新型コロナウイルスの影響により、最近では自宅やサテライトオフィスなど、職場以外の場所で仕事に携わる人々が増えてきた。
リモートワークやテレワークなどで本格的な作業を行う場合、効率的に進めるためには性能の良いデスクトップPCを用意しておきたいところだ。
しかし大型のPCはスペースを取ってしまう上コストも高く、また持ち運びにも不便であるため、中々手が出しづらいと感じている方も多いのではないだろうか。
そこで今回は、リーズナブルな価格・省スペース性・実用的な性能の3点を満たしたオススメのミニPC『Beelink SEi 8(Core i3 8109搭載モデル)』について紹介したいと思う。
▼『Core i5-8279U』搭載モデルのレビューはコチラ
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『Beelink SEi 8』レビュー | 手のひらサイズで実用的な性能のミニPC
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リーズナブルな価格で実用的なパフォーマンスを発揮する小型PC
今回紹介する『Beelink SEi 8(Core i3 8109搭載モデル)』は、手のひらサイズのコンパクトな筐体にも関わらず、大抵の作業を快適にこなすことのできるパフォーマンスを発揮するデスクトップPCだ。
▼ミニデスクトップPC
ブランド | Beelink |
OS | Windows 10 Pro |
CPU | Intel Core i3 8109プロセッサー 3.6 GHz |
グラフィック | Intel Iris Plus 655グラフィックス |
RAM | 8 GB DDR4 SDRAM |
ストレージ | 256 GB SSD |
通信規格 | Wi-Fi, Bluetooth, 有線LAN |
インターフェース | 電源コネクタ ×1 USB3.0,RJ45 ×4 HDMI ×2 3.5mm オーディオ (HP&MIC) ×1 Type-C ×1 有線LANポート |
本体サイズ | 12.4 x 11.3 x 4.1 cm |
本体重量 | 770 g |
CPUにはIntel Core i3 8109プロセッサーを、RAM(メモリ)は8GB搭載しており、12.4 x 11.3 x 4.1 cm、約770gという非常にコンパクトな筐体サイズに対して実用性の高いスペック構成となっている。
小型な筐体サイズのため、付属の金具を用いてモニター裏に取り付けることで、省スペース化を実現することも可能だ。
OSはWindows10 Proを採用。グラフィック処理はオンボード(Intel Iris Plus 655)だが、軽めのPCゲームであれば問題なく遊べる。
ストレージ256GB SSDを採用しており、大量のデータを保存できると同時に、起動や各種データ転送処理も高速でストレスを感じない。
▼ストレージやメモリの増設も簡単に行うことが可能。
筐体の前面・後面には充実したポート類が用意されており、幅広い用途に活用できる充実のインターフェース構成となっている。
▼HDMIポートが2つ用意されていることで、デュアルディスプレイへの同時出力にも対応している。
スペック構成的にはヘタな大型デスクトップPCにも引けを取っておらず、これだけの性能をわずかな筐体サイズで実現できているのは素晴らしいと言える。
製品本体および付属品
▼外箱の様子
▼PC本体や付属品がスッポリ収まっている。
▼内容物をすべて取り出した様子
内容物一覧は以下の通り。
【内容物一覧】
- ミニPC本体
- 電源アダプタ
- 説明書
- HDMIケーブル(長・短)
- モニター裏取付け用ブラケット&ネジ
▼説明書は日本語にも対応している。
▼モニター裏などへ取り付けるための金具&ビス(ネジ)類が付属している。
▼電源アダプタ。PC本体のコンパクトさに対して、アダプタサイズがやや大きめである点が気になった。
▼本体と電源アダプタを並べた様子。
▼PC本体の外観。シンプルなデザインの一方で、筐体上部は独特な光沢を見せており、若干の高級感も感じられる。
▼本体重量は約770グラムと非常に軽く、片手でも十分に掴めるほど。
▼厚みは約4センチほど。カバンなどに入れて持ち運ぶことのできるほどのコンパクトさだ。ただし上述したように、電源アダプタが大きめである点がネック。
▼本体裏面。四隅にゴム製の滑り止めが施されているほか、モニター裏取り付け用のビス穴も空いている。
続いて本体インターフェースについて紹介していく。
▼本体正面。画像左側からUSB3.0×2、USB Type-C×1、イヤホンジャック、電源ボタンが用意。
▼本体両側面には、吸排気用の穴が空いている。
▼背面の様子。画像左からLANポート、USB3.0×2、HDMI×2、電源ポートが用意。また、上部に廃熱口が空いている。
以上の通り、限られたスペースに必要なポート類が集約されたインターフェース構成となっている。
USBポートが計4つ用意されているほか、Type-Cポートも用意されているため、多くのデバイスを同時接続することが可能だ。
また背面に2つ用意されたHDMIポートを利用することで、デュアルモニター出力も可能となっている。LANケーブルによる有線接続が可能な点も嬉しい。
一般的なサイズのデスクトップと遜色ない利便性を実現していると言える。
ウェブブラウジングから動画視聴まで快適なパフォーマンス
本製品をいくつかの用途で使用して、実際にパフォーマンスを確認してみた。
▼電源ケーブル、HDMIケーブル、マウス&キーボードを接続した様子。この通り背面がコードだらけになって目立つため、見た目を気にする場合はモニター裏への取り付けが望ましいだろう。
▼ストレージはデフォルトの状態で237GB分が使用可能領域となっている。
▼デバイスの仕様表
▼なお初起動時には大量のWindows更新プログラムが溜まっているため、安定した動作を実現するためにも更新しておくと良いだろう。
▼4Kモニターに接続して、3840×2160解像度で本製品を使用してみた。
...と言いたいところだが、4K解像度設定ではフレームレートが頻繁に低下して動作が多少カクついてしまい、各種操作時にややストレスを感じた。
そのため、今回のレビュー時にはフルHD(1920×1080)解像度に変更して使用した。
▼おそらく本機をスムーズに利用したい場合は、フルHD解像度が最適だろう。
まずは実際にいくつかのウェブサイトを閲覧し、動作を確認した。
画像の多いサイトから、Javascriptを多用した処理の重いサイトまで閲覧してみたが、いずれの場合においても、快適に閲覧することが可能であった。
▼ページスクロール時にも重くなることもなく、スムーズなウェブブラウジングが可能。
また、YouTubeやネットフリックスといったサイトにおいて動画を視聴してみた。
動画サイトにおいても、画質を最高設定(4K)まで上げた場合でも、カクつくことなくスムーズに再生された。
また、エクセルやワードなど、Officeソフトを用いた作業を行ってみた。
作業用ソフトの動作も問題なく快適に行うことができており、スムーズな表計算・文字入力等が可能であった。
以上の通り、デスクトップPCとしての一般的な用途(ウェブサイト閲覧・動画視聴・作業用ソフト使用)は概ね快適にこなせるだけの性能だと確認できた。
リモートワークやオンライン授業用にPC購入を検討している方にも適しているだろう。ただし前述した通り、4K解像度に設定すると動作が重くなるため注意が必要だ。
ゲーミング性能について確認
続いて、ゲーミング性能についても確認してみた。
ファイナルファンタジー14(FF14)
まず『ファイナルファンタジー14』のベンチマークテストを実施。
テスト条件
- 1920×1080解像度
- 標準品質(デスクトップPC)
- ウィンドウモード
- DirectX 11
上記の条件でベンチマークテストを行った結果、スコア2628点、評価は "設定変更を推奨" であった。FF14を遊ぶことはギリギリ可能であるが、最低限のパフォーマンスしか期待できないという結果だ。
しかしオンボード型のミニPCでこれだけの結果を出せたのは結構頑張っているのではないだろうか。FF14レベルのゲームはキツいものの、他の軽めのタイトルであれば問題なく遊ぶことが可能だろう。
マインクラフト(java版)
続いて『マインクラフト(java版)』をプレイしてみた。
プレイ環境
- バージョン:1.12.2
- ウィンドウサイズ:854×480(デフォルト)
- グラフィック関連設定:標準
- 軽量化MOD:Optifine導入
- フレームレート制限:なし
上記の環境でマイクラをプレイした場合、いたって快適なゲームプレイが可能であった。
▼FPSは200を超えており、スムーズでストレスのない操作が可能。
これだけのfpsが出ているのであれば、軽量化MODなしで、1280×780あたりまで画面サイズを大きくしても、それなりに快適に遊べるだろう。
▼処理の重くなりがちな山岳・森林バイオームにおいても100fps以上で安定。
なお、さすがに影MODを導入した場合は、fpsが20台まで低下してしまった。
▼オンボードグラフィックのため、当然と言えば当然ではある。
しかしそれでも、デフォルト状態のマイクラであれば、いたって快適に遊べることが確認できた。
他にも同程度の要求スペックのPCゲームであれば、スムーズに遊ぶことが可能だろう。
作業のちょっとした合間にゲームを楽しみたい場合にもうってつけのミニPCだ。
放熱機構は優れているがファン音が大きい
放熱性能と静音性についても確認した。
まず放熱性能についてだが、長時間稼働後の本体を触ってもほとんど熱を感じることが無かった。
▼背面の排熱口を触れるとやや温かさを感じるが、気になるほどのレベルではない。
しかし一方で、内部で回転するファンの音が結構大きく、筐体に耳を近づけなくてもブォーという排気音が聞こえてくるレベルであった。
周囲に雑音の多い環境で利用する分には問題ないだろうが、静かな室内で本機を使用していると、ファンの回転音がやや気になってくるかもしれない。
『Beelink SEI8(Core i3 8109搭載モデル)』のまとめ
今回紹介した『Beelink SEI8(Core i3 8109搭載モデル)』について、特長とまとめると以下の通りだ。
良かった点
- リーズナブルな価格でそこそこの性能
- コンパクトかつモニター裏取り付け可能な筐体
- 充実したインターフェース
- 大抵の作業を快適にこなせる
- 軽めのゲームであればスムーズに動作
- 長時間利用時にも熱を持ちづらい
悪かった点
- 電源アダプタが大きめ
- 4K解像度出力時はフレームレートが低下する
- ファンの回転音が大きい
以上の通り、コンパクトな筐体サイズに対して、大抵の作業を快適にこなすことのできる小型デスクトップPCとなっている。
Core i3 8109および8GBメモリのおかげで、ウェブブラウジングから動画視聴、計算ソフトの使用まで大抵の作業を快適に行うことができる。リモートワークやテレワーク用のPCを探している方にもオススメできるパフォーマンスだ。
計5つのUSBポートのほか2つのHDMIポートを備えるなどインターフェース構成も充実しており、多数台デバイスとの接続にも対応できる汎用性の高さがある。
また、FF14クラスは厳しいものの、マインクラフト程度のPCゲームならある程度快適に遊ぶことが出来た。作業の合間にゲーミングを楽しみたい方にもうってつけだ。
一方で、筐体サイズに対して電源アダプターが大きめである点はやや残念だ。省スペース化や持ち運びの利便性をウリにする小型PCであれば、アダプターサイズをより抑えてくれると嬉しかった。
また、ファンの回転音が大きいため、完全な静音性を求めている方にとっては気になるかもしれない。
それでも、リーズナブルな価格・コンパクトな筐体サイズに対して間違いなく実用的な性能を擁していると言える。
リモートワークやテレワーク用にそこそこのスペックのPC購入を検討している方にはオススメだ。
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