数多くのモバイルデバイスやポータブル電源などの開発を手掛けてきたFossibot(フォッシボット)社は、2024年4月同ブランドの最新タフネススマートフォンとして『Fossibot F106 Pro』をリリースする。
背面に大型スピーカー&ライトを搭載したAndroidスマートフォンであり、IP68 / IP69K等級の防水性能、およびSTD-MIL-810Hの耐衝撃性能を備えるほか、12,000Ahの大容量バッテリーを内蔵。アウトドア利用に特化したタフネススマホとなっている。
今回、メーカーより本製品を提供していただいたので、実際に使用した感想を基にレビューしていきたいと思う。
大型スピーカー&ライト搭載、防水性にも優れアウトドア利用に最適なタフネススマホ
今回紹介する『Fossibot F106 Pro』は、最新のAndroid14を採用した大型のスマートフォンだ。
ブランド | Fossibot |
モデル名 | Fossibot F106 Pro |
防水防塵規格 | IP68 / IP69K |
耐衝撃規格 | STD-MIL-810H |
ディスプレイ | 6.58インチ(ドラゴントレイルガラス) |
解像度 | 2408×1080(FHD+), 404ppi, 20:9 |
リフレッシュレート | 60Hz |
OS | Android 14 |
CPU(SoC) | MediaTek Helio G85 オクタコアプロセッサー |
RAM | 8GB LPDDR4X(最大12GBまでの拡張に対応) |
ストレージ | 256GB |
マイクロSDカード | 対応 |
SIMカード | デュアルnano SIM対応 |
対応通信規格 | Wi-Fi 2.4G/5G Bluetooth 5.0 GPS, Glonass, Beidou, Galileo, QZSS NFC:対応 4G LTE |
対応バンド | GSM:850/900/1800/1900MHz 3G:B1/B2/B4/B5/B8 4G:B38/B39/B40/B41/B1/B2/B3/B4/B5/B7/B8/B12/B17/B18/B19/B2 0/B25/B26/B28A/B28B/B66 |
認証方法 | 顔認証、指紋認証(電源ボタン) |
搭載カメラ | フロント:16MP リア:48MPメイン+20MPナイトビジョンカメラ |
フラッシュライト | 3Wキャンプライト内蔵 |
スピーカー | 103dbスピーカー内蔵(直径34mm・定格出力3W・最大出力3.5W) |
バッテリー容量 | 12,000Ah(30W急速充電対応) |
本体サイズ | 174.2×82.4×22.3mm |
本体重量 | 約470g |
MediaTek Helio G85 オクタコアプロセッサー搭載、最大12GBまで拡張可能なRAMと256GBの内部ストレージを採用。マイクロSDカードを挿入することでストレージ拡張も可能。前面に16MPフロントカメラを、背面に48MPメインカメラ+20MPナイトビジョンカメラを備えるなど、2万円前後の価格に対して優れたスペック構成のモデルとなっている。
筐体サイズは174.2×82.4×22.3mm、重さは約470gと大型でズッシリとしている。STD-MIL-810H等級の耐衝撃性能とIP68 / IP69K等級の高い防水性能を備えており、水辺でも砂塵の舞う過酷な環境でも安心して利用することが可能だ。
背面には103db大型スピーカー&高輝度ライトを搭載。音圧の強いサウンドを出力できるほか、キャンプライトや非常用ライトとしても活用できるようになっている。
Bluetooth 5.0、デュアルバンドWi-Fi、GPS、NFCなどの通信規格に対応。デュアルnanoSIMカードの挿入も可能であり、外出先でも4G LTE通信を行うことができる。
そして12,000Ahの大容量バッテリーを内蔵しており、長時間の連続使用が可能。充電残量をいちいち気にする必要はない。30W急速充電にも対応しているため、わずかな充電時間でバッテリー残量をあっという間に回復させることが可能だ。
製品本体および付属品
▼外箱の様子
▼内容物をすべて取り出した様子。
内容物一覧は以下の通り。
【内容物一覧】
- スマートフォン本体
- ユーザーマニュアル
- SIMカードピン
- 電源アダプタ
- USB Type-Cケーブル
▼ユーザーマニュアルは日本語にも対応している。
▼スマホの外観。6.58インチディスプレイを搭載した大きめの筐体サイズ。
ディスプレイにはドラゴントレイルガラスを採用しており、擦り傷などに対して高い耐性がある。
▼前面中央には16MPのフロントカメラを内蔵。
▼背面の様子。
▼背面上部には48MPメインカメラ + 20MPナイトビジョンカメラを搭載。
▼中央には大型スピーカー&ライトを搭載。
▼そして下部にはストラップを装着できるようになっている。
174.2×82.4×22.3mm、約470gの筐体サイズは、実際に手に持つとかなりズッシリ感がある。
▼一般的なスマホの2倍以上の重さ。
▼ガッシリとした頼りがいのあるフォルム。
▼厚みは2cm超え。ズボンのポケットなどに入れて持ち運ぶのはやや困難かもしれない。
▼iPhone 13(画像右)と並べた様子。『Fossibot F106 Pro』の方がひと回り大きい。
続いて、インターフェースについて紹介していく。
▼左側面には、カードスロット、スマートキー、ライトボタンが用意。
▼カードスロットは、水や塵の侵入を防ぐため、頑丈なキャップでシッカリ保護されている。
▼指でスロットを開き、nanoSIMカードやマイクロSDカードを挿入できる。それなのになぜパッケージに使用しないSIMカードピンが同梱されているのかが、よく分からない。
▼スマートキー(赤色)には、設定アプリから好みの機能を自由に割り当てることができる。また、ライトボタン(黄色)を長押しすると、背面の大型ライトを点灯させることができる。
▼右側面には電源ボタン、音量調節ボタンが搭載。電源ボタンは指紋認証に対応している。
指紋を登録しておけば、電源ボタンに指をかざすだけで瞬時にロックを解除できる。
▼上部の様子。
▼下部には、キャップで保護されたType-Cポートが用意。
AnTuTuベンチマークテスト
本機について、スマホ・タブレット端末の性能を測ることのできる『AnTuTuベンチマークテスト』を実施してみた。
▼Android端末におけるAnTuTuベンチマークテストの実施方法はコチラを参照
-
Android端末でAnTuTuベンチマークテストを行う超簡単な方法(2023年時点)
スマートフォン・タブレットなどのモバイル端末のスペック(スコア)を計測することのできるツールとして、『AnTuTu Benchmark』(アンツツ ベンチマーク)というものがあります。 AnTuTuと ...
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結果として、約24.3万点のスコアを記録した。
2万円前後の価格帯のスマホの中では、優れたスコアであると言える。
一般的なスマホ用途に用いる分には、十分に実用的な性能のモデルだと言える。ウェブサイト閲覧や動画視聴はもちろん、仕事作業、軽めのゲーミングまで幅広い用途に活用できるだろう。
一般的なスマホ用途はスムーズ
本機のパフォーマンスを確認すべく、ウェブサイト閲覧時・動画視聴時の動作について検証した。
ウェブブラウジングは快適であり、画像が多めのサイトや、処理の重いサイトであっても スムーズに閲覧することが出来た。
▼画像多めのサイトでも瞬時に読み込まれる。
▼2408×1080(FHD+)解像度のディスプレイでは、細かな文字まで見やすい。
ただ、画像やスクリプトが多めのサイトだと、スクロール時に遅延やカクつきを感じることが多少あった。それでも、普通にウェブサイトを閲覧する分には、ほとんど支障は無かった。
また、YouTubeやネットフリックスなどの動画サイトを閲覧した場合も、スピーディかつスムーズに動画を再生することが可能であった。
発色も良好。映像はカラフルで美しく、映画やアニメなどを視聴しても満足度の高い体験が可能だ。
▼画質に関するプリセットも用意されている。
ただし、WidevineがL3サポートな点はやや残念だ。
以上の通り、ウェブサイト閲覧や動画視聴といった一般的なスマホ用途に関しては、何の問題もなく快適に行うことが出来た。
なお、設定アプリから4GBの仮想メモリ(RAM)拡張を行うことも出来る。
スマートキーが便利
▼スマートキー(赤色)。
左側面のスマートキーには、設定アプリから好みの機能を割り当てることができる。
▼1回押し、2回押し、長押し時の各パターンに別々の機能を割り当てられる。
▼スクリーンショットや録音機能のほか、好みのアプリを起動することも出来る。
このボタンを上手く活用することで、スマホ自体の利便性を向上させることが可能だ。
グローブモードに対応
本製品はグローブモードに対応しており、手袋を装着した状態でも画面のタッチ操作を行うことができる。
スマホ操作のためにいちいち手袋を外す必要が無いため、アウトドアアクティビティの際には非常に便利な機能だろう。
音圧の強い大型スピーカー
実際に音楽をいくつか再生してみたが、さすが背面に直径34mmの103db大型スピーカーを搭載しているだけあって、音圧は抜群だ。最大音量設定時の音圧は中々のもので、環境音のウルサイ工事現場でも映画の登場人物のセリフを聴きとれるほどだ。
アウトドア環境や工事の現場などにおいて、環境音や騒音に負けない音圧を実現できている。
音質に関しても良好で、低音こそ潰れてしまっているものの、中~高音域に関してはクリアに響きわたる。ハイエンドスマホと比べると音質自体は劣るが、タフネススマホにしては十分に頑張ったレベルであると言える。
実用的な性能のカメラ
また、本機に搭載されていカメラについても確認してみた。
▼実際にフロント(前面)カメラで撮影した画像。
フロントカメラに関して、画質は概ね良好であり、ヒトの輪郭から表情までクリアに映し出すことが出来ていた。
ウェブ会議やオンライン授業など、オンライン通話用途に利用しても問題のない品質だ。
▼続いてリア(背面)カメラで撮影した画像。
背面カメラについても、フロントカメラ以上に鮮明で美しい写真を撮影することが可能であった。発色も良く、肉眼で見た場合に近い色合いを実現している。上画像を見ても分かる通り、遠景から近景、広角まで、明瞭に撮影することができた。
旅行や記念撮影用のカメラとしても十分に活用できる品質だと言える。
実用的な多機能大型ライト
本製品の背面には大型ライトが搭載されており、様々な用途に役立つ。
▼左側面のライトボタン(黄色)を長押しすることで、ライトの点灯/消灯を切り替えられる。
スマホメニューからライトの詳細設定画面にアクセスし、点灯パターンの変更や輝度の調節を行うことが可能だ。
▼SOSのモールス信号を発する機能も用意。遭難時などに他者へSOSを伝えることができる。
大型なだけあり、ライトの輝度はかなり強く、暗所をクッキリと照らし出すことができる。キャンプなどアウトドアアクティビティ時における照明や、災害時の非常用照明(懐中電灯)としても重宝するだろう。
ゲーミング性能の確認
本機を用いて各種ゲームアプリを遊んだ際のパフォーマンスについても確認していく。
『PUBG』プレイ時
まずは『PUBG』の場合について。
まずグラフィッククオリティに関しては『HD』まで選択できた。
実際に試合に参加してみたが、大人数のプレイヤーが密集する場所においても、処理落ちやカクつきなどはほとんど生じず、終始快適なゲームプレイが可能であった。
▼近くのテクスチャから遠くの風景まで、美しく描画される。
激しく動き回っても、ラグやフレームレート低下などを感じることはほとんどなかった。90Hz高リフレッシュレートのおかげで、全体的に動きが滑らかに描画される。
▼画面も大きく、十分に迫力のあるゲーミングを楽しめる。
スマホゲーを楽しみたい場合にも、そこそこ満足度の高い体験が可能だろう。
『統合版マインクラフト(旧PE)』プレイ時
続いて『統合版マインクラフト(旧PE)』の場合について。
ワールドを作成して実際にプレイしてみたが、スムーズで快適に操作することが出来た。
▼チャンク読み込み時にもあまり重さを感じない。
▼大規模なチャンクの読み込みなどに多少の時間はかかるが、移動自体は比較的スムーズだ。
大規模なバイオームを読み込む際などには、多少のカクつきやフレームレート低下を感じることはあった。しかし全体的にパフォーマンスは安定しており、終始スムーズなゲーミングが可能であった。
以上の通り、『PUBG』や『マインクラフト』レベルのゲームアプリであれば、問題なく快適に遊べることが確認できた。
『原神』プレイ時
最後に激重ゲームとして知られる原神について。
非常に重いゲームアプリとして有名な『原神』であるが、本機では設定さえ調整すればスムーズにプレイすることが可能であった。
▼画質設定はデフォルト状態で "最低" に設定されており、デバイス負荷は "スムーズ" の状態。
▼画質設定を "低" まで上げるとデバイス負荷も高まるが、依然としてスムーズな動作が可能であった。
▼さすがに画質設定を中以上に上げると負荷は "非常に高い" の状態となり、顕著なフレームレート低下が発生した。
『Fossibot F106 Pro』では、"低" 画質程度まで設定を抑えれば、原神を比較的スムーズに遊べるという結果であった。
▼低画質設定でも、十分に綺麗な映像でゲームを楽しむことが可能だ。
中画質以上の設定ではフレームレート低下が生じまともなプレイは難しいが、低画質であれば、激しく動いた場合でもカクつきや遅延を感じることはあまりなかった。
このように、原神クラスのゲームアプリでも、設定次第ではそこそこ快適に遊べることが確認できた。
長持ちする12,000Ah大容量バッテリー
本製品は12,000Ahの大容量バッテリーを内蔵しており、普通に使用する分には、丸1~2日間は充電なしで利用するし続けることが可能であった。
いちいち充電する手間を省くことができるため、アウトドアな場面に持参する用途に適していると言える。
また、30W急速充電にも対応しており、わずかな充電時間でバッテリー残量をあっという間に回復出来る点も嬉しい。
『Fossibot F106 Pro』のまとめ
今回紹介した『Fossibot F106 Pro』について、特長をまとめると以下の通りだ。
良かった点
- 優れた耐水設計
- 頑丈で頼りがいのあるフォルム
- リーズナブルな価格
- 実用的な性能
- 優れたカメラ性能
- 音圧の強い大型スピーカー
- 実用的な多機能ライト
- グローブモードなど、アウトドア向け機能が充実
- る12,000Ah大容量バッテリー内蔵
悪かった点
- 重くてゴツいため、携行性的には難あり
- ワイヤレス充電に非対応
- WidevineはL3サポート
以上の通り、過酷な環境でも使用に耐えうる強固な造りと、実用的な性能を両立したタフネススマホとなっている。
ただ頑丈なだけでなく性能も充実しており、動画視聴や仕事目的、ゲーミングに至るまで大抵の作業を快適にこなすことが可能だ。高解像度ディスプレイの発色はカラフルで美しく、ウェブブラウジングからゲームプレイ、動画視聴まで満足度の高い体験が可能であった。
そして背面の大型スピーカーの音圧はかなり強く、騒音レベルの高い環境でも音声を聴きとることが出来るだろう。
前面・背面搭載のカメラによって撮影された画像(映像)も綺麗で、アウトドアな場面での撮影用端末としても重宝する。
何より、12,000mAh大容量バッテリーの持ちが良好で、いちいちバッテリー残量を気にせずに外出先でも安心して利用できる。グローブモード対応にも対応しているなど、アウトドア用途に適した機能が充実している点が非常に魅力的だ。
そして何より、これだけのスペック構成に対して2万円前後というリーズナブルな価格を実現しており、コストパフォーマンスの面でも優れたモデルだと言える。
実用的な性能と、強固な造りを併せ持つ格安スマホを探している方には、是非オススメしたい一品だ。
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