数多くのPC関連商品を手掛けるメーカー「GMKtec」(中国)は、第12世代 Intel Twin Lake N150を搭載した超小型のミニPC『GMKtec NucBox G2 Plus』を販売している。
CPUに「第12世代 Intel Twin Lake N150」を搭載した小型デスクトップパソコンであり、非常に低価格であるにもかかわらず、仕事用ソフトウェアの使用から動画視聴まで、大抵のPC作業をスムーズにこなすことのできる、そこそこ実用的な性能を備えた高コスパモデルとなっている。
今回、メーカーより本製品(12GB + 512GBモデル)を提供していただいたので、実際に使用した感想を基にレビューしていきたいと思う。
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ブランド | GMKtec |
型名 | GMKtec NucBox G2 Plus |
OS | Windows 11 Pro (64bit) |
CPU | 第12世代 Intel Twin Lake N150(最大周波数3.6GHz、4コア/4スレッド、6MBキャッシュ) |
グラフィックス | Intel UHDグラフィックス |
RAM | 12GB DDR5(4800MT/s) |
ストレージ | 128GB/256GB/512GB SSD M.2 2242 SATA ※最大2TBまで拡張可能 |
対応通信規格 | Wi-Fi 6, Bluetooth 5.2, 有線LAN |
インターフェース | 【正面】 ・電源ボタン 【側面】 ・USB Type-A 3.2 Gen 1ポート×3 ・ケンジントンロック穴 ・HDMI 2.0(4K@60Hz)ポート×2 ・DP(ディスプレイポート)1.4 【背面】 ・USB Type-Cポート ・RJ45有線LANポート×2 ・3.5mmオーディオジャック |
本体サイズ | 87×87×39.5mm |
本体重量 | 約204g |
今回紹介する『GMKtec NucBox G2 Plus』は、Windows11 Pro搭載の小型デスクトップパソコンだ。
CPUに「第12世代 Intel Twin Lake N150」を搭載した小型デスクトップパソコンであり、非常に低価格であるにもかかわらず、仕事用ソフトウェアの使用から動画視聴まで、大抵のPC作業をスムーズにこなすことのできる、そこそこ実用的な性能を備えた高コスパモデルとなっている。
87×87×39.5mm、約204gという非常にコンパクトかつ軽量な筐体サイズとなっており、付属のVESAマウント&ビスを利用して、モニター裏への取り付けも可能。省スペースで設置場所を取らない点がGOOD。
▼ミニPC内部のライトは、BIOS経由で点灯色を自由に変更可能。
コンパクトな筐体には充実のインターフェースが用意。USB Type-A 3.2 Gen 1ポートが3つ用意されており、多台数デバイスに同時接続できる。
インターフェース構成は以下の通り。
【正面】
- 電源ボタン
【側面】
- USB Type-A 3.2 Gen 1ポート×3
- ケンジントンロック穴
- HDMI 2.0(4K@60Hz)ポート×2
- DP(ディスプレイポート)1.4
【背面】
- USB Type-Cポート
- RJ45有線LANポート×2
- 3.5mmオーディオジャック
▼HDMI 2.0(4K@60Hz)ポート×2、DP(ディスプレイポート)1.4の3ポートを併用することで、3画面同時出力を行うことも可能。
▼デュアルRJ45有線LANポートが用意。
ストレージは128GB/256GB/512GB SSD M.2 2242を、RAMには12GB DDR5(4800MT/s)を搭載しており、大量のデータを保存できるほか、本体起動からデータ転送まで高速で行うことが可能だ。
▼ストレージは最大2TBまで増設可能。
通信規格は有線LANに加え、Wi-Fi 6とBluetooth5.2に対応。
製品本体および付属品
▼外箱の様子
▼内容物をすべて取り出した様子
内容物一覧は以下の通り。
【内容物一覧】
- ミニPC本体
- 交換用天板
- VESAマウント&ビス
- ユーザーマニュアル
- 電源アダプタ
- HDMIケーブル
▼VESAマウント&ビスが付属。ミニPC本体をモニター裏へ取り付けることが可能。
▼電源アダプタはコンパクトなサイズ。
▼赤色の交換用天板が付属しており、好みに応じてPC上部の天板を交換できる。
GMKtec NucBox G2 Plus本体
▼ミニPC本体の外観。87×87×39.5mmの非常にコンパクトなサイズ。
▼細かな横線模様の入った筐体上部は汚れた付着しづらく、手触りも良好。そこそこの高級感も感じられる。
▼重量は約204gと非常に軽量。片手に収まるほどの大きさだ。
▼厚みは39.5mm。カバンなどに入れて持ち運んでも支障にならないだろう。
▼底部の様子。四隅にゴム製の滑り止めが施されているほか、マウント取り付け用の穴が空いている。
ストレージ拡張が可能
本製品はストレージ容量を最大2TBまで拡張できる。
底部の四隅のネジをドライバーで取り外すことで、PC内部を見ることが可能だ。
インターフェース構成
続いて本体インターフェースについて紹介していく。
▼本体正面。電源ボタンが用意。
▼左側面にはケンジントンロック穴、HDMI 2.0(4K@60Hz)ポート×2、DP(ディスプレイポート)1.4が用意。
▼右側面にはUSB Type-A 3.2 Gen 1ポート×3が用意。
▼後部にはUSB Type-Cポート(給電用)、RJ45有線LANポート×2、3.5mmオーディオジャックが用意。
以上の通り、限られたスペースに必要なポート類が集約されたインターフェース構成となっている。
HDMI 2.0(4K@60Hz)ポート×2、DP(ディスプレイポート)1.4の3ポートを併用することで、3画面同時出力を行うことが可能だ。
USBポートが3つのみとやや不足気味だが、Bluetooth接続に対応しているため、マウスやキーボードはBluetooth対応機器を使用することで、使用ポート数を節約できるだろう。
非常にコンパクトな筐体サイズ
本製品はサイズが非常にコンパクトなため、どのような場所に設置しても邪魔にならない。
▼実際に接続した様子。マウスやキーボードなどはBluetooth対応機種を使うことで、設置周りがスッキリするだろう。
▼マウスと並べてみると、筐体のコンパクトさが際立つ。
付属のVESAマウント&ネジを利用してモニター裏に取り付ければ、デスク上のスペースをより節約できるだろう。
今回のレビュー時には3440×1440解像度のウルトラワイドモニターに接続して利用した。なお、電源設定は "バランス" を選択している。
▼映像出力情報。3440×1440・100Hzで快適に動作する。
▼512GBモデルのストレージでは、デフォルトの状態で475GB分が使用可能領域となっていた。
▼デバイスの仕様表
各種ベンチマークテストを実施した結果について紹介する。
PCMARK10(無料版)のテスト結果
PCMARK10(無料版)のテスト結果は以下の通りとなった。
▼GMKtec NucBox G2 Plusのスコア結果
項目 | スコア |
総合スコア | 3,116 |
Essentials | 6,728 |
Productivity | 4,497 |
Digital Content Creation | 2,716 |
一般的なPC作業(文書作成・ウェブブラウジング・オフィス作業等)であれば十分快適にこなすことのできる性能だと言える。高負荷のクリエイティブ作業やゲーミングには向かないものの、日常的な作業や、軽めのクリエイティブ作業・マルチタスクであればスムーズにこなせるだろう。
項目 | スコア範囲 | 性能目安 |
総合スコア | 2,500~3,000 | エントリーレベル。基本操作は問題ないが、負荷の高い作業は難しい。 |
3,500~4,000 | 中級レベル。日常作業と軽いクリエイティブ作業には十分。 | |
4,500以上 | 上級レベル。高度なマルチタスクやクリエイティブ用途に適している。 | |
Essentials | 4,100以上 | ウェブブラウジング、アプリケーションの起動、ビデオ会議など、日常的な操作に必要なスコア。 |
Productivity | 4,500以上 | ワープロ、表計算、データ処理などのオフィス作業に適した性能。 |
Digital Content Creation | 3,450以上 | 真編集、動画編集、3Dレンダリングなど、クリエイティブ作業に求められる性能。 |
CrystalDiskMarkのテスト結果
CrystalDiskMarkでのテスト結果は以下の通り。
M.2 2242 SATA SSDを搭載していることもあり、十分に実用的なスコア値を記録できている。PC起動から各種ファイル伝送まで、大きな支障なくスムーズにこなせるだろう。
項目 | Read目安値 | Write目安値 |
SEQ1M Q8T1 | 500~550 MB/s | 450~500 MB/s |
SEQ1M Q1T1 | 450~520 MB/s | 400~480 MB/s |
RND4K Q32T1 | 250~350 MB/s | 200~300 MB/s |
RND4K Q1T1 | 30~50 MB/s | 20~40 MB/s |
Windowsエクスペリエンスインデックスの測定結果
Windowsエクスペリエンスインデックスの測定結果は以下の通り。
2万円台の格安ミニPCとしては、十分に優れたスコアを記録できた。こちらもゲーミングこそ厳しいものの、一般的なPC作業(文書作成・ウェブブラウジング・オフィス作業等)であれば十分快適にこなすことのできる性能だと言える結果となった。
項目 | 推奨スコア値 | 説明 |
プロセッサ(CPU)性能 | 6.0以上 | 日常作業(オフィス、ウェブ会議)や軽いマルチタスクが快適に動作。8.0以上なら動画編集もスムーズ。 |
メモリ(RAM)性能 | 5.5以上 | 6.5以上なら仮想環境や高負荷作業にも対応可能。 |
グラフィックス | 5.5以上 | デスクトップ操作や基本的なビジュアルタスクがスムーズ。高解像度環境では6.5以上を推奨。 |
ゲーム用グラフィックス | 6.0以上 | 軽い3Dゲームや3Dモデリング作業に十分対応可能。7.0以上なら負荷の高い作業も快適に動作。 |
プライマリディスク | 6.5以上 | SSD搭載で達成可能。OS起動やアプリ立ち上げが高速化。NVMe SSDなら7.5以上が期待できる。 |
一般的なPC作業は問題なくこなせる性能
まずは実際にいくつかのウェブサイトを閲覧し、動作を確認した。
画像の多いサイトから、Javascriptを多用した処理の重いサイトまで閲覧してみたが、いずれの場合においても、快適に閲覧することが可能であった。
▼ウルトラワイドモニターでスムーズなウェブブラウジングが可能。ページ読み込みからスクロールまでいたって快適だ。高解像度・高リフレッシュレートで、細かな文字まで明瞭に描画される。
また、YouTubeやネットフリックスといったサイトにおいて動画を視聴してみた。
動画サイトにおいても、カクつくことなくスムーズに再生された。
▼高画質設定(4K)でもスムーズに動作を再生できる。
▼高解像度・高リフレッシュレートの美しく滑らかな映像視聴を楽しむことが可能だ。
また、エクセルやワードなど、Officeソフトを用いた作業を行ってみた。
作業用ソフトの動作も問題なく快適に行うことができており、スムーズな表計算・文字入力等が可能であった。
▼同時に複数ウィンドウを開いた状態でのマルチタスクも問題なし。
以上の通り、デスクトップPCとしての一般的な用途(ウェブサイト閲覧・動画視聴・作業用ソフト使用)を快適にこなせる性能だと確認できた。
リモートワークやオンライン授業用にPC購入を検討している方にも、満足度の高いパフォーマンスを提供するだろう。
ゲーミング性能について確認
ゲーミング性能についても確認してみた。
ドラゴンクエスト10のベンチマークテスト
実際にゲーミング性能を確認すべく、まずは「ドラゴンクエスト10(DQ10)」のベンチマークテストを実施した。
テスト条件
- 1920×1080解像度
- 標準品質
- ウィンドウモード
最低限の設定で実行したが、スコアは2,466点で "やや重い" という結果に。
ドラクエ10を快適にプレイするのは厳しそうだ。
ファイナルファンタジー14のベンチマークテスト
続いて、『ファイナルファンタジー14(FF14)』のベンチマークテストを実施した。
テスト条件
- 1920×1080解像度
- 標準品質(デスクトップPC)
- ウィンドウモード
上記の条件でベンチマークテストを行った結果、スコア1,950点、評価は "設定変更が必要" であった。
FF14の場合も、設定を最低まで下げてもプレイは厳しいという結果に。
以上の通り、ゲーミング用途には適していないことが確認できた。
優れた静音性と放熱性能
レビュー時には本製品を5時間ほど連続使用したが、PC本体からの発熱はかなり抑えてられており、高負荷で連続利用した場合も背面からやや暖かい廃熱を感じる程度であった。
▼筐体自体はほどんど熱を持たない。
▼後部排気口からわずかに温かい熱を感じる程度。
▼5時間ほど高負荷状態でPCを稼働させ続けた際の内部温度(CPUID HWMonitorによる測定値)。
長時間の高負荷使用後でも、CPU・SSDともに温度は正常範囲内に収まっていた。優れた冷却(排熱)機構を実現できていると言える。
項目 | アイドル時(軽負荷) | 高負荷時(ゲームや動画編集など) | 最大安全温度 |
マザーボード | 20~50℃ | 50~70℃ | 80~100℃ |
CPU | 30~50℃ | 60~85℃ | 90~100℃ |
ストレージ | 20~40℃ | SSD: 40~60℃ NVMe SSD: 50~70℃ | SSD: 70~85℃ NVMe SSD: ~85℃ |
メモリ(RAM) | 30~50℃ | 50~70℃ | ~85℃ |
ケース内温度 | 20~40℃ | 30~50℃ | - |
そして静音性にも優れており、動作音は終始静かな状態を維持していた。
▼5時間連続使用時のPC稼働音の確認
上動画を確認しても、PC本体からはファンの回転音や稼働音がほとんど聞こえてこないことが確認できる。
※環境音(空調音)を拾ってしまっている点にご容赦願いたい。
優れた静音性と冷却能力を備えたミニPCとなっている。安心して長時間利用できるだろう。
『GMKtec NucBox G2 Plus』のまとめ
今回紹介した『GMKtec NucBox G2 Plus』について、特徴をまとめると以下の通りだ。
良かった点
- 非常にコンパクトかつ軽量なサイズ
- 携行性にも優れている
- リーズナブルな価格(2万円台)
- 実用的なインターフェース構成
- 一般的なPC作業をスムーズにこなせる性能
- 最大3画面同時出力に対応
- 置き場所に困らない
- 優れた放熱性能&静音性
悪かった点
- デバイス接続可能なUSBポートが計3つと少なめ
- RAMの増設不可
- ゲーミングには適さない
以上の通り、2万円台のリーズナブルな価格に対して、実用的な性能と非常にコンパクトなサイズを実現した、高コスパなミニデスクトップPCとなっている。
手のひらサイズの小型PCにもかかわらず、ウェブサイト閲覧や動画視聴、仕事上の軽作業など、一般的なPC用途に用いるには十分な性能を備えている。高解像・高リフレッシュレートの美しく滑らかな描画でスムーズな動作が可能であった。
VESAマウント&ネジが付属しており、購入後すぐにモニター裏への取り付けが可能な点も嬉しい。
放熱性能&静音性も優れており、高負荷状態で長時間使用しても、パフォーマンスへの影響は体感できなかった。安心して長時間利用できる。
デバイス接続可能なUSBポートが計3つと少なめだが、Bluetooth接続に対応しているため、マウスやキーボードはBluetooth対応機器を使用することで、使用ポート数を節約できるだろう。
また、ゲーミングには適さないので注意したい。
何はともあれ、このサイズ感と価格でこれだけ安定したパフォーマンスを実現している点は素晴らしいの一言だ。
2万円前後の安価で実用的なミニPCを探している方にとって、間違いなく選択肢の一つに入れても良いモデルだろう。
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