世界中に数多くのタブレット端末をリリースしてきたAvidPadは、Android 15搭載の10.4インチタブレット『AvidPad S60』を販売している。
2000×1200解像度対応、7,000mAhの大容量バッテリーを内蔵したWi-Fiタブレットであり、クーポン割引込みで税込15,000円台というリーズナブルな価格に対して、そこそこ実用的なパフォーマンスを発揮する格安モデルとなっている。
今回、提携先より本製品を提供していただいたので、実際に使用した感想を基にレビューしていきたいと思う。
▼専用ガラス保護フィルム
▼専用ケース
項目 | AvidPad S60 |
モデル番号 | S60-15 |
OS | Android 15 |
ディスプレイ | 10.4インチ IPS, TDDIフルラミネート |
解像度 | 2,000×1,200 |
リフレッシュレート | 60Hz |
ピーク輝度 | 360nits |
CPU(SoC) | UNISOC T606 オクタコアプロセッサー |
RAM | 6GB(最大12GBの仮想RAM拡張をサポート) |
ストレージ | 128GB |
SIMカード | 非対応 |
マイクロSDカード | 最大1TBまでサポート |
認証機能 | 顔認証 |
カメラ | フロント:8MP リア:20MP |
スピーカー | デュアルスピーカー内蔵 |
バッテリー | 7,000mAh |
通信規格 | Bluetooth5.0、Wi-Fi(2.4G/5G)、GPS |
搭載ポート | USB Type-C, 3.5mmイヤホンジャック |
本体サイズ | 15.7×24.7×0.8cm |
本体重量 | 約422g(実測値) |
今回紹介する『AvidPad S60』は、Android15搭載のタブレットだ。
筐体サイズは15.7×24.7×0.8cm、重量は約422g(実測値)であり、十分に携行性に優れている。
TDDIフルラミネート加工の施された10.4インチIPSスクリーンは、2,000×1,200解像度、および60Hzのリフレッシュレートに対応。WidevineはL1サポートとなっている。
CPU(SoC)には "UNISOC T606 オクタコアプロセッサー" を採用しており、ウェブサイト閲覧や動画視聴程度であればスムーズにこなせるパフォーマンスを備えている。
6GB RAM(メモリ)を搭載し、最大12GBの仮想RAM拡張が可能だ。
ストレージは128GBを用意。マイクロSDカードを挿入することで最大1TBまでの拡張も可能。
通信規格は2.4G/5GデュアルバンドWi-FiとBluetooth5.0をサポート。一方でSIMカードの挿入には対応しておらず、モバイルデータ通信を行うことができない点に注意。
▼4つの衛星測位システムをサポートし、位置追跡は可能。
前面・背面にはそれぞれ8メガピクセル・20メガピクセルのカメラが内蔵。
そして大容量7,500mAhバッテリーを内蔵。外出先でも長時間の連続使用が可能だ。
製品本体および付属品
▼外箱の様子
▼内容物をすべて取り出した様子
内容物一覧は以下の通り。
【内容物一覧】
- タブレット本体
- ユーザーマニュアル
- カードスロットピン
- 電源アダプタ
- USB Type-Cケーブル
▼タブレットの外観。10.4インチディスプレイ搭載のスタイリッシュな外観。
▼前面中央には8MPのフロントカメラが内蔵。
▼背面の様子。
▼背面には20MPリアカメラが内蔵。
▼本体重量は実測で約422g。
▼本体サイズは15.7×24.7×0.8cmで、十分に携行しやすいサイズ感。
▼背面はサラサラとした手触りで、指紋や手脂などの汚れが目立ちづらい。金属特有の鈍い光沢やヒンヤリ感もあり、リーズナブルな価格の割に安っぽさはない。
▼厚みは8mm強。薄型とは言えないが、カバンなどに入れて持ち運んでも支障にならないだろう。
続いてインターフェースについて紹介していく。
▼上部にはスピーカー穴、Type-Cポート、電源ボタン、音量調節ボタン、3.5mmジャックが用意。
▼下部にもスピーカー穴が用意。
▼左側面にはカードスロットが用意。
▼付属のピンでスロットを開き、最大1TBのマイクロSDカード挿入が可能。SIMカードはサポートしていない。
▼右側面には特に何もない。
以上の通り、必要最低限のポート類のみが用意された、シンプルな設計となっている。
AnTuTuベンチマークテスト
本機について、スマホ・タブレット端末の性能を測ることのできる『AnTuTuベンチマークテスト』を実施してみた。
▼Android端末におけるAnTuTuベンチマークテストの実施方法はコチラを参照
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Android端末でAnTuTuベンチマークテストを行う超簡単な方法(2025年時点)
2024年12月26日追記 記事内容を最新の状態に更新しました。 スマートフォン・タブレットなどのモバイル端末のスペック(スコア)を計測することのできるツールとして、『AnTuTu Benchmark ...
続きを見る
結果として、約27万点のスコアを記録した。
性能区分 | 総合スコア | 性能の目安 | |
---|---|---|---|
スマホ | タブレット | ||
エントリー | 30万点~50万点 | 20万点~40万点 | 基本的な操作や軽量アプリの使用に適している |
ミッドレンジ | 50万点~80万点 | 40万点~70万点 | 普段使いの操作、一般的なアプリ、軽めのゲームに快適に対応 |
上位ミッドレンジ | 80万点~120万点 | 70万点~100万点 | 重めのアプリや3Dゲームもある程度快適に動作 |
ハイエンド | 120万点~150万点 | 100万点~120万点 | 高負荷な作業(動画編集、最新3Dゲーム)にも対応でき、スムーズなマルチタスクが可能 |
フラッグシップ | 150万点~170万点 | 120万点~140万点 | 最先端の性能を備え、最新ゲームやAI処理、マルチメディア作業に最適 |
ウルトラハイエンド | 170万点~ | 140万点~ | ゲーミング専用機並みの性能。最大限のパフォーマンスが必要なコンテンツや今後リリースされる最新アプリケーションに対応可能 |
1万円台の格安タブレットの中では、そこそこ優れたスコア記録できている。
ヘビーな作業には向かないが、ウェブサイト閲覧や動画視聴など、一般的なタブレット用途に用いる分には問題のないエントリーモデルと言える。
▼これまでにレビューしたスマホ&タブレットのベンチマークスコア一覧はこちら
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-
【2025年最新】スマホ&タブレットのAnTuTuベンチマークスコアまとめ(実測値)
更新履歴 2025/03/09:ベンチマーク表に「AvidPad S60」を追加しました。 2025/03/07:ベンチマーク表に「Xiaomi 15 Ultra」を追加しました。 2025/03/0 ...
続きを見る
それでは以下からは、実際に使用した感想について紹介していく。
一般的なタブレット用途はスムーズにこなせる
本機のパフォーマンスを確認するため、ウェブサイト閲覧時・動画視聴時の動作について確認した。
まず、ウェブブラウジングは快適であり、画像が多めのサイトや、処理の重いサイトであっても スムーズに閲覧することができた。
▼ほとんどのウェブサイトが素早く表示される。画像やスクリプト多めのサイトでも、読込時やスクロール時にカクつきを感じることは無く、閲覧に支障をきたすことはなかった。
▼2,000×1,200解像度のディスプレイでは、小さな文字の読み取りに支障をきたすことはなかった。
ただし、TDDIフルラミネートディスプレイはグレア(光沢)仕上げとなっており、画面への映り込みは比較的強めだ。気になる方はアンチグレアフィルムを貼ることをオススメしたい。
そして、YouTubeやネットフリックスなどの動画サイトを閲覧した場合においても、スピーディかつスムーズに動画を再生することが可能であった。
▼発色も良好。色合い鮮やかな映像を楽しめる。
WidevineはL1サポートとなっており、ネトフリやAmazon Primeビデオなどのサービスで高画質設定の映像を楽しめる。
また、設定より最大12GBの仮想RAM拡張が可能だ。
以上の通り、一般的なタブレット作業に関しては、支障なく利用できることが確認できた。
ちなみに、デジタルルクスメーター「Vici LX1336B」を使用して画面の明るさを計測したところ、メーカー公称値通り、最高360nitの明るさであった。
▼明るさ最大(自動明るさ調整:オン)にした状態で、真っ白なページの中央を測定。
なお、実際の見え方ベースでの明るさの目安は以下の通り。
明るさ (nits) | 実際の見え方・使用シーン |
---|---|
0~150 nits | 真っ暗な部屋での使用に適切。明るい場所ではかなり暗く感じる。 |
150~300 nits | 暗めの室内なら十分。明るい部屋ではやや暗く感じることもある。 |
300~500 nits | 室内使用では快適。カフェやオフィスの明るさにも十分対応。 |
500~700 nits | 明るい部屋や日陰の屋外で問題なく見える。直射日光下は少し厳しい。 |
700~1000 nits | 日陰や曇りの日の屋外で快適。直射日光下では「まあ見える」レベル。 |
1000~1500 nits | 晴れた日の屋外で十分見える。直射日光下でも大きな不満はない。 |
1500~2000 nits | 強い日差しの下でも快適。HDR動画視聴時は非常に鮮やかに映る。 |
2000~3000 nits | 強烈な直射日光下でもはっきり見える。HDRピーク輝度としても十分優秀。 |
3000 nits以上 | 眩しさを感じるほど明るい。屋外でも反射を感じにくく、最高の視認性。 |
室内使用では十分に快適な明るさを備えているが、明るい日中の屋外では、画面がやや見づらく感じるだろう。
スピーカー性能は及第点レベル
本機のスピーカー品質について確認してみた。
▼音質確認の様子
本製品はデュアルスピーカーを内蔵しており、上下のスピーカー穴よりサウンドが出力される。ボリュームを最大近くまで上げた際の音圧は十分に強い。そして中~高音域に関してはクリアに出力できていた。
一方、低音に関してはほとんどつぶれてしまっていた。
音質は悪くはないが、良いとも言えない及第点レベルと言ったところだ。普通に映像を視聴する分には問題ないが、満足度の高いサウンドを楽しみたい場合は、Bluetoothイヤホンや、筐体に用意された3.5mmジャックを利用して外付けスピーカー等を接続すると良いだろう。
単純な映像記録用としては使えるカメラ
また、本機に搭載されているカメラについても確認した。
▼実際にフロント(前面)カメラで撮影した写真。
全体的にやや暗い印象を受けるものの、撮影映像自体はクリアであり、人物の表情から背景の様子に至るまで明瞭に映し出すことができていた。発色に関しても肉眼で見た場合に近い印象を受ける。
ウェブ会議やオンライン授業に利用しても問題ない品質だろう。
続いて、リア(背面)カメラについて確認してみる。
▼実際にリアカメラで撮影した画像。
▼屋外撮影(1倍)
▼屋外撮影(5倍)
▼屋外撮影(10倍)
リアカメラに関して、フロントカメラ以上に鮮明な写真を撮影することができた。
さすがに10倍ズーム時には輪郭が不鮮明になるが、5倍ズーム程度であれば、遠景まで比較的クリアな輪郭の写真を撮ることができた。
▼リアカメラで録画した動画
録画機能に関しても、十分にクリアで発色の自然な映像を撮影することができた。
記念撮影用カメラとしての運用には適さないが、単純な映像記録用デバイスとしては活用できるだろう。
ゲーミング性能の確認
本機を用いて各種ゲームアプリを遊んだ際のパフォーマンスについても確認していく。
『統合版マインクラフト(旧PE)』プレイ時
まずは『統合版マインクラフト(旧PE)』の場合について。
ワールドを作成して実際にプレイしてみたが、移動や各種操作自体はスムーズに行うことができた。
▼チャンク読み込み時にもそこまで重さを感じることはない。
▼森林など負荷のかかりやすいバイオームを移動する際には、多少のフレームレート低下やカクつきを感じることはあるものの、ゲームプレイ自体に支障をきたすレベルではなかった。
▼マインクラフトプレイの様子
アドオンを導入したり、友人らと多人数マルチサーバーに参加した場合でも、スムーズなゲームプレイを楽しむことができるだろう。
『PUBG』プレイ時
続いて『PUBG』の場合について。
まずグラフィッククオリティに関しては『HD』まで選択できた。
実際にいくつかの試合に参加してみたが、たまにテクスチャの読み込み遅延が発生する程度であり、大人数のプレイヤーが密集する場所においても、スムーズなゲームプレイが可能であった。
▼HD画質設定でも、グラフィックはそこそこ良好。普通にプレイする分には支障のないレベルだと言える。
▼10.4インチディスプレイは、探索や索敵を行う際に十分役立つ大きさだ。
▼PUBGプレイの様子
以上の通り、PUBGやマインクラフトあたりのゲームアプリであれば、本機でも比較的スムーズに遊べることが確認できた。
『原神』レベルのゲームアプリはきつい
一方で、『原神』などの処理の重いゲームアプリもプレイしてみたが、画質設定を最低に落とした場合でもフレームレートが低下し、お世辞にも快適なゲームプレイが可能とは言えなかった。
さすがに『原神』レベルのゲームは動作がキツく、『PUBG』や『マインクラフト』あたりが限界だと思われる。
大容量バッテリー内蔵
本製品は7,000mAhの大容量バッテリーを内蔵している。
実際に使用してみたところ、動画視聴、ウェブブラウジング、少々のゲームアプリ起動などを日中に行ってみたが、2日間ほど(計10時間ほど使用)は充電なしでも利用し続けることが可能であった。
外出先に持参した場合でも、充電せずとも1日間は余裕でバッテリーがもつだろう。
▼バッテリーセーバーを起動すれば、より長時間の使用が可能となる。
『AvidPad S60』のまとめ
今回紹介した『AvidPad S60』について、特長をまとめると以下の通りだ。
良かった点
- 3.5mmオーディオジャックが用意
- 一般的なタブレット用途はスムーズ
- 2,000×1,200高解像度サポート
- 比較的長持ちする7,000mAh大容量バッテリー
- Widevine L1サポート
- リーズナブルな価格
悪かった点
- フロントカメラの映像が全体的に暗め
- スピーカー性能は最低限
以上の通り、1万円台(クーポン割引込)タブレットとしては比較的実用的な性能を備えたモデルとなっている。
UNISOC T606を搭載しており、ウェブサイト閲覧や動画視聴など、一般的なタブレット用途は快適にこなすことができた。設定を抑えれば、マインクラフトやPUBGクラスのゲームアプリでも比較的スムーズに遊ぶべることが確認できた。
カメラ性能は優れているとは言えないものの、ウェブ会議やオンライン授業用として十分活用できるレベルだと言える。
スピーカーに関して、低音こそ響きが悪いものの、中~高音域に関してはクリアに響くため、普通に映像を視聴する分には問題ない。音質に満足できない場合は、3.5mmオーディオジャックが用意されているため、外付けスピーカーやイヤホン等を接続すると良いだろう。
バッテリーの持ちは良く、普通にウェブブラウジングなどに使用している分には、丸1日充電しなくても大丈夫であった。
一方で、本製品はSIMカード非対応モデルのため、外出先でモバイルデータ通信を行いたいと思っている方は注意した方が良いだろう。
ディスプレイ自体は2,000×1,200高解像度をサポートしており、発色も良好なため、映像コンテンツ視聴に適したタブレットだと言える。
自宅でウェブサイトや動画を観るための格安タブレットを探している方にとって、選択肢の一つに入れても良いモデルだ。
▼専用ガラス保護フィルム
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