新型コロナウイルスの影響により、最近では自宅で仕事や授業を行う人々が増えてきた。
テレワークやリモートワークにおいて作業を効率的に進めるためには、性能の高いデスクトップPCを用意しておきたいところだ。
しかし大型のデスクトップPCは場所(スペース)をとってしまい、またコストも高いため、中々手を出しづらいと考えている方も多いのではないだろうか。
そこで今回は、リーズナブルな価格・省スペース性・実用的な性能の3点を満たしたうえで、見た目もオシャレなオススメのミニPC『CHUWI LarkBox X』について紹介したいと思う。
▼数多くのミニPCを開発・販売してきたCHUWIの、2022年最新モデル
ブランド | CHUW |
モデル名 | LarkBox X |
OS | Windows 10 Home(Win 11対応) |
CPU | AMD Ryzen 3700U |
RAM | 8GB DDR4 SDRAM |
ストレージ | 256GB PCIe SSD(最大2TBまで拡張可能) |
インターフェース | USB-A 3.0ポート(4口)、HDMI端子、RJ45 LAN×2、USB Type-Cポート、3.5㎜イヤホン、DPポート |
本体サイズ | 12.7 x 12.7 x 4.9 cm |
本体重量 | 460g |
今回紹介する『CHUWI LarkBox X』は、12.7 x 12.7 x 4.9 cm、約460gという手のひらサイズのコンパクトな筐体サイズに対して、AMD Ryzen 3700Uと8GB RAMを搭載しており、パワフルな性能を発揮する小型デスクトップPCである。
▼カバンに入れて持ち運ぶことも出来るため、外出先への持ち運びにも適している。
価格は5万円前後と、性能に対して高コストパフォーマンスなモデルとなっている。
▼グラフィックにはRadeon Ryzen RX Vege 10を採用。4K解像度出力で快適な動作が可能なほか、軽めのPCゲームであれば遊ぶことも出来る3D処理性能を擁している。
ストレージとして256GB SSDを内蔵しており、必要に応じて最大2TBまでの拡張に対応している。
小型な筐体サイズのため、付属の金具を用いてモニター裏に取り付けることで、省スペース化を実現することも可能だ。
そして小型な筐体には豊富なインターフェースが搭載されており、幅広い外部機器との接続に対応できる。
▼HDMIポートとディスプレイポート(DP)、およびType-Cポートを併用することで、3画面同時出力を行うことも可能だ。
▼幅広い用途に活用できる、汎用性の高さ。
このように、比較的リーズナブルな価格とコンパクトな筐体サイズに対して、幅広い用途を快適にこなせる性能を擁した、おすすめのミニPCである。
製品本体および付属品
▼外箱の様子
▼内容物をすべて取り出した様子
内容物一覧は以下の通り。
【内容物一覧】
- ミニPC本体
- 電源アダプタ
- 電源コード
- 取扱説明書
- 保証カード
- ブラケット金具&ビス
▼説明書は日本語にも対応している。
▼付属の金具とビスを使用して、モニター裏等へ取り付けることが出来る。
▼電源アダプタ&ケーブル
▼筐体サイズに対して、電源アダプタがやや大きめに感じる。
▼せっかくのミニPCなのだから、電源アダプタのサイズももう少し抑えてほしかったところだ。
▼プラグは3P形状となっており、一般的な日本のコンセントで利用するためには、3P⇒2P変換アダプタ(別売り)を用意する必要がある。ややメンドクサイ。
▼PC本体の外観。シンプルかつスタイリッシュなデザインで、若干の高級感も感じられる。
▼12.7 x 12.7 x 4.9 cm、約460gの軽量かつコンパクトな筐体。片手でラクラク掴めるほど小さい。
▼手のひらにも載るほどのサイズ。
▼厚みは4.9 cmと、カバンなどに入れて持ち運んでも支障にならないだろう。
▼本体裏面。四隅にゴム製の滑り止めが施されているほか、モニター裏金具取り付け用の穴も空いている。
続いて本体インターフェースについて紹介していく。
▼本体正面。画像左側からUSB3.0×2、USB Type-C×1、イヤホンジャック、電源ボタンが用意。
▼背面の様子。画像左から電源ポート、LANポート×2、HDMIポート、ディスプレイポート(DP)、USB3.0×2が用意。また、上部に廃熱口が空いている。
以上の通り、限られたスペースに必要なポート類が集約されたインターフェース構成となっている。
USBポートが計4つ用意されているほか、Type-Cポートも用意されているため、多くのデバイスを同時接続することが可能だ。
またType-Cポートに加えて、背面に用意されたHDMIポートとディスプレイポート(DP)を利用することで、3画面同時出力も可能となっている。LANケーブルによる有線接続が可能な点も嬉しい。
一般的なサイズのデスクトップと遜色ない利便性を実現していると言える。
大抵の作業を快適にこなせる性能
本製品をいくつかの用途で実際に使用して、パフォーマンスを確認してみた。
▼サイズが非常にコンパクトなため、デスク上に設置しても邪魔にならない。
▼見た目的にもスタイリッシュで、インテリアとしても機能する。
▼マウスと並べると、PCがいかに小さいかが実感できる。
▼440mlペットボトルと並べた様子。
ただ、やはりPC本体のサイズに対して、電源アダプタがやや大きめで邪魔に感じた。次のモデルでは、アダプタサイズをより抑えてくれると嬉しい。
▼256GBモデルのストレージは、デフォルトの状態で236GB分が使用可能領域となっている。
▼デバイスの仕様表
▼今回のレビュー時には、3440×1440解像度のウルトラワイドモニターに接続して利用した。
まずは実際にいくつかのウェブサイトを閲覧し、動作を確認した。
画像の多いサイトから、Javascriptを多用した処理の重いサイトまで閲覧してみたが、いずれの場合においても、快適に閲覧することが可能であった。
▼亜4K解像度でスムーズなウェブブラウジングが可能。高解像度で小さな文字も読みやすい。
また、YouTubeやネットフリックスといったサイトにおいて動画を視聴してみた。
動画サイトにおいても、カクつくことなくスムーズに再生された。
ただし、動画の画質設定を最高(4K)まで上げると、流石に再生時に多少のカクつきや読込遅延が生じた。
▼4K解像度設定での動画再生は、残念ながら推奨できない。
本製品でスムーズな動画視聴を楽しみたい場合は、フルHD(1080p)画質あたりに抑えておくのが無難だろう。
また、エクセルやワードなど、Officeソフトを用いた作業を行ってみた。
作業用ソフトの動作も問題なく快適に行うことができており、スムーズな表計算・文字入力等が可能であった。
以上の通り、デスクトップPCとしての一般的な用途(ウェブサイト閲覧・動画視聴・作業用ソフト使用)は概ね快適にこなせるだけの性能だと確認できた。
動画サイトにおいて、画質設定を上げ過ぎるとカクつきが生じたものの、それ以外の用途であれば、亜4K解像度でもいたってスムーズに動作した。
リモートワークやオンライン授業用にPC購入を検討している方にも、十分に満足度の高いパフォーマンスを提供するだろう。
ゲーミング性能について確認
続いて、ゲーミング性能についても確認してみた。
▼なお本製品にはRadeonグラフィックスが搭載されており、グラフィックに関する細かな調整を行うことが可能だ。
今回は試しに『ファイナルファンタジー14』のベンチマークテストを実施した。
テスト条件
- 1920×1080解像度
- 標準品質(デスクトップPC)
- ウィンドウモード
- DirectX 11
上記の条件でベンチマークテストを行った結果、スコア3446点、評価は "設定変更が必要" であった。
さすがにFF14クラスの大規模MMOゲームを遊ぶには厳しいという結果だ。本機はあくまでオンボードグラフィックのPCであるため、3D処理性能にはそこまで期待しない方が良いだろう。
ちなみに、マインクラフト(Java版)などの軽めのタイトルであれば、ある程度スムーズ(30fps以上)に遊ぶことが出来た。
ゲーミングに適したPCであるとは言えないが、ブラウザゲームや軽めのPCゲーム程度であればプレイすること自体は可能だ。
仕事や作業のちょっとした合間にPCゲームを楽しみたい場合にも役立つだろう。
優れた静音性と放熱機構
レビュー時には本製品を3~4時間ほど連続使用したが、PC本体からの動作音は比較的静かであり、耳を近づけると、多少のファン回転音が聞こえる程度であった。
▼耳を近づけると、小さな "キーン" "フォーン"という回転音・排気音がわずかに聞こえる程度。
また長時間の連続稼働後に本体を触っても、ほとんど熱を感じることも無かった。
▼長時間使用し続けても、そこまで熱くなり過ぎない。
このように、優れた静音性と排熱性能を実現しており、長時間の利用にも安心だろう。
『CHUWI LarkBox X』のまとめ
今回紹介した『CHUWI LarkBox X』について、特徴をまとめると以下の通りだ。
良かった点
- コンパクトかつ軽量な筐体サイズ
- シンプルでスタイリッシュな見た目
- AMD Ryzen 3700U搭載のパワフルな性能
- 比較的リーズナブルな価格
- 軽めのPCゲームであればある程度快適にプレイ可能
- 優れた静音性と排熱性能
悪かった点
- 電源アダプタサイズがやや大きめ
- プラグが3P形状
- 4K解像度設定での動画再生には適していない
以上の通り、手のひらサイズのコンパクトな筐体に対して、AMD Ryzen 3700U搭載のパワフルなパフォーマンスを発揮するミニPCとなっている。
ウェブサイト閲覧や動画視聴はもちろん、作業用ソフトを用いた本格的なビジネス用途にも問題なく活用することが可能だ。
またFF14のような大規模MMORPGでも、品質設定を落とすことで、多少の妥協は必要だが遊べるだろう。
一方で、せっかく持ち運びや省スペース化に適したサイズであるにもかかわらず、電源アダプタのサイズが大きい点はやや残念だ。本製品はバッテリー内蔵型ではないため、外出先で利用する場合はこの大きなアダプタまで持参する必要があるため、次のモデルではアダプタの小型化に努めてもらいたいところだ。
しかし、この性能に対して5万円前後の価格は十分に高コストパフォーマンスであると言える。
出来るだけコストを抑えつつ、実用性の高いミニPCを探している方には是非オススメしたい一品だ。
▼こちらの記事もオススメ
-
『Beelink U59』レビュー!4K出力でスムーズな動作を実現する高コスパ小型デスクトップPC
新型コロナウイルスの影響により、自宅で仕事や授業を行う人々が増えてきた。 テレワークやリモートワークなどで作業を効率的に進めるためには、是非ともデスクトップPCを用意しておきたいところだ。 しかし大型 ...
続きを見る
-
『Minisforum EliteMini HM90』レビュー | AMD Ryzen 9 4900H搭載のミニPC
最近では、テレワークやオンライン授業などの広がりにより、自宅にデスクトップPCを設置する人々が増えてきた。 一般的なデスクトップPCは大型で場所をとるため、小型のミニデスクトップPCが大きな人気を博し ...
続きを見る