- 停電時でも電気を使いたい
- 地震や台風で停電した時に向けて備えておきたい
- アウトドアな場面でスマホやタブレットなどの端末を充電したい
上記のような考えで、家庭用の蓄電池を探している方も多いのではないだろうか。
日本国内は自然災害に見舞われることが多く、近年はその傾向も増しつつある。
それに伴いポータブル電源など、停電時でも電気を使うためのガジェットが人気を博している。
今回は、持ち運びに適したサイズと重量に対して、実用性の高い大容量バッテリーを内蔵したモデル『BLUETTI ポータブル電源 EB3A』について紹介したいと思う。
アプリ経由で遠隔操作も可能な高性能蓄電池
今回紹介する『BLUETTI ポータブル電源 EB3A』は、専用のアプリ経由で遠隔操作を行うことも出来る、高性能ポータブル蓄電池だ。
メーカー | BLUETTI |
品番 | EB3A |
バッテリー容量 | 268.8Wh(12Ah) |
定格出力電圧 | 100VAC |
定格出力周波数 | 50/60Hz |
定格出力電力 | 600W |
定格出力電流 | 6A |
安全認証 | PSE, FCC, CE, UN38.3, MSDS, UL, SAA and RoHS |
本体サイズ | 255×180×183mm |
本体重量 | 約4.6kg |
ポータブル電源の中でも比較的コンパクトな筐体サイズとなっており、重量も約4.6kgほどのため、アウトドアな場面などへの持参用途にも適している。
筐体には非常に充実したポート類が搭載されており、スマホやタブレット端末はもちろん、扇風機や車載冷蔵庫といった家電に対しても安定した電力供給を行うことができる。
▼同時に多数台デバイスへの給電が可能。搭載する液晶ディスプレイで充電・給電の状況をリアルタイムに把握できる。
ワイヤレス充電にも対応しており、スマホなどの対応デバイスを筐体上部に置くだけで充電が可能だ。
本体正面にはLEDライトも搭載。SOS点滅機能に対応するなど、実用的な性能を擁している。
268Wh/600W対応のバッテリーにより、スマホを約15~20時間、テレビを約2~2.5時間、電動工具を約2~2.3時間、冷蔵庫を約1.5~2.3時間のあいだ稼働させることが可能な電力を供給できる。停電など非常時用の電源としては、実用性の高い容量であると言える。
そしてポータブル電源自体には、自宅コンセント以外にも車載シガーソケット経由や、ポータブルソーラーパネルを用いて充電を行うことも可能だ。
▼停電などにより電気が利用できない場合でも、自然エネルギーを利用して電気を溜めることが出来る。
そして本製品最大の特徴の1つとして、専用アプリをインストールしたデバイスから遠隔操作を行うことが出来る点が挙げられる。
▼離れた場所からでも本体の状態を確認したり、操作を行うことが出来る。
以上のように、実用的な電気容量とインターフェースを備えつつ、持ち運びやすいコンパクトさも実現したオススメのポータブル電源となっている。
災害時における停電のみならず、キャンプなどのアウトドアな場面でのバッテリーとしても大いに重宝するだろう。
本体および付属品
▼外箱の様子
▼内容物をすべて取り出した様子
内容物一覧は以下の通り。
【内容物一覧】
- ポータブル電源本体
- AC充電ケーブル
- 取扱説明書
- 保証カード
- 合格証明書
▼説明書は日本語に完全対応している。
▼ポータブル電源本体外観。
▼上から見た様子。
▼上部にはワイヤレス充電ポートが用意。
▼上部の取っ手を起こすことで、持ち運びが容易になる。
▼本体重量は約4.6kgと比較的軽く、片手でも持ち上げられる。
▼左右の側面には吸排気用の穴が空いている。
▼背面の様子
▼底部の様子。四隅にゴム製の滑り止めが施されている。
▼そして本体前面には、ディスプレイおよび各種ポート類が集約されている。
【インターフェース構成】
- シガーソケット出力ポート
- DC5521出力ポート×2
- DC電源ボタン
- DC入力ポート
- AC入力ポート
- 入力サーキットブレーカー
- ワイヤレス充電ポート
- LCDスクリーン
- LEDライト
- LEDライトボタン
- Type-C出力ポート
- USB-A出力ポート×2
- AC出力ポート×2
- AC電源ボタン
▼幅広いデバイスに対して給電(充電)を行うことの出来る、インターフェース構成。
シガーソケット出力ポートおよびAC入力ポートは、非使用時にはキャップで保護されている。
▼シガーソケット出力ポート
▼AC入力ポート
▼いずれかの電源ボタンを押すと、ディスプレイにバッテリー残量等の情報が表示される。
このように、本体デザインは非常に洗練された機能的なものになっている。
多彩な入出力ポートが用意されているため、幅広いデバイスとの接続に対応できる。
何より、家庭用蓄電池として非常にコンパクトなサイズであるため、収納場所にも困ることは無いだろう。
SOS機能付きのLEDライト
筐体正面にはLEDライトが搭載されており、LEDライトボタンを押すことで点灯する。
照度はかなり高く、夜間の屋外など暗い場所でも周囲を明るく照らすことが出来るだろう。
また、このLEDライトは単なる照明以外にも、SOSモールス信号を発信する機能も搭載されている。
▼LEDライトボタンを押すたびに、弱モード ⇒ 強モード ⇒ SOSモールス信号 ⇒ LEDオフ と切り替わる。
キャンプなどで遭難した時などにも安心な機能となっている。
外部への出力機能
本製品に溜めた電気を、外部機器へ出力(給電)する方法について紹介していく。
USB給電
外部出力の方法はいたって簡単だ。
USB出力の場合、電源前面のUSBポートとデバイスをケーブルで接続する。
これだけで機器への給電が開始される。
なお、所有するAndroidタブレットで試した場合、30分ほどで50%分の充電が可能だった。
通常の家庭用コンセントに引けをとらないくらいの充電速度であり、十分に実用的であると言える。
▼なお、ポート使用中はディスプレイ上に給電情報が表示される。
AC(コンセント)給電の場合
AC(コンセント)出力の場合もUSB出力の場合と同様に、ACポートにコンセントを接続し、デバイスに挿すだけだ。
ACポートの方が、USBポートよりも30~40%ほど速い速度で充電を行うことが可能であった。
充電速度を重視するのであれば、意識してACポートを利用すると良いだろう。
複数ポートからの同時給電
なお、複数ポートを同時に使用した場合でも、問題なく充電を行うことが可能であった。
この時も、1つ1つの充電速度が落ちるといったことはなかった。
全体的に、給電に関しては安定していると言える。
ワイヤレス給電の場合
ポータブル電源本体がONの状態で、筐体上部のポートに対応デバイスを置くだけで、ワイヤレス給電を行うことが出来る。
いちいちケーブルを繋ぐ必要が無いため、実に便利な機能だ。
また、ワイヤレス給電を行うことで、ポートを1つ分節約できる(空けておける)というメリットもある。
ポータブル電源への充電
続いてポータブル電源自体への充電方法について紹介していく。
AC(コンセント)入力
最も一般的な充電方法は、ACケーブルを使用して自宅コンセントから充電する方法だろう。
充電中はディスプレイで残量をリアルタイムに確認できる。
ただしここで注意したいのが、本製品でAC充電を行う場合、事前に電源周波数地域設定を合わせておく必要があるという点だ。
▼周波数設定があっていない場合、コンセントに接続していても正常に充電が行われない。
周波数設定の変更方法
周波数設定を変更する場合、「DC電源ボタン」と「AC電源ボタン」を同時押しする。
するとディスプレイ上に電源周波数(50Hz/60Hz)が同時表示される。
ここで「AC電源ボタン」を押して、自身の居住地域の周波数に合わせよう。もし住んでいる地域の周波数が分からない場合は、以下のようなサイトを参考にすると良いだろう。
▼筆者の場合、60Hz地域に住んでいるため、「60Hz」にセットした。
これで、ポータブル電源に対して正常にAC入力充電が行われるようになる。
車載シガーソケット入力
付属のシガーライタープラグコードを利用することで、自家用車のシガーソケットから電気を取り出すことが可能だ。
▼シガーソケット
災害などに見舞われて自宅コンセントが利用できなくなった場合などは、車から電気を取り出すことが出来る。
災害用電源として優秀な設計であると言えるだろう。
ソーラーパネル入力
そして本製品はソーラーパネルを用いた充電も可能だ。
今回は私が所有している120Wソーラーパネルを使って、実際に太陽光充電を行ってみた。
-
『BALDR 120Wソーラーパネル』レビュー!災害・停電・アウトドアにはうってつけ
地震や台風などの災害時に電気が使えなくなることが心配... キャンプなどアウトドアの際に、スマホやタブレットを充電できるガジェットが欲しい! 日本は災害大国であり、地震や台風、津波、大雪など、毎年多く ...
続きを見る
▼快晴の夏日、自宅ベランダにソーラーパネルを設置。
パネルに太陽光が当たっていれば、ケーブルを接続した途端に充電が開始される。
災害による停電時でも、『ポータブル電源』と『ソーラーパネル』の2つのアイテムを所有していれば、電子機器の充電を心配する必要が無くなるだろう。
▼太陽が存在している限り、ほぼ無尽蔵に充電を行うことが可能だ。
有事の備えとしては、まさに必要不可欠なセットであると言える。
専用アプリで遠隔操作が可能
そして本製品は、専用アプリをスマホ等にインストールすることで、遠隔から操作や状態確認を行うことが出来る。
▼専用アプリ(無料)
専用アプリインストール後、ポータブル電源とスマホ等とをアプリ経由でBluetooth接続する。
▼近くのBLUETTIポータブル電源が検知される。
接続後、ポータブル電源の状態をアプリ上からリアルタイムで確認することが可能だ。
ポータブル電源の状態を確認できるほか、出力の切り替えなどを遠隔で行うことも可能。
そして設定画面では、ポータブル電源の動作に関する詳細な設定を行うことが出来る。
▼設定画面。
▼充電モードの変更。
▼LED制御スイッチの利用。
▼高負荷なヒーター等への給電を行う場合に役立つ「電力リフト機能」も用意されている。
いちいちポータブル電源の近くまで寄らずとも、様々な操作を行うことが出来る、利便性に優れた設計となっている。
『BLUETTI ポータブル電源 EB3A』のまとめ
今回紹介した『BLUETTI ポータブル電源 EB3A』について、特徴をまとめると以下の通りだ。
良かった点
- 軽量かつコンパクトで持ち運びやすいデザイン
- 充実した入出力インターフェース
- 安定した給電能力
- SOS機能付きの強力なLEDライトを搭載
- コンセント、シガーソケット、ソーラーパネルからの充電に対応
- アプリ経由で遠隔操作が可能
悪かった点
- バッテリー容量はやや物足りない
- 収納・持ち運び用のバッグ等が付属してほしかった
- 周波数設定を手動で切り替える必要がある
以上のように、コンパクトな筐体に、様々なデバイスとの互換性を擁するインタフェースを備えた、オススメのポータブル電源となっている。
給電の速度・安定性はともに良好であり、ACポートなどは自宅コンセントと同様の感覚で利用することができた。複数ポートを同時使用した場合でも、給電能力に支障をきたすことはなかった。
そしてポータブル電源自体への充電方法も充実しており、もし完全に停電してしまった場合でも、自家用車のシガーソケットや太陽光(ソーラーパネル)を利用して充電できるため、災害用電源としては非常に重宝するだろう。
ただ、バッテリー容量に関してはやや物足りない印象を受ける。アウトドアな場面で本格的にバリバリ使用すると言うよりも、あくまで一時的な非常用電源としての役割がメインになるかもしれない。
何はともあれ、自宅に1台は非常用電源を備えておきたい場合には、是非オススメしたい一品だ。
▼こちらの記事もオススメ
-
『BALDR PIONEER 200』レビュー | 軽量&コンパクト!持ち運びに最適なポータブル電源
地震や台風などの災害による停電対策として、蓄電池を用意しておきたい 実用的なバッテリー容量を備えたモデルが良い だけど大きすぎ・重すぎるモデルはイヤ... 価格もリーズナブルだと嬉しい 上記のような考 ...
続きを見る
-
『EBL ポータブル電源』レビュー | ワイヤレス充電にも対応する実用的な大容量バッテリー
停電時でも電気を使いたい 地震や台風で停電した時に向けて備えておきたい アウトドアな場面でスマホやタブレットなどの端末を充電したい 上記のような考えで、家庭用の蓄電池を探している方も多いのではないだろ ...
続きを見る