple Watchなどの高価で高性能な製品が主流だが、最近ではリーズナブルな価格で性能を抑えた格安モデルも多く販売されている。
しかし、あまりにも安いモデルを購入すると、かえって機能が少なすぎて使えなかった... などのような事態に陥る可能性がある。
そこで今回は、最新型Apple Watchなどのハイエンドモデルにも引けを取らないほど充実した機能を備えつつ、比較的手の出やすい価格に抑えられた高性能スマートウォッチ『Amazfit GTR 3 Pro』について紹介したいと思う。
多機能・高性能なZepp OS搭載スマートウォッチ
今回紹介する『Amazfit GTR 3 Pro』は、2021年に発売された、Amazfit(アマズフィット)ブランドの誇る高性能スマートウォッチだ。
▼1.45インチディスプレイ搭載
ブランド | Amazfit(アマズフィット) |
メーカー | Huami |
モデル名 | Amazfit GTR 3 Pro |
画面サイズ | 1.45インチULTRA HD AMOLED |
解像度/PPI | 480×480/331ppi |
内蔵センサー | BioTracker 3.0 PPGバイオメトリックセンサー(6PD+2LED)、加速度センサー、ジャイロスコープセンサー、地磁気センサー、環境光センサー、気圧高度計 |
通信規格 | Bluetooth5.0, GPS, WLAN 2.4GHz(音楽ストレージ保存時のみ) |
防水規格 | 5ATM |
対応OS | iOS, Android, Alexa |
対応アプリ | Zepp |
本体サイズ | 46×46×10.7mm |
本体重量 | 32g(ストラップなし) |
ボディ素材 | アルミニウム合金 |
バンド素材 | ブラウンレザー - 革、インフィニット ブラック - フッ素ゴム |
バンド幅 | 22mm |
46×46×10.7mm、約32gの筐体に1.45インチの大きめな円形ディスプレイを搭載。331ppi解像度対応のディスプレイは見やすく、操作しやすい。
▼時計盤はもちろんカスタマイズが可能。好きな写真を文字盤に表示させることも出来る。
▼無料で多種多様なデザインの時計盤に変更可能。
一般的なスマートウォッチに求められるほぼ全ての機能を備えており、筐体にマイク&スピーカーを内蔵しているため、スタンドアローンで通話や音楽再生が可能となっている。
また、独自のZepp OSを搭載しており、公式アプリのストアから機能を自由に追加することも出来る。
▼大抵の機能を備えているが、決済機能は非対応のため注意したい。
▼通話機能を備えているほか、2.3GBの内部ストレージに音楽データを保存し、スタンドアローンで再生することも出来る。
スポーツモードでは実に150種類を超えるアクティビティの計測に対応しており、GPS通信で距離や位置情報の追跡も可能。
▼大抵のアクティビティ計測に対応。5ATMの防水規格を採用しているため、水泳などにも用いることが出来る。
通知機能にも対応しており、連携するスマホの通知をスマートウォッチ上で確認することが出来る。日本語対応Alexaを搭載しているため、声で様々な機能にアクセス出来る点も魅力的だ。
▼サウンド&振動で通知の着信を把握可能。
そして睡眠・ストレス・心拍数・血中酸素飽和濃度などの24時間モニタリング機能を備えており、スマートウォッチを装着しているだけで身体の状態を逐一把握することが可能だ。
▼計測データを保存し、確認・分析を行うことも出来る。
このように、最新型Apple Watch等のハイエンドモデルにも引けを取らない性能・機能を擁する、高性能スマートウォッチとなっている。
製品本体および付属品
▼外箱の様子
▼内容物をすべて取り出した様子
内容物一覧は以下の通り。
【内容物一覧】
- スマートウォッチ本体
- 充電ケーブル
- ユーザーマニュアル
▼説明書は日本語にも対応している。
▼スマートウォッチ本体の外観。46×46×10.7mmの筐体に、1.45インチの大きめなタッチディスプレイが搭載されている。
▼真横から見た様子
▼右側面にはファンクションボタンが2つ搭載されている。各ボタンの機能は自由にカスタマイズ可能だ。
▼後ろから見た様子。ベルトは汚れが付着しづらく、柔軟な素材で造られている。
▼ベルトを展開した様子。どのような太さの手首でも装着できるようになっている。
▼裏面の手首にあたる部分には、装着者の生体情報を読み取る端子と、充電ポートが用意。
▼手に持った様子
このように、スマートウォッチ自体はシンプルでスタイリッシュなデザインとなっている。
インターフェース構成自体は、一般的なスマートウォッチとほとんど大差はない。
余計なボタンやダイヤル類がないため、初めてこの手のデバイスを扱う方でも困ることはないだろう。
▼私が以前着用していた『HUAWEI Watch FIT2』(画像右)と並べた様子。
▼1.74インチの大きめなディスプレイを搭載した『HUAWEI Watch FIT2』に引けを取らないディスプレイの大きさだ。
マグネット式充電でバッテリーをあっという間に回復
本製品付属の充電ケーブルは、マグネット吸着式となっている。
充電の際は、スマートウォッチ背面のポートにケーブル端子を近づけるだけでカチッと磁石で吸着し、充電が開始される。
いちいち端子を手探りで探して接続する必要もないため、普段からストレスなく充電を開始出来る。
充電速度は非常に速く、バッテリー残量がほぼゼロに近い状態でも、20~30分ほど給電を行うことで満充電まであっという間に回復させることが可能だ。
ちなみにバッテリー自体の持ちも良く、筆者の場合は4~5日間に30分ほど充電を行うだけで支障なく利用できた。
いちいち頻繁にバッテリー残量を気にする必要が無い点もGOODだ。
公式アプリのインストールでスマホと同期
本製品の利用を開始する際は、スマートウォッチと連携したいスマホやタブレット端末へ、事前に公式アプリをインストールしておこう。
▼公式アプリ(iOS・Android対応)
側面のファンクションボタンを長押しするとスマートウォッチが起動し、ペアリングスタンバイ状態となる。
▼インターフェースは当然、日本語にも完全対応している。
アプリ(スマホ・タブレット端末)とのペアリングが完了すると、端末上でスマートウォッチの状態を確認したり、データの分析や機能のカスタマイズなどを行うことが可能となる。
▼本製品を使いこなすうえで必須とも言えるアプリなので、必ず初起動時にインストール&ペアリングしておこう。
快適な着け心地
本製品の装着感は実に快適であり、ベルトが手首へ柔軟にフィットする。
▼強めに締め付けた場合でも、皮膚との擦れなどはほとんど生じなかった。
▼どのような太さの手首にも柔軟にフィットする。
本体重量が約32 g(ストラップを含まず)と軽いため、長時間装着し続けても腕の疲れを生じなかった。
▼見た目的にもスタイリッシュで、オシャレな場で他人に見られても気にならない。
そして5ATMの防水規格で設計されているため、装着した状態で手洗いを行ったり、シャワーを浴びても故障することはない。
ただし温水はNGのため、風呂場やサウナ等での使用は避けよう。
このように、普段から自然な気分で装着し続けることが可能となっている。
Zepp OS搭載で非常に豊富な機能を利用可能
本製品には、一般的なスマートウォッチ以上に豊富な機能が用意されている。
▼ホーム画面から上下左右にスワイプすることで、各アプリや機能を利用可能。
ディスプレイ上に表示するウィジェットは、連携済みの公式アプリ上で自由にカスタマイズ可能だ。
ヘルスケア機能全般からアラーム、メッセージ&着信通知、天気予報、そのほか便利機能など、一般的なスマートウォッチで利用できるほとんどの機能が用意されている。
▼日本語対応Alexa(アレクサ)を搭載しており、スマートウォッチからAlexaの豊富な機能にアクセスできる。
▼音楽再生機能も搭載。内部ストレージに音楽データを取り込むことができ、スタンドアローンで音楽再生が可能だ。
そして本製品はZepp OSを搭載しているため、アプリ上のストアから様々な機能を自由に追加することが出来る。
▼公式アプリストアから、豊富な機能を自由に追加可能。
▼ユニークな機能も用意されており、新しいものがどんどん更新されている。
▼今後も新機能が続々と更新されることが予想される。デフォルトで多機能なだけでなく、拡張性にも優れたスマートウォッチとなっている。
▼なお、iOSの "ヘルスケアアプリ" と連動させて、データを同期することも可能となっている。
バリエーション豊かな時計版
アプリから無料のテーマをインストールすることで、スマートウォッチのホーム画面(時計盤)のデザインを自由に変更することも可能だ。
▼公式が配布するテーマを、オンライン上から無料でインストールすることが出来る。
クール系からビジネス系、デザイナーズ系まで幅広いバリエーションが用意されており、常に新しいテーマが更新されている。
▼デザイン性を重視するか、見やすさを重視するか、好みのテーマを適用しよう。
高度な健康管理が可能
本製品では、公式アプリと組み合わせることで高度な健康管理を行うことが出来る。
▼デフォルトで歩数計測機能が機能している。
運動(ワークアウト)計測
本製品は150種類以上の運動(ワークアウト)の記録・計測に対応している。
▼メジャースポーツからマイナースポーツまで、豊富な種類のワークアウトに対応。
筆者はテストとして、日課のランニングで計測機能を利用してみた。
▼ランニング中の様子。タイム・距離・心拍数・消費カロリーなどをリアルタイムで計測。
▼運動終了後は、ワークアウトデータを保存し、いつでも過去の記録を閲覧することが出来る。
▼アプリ上では、GPS機能を利用したルートトラッキングや、より詳細なワークアウト情報を確認できる。
このように、自身がどの程度の運動を行ったかを詳細に確認できるようになっている。
記録として積み上げていくことで、今後のモチベーション維持にもつながるだろう。
健康モニタリング機能
本製品には健康モニタリング機能が備わっており、ストレス・睡眠・心拍数・血中酸素飽和濃度などの数値を24時間監視(トラッキング)し、データとして可視化・保存しておくことが出来る。
日々の健康状態が可視化されることで、体調管理を意識することができ、生活習慣を正すことで健康促進にもつながるだろう。
座りっぱなし防止機能
そして座りっぱなし防止機能では、ユーザーが座り続けている状況を通知して、こまめに運動することを促してくれる。
▼長時間座り続けていると、バイブレーションで通知する。
機能のON/OFFや通知時間などは、アプリ上で詳細にカスタマイズすることが可能だ。
長時間座り続けることは、エコノミー症候群や脳卒中、ひいては寿命が縮まることにつながると言われている。
本機能を利用して普段から意識的に体を動かすことで、健康寿命の延長につながるだろう。
▼キチンと動いている場合は褒めてくれる。
上記で紹介した以外にも、ストレス管理機能や、女性の方向けに生理周期の記録機能なども用意されている。
本製品を使いこなすことで、日々の健康習慣を改善・向上させることが出来るだろう。
通知連動機能がとても便利
スマートウォッチを利用している中で、個人的に最も重宝している機能が "スマホ通知連動" である。
これはスマホ上に通知された着信、メッセージ受信、その他SNSアプリ等のプッシュ通知を、スマートウォッチ上でも確認できる機能だ。
この機能を利用すると、音声着信はもちろん、メッセージ受信時に内容を確認することも可能となる。LINEやSkype、E-mailなど、メッセージアプリで届いたテキストの内容をディスプレイで確認することもできる。
各種通知をスマートウォッチ上で確認できるため、スマホを出さずとも内容を把握することが出来るようになる。
各通知はバイブレーションで通知してくれるため、重要な着信やメッセージが届いた際にも、気付かずにとり逃してしまった!確認が遅れてしまった!といった事態を防ぐことが出来るだろう。
実際に利用してみると、実に便利で重宝する機能だ。ただし、稀にLINE等のアプリの通知が届かない場合もあり、今後のアップデート等で修正してほしいところだ。
マイク&スピーカー搭載で通話が可能
本製品にはマイクとスピーカーが内蔵されており、スマートウォッチから音声通話を行うことが可能だ。
スピーカーおよびマイクの品質は実に良好で、スマホのスピーカー通話を行った場合と同程度の快適さで会話を楽しむことが出来た。
▼ストレスのない会話が可能。
▼スマートウォッチ上でダイヤルをプッシュして発信することも出来る。
さすが値段相応と言うべき機能だ。
運動中などに急な着信があった場合でも、落ち着いて対応できる便利な機能だ。
『Amazfit GTR 3 Pro』まとめ
今回紹介した『Amazfit GTR 3 Pro』について、特徴をまとめると以下の通りだ。
良かった点
- 軽量で快適な装着感
- スタイリッシュなデザイン
- 大きめで操作しやすいディスプレイ
- Zepp OS搭載で非常に充実した機能を利用可能
- マイク&スピーカー内蔵で通話などが可能
- 5ATMの高い防水規格に対応
- 24時間の健康モニタリング機能
悪かった点
- たまにLINEアプリ等の通知が届かない場合がある
- 決済機能に非対応
以上の通り、3万円台という価格にふさわしい、機能が非常に充実した高機能スマートウォッチとなっている。
血中酸素測定や睡眠モニタリング機能をはじめとした多くの健康管理ツールが用意されており、普段から自然と健康を意識出来るようになるだろう。何よりZepp OS搭載で、続々と配信される新機能を追加できるため、拡張性にも優れている。
デザイン的にもスタイリッシュなため、女性や装着時の見た目を気にする方でも、抵抗感なく装着できる。
バッテリーの持ちも良好で、よほどヘビーに利用しない場合は、充電なしで1週間近くは利用し続けることが可能だ。
スピーカー&マイクを搭載していることで双方向の通話が可能となっており、いちいちスマホを手元に手繰り寄せずとも、急な電話に応対できる点は実に便利だ。
高性能なスマートウォッチを試したいが、新型Apple Watchを購入するほどのコストはかけたくない、という方は、ぜひ本製品を試してみてはいかがだろうか。
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