新型コロナウイルスの影響により、自宅で仕事や授業を行う人々が増えてきた。
仕事や作業を効率的に進めるためにはデスクトップPCを用意しておきたいところだ。
しかし大型PCはスペースの邪魔になり、コストも高いため、中々購入に踏み出せない方もいるのではないだろうか。また一方で、小型PCは高価な割に性能がイマイチであり、実用性に欠けると考える方も多いだろう。
そこで今回は、リーズナブルな価格・省スペース性・実用的な性能の3点を満たしたオススメのミニPC『Beelink MINI S』について紹介したいと思う。
ちょうど良い価格・ちょうど良い性能の小型デスクトップPC
今回紹介する『Beelink MINI S』は、長さ:115mm 幅:102mm 高さ:41mmという非常にコンパクトな筐体サイズにもかかわらず、Intel® Celeron® N5095搭載の実用的なパフォーマンスを発揮する小型デスクトップPCだ。
記事執筆時点で以下の2モデルが販売されている。
- 8GB RAM + 128GB SSD
- 8GB RAM + 256GB SSD
なお、今回のレビューでは8GB RAM + 256GB SSDモデルを使用している。
ブランド | Beelink |
型名 | MINI S |
OS | Windows 11 Pro |
CPU | Intel® Celeron® N5095 |
RAM | 8GB DDR4 SDRAM |
ストレージ | 128GB/256GB SSD |
グラフィック | Intel UHD Graphics |
インターフェース | イーサーネット(有線LAN) x1 USB 3.0 x4 HDMI x2 3.5mmイヤホンジャック DCポート 盗難防止ロック穴 |
本体サイズ | 長さ:115mm 幅:102mm 高さ:41mm |
115×102×41mmというコンパクトかつ軽量な筐体サイズとなっており、付属の金具を利用してモニター裏などへ取り付けたり、カバンに入れて外出先へ持ち運ぶ用途にも対応可能だ。
▼コンパクトな筐体に充実したインターフェースを搭載。
CPUにはIntel® Celeron® N5095を採用。RAMを8GB搭載するなど充実したスペック構成となっており、リモートワークやテレワーク仕事はもちろん、簡単なクリエイティブ作業にも適している。
▼シンプルな内部構造は拡張性にも優れており、ストレージは最大2TB、RAMは16GBまで拡張可能。
そしてグラフィック処理はオンボードだが、筐体のHDMIポート2つを併用することで、2画面同時出力も可能だ。
▼4K解像度出力に対応。
有線LANポートを備えるほか、Wi-Fi, Bluetoothの通信規格にも対応。
このように、手のひらに載るほどコンパクトな筐体サイズに対して、通常のタワー型デスクトップPCにも勝るとも劣らない、実用的なミニデスクトップPCとなっている。
製品本体および付属品
▼外箱の様子
▼内容物をすべて取り出した様子
内容物一覧は以下の通り。
【内容物一覧】
- PC本体
- ユーザーマニュアル
- 電源アダプタ
- HDMIケーブル(長・短)
- 壁掛け式ブラケット&ビス類
▼説明書は日本語にも対応している。
▼付属のネジと金具を利用することで、モニター裏への取り付けが可能だ。
▼2種類(長・短)のHDMIケーブルが付属している。
▼電源アダプタ&ケーブル
▼筐体サイズに対して、電源アダプタがやや大きめに感じるが、持ち運びにそこまで支障をきたすレベルではない。
▼PC本体の外観。黒を基調としたシンプルかつスタイリッシュなデザイン。
▼片手に収まるほどのコンパクトさ。
▼長さ:115mm 幅:102mm 高さ:41mm軽量かつコンパクトな筐体。片手でラクラク掴めるほど小さい。
▼厚みは4.1cmと薄く、カバンなどに入れて持ち運んでも支障にならないだろう。
▼背面の様子。四隅にゴム製の滑り止めが施されているほか、マウント取り付け用の穴が空いている。
続いて本体インターフェースについて紹介していく。
▼本体正面。画像左側からUSB3.0ポート×2、オーディオジャック、電源ボタンが用意。
▼両側面には吸排気用の穴が空いている。
▼背面の様子。画像左からUSB3.0ポート×2、LANポート、HDMIポート×2、電源ポート、盗難防止ロック穴が用意。
以上の通り、限られたスペースに必要なポート類が集約されたインターフェース構成となっている。
USB3.0ポートが計4つ用意されているため、多くのデバイスを同時接続することが可能だ。
また、背面に用意されたHDMIポート2つを利用することで、2画面同時出力も可能となっている。LANケーブルによる安定した有線接続が可能な点も嬉しい。
一般的なサイズのデスクトップと遜色ない利便性を実現していると言える。
一般的な作業は問題なくこなせる性能
本製品をいくつかの用途で実際に使用して、パフォーマンスを確認してみた。
▼サイズが非常にコンパクトなため、デスク上に設置しても邪魔にならない。
今回のレビュー時にはウルトラワイドモニター(3440×1440:UWQHD解像度)に接続して利用した。
▼HDR出力にも対応している。しかしウルトラワイドモニターの場合、解像度は2580×1080が上限であった。
▼実際に接続した様子。電源アダプタはコンセント側に位置するため、PC周りはスッキリと収めることが可能だ。
▼マウス等と並べると、PC本体のコンパクトさがあらためて実感できる。
▼256GBモデルのストレージでは、デフォルトの状態で108GB分が使用可能領域となっている。
▼デバイスの仕様表
まずは実際にいくつかのウェブサイトを閲覧し、動作を確認した。
画像の多いサイトから、Javascriptを多用した処理の重いサイトまで閲覧してみたが、いずれの場合においても、快適に閲覧することが可能であった。
▼ウルトラワイドモニターでスムーズなウェブブラウジングが可能。ページ読み込みからスクロールまでいたって快適だ。
▼高解像度出力で、細かな文字まで明瞭に描画される。
また、YouTubeやネットフリックスといったサイトにおいて動画を視聴してみた。
動画サイトにおいても、カクつくことなくスムーズに再生された。高画質設定(4K)でもスムーズに動作を再生できる。
▼4K設定だと多少カクつくこともあるが、FHD画質までであればいたってスムーズに再生できた。
また、エクセルやワードなど、Officeソフトを用いた作業を行ってみた。
作業用ソフトの動作も問題なく快適に行うことができており、スムーズな表計算・文字入力等が可能であった。
▼同時に複数ウィンドウを開いた状態での作業も問題なし。
以上の通り、デスクトップPCとしての一般的な用途(ウェブサイト閲覧・動画視聴・作業用ソフト使用)は概ね快適にこなせるだけの性能だと確認できた。
リモートワークやオンライン授業用にPC購入を検討している方にも、十分に満足度の高いパフォーマンスを提供するだろう。
ゲーミング性能について確認
続いて、ゲーミング性能についても確認してみた。
今回は試しに『ファイナルファンタジー14』のベンチマークテストを実施した。
テスト条件
- 1920×1080解像度
- 標準品質(デスクトップPC)
- ウィンドウモード
- DirectX 11
上記の条件でベンチマークテストを行った結果、スコア1137点、評価は "設定変更が必要" であった。
デスクトップ用の最低設定まで落としてテストを実施したが、プレイには適さないという結果が得られた。
さすがにオンボードグラフィック処理では、FF14クラスのPCゲームを快適に遊ぶことは難しい。
軽めのブラウザゲーム程度であれば問題なく遊べるだろうが、本製品はあくまで仕事・作業用デバイスとして活用すると良いだろう。
優れた放熱性能と静音性
レビュー時には本製品を4時間ほど連続使用したが、PC本体からの発熱はかなり抑えてられており、高負荷で連続利用した場合も背面からやや暖かい廃熱を感じる程度であった。
▼筐体自体はほどんど熱を持たない。
▼背面からわずかに温かい熱を感じる程度。
また、PC本体からの動作音も非常に静かであり、耳を近づけると多少のファン回転音が聞こえる程度であった。
▼耳を近づけると、小さな "フォーン" という回転音が聞こえる程度。
このように優れた静音性と排熱性能を実現しており、長時間の利用にも安心だ。
『Beelink MINI S』のまとめ
今回紹介した『Beelink MINI S』について、特徴をまとめると以下の通りだ。
良かった点
- コンパクトで軽量な筐体サイズ
- 充実したインターフェース構成
- 一般的な作業はスムーズにこなせる性能
- HDR出力対応
- 優れた静音性と放熱性能
- リーズナブルな価格
悪かった点
- ゲーミングには適していない
以上の通り、手のひらサイズのコンパクトな筐体に対して、実用的な性能を発揮する小型デスクトップPCとなっている。
ウェブサイト閲覧や動画視聴はもちろん、作業用ソフトを用いた仕事にも問題なく活用することが可能だ。
本体のインターフェースも充実しており、多くのデバイスを同時接続できるため実用的な構成であると言える。
ゲーミングは向いているとは言えないため、ゲーミングも楽しみたい方は注意した方が良いだろう。
それでも、リーズナブルな価格に対して十分な性能を実現できていると感じた。
コンパクトなサイズ、リーズナブルな価格で実用的な性能を擁するミニPCを求めている方には、ぜひオススメしたい一品だ。
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