台湾メーカーのASUSは、2022年7月にゲーマー向けの最新スマートフォン『ASUS ROG Phone 6』および『ASUS ROG Phone 6 Pro』を発表した。
CPU(SoC)には最新のQualcomm Snapdragon 8+ Gen 1 オクタコアプロセッサーを採用しており、RAMは最大16GB、ストレージは最大512GB搭載モデルが用意。ハイエンド機種といって差支えのない性能を発揮するゲーミングスマホとなっている。
価格はROG Phone 6が999ユーロ(約13万8000円)から、ROG Phone 6 Proが1299ユーロ(約18万円)から販売される。ただし現時点(記事執筆時点)で日本向けの販売は予定されていない。
今回、提携先より『ASUS ROG Phone 6』(12GB + 256GBモデル)を提供していただいたので、実際に使用した感想を基にレビューしていきたいと思う。
ゲーミングに特化したハイエンドスマホ
今回紹介する『ASUS ROG Phone 6』は、ゲーミングに適した性能と機構を備えたハイエンドスマホだ
ブランド | ASUS |
モデル名 | ROG Phone 6 |
ディスプレイサイズ | 6.8インチ |
解像度 | 1080x2448 (FHD+) AMOLED |
リフレッシュレート | 最高165Hz |
OS | Android 12 |
CPU(SoC) | Qualcomm Snapdragon 8+ Gen 1 オクタコアプロセッサー |
RAM | 12GB / 16GB |
ストレージ | 128GB / 256GB / 512GB |
SIMカード | デュアル nanoSIM対応 |
マイクロSDカード | 非対応 |
搭載カメラ | フロント:12MP リア:50MPメインカメラ + 13MP超広角 + 5MPマクロ |
生体認証 | 指紋認証・顔認証 |
バッテリー容量 | 6,000mAh(65W高速充電対応) |
対応通信規格 | Bluetooth 5.2 Wifi 6 NFC GPS 5G:N28, N41, N77, N78, N79; N1, N3, N7, N8, N20, N38 Roaming only 4G:FDD-LTE: B1/B2/B3/B4/B5/B7/B8/B18/B19/B26/B28 TD-LTE: B34/B38/B39/B40/B41/B42/B48 3G:WCDMA: B1/B2/B4/B5/B8 2G:GSM: B2/B3/B5/B8 |
防水性能 | IPX4 |
本体サイズ | 77 x 173 x 10.4mm |
本体重量 | 約239g |
6.8インチAMOLEDディスプレイは1080x2448 (FHD+)解像度、最高165Hzのリフレッシュレートに対応、動画視聴やゲーミングにおいて、カラフルで非常に滑らかな映像を楽しむことができる。
OSはAndroid 12を搭載。
筐体サイズは約77 x 173 x 10.4mm、重量は約239g。一般的なスマホと比べると大型で、ややズッシリ感がある。ちなみにIPX4の防水規格に対応している。
CPU(SoC)にはパワフルなQualcomm Snapdragon 8+ Gen 1 オクタコアプロセッサーを採用。RAMは最大16GBを搭載するなど、あらゆるゲームアプリを快適に遊べるだけの性能を実現している。
▼本気でゲーミングを楽しみたいかたにうってつけの165Hz高リフレッシュレートに対応。
ストレージは128GB/256GB/512GBの3モデルを用意。マイクロSDカードの挿入には対応していない。
通信規格はBluetooth、Wi-Fiをはじめ、デュアル nanoSIMの挿入に対応。
NFCにも対応している一方で、おサイフケータイ/Felicaには非対応な点に注意が必要だ。
そして筐体前面には12MPのフロントカメラを、背面には50MPメインカメラ + 13MP超広角 + 5MPマクロカメラを搭載しており、ゲーミングだけでなく、旅行先での記念撮影やオンライン授業、ウェブ会議などの用途にも活用できるだろう。
バッテリー容量は6,000mAh。一般的なスマホと比べて大容量となっている。65W高速充電にも対応しているなど、利便性に優れた構成となっている。
ハイパフォーマンスを実現する代わりに高い発熱が起こるが、冷却システムに改良が加えられた「GameCool 6」が採用されており、高いパフォーマンス性能を維持できるようになっている。他にも、公式で対応する外付け冷却アタッチメント『AeroActive Cooler 6』などのオプションパーツも販売されている。
その他、旧モデルと比較して、ゲームプレイ時の操作性を多様にする超音波タッチセンサー「AirTrigger 6」、「デュアルアクション」「プレス&リフト」「ジャイロ照準」などの新機能が追加されており、さまざまなジェスチャー操作ができるようになった。
▼多種多様なジェスチャーコントロールに対応。ハンズフリーで様々な操作を行うことができるため、ゲーミングに集中できる仕様だ。
以上の通り、ハイエンドゲーミングモデルと言って差支えのない構成となっている。
製品本体および付属品
▼外箱の様子
▼内容物をすべて取り出した様子
内容物一覧は以下の通り。
【内容物一覧】
- スマートフォン本体
- 電源アダプタ
- USB Type-Cケーブル
- ユーザーマニュアル
- スマホケース
- カードスロット開閉用ピン
▼付属するスマホケースの質は中々高く、そのままメインケースとして利用できるレベルだ。
▼背面LED点灯が見えるように穴が空いている。
▼スマホの外観。6.8インチディスプレイを搭載。正面から見るとシンプルかつスタイリッシュな印象を受ける。
▼正面上部には12MPのフロントカメラを搭載。
▼背面の様子。サイバーパンクな雰囲気を感じる幾何学模様のデザイン。
▼背面上部には50MPメインカメラ + 13MP超広角カメラ + 5MPマクロカメラが搭載。
▼背面素材はやや指紋が目立ちやすい。
背面中央にはLEDライトが内蔵されており、ゲームアプリプレイ時や音楽再生時などに点灯させることができる。
▼点灯の様子
背面ダブルタップなどにも対応しており、筐体背面をタップすることで、設定アプリでセットした操作を行うことも可能だ。
▼77 x 173 x 10.4mm、約239gの筐体は、一般的なスマホより一回り大きく、若干のズッシリ感もある。
▼ただし持ち運びに不便に感じるほどの重さではない。
▼厚みは10.4mm。ポケットにも十分に入る薄さだ。
▼カメラ部分も薄く、邪魔に感じることはないだろう。
続いて、インターフェースについて見ていく。
▼本体右側面。電源ボタンと音量調節ボタンが搭載。
▼左側面にはType-Cポートとカードスロットが用意。
▼付属のピンを用いてスロットを開き、デュアルnanoSIMカードの挿入が可能だ。マイクロSDカードの挿入には対応していない。
▼上部には特に何もない。
▼下部には3.5mmオーディオジャックと、2つめのType-Cポートが用意。
このように2つのType-Cポートが用意されていることで、プレイするゲームアプリによって、遊びやすいようにType-Cケーブルの接続方向を変更することが可能だ。
そして右側面の左右には『AirTrigger』(エアトリガー)が用意されており、設定アプリより自由な機能を割り当てることができる。
▼ゲームプレイ時に、コンシューマ機のゲームパッドに搭載されたLRトリガーのような使い方が可能となる。
▼長押し・短押しなど、押し方に応じて異なる機能を割り当てることが可能。
指紋認証・顔認証に対応
本製品は画面内指紋認証および顔認証に対応している。
複数の認証方法を選択できる点は嬉しい。
AnTuTuベンチマークテスト
本機について、スマホ・タブレット端末の性能を測ることのできる『AnTuTuベンチマークテスト』を実施してみた。
▼Android端末におけるAnTuTuベンチマークテストの実施方法はコチラを参照
-
Android端末でAnTuTuベンチマークテストを行う超簡単な方法(2023年時点)
スマートフォン・タブレットなどのモバイル端末のスペック(スコア)を計測することのできるツールとして、『AnTuTu Benchmark』(アンツツ ベンチマーク)というものがあります。 AnTuTuと ...
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結果として、約110万点のスコアを記録することが出来た。
当サイトで今まで紹介した端末の中でも、約102万点を記録したハイエンドスマホ『Xiaomi 12S Ultra』を超えるハイスコアを記録した。
ウェブサイト閲覧や動画視聴はもちろん、『原神』などの激重ゲームアプリでも問題なく快適に遊ぶことのできる性能の高さだ。
価格相応のパフォーマンスを実現出来ていると言える。
本格的なゲーミング用のスマホを探している方には間違いなくオススメできるハイエンドモデルである。
それでは以下から、実際に使用した感想について紹介していく。
FHD+・165Hzの美しく滑らかな描画
本機のディスプレイは 1080x2448 (FHD+)解像度、最高165Hzの高リフレッシュレートに対応しており、美しく非常に滑らかな映像を楽しむことが可能だ。
▼リフレッシュレートは設定アプリより切り替えることが出来る。
▼ウェブサイト閲覧時も、細かい文字まで明瞭に表示され見やすい。ページスクロールもなめらかで心地よい。
▼AMOLEDディスプレイの深みのある色合いが非常に綺麗で、ゲームはもちろん、アニメなどでもカラフルな映像を楽しめる。
▼165Hzの高リフレッシュレートで描画される映像は滑らかで、コンマ数秒の反応を求められるシューティングゲーム等でも高ランクを目指すことができるだろう。
ほぼすべての作業を快適にこなせる性能
本機のパフォーマンスを確認すべく、ウェブサイト閲覧時・動画視聴時の動作について検証した。
ウェブブラウジングは基本的に快適であり、画像が多めのサイトや、処理の重いサイトであっても スムーズに閲覧することが出来た。
▼ほとんどのウェブサイトが一瞬で表示される。
また、YouTubeやネットフリックスなどの動画サイトを閲覧した場合においても、スピーディかつ滑らかな動画再生が可能であった。
▼高画質設定の美しい映像を、スムーズに視聴することが出来る。
▼アニメから実写映画まで、満足度の高いカラフルな映像体験が可能。
以上の通り、ウェブサイト閲覧や動画視聴といった一般的なスマホ用途に関しては、何の問題もなく快適に行うことが出来た。
サウンド品質はまあまあ良い
本機のスピーカーについて、音質を確認してみた。
ちなみに本製品にはスピーカー用の穴が空いておらず、画面(ディスプレイ)裏にフロントステレオスピーカーが内蔵されている構造だ。
音質自体は良好で、低音から高音までクリアで迫力のあるサウンドを楽しむことができる。音圧も強めだ。
ただし音の立体感はそこまで感じられないため、ゲーミングの際は3.5mmオーディオジャックを利用するなどして、イヤホン等を装着すると良いだろう。
高品質フロント・リアカメラ
また、本機に搭載されていカメラについても確認した。
▼実際にフロント(前面)カメラで撮影した画像。
フロントカメラに関して、画質は概ね良好であり、全体的に明るく、ヒトの輪郭から表情までクリアに映し出すことが出来ていた。
発色も自然で肉眼で見た場合に近い。激しく動いても気になるレベルの残像は発生しないため、見づらさを感じることもかなった。
自撮りだけでなく、ウェブ会議や授業など、オンライン通話用途に利用しても問題のない品質だ。
▼リア(背面)カメラで撮影した画像。
▼広角撮影時
▼1倍撮影時
▼2倍撮影時
▼屋外撮影(1倍)
▼屋外撮影(2倍)
背面カメラについても、フロントカメラ以上に鮮明で美しい写真を撮影することが可能であった。発色も良く、肉眼で見た場合に近い色合いを実現している。
上画像を見ても分かる通り、遠景から近景、広角まで、明瞭に撮影することができた。特に遠景撮影時に関しては輪郭がシャープに映る。
旅行や記念撮影用のカメラとしても十分に活用できる品質だろう。
ゲーミング性能の確認
本機を用いて各種ゲームアプリを遊んだ際のパフォーマンスについても確認していく。
『PUBG』プレイ時
まずは『PUBG』の場合について。
まずグラフィッククオリティに関しては、現時点の最高品質である『Ultra HD(FHD)』を選択することが出来た。
▼フレーム設定はウルトラを選択可能。
実際に試合に参加してみたが、大人数のプレイヤーが密集する場所においても、処理落ちやカクつきなどはほとんど生じず、終始快適なゲームプレイが可能であった。
▼近くのテクスチャから遠くの風景まで、美しく描画される。
▼激しく動き回っても、ラグやフレームレート低下などを感じることはほとんどなかった。165Hz高リフレッシュレートのおかげで、全体的に動きが滑らかに描画される。
『統合版マインクラフト(旧PE)』プレイ時
続いて『統合版マインクラフト(旧PE)』の場合について。
ワールドを作成して実際にプレイしてみたが、スムーズで快適に操作することが出来た。
▼チャンク読み込み時にも全く重さを感じない。
▼処理の重くなりがちなバイオームでも、フレームレート低下やカクつきを感じることは無かった。
クリエイティブやサバイバル、またはマルチサーバーに参加した際などにも、パフォーマンスは非常に安定しており終始スムーズなゲーミングが可能であった。
多くのアドオンを導入したり、友人らと多人数マルチサーバーに参加した場合でも、スムーズな動作を実現することが出来るだろう。
以上の通り、『PUBG』や『マインクラフト』レベルのゲームアプリであれば、ほとんど問題なく快適に遊べることが確認できた。
『原神』プレイ時
最後に "激重" ゲームとしても有名な『原神』の場合について。
非常に重いゲームアプリとして有名な『原神』であるが、本機ではスムーズにプレイすることが可能であった。
▼画質設定はデフォルト状態で "中" に設定されており、デバイス負荷は "スムーズ" の状態。
▼画質設定を "最高" まで上げるとデバイス負荷も高まるが、依然としてスムーズな動作が可能であった。
▼最高画質設定で、とてもスムーズに原神をプレイすることができた。
▼激しく動いた場合でもカクつきや遅延を感じることはほとんどなかった。
『原神』クラスの激重ゲームでもこれだけ快適に遊べるのであれば、大抵のゲームアプリはスムーズに動作するだろう。
以上の通り、ゲーミングスマホとして圧倒的なパフォーマンスを発揮するスマホとなっている。
ゲームアプリごとにパフォーマンス調節が可能
ゲームアプリ起動中に画面端を中央に向かってスワイプすることで、"GAME GENIE" を呼び出すことができる。
GAME GENIEのインターフェース上では、画面録画やPIP(ピクチャーインピクチャー)、リフレッシュレート切替など、ゲーミングに役立つ機能にワンタッチでアクセスすることが可能だ。
▼PIP(ピクチャーインピクチャー)を利用している様子。
また、ゲームアプリごとにパフォーマンスモードを切り替えることも出来る。
▼タッチ操作の反応速度やリフレッシュレートなどを、バッテリー消費量と相談して調節することができる。
▼キーマッピングの編集も可能。
▼その他、ゲームアプリごとにモーションコントロールやエアトリガーに割り当てる操作をカスタムすることが可能。
このように、ただ基本的なパフォーマンスが優れているだけでなく、ゲームアプリを極力快適かつスムーズにプレイするための機能が充実したゲーミングスマホとなっている。
長持ちする大容量バッテリー
本製品には6,000mAhの大容量バッテリーが内蔵されており、長時間の連続利用が可能だ。
実際に満充電の状態から3時間ほどゲームアプリを連続して遊んでみたところ、15%ほどしかバッテリーが減っていなかった。ただし上述したパフォーマンスモードによって、バッテリー消費速度は大きく変化する。
また本製品は65W高速充電に対応しており、少しの充電時間で一気にバッテリーを回復できる。
バイパス給電も可能
なお、本製品はバイパス充電を行うことができる。
これは使用中のシステムに応じた給電を行うモードであり、バッテリーへの負担を最小限に抑えつつ、残充電量を保持することができる便利な機能だ。
充電しつつゲームアプリをプレイする場合などには、バッテリー寿命を延ばすためにバイパス充電モードを利用すると良いだろう。
かなりの発熱がある
本製品は高い処理パフォーマンスを発揮する一方で、その分筐体の発熱が激しく、1時間ほどゲームアプリをプレイしているとかなりの熱をもつようになる。
▼持っていられなくなるレベルではないが、ゲームに集中したい場合には気が散るほどの熱を感じる。
バッテリー消費量が最低限となるパフォーマンスモードに設定した場合でも、発熱具合にほぼ差はなかった。
そのため、本製品を使用して本格的にゲーミングを楽しみたい場合には、公式が推奨する『AeroActive Cooler 6』などの外付けクーラーの装着がほぼ必須となるだろう。
▼AeroActive Cooler 6
『ASUS ROG Phone 6』のまとめ
今回紹介した『ASUS ROG Phone 6』について、特徴をまとめると以下の通りだ。
良かった点
- ゲーミングらしい幾何学模様のデザイン(背面)
- 非常に滑らかな165Hz描画
- 大抵の作業を快適にこなせるスペック
- 激重ゲームアプリもスムーズにプレイ可能
- 高音質フロントステレオスピーカー
- 品質の高い内蔵カメラ
- 長持ちする大容量バッテリー
- バイパス給電に対応
悪かった点
- ややズッシリ感がある
- 長時間利用時の発熱が激しい(冷却クーラーの装着がほぼ必須)
以上の通り、AnTuTuスコア100万点超えのパワフルな性能を発揮するハイエンドゲーミングスマホとなっている。
FHD+解像度・165Hzリフレッシュレート対応により、非常に滑らかで美しい映像を楽しむことが出来る。シューティングゲームなどで本気で高ランクを目指している方にもうってつけだ。
カメラ性能も優れており、オンライン通話はもちろん、旅行時や記念撮影用カメラとしても十分に活用できる品質だ。
そして何より、ゲームアプリを極力快適かつスムーズにプレイするための機能が充実しており、ゲームごとに操作性や反応性に関する細かなカスタマイズが可能な点も嬉しい。
一方で、高負荷利用時の発熱がかなり激しく、本製品を注文する際は、『AeroActive Cooler 6』などの外付けクーラーを一緒に購入することをオススメしたい。
なにはともあれ、本気でゲーミングを楽しみたい方には、是非オススメしたいハイエンドゲーミングスマホだ。
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