数多くのPC関連商品を手掛けるメーカー「GEEKOM」(台湾)は、2024年の同ブランドの最新小型PCとして『GEEKOM XT12 Pro』を発売した。記事執筆時点で公式サイトおよびAmazonからの購入が可能となっている。
今回、メーカーより本製品を提供していただいたので、実際に使用した感想を基にレビューしていきたいと思う。
仕事からゲームまで快適にこなせるCore i9搭載の高性能ミニPC
今回紹介する『GEEKOM XT12 Pro』は、第12世代Core i9搭載の高性能ミニデスクトップPCだ。
ブランド | GEEKOM |
型名 | XT12 Pro |
OS | Windows 11 Pro (64bit) |
CPU | インテル® Core™ i9-12900H |
RAM | 32GB DDR5 ※最大64GBまでの拡張に対応 |
ストレージ | 1TB SSD ※最大2TBまでの拡張に対応 |
対応通信規格 | Wi-Fi6E、Bluetooth 5.2、有線LAN |
グラフィック | Intel® Iris® Xe Graphics eligible |
インターフェース | 3 x USB 3.2 Gen 2ポート 1 x USB 2.0ポート 2 x USB4ポート 1 x 3.5 mmヘッドフォンジャック 1 x 2.5GbE LANポート 2 x HDMI 2.0ポート 1 x DCジャック 1 x 電源ボタン |
本体サイズ | 117mm x 112mm x 49.2mm |
本体重量 | 約652g |
OSはWindows 11 Proを採用。CPUには「インテル® Core™ i9-12900H」を、RAMは32GB DDR5を搭載。大抵の作業を快適にこなせるだけのスペック構成となっている。
ストレージには1TB SSDを採用。大量のデータを保存できるほか、本体起動からデータ転送まで高速で行うことが可能だ。最大2TBのストレージ拡張も可能。拡張性に優れている点も本製品の大きな魅力の1つだ。
▼RAMは最大64GBまで、ストレージは最大2TBまで拡張可能。
通信規格は有線LANに加え、Wi-Fi6E、Bluetooth 5.2に対応。
そして117mm x 112mm x 49.2mm、約652gのコンパクトかつ軽量な筐体には充実のインターフェースが用意。USB 3.2 Gen 2 ポートおよびUSB 4ポートが複数搭載されており、高速データ伝送に対応している。
【搭載インターフェース】
- USB 3.2 Gen 2ポート ×3
- USB 2.0ポート ×1
- USB4ポート ×2
- 3.5 mmヘッドフォンジャック ×1
- 2.5GbE LANポート ×1
- HDMI 2.0ポート ×2
- DCジャック ×1
- 電源ボタン ×1
▼コンパクトかつ軽量で外出先にも気軽に持参できる。
パッケージにはVESAマウントが付属しており、筐体をモニター裏などへ取り付けることで、デスク周りをスッキリと収めることが出来る。
グラフィック処理には「AIntel® Iris® Xe Graphics eligible」を採用。ゲーム、コンテンツ作成、ストリーミング、メディア再生時のパフォーマンスが強化されている。最大8K解像度の映像出力にも対応。
そして、2つのHDMIポートと、2つのUSB 4ポートを使用することで、最大4画面への同時映像出力が可能となっている。
その他、効率的な熱循環機構により、長時間の使用時にも内部に熱がこもりづらく、パフォーマンス低下を抑えることが可能だ。
以上の通り、手のひらサイズのコンパクトな筐体サイズに対して、実用的なスペック構成を実現したミニデスクトップPCとなっている。仕事からクリエイティブな作業、ゲーミング、動画視聴にいたるまで、あらゆる用途に適した最新モデルだ。
製品本体および付属品
▼外箱の様子
▼内容物をすべて取り出した様子。
内容物一覧は以下の通り。
【内容物一覧】
- ミニPC本体
- 電源アダプタ
- 電源コード
- HDMIケーブル
- ユーザーマニュアル
- サンクスカード
- VESAマウント&ビス一式
▼説明書は一部のみ日本語に対応。図付きで説明は分かりやすい。
▼VESAマウントブラケットと専用ビスも付属。モニター裏などへ取り付けて省スペース化を実現出来る。
▼電源アダプタは比較的コンパクトなサイズ。
▼付属する電源ケーブルは3P形状なので、日本の一般的な家庭で使用する場合は3P⇒2P変換アダプタが必要になるだろう。
▼PC本体の外観。白を基調としたシンプルかつスタイリッシュなデザイン。
▼片手に収まるほどのコンパクトさ。
▼厚みは約5cmと薄く、カバンなどに入れて持ち運んでも支障にならないだろう。
▼背面の様子。ゴム製の滑り止めが施されているほか、六角形の穴が無数に空いている。
底面のカバーをドライバーで取り外すと、SSD&RAM拡張用のスペースが現れる。
▼RAMは最大64GBまで、ストレージは最大2TBまで拡張可能。
このように、拡張性にも優れた設計がなされている。
続いて本体インターフェースについて紹介していく。
▼本体正面。画像左側からUSB 3.2 Gen 2 Type-Aポート×2、3.5mmオーディオジャック、電源ボタンが搭載。
▼左側面には盗難防止用ロック穴が用意。
▼右側面の様子。
▼背面の様子。DC電源ポート、USB 4ポート×2、HDMI 2.0ポート×2、LANポート、USB 3.2 Gen 2 Type-Aポート、USB 2.0 Type-Aポートが用意。
【搭載インターフェース】
- USB 3.2 Gen 2ポート ×3
- USB 2.0ポート ×1
- USB4ポート ×2
- 3.5 mmヘッドフォンジャック ×1
- 2.5GbE LANポート ×1
- HDMI 2.0ポート ×2
- DCジャック ×1
- 電源ボタン ×1
以上の通り、限られたスペースに必要なポート類が集約されたインターフェース構成となっている。
USB 3.2 Gen 2 Type-AポートおよびUSB 4ポートが複数搭載されており、高速データ伝送に対応している点が魅力的だ。USB 2.0ポートが1つ用意されている点もGOOD。
2つのHDMIポートと2つのUSB 4ポートを用いた4画面同時出力が可能。LANケーブルによる安定した有線接続が可能な点も嬉しい。
一般的なサイズのデスクトップと遜色ない利便性を実現していると言える。
一般的な作業は問題なくこなせる性能
本製品をいくつかの用途で実際に使用して、パフォーマンスを確認してみた。
▼サイズが非常にコンパクトなため、どのような場所に設置しても邪魔にならない。
▼実際に接続した様子。マウスやキーボードなどはBluetooth対応機種を使うことで、設置周りがスッキリする。
▼マウスと並べてみると、筐体のコンパクトさが際立つ。
今回のレビュー時には3440×1440解像度のウルトラワイドモニターに接続して利用した。
▼映像出力情報。3440×1440・100fpsで快適に動作する。
▼1TBモデルのストレージでは、デフォルトの状態で912GB分が使用可能領域となっていた。
▼デバイスの仕様表
▼CrystalDiskMarkでのテスト結果。
▼Windowsエクスペリエンスインデックスの測定結果。
まずは実際にいくつかのウェブサイトを閲覧し、動作を確認した。
画像の多いサイトから、Javascriptを多用した処理の重いサイトまで閲覧してみたが、いずれの場合においても、快適に閲覧することが可能であった。
▼ウルトラワイドモニターでスムーズなウェブブラウジングが可能。ページ読み込みからスクロールまでいたって快適だ。
▼高解像度出力で、細かな文字まで明瞭に描画される。
また、YouTubeやネットフリックスといったサイトにおいて動画を視聴してみた。
動画サイトにおいても、カクつくことなくスムーズに再生された。
▼高画質設定(4K)でもスムーズに動作を再生できる。
▼美しく滑らかな4K映像を楽しむことが可能だ。
また、エクセルやワードなど、Officeソフトを用いた作業を行ってみた。
作業用ソフトの動作も問題なく快適に行うことができており、スムーズな表計算・文字入力等が可能であった。
▼同時に複数ウィンドウを開いた状態での作業も問題なし。
以上の通り、デスクトップPCとしての一般的な用途(ウェブサイト閲覧・動画視聴・作業用ソフト使用)は問題なく快適にこなせるだけの性能だと確認できた。
リモートワークやオンライン授業用にPC購入を検討している方にも、十分に満足度の高いパフォーマンスを提供するだろう。
ゲーミング性能について確認
続いて、ゲーミング性能についても確認してみた。
今回は試しに『ファイナルファンタジー14』のベンチマークテストを実施した。
テスト条件①
- 1920×1080解像度
- 標準品質(デスクトップPC)
- ウィンドウモード
- DirectX 11
上記の条件でベンチマークテストを行った結果、スコア5,011点、評価は "普通" であった。
標準品質であれば、FF14クラスの大規模MMOMRPGでも、ある程度快適なパフォーマンスで遊ぶことが可能となっている。
続いて、描画設定を上げて再テストしてみた。
テスト条件②
- 1920×1080解像度
- 高品質(デスクトップPC)
- ウィンドウモード
- DirectX 11
上記の条件でベンチマークテストを行った結果、スコア4,000点、評価は "普通" であった。
高品質まで設定を上げるとスコアが低下するものの、依然としてそこそこ快適なパフォーマンスを期待できる結果となった。
このように、本製品では設定次第で、FF14クラスのPCゲームでもある程度快適に遊べることが確認できた。
ちなみに、マインクラフト(PC・Java版)もプレイしてみたが、その場合も常時40fps~60fps以上で快適に遊ぶことが出来た。
仕事やクリエイティブ作業、そしてゲーミングにも利用できる高性能なミニPCとなっている。
優れた放熱性能と静音性
レビュー時には本製品を4時間ほど連続使用したが、PC本体からの発熱はかなり抑えてられており、高負荷で連続利用した場合も背面からやや暖かい廃熱を感じる程度であった。
▼筐体自体はほどんど熱を持たない。
▼背面からわずかに温かい熱を感じる程度。
▼4時間ほど高負荷状態でPCを稼働させ続けた際の内部温度(CPUID HWMonitorによる測定値)。最高温度で80℃を超えることがあったものの、基本的に50℃前後で安定していた。
また、PC本体からの動作音も非常に静かであり、耳を近づけると多少のファン回転音が聞こえる程度であった。
▼耳を近づけると、小さな "フォーン" という回転音が聞こえる程度。
このように優れた静音性と排熱性能を実現しており、長時間の利用にも安心だ。
『GEEKOM XT12 Pro』のまとめ
今回紹介した『GEEKOM XT12 Pro』について、特長をまとめると以下の通りだ。
良かった点
- コンパクトで軽量な筐体サイズ
- スタイリッシュなデザイン
- 充実したインターフェース構成
- 優れた拡張性
- USB 3.2 Gen 2 ポートおよびUSB 4 ポートが複数搭載
- 一般的な作業はスムーズにこなせる性能
- PCゲームも設定次第でそこそこ快適にプレイ可能
- 4K・60fpsで快適動作
- 優れた静音性と放熱性能
悪かった点
- 付属コンセントが3P形状(2P変換アダプタが必要)
以上の通り、手のひらサイズのコンパクトな筐体に対して、実用的な性能を発揮する小型デスクトップPCとなっている。
ウェブサイト閲覧や動画視聴はもちろん、作業用ソフトを用いた仕事にも問題なく活用できるだろう。4K解像度の美しく滑らかな描画でスムーズな動作が可能であった。ゲーミングに関しても、設定さえ調整すればFF14クラスのタイトルをある程度スムーズにプレイすることも出来る性能を実現している。
本体のインターフェースも充実しており、多くのデバイスを同時接続できるため実用的な構成であると言える。特にUSB 3.2 Gen 2 Type-AポートおよびUSB 4ポートが複数搭載されており、複数の外部デバイスを同時接続したり、高速伝送が可能な点も実用的だ。
ストレージやRAMの拡張性にも優れており、必要に応じてパフォーマンスの底上げも可能だ。
コンパクトなサイズで実用的な性能を備えるPCを求めている方には、ぜひオススメしたい一品だ。
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