最近では身に着けるデバイス、いわゆる "ウェアラブルデバイス" が爆発的な普及を見せており、スマートウォッチはその最たる例と言って良いだろう。
しかし、あまりにも安いモデルを購入すると、かえって機能が少なすぎて使えなかった... などのような事態に陥る可能性がある。
2022年8月、スマートウォッチメーカーのAmazfit(中国)は、同ブランドの "GTSシリーズ" 最新モデルである『Amazfit GTS 4 Mini』を発売した。
旧モデルであるGTS 2 Miniと比べてデザイン・スペックの両面で大きく向上しており、リーズナブルな価格に対して充実した機能を利用できるモデルとなっている。
今回は、最新型Apple Watchなどのハイエンドモデルにも引けを取らないほど充実した機能を備えつつ、手を出しやすい価格に抑えられた高性能スマートウォッチ『Amazfit GTS 4 Mini』について紹介したいと思う。
軽量・薄型な多機能スマートウォッチ
今回紹介する『Amazfit GTS 4 Mini』は、軽量・薄型のコンパクトな筐体に、充実した機能を搭載した多機能スマートウォッチだ。
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ブランド | Amazfit(アマズフィット) |
メーカー | Amazfit |
モデル名 | GTS 4 Mini |
画面サイズ | 1.65インチ AMOLED |
解像度/PPI | 336×384/309ppi |
通信規格 | Bluetooth5.2 |
内蔵センサー | BioTracker™ 3.0 PPG バイオメトリック センサー, 加速度センサー, 地磁気センサー, 環境光センサー |
位置測位 | 5 種類の衛星測位(QZSS/Galileo/BDS/GLONASS/GPS) |
通話/決済機能 | 非搭載 |
防水規格 | 5ATM |
対応OS | Android 7.0 以上 iOS 12.0 以上 |
対応アプリ | Zepp |
バッテリー容量 | 270 mAh(最大15日間持続) |
本体サイズ | 41.8 x 36.66 x 9.1 mm |
本体重量 | ストラップなし:約19g ストラップあり:約31.2g |
ボディ素材 | アルミニウム合金+プラスチック |
バンド素材 | シリコン |
バンド長さ | 135mm~190mm |
バンド幅 | 20mm |
本体重量はストラップ込みでわずか約31g。本体部分も9.1mmほどの薄さとなっており、非常に快適な着け心地を実現している。
1.65インチのAMOLEDディスプレイを搭載。画面占有率が70%以上と高く、コンパクトな筐体サイズに対して操作しやすい大きめの画面となっている。
▼時計盤はもちろんカスタマイズが可能。好きな写真を文字盤に表示させることも出来る。
一般的なスマートウォッチに求められるほぼ全ての機能を備えており、筐体にマイク&スピーカーを内蔵しており、内蔵のAmazon Alexa(アレクサ)を用いて様々な情報へ瞬時にアクセス可能。ただし音声通話には対応していない(着信通知のみ)。
独自のZepp OSを搭載しており、公式アプリのストアから機能を自由に追加することも出来る。
▼非常に豊富な機能が用意されているが、決済機能は非対応のため注意したい。
スポーツモードでは実に120種類を超えるアクティビティの計測に対応しており、GPS通信で距離や位置情報の追跡も可能。
▼大抵のアクティビティ計測に対応。5ATMの防水規格を採用しているため、水泳などにも用いることが出来る。
通知機能にも対応しており、連携するスマホの通知をスマートウォッチ上で確認することが出来る。日本語対応Alexaを搭載しているため、声で様々な機能にアクセス出来る点も魅力的だ。
▼手首の振動でスマホ通知を把握。
そして睡眠・ストレス・心拍数・血中酸素飽和濃度などの24時間モニタリング機能を備えており、スマートウォッチを装着しているだけで身体の状態を逐一把握することが可能だ。
▼計測データを保存し、確認・分析を行うことも出来る。ワンタップで3種類のヘルスケア分析も可能。
価格も1万円台とリーズナブルであり、初めてスマートウォッチの購入を検討している方にもオススメできるエントリーモデルだ。
このように、コンパクトな筐体に多くの機能が詰め込まれた高コスパなスマートウォッチとなっている。
製品本体および付属品
▼外箱の様子
▼内容物をすべて取り出した様子
【内容物一覧】
- スマートウォッチ本体
- 充電ケーブル
- ユーザーマニュアル
▼スマートウォッチ本体の外観。41.8 x 36.66 x 9.1 mmのコンパクトな筐体に、1.65インチの大きめなタッチディスプレイが搭載されている。
▼アルミニウム合金で縁取られた本体部分には、それなりの高級感もある。
▼真横から見た様子。
▼右側面にはファンクションボタンが搭載されている。
後述する公式アプリを利用することで、ファンクションボタンに割り当てる機能は自由にカスタマイズ可能だ。
▼後ろから見た様子。ベルトは汚れが付着しづらく、柔軟なシリコン素材で造られている。
▼ベルトを展開した様子。どのような太さの手首でも装着できるようになっている。
▼一般的なスマートウォッチとは異なり、遊革(手首側の固定革)が無く、代わりにベルト固定用の穴が空いている。
▼裏面の様子
▼裏面の手首にあたる部分には、装着者の生体情報を読み取る端子と、充電ポートが用意。
▼手に持った様子
このように、スマートウォッチ自体はシンプルでスタイリッシュなデザインとなっている。
インターフェース構成自体は、一般的なスマートウォッチとほとんど大差はない。
余計なボタンやダイヤル類がないため、初めてこの手のデバイスを扱う方でも困ることはないだろう。
▼私が愛用している『Amazfit T-Rex 2』(画像右)と並べた様子。
▼ゴツい『Amazfit T-Rex 2』と並べると、『Amazfit GTS 4 Mini』のコンパクトさが際立つ。
マグネット式充電でバッテリーをあっという間に回復
本製品付属の充電ケーブルは、マグネット吸着式となっている。
充電の際は、スマートウォッチ背面のポートにケーブル端子を近づけるだけでカチッと磁石で吸着し、充電が開始される。
いちいち端子を手探りで探して接続する必要もないため、普段からストレスなく充電を開始出来る。
充電速度は速く、バッテリー残量がほぼゼロに近い状態でも、60~70分ほど給電を行うことで満充電まであっという間に回復させることが可能だ。
ちなみにバッテリー自体の持ちも良く、筆者の場合は6~7日間に30分ほど充電を行うだけで支障なく利用できた。
いちいち頻繁にバッテリー残量を気にする必要が無い点もGOODだ。
公式アプリのインストールでスマホと同期
本製品の利用を開始する際は、スマートウォッチと連携したいスマホやタブレット端末へ、事前に公式アプリをインストールしておこう。
▼公式アプリ(iOS・Android対応)
側面のファンクションボタンを長押しするとスマートウォッチが起動し、ペアリングスタンバイ状態となる。
▼インターフェースは当然、日本語にも完全対応している。
アプリ(スマホ・タブレット端末)とのペアリングが完了すると、端末上でスマートウォッチの状態を確認したり、データの分析や機能のカスタマイズなどを行うことが可能となる。
▼本製品を使いこなすうえで必須とも言えるアプリなので、必ず初起動時にインストール&ペアリングしておこう。
非常に快適な着け心地
本製品の装着感は実に快適であり、ベルトが手首へ柔軟にフィットする。
また約31gという軽さのため、長時間装着し続けても手首の疲れや違和感を感じることはなかった。
▼強めに締め付けた場合でも、皮膚との擦れなどはほとんど生じない。見た目的にもスタイリッシュで、オシャレな場で他人に見られても気にならないだろう。
▼どのような太さの手首にも柔軟にフィットする。
そして5ATMの防水規格で設計されているため、装着した状態で手洗いを行ったり、シャワーを浴びても故障することはない。
温水はNGのため、風呂場やサウナ等での使用は避けよう。
このように、普段から自然な気分で装着し続けることが可能となっている。
ただし、ベルトが装着しづらい。
前述した通り、本製品には遊革(手首側の固定革)がないため、ベルト先端を穴に通して下へ押し込み装着するカタチとなる。
慣れればスムーズに装着できるだろうが、最初は装着する際に少々苦戦した。
見た目のスタイリッシュさを追求した結果なのかもしれないが、個人的には素直に遊革を用意してほしかったところだ。
Zepp OS搭載で非常に豊富な機能を利用可能
本製品には、一般的なスマートウォッチ以上に豊富な機能が用意されている。
▼ホーム画面から上下左右にスワイプすることで、各アプリや機能を利用可能。
ディスプレイ上に表示するウィジェットは、連携済みの公式アプリ上で自由にカスタマイズ可能だ。
ヘルスケア機能全般からアラーム、メッセージ&着信通知、天気予報、そのほか便利機能など、一般的なスマートウォッチで利用できるほとんどの機能が用意されている。
▼日本語対応Alexa(アレクサ)を搭載しており、スマートウォッチからAlexaの豊富な機能にアクセスできる。
▼ミュージックコントロール機能も搭載。内部ストレージは用意されていないため、再生できるのは連携済みデバイスの音楽・動画のみとなる。
そして本製品はZepp OSを搭載しているため、アプリ上のストアから様々な機能を自由に追加することが出来る。
▼公式アプリストアから、豊富な機能を自由に追加可能。ユニークな機能も用意されており、新しいものがどんどん更新されている。
▼今後も新機能が続々と更新されることが予想される。デフォルトで多機能なだけでなく、拡張性にも優れたスマートウォッチとなっている。
バリエーション豊かな時計版
アプリから無料のテーマをインストールすることで、スマートウォッチのホーム画面(時計盤)のデザインを自由に変更することも可能だ。
▼公式が配布するテーマを、オンライン上から無料でインストールすることが出来る。
クール系からビジネス系、デザイナーズ系まで幅広いバリエーションが用意されており、常に新しいテーマが更新されている。
▼デザイン性を重視するか、見やすさを重視するか、好みのテーマを適用しよう。
高度な健康管理が可能
本製品では、公式アプリと組み合わせることで高度な健康管理を行うことが出来る。
運動(ワークアウト)計測
本製品は120種類以上の運動(ワークアウト)の記録・計測に対応している。
▼メジャースポーツからマイナースポーツまで、豊富な種類のワークアウトに対応。
筆者はテストとして、日課のランニングやサイクリングで計測機能を利用してみた。
▼運動終了後は、ワークアウトデータを保存し、いつでも過去の記録を閲覧することが出来る。
▼アプリ上では、GPS機能を利用したルートトラッキングや、より詳細なワークアウト情報を確認できる。
このように、自身がどの程度の運動を行ったかを詳細に確認できるようになっている。
記録として積み上げていくことで、今後のモチベーション維持にもつながるだろう。
健康モニタリング機能
本製品には健康モニタリング機能が備わっており、ストレス・睡眠・心拍数・血中酸素飽和濃度などの数値を24時間監視(トラッキング)し、データとして可視化・保存しておくことが出来る。
日々の健康状態が可視化されることで、体調管理を意識することができ、生活習慣を正すことで健康促進にもつながるだろう。
通知連動機能がとても便利
スマートウォッチを利用している中で、個人的に最も重宝している機能が "スマホ通知連動" である。
これはスマホ上に通知された着信、メッセージ受信、その他SNSアプリ等のプッシュ通知を、スマートウォッチ上でも確認できる機能だ。
この機能を利用すると、音声着信はもちろん、メッセージ受信時に内容を確認することも可能となる。LINEやSkype、E-mailなど、メッセージアプリで届いたテキストの内容をディスプレイで確認することもできる。
各種通知をスマートウォッチ上で確認できるため、スマホを出さずとも内容を把握することが出来るようになる。
▼高解像度ディスプレイのおかげで、細かな文字まで見やすい。
各通知はバイブレーションで通知してくれるため、重要な着信やメッセージが届いた際にも、気付かずにとり逃してしまった!確認が遅れてしまった!といった事態を防ぐことが出来るだろう。
▼音声通話は着信確認&電話切りの操作のみ可能。
実際に利用してみると、実に便利で重宝する機能だ。アプリごとに通知のON/OFFを切り替えられる点も嬉しい。
『Amazfit GTS 4 Mini』のまとめ
今回紹介した『Amazfit GTS 4 Mini』について、特徴をまとめると以下の通りだ。
良かった点
- 軽量で快適な装着感
- スタイリッシュなデザイン
- Zepp OS搭載で非常に充実した機能を利用可能
- 5ATMの高い防水規格に対応
- 24時間の健康モニタリング機能
- 長持ちするバッテリー
悪かった点
- ベルトが留めづらい
- 通話機能に非対応
- 決済機能を非搭載
以上の通り、1万円台という価格に対して非常に機能の充実した、高コスパなスマートウォッチとなっている。
血中酸素測定や睡眠モニタリング機能をはじめとした多くの健康管理ツールが用意されており、普段から自然と健康を意識出来るようになるだろう。何よりZepp OS搭載で、続々と配信される新機能を追加できるため、拡張性にも優れている。
デザイン的にも軽量・薄型かつスマートな印象を受けるため、女性や装着時の見た目を気にする方でも、抵抗感なく装着できるだろう。バッテリーの持ちも良好で、よほどヘビーに利用しない場合は、充電なしで1週間近く利用し続けることが可能だ。
一方で、ベルトの留めづらさをもう少しなんとかしてほしかったところだ。私がまだ不慣れなだけで、コツをつかめばスムーズに装着できるのかもしれないが、初めは装着に苦戦する方が多いと思われる。
高性能なスマートウォッチを試したいが、新型Apple Watchを購入するほどのコストはかけたくない、という方は、ぜひ本製品を試してみてはいかがだろうか。
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