高品質のポータブルHiFi機器に特化したメーカーである、中国のHIDIZS(ヒディス)は、2025年の最新イヤホンとして『HIDIZS ST2 PRO Nebula』を販売している。
日本国内向けには2024年12月よりKickstarterにてクラウドファンディングが実施されており、現在は公式サイト等からも購入できる。
通常価格は税込13,223円だが、セール中は8,000円台での購入も可能。
USB Type-Cケーブルを採用した有線タイプのイヤホンであり、スマホやタブレット、PC、ゲーム機等のデバイスと接続するなど柔軟な利用が可能。
0.78mm標準2ピンコネクター式でケーブル交換にも対応しており、断線時の交換や、音質チューニングも自由自在。
今回、メーカーより本製品(ホワイトスケルトン)を提供していただいたので、実際に使用した感想を基にレビューしていきたいと思う。
【公式サイト割引情報】
ブランド | HIDIZS |
製品名 | ST2 PRO Nebula |
カラー | ホワイトスケルトン、ブラックスケルトン |
タイプ | 有線接続(Type-C) |
形状 | カナル型 |
ケーブル仕様 | 0.78mm 2ピン / MMCX両対応(ケーブルは2ピン付属) |
本体操作 | インラインコントロール対応 |
ドライバー | 10.2mm デュアル磁気回路ダイナミックドライバー |
DACチップ | ES9218AC PRO |
本体素材 | 透明樹脂 + アルミニウム合金 |
ケーブル素材 | 6N高純度無酸素銅、4ストランド混合構造(計260芯) |
出力 | 最大70mW+70mW(@32Ω) |
周波数特性 | 20Hz~40kHz |
対応フォーマット | PCM 32bit/384kHz、DSD64/128、MQA |
重量 | 片耳:約3.6g(実測値) ※ケーブル無し |
ケーブル長 | 1.2m |
マイク | HDマイク内蔵(24bit/48kHz変換) ※ケーブル内 |
Hi-Res Wireless認証 | あり |
今回紹介する『HIDIZS ST2 PRO Nebula』は、Type-C有線接続式のイヤホンだ。スマホやタブレットなどはもちろん、付属のType-C to Aアダプタを使用することで、PCやゲーム機等との接続も可能となる。
Hi-Res Wireless認証認証も取得しており、有線接続による遅延のない高音質ハイレゾサウンドを楽しむことができる。
カラーはホワイトスケルトン、ブラックスケルトンの2種類が用意。
▼内部構造が見える透明ボディを採用。透明樹脂+アルミ合金のハイブリッド構造で、デザイン性にも優れている。
0.78mm標準2ピンコネクター式でケーブル交換にも対応しており、断線時の交換や、音質チューニングも自由自在。ケーブルをほかの2ピン対応イヤホンに接続して利用することもできる。
▼ケーブル長は1.2mで取り回し良好。
ケーブルには6N高純度無酸素銅を使用した4ストランド混合構造(計260芯)を採用。信号の劣化を最小限に抑えることができるほか、柔らかくてクセがつきにくく、耐久性にも優れている。
▼ケーブル先端にはサンプルレートインジケーターを搭載。再生中の音源のサンプルレートに応じて点灯色が変化し、音質を視覚的に確認できる。
ケーブルにはHDマイクを内蔵(24bit/48kHz変換)。インラインコントロールボタンも搭載されており、イヤホン越しの通話も快適だ。
そしてイヤホン本体には、HIDIZS Acoustic Labのチューニングが施された10.2mmのデュアル磁気回路ドライバーを内蔵、高性能DAC (ES9218AC PRO)も採用しており、最大32bit/384kHz PCMやDSD128、MQAなどのハイレゾ音源に対応。豊かな音場で圧倒的な高解像度サウンドを楽しめる。
純粋な音楽視聴から映画視聴、ゲーミング、音楽関連のクリエイティブな作業まで、幅広い用途に対応できる、ポータブルHiFiの決定版とも言えるモデルとなっている。
目次
製品本体および付属品
▼外箱の様子
▼内容物をすべて取り出した様子
内容物一覧は以下の通り。
【内容物一覧】
- ST2 PRO Nebula IEM本体
- USB-C DACデジタルケーブル(0.78mm 2ピン)
- イヤーピース(ホワイトシリコン)×3ペア
- USB-C to USB-A変換アダプター
- HIDIZSキャリングポーチ
- 保証カード
- 製品品質証明書
▼イヤーピース(ホワイトシリコン)×3ペアが付属。耳穴の大きさに応じて最適なピースを選択できる。
▼USB Type-C to A アダプタを使用することで、PC等との接続も可能。
▼HIDIZSキャリングポーチが付属。革製で高級感がある。
▼付属品一式を入れてコンパクトに持ち運ぶことが可能。ポーチの口はマグネットでパチッと留めることができる。
イヤホン本体
▼イヤホン本体の外観。今回のレビュー時にはホワイトスケルトン色を使用している。
▼イヤホン単体(イヤピース非装着状態)は、実測で約3.6gと非常に軽量。
▼イヤホン単体(イヤピース装着状態)は、実測で約3.98gであり、重さはほぼ変わらない。
▼内部構造が見える透明ボディを採用。透明樹脂+アルミ合金のハイブリッド構造で、オシャレな見た目。
▼側面にはHIDIZSのロゴが印字されている。
▼イヤホン開口部(ノズル)の形状は一般的な円形のため、幅広いイヤーチップとの互換性を備えているだろう。
▼0.78mm標準2ピンコネクターとの互換性を備えた端子が用意。
DACデジタルケーブル
▼DACデジタルケーブルの外観。ケーブル長は1.2mで取り回し良好。
ケーブルには6N高純度無酸素銅を使用した4ストランド混合構造(計260芯)を採用。信号の劣化を最小限に抑えることができるほか、柔らかくてクセがつきにくく、耐久性にも優れている。
▼らせん状に編み込まれたケーブルは、収納時にも絡まりづらい。
▼先端のType-C端子側にはサンプルレートインジケーターを搭載。再生中の音源のサンプルレートに応じて点灯色が変化し、音質を視覚的に確認できる。
▼反対側には0.78mm標準2ピンコネクタが用意。ほかの2ピン対応イヤホンに接続して利用することもできる。
▼右耳側のケーブル途中にはマイク&インラインコントロールボタンが搭載。ボタン操作で音楽再生のオン/オフを切り替えられるほか、通話のオン/オフも可能。
イヤホン本体とケーブルの接続
ケーブル先端とイヤホン上部にはR(右)・L(左)の表記があり、合致する方向のイヤホン本体を2P端子に接続して取り付ける。
特に強い力を入れずとも、ケーブルの脱着自体はスムーズに行うことが可能だ。
快適な装着感
実際に『HIDIZS ST2 PRO Nebula』を装着してみた。
率直に言って、装着感は良好だ。
片側イヤホンの重量は、イヤーピースを装着した状態でも約4gと非常に軽量なため、耳に装着しても重さを感じることはほとんどなかった。シリコン製イヤーピースが3セット付属しており、耳穴の大きさに応じて最適なサイズを選べる点もGOOD。
1.2mのケーブル長のおかげで取り回しも実にラク。ケーブルを装着したスマホをズボンのポケットに入れた状態で、音楽を楽しむことも可能であった。
ケーブルが耳の形状にフィットするようにカーブしているため、外耳道にしっかりとフィットし、安定感が高く外れにくい。
激しい動きを伴う運動の際にも、問題なく装着できるだろう。
そして透明樹脂+アルミ合金のハイブリッド構造を採用したイヤホン本体の見た目もスタイリッシュだ。
優れた接続性
本製品はType-C端子を備えており、iOS (iPhone 16 Pro)・Androidスマホのいずれにも問題なく接続して使用することが可能であった。
▼iOSデバイス (iPhone 16 Pro) 接続時
▼Androidデバイス (OPPO Find N5) 接続時
また、付属のUSB Type-C to A 変換アダプタを利用することで、PCとの接続も可能。
▼PC接続時
iOS・Androidデバイス、PC、ゲーム機など、幅広いデバイスとの接続が可能であり、実用性に優れていると言える。
解像度・表現力・立体感のいずれも素晴らしい体験が可能
本製品を用いて、様々なジャンルの楽曲を視聴してみた。
「ESS ES9218AC PRO DAC」と、HIDIZS独自の「10.2mmデュアル磁気回路ダイナミックドライバー」を搭載することで、有線型イヤホンの中でも卓越した高音質を実現していると感じられた。
高音域に関しては伸びが良く、透明感がある。シンバルやストリングスの響きも細部まで描写され、ハイレゾのポテンシャルを最大限に引き出している。耳に刺さりやすい帯域も滑らかに処理されており、長時間の使用でも耳の疲れは最小限に抑えられていた。
中音域についても、解像度が高く繊細なニュアンスまで再現。アコースティック楽器や弦楽器の質感も非常にリアルに感じられた。
▼中~高音域の耳あたりが良く、長時間の視聴時にも不快感や疲労感を覚えることは無かった。
そして低音域はしっかりと沈み込む深さと明瞭なアタック感があり、量感・締まりともに高水準。ベースやキックの音も曇ることなく力強く、EDMやロックとの相性も抜群だと言える。
また、Type-C有線接続によるゼロ遅延伝送により、感知できるレベルの音の遅延は皆無。ゲーミングの際にも、高解像度かつリアルタイム性の強い音表現を楽しむことができ、没入感がさらに高まる。
以上の通り、解像度・表現力・立体感のいずれも素晴らしい体験が可能であった。この価格帯の有線イヤホンの中でも間違いなく上位クラスに位置する音質と言えるだろう。
純粋な音楽視聴から映画視聴、ゲーミング、音楽関連のクリエイティブな作業まで、幅広い用途に対応できるモデルだ。
HDマイク内蔵
本製品はケーブルにHDマイクを内蔵しており、イヤホン越しに高品質なハンズフリー通話を行うことが可能だ。
▼ST2 PRO Nebulaで収録した音声
上動画は、スマホで撮影した映像の音声を、ST2 PRO Nebulaの内蔵マイクで収録した音声に置き換えたものだ。
マイク感度は高く、装着者の声を明瞭に拾い上げることができていた。
▼ST2 PRO Nebulaの内蔵マイクで拾った音声単体
音声プレーヤー録音音声を聴いても分かる通り、発言者の声をしっかりと明瞭に拾い上げており、相手側への伝わり方もクリア。この点では、一般的なBluetoothイヤホンのマイクと比べても優秀だと感じられた。
しかし一方で、使用環境によっては軽微なノイズが混入する場面もあった特に、「ジジジ…」というモスキート音のような細かな雑音や、わずかなバックグラウンドノイズが乗ることがあった。ノイズフィルター処理やマイクのシールド性能には改善の余地があると言えるが、そこまで気になるレベルの雑音でもない。
何はともあれ、日常の通話やオンライン会議、ゲーム中のボイスチャットにも問題なく利用できるマイク性能だと言える。
▼なお、右耳側に搭載されたインラインコントロールボタンの操作で、音楽再生のオン/オフを切り替えられるほか、通話のオン/オフも可能だ。
点灯色でサンプリングレートを把握可能
ケーブルのType-C端子側にはサンプルレートインジケーターが内蔵されており、再生中の音源のサンプルレートに応じて点灯色が変化し、音質を視覚的に確認できる。
サンプリングレートに対応する点灯色は以下の通りだ。
インジケーター点灯色 | |
● 青色 | DSD 64 / DSD 128 |
● 赤色 | PCM 44.1kHz / 48kHz |
● 緑色 | PCM 88.2kHz ~ 384kHz |
● ピンク色 | MQA(Master Quality Authenticated) |
これにより、音質と照らし合わせながら聴くことで、より深い音楽体験が可能になるだろう。DACのサンプリング設定や音源のビット深度設定が意図通りになっているかを、視覚的にチェックできる。
とくにハイレゾやMQA再生を重視するユーザーにとっては、信頼できる "可視化ツール" とし有用性の高い機能だろう。
『HIDIZS ST2 PRO Nebula』のまとめ
今回紹介した『HIDIZS ST2 PRO Nebula』について、特長をまとめると以下の通りだ。
良かった点
- 高級感のあるデザイン
- 付属品が充実
- クセがつきにくく、絡まりづらいケーブル
- 0.78mm標準2ピンコネクタ対応でケーブル交換が容易
- 快適な装着感
- スマホ、PC、ゲーム機など、幅広いデバイスとの接続に対応
- 解像度・表現力・立体感のいずれも素晴らしい音質
- 実用的なHDマイク
- サンプルレートインジケーター内蔵
悪かった点
- マイクにモスキート音のような細かな雑音やノイズが乗ることがある
以上の通り、解像度・表現力・立体感のいずれも素晴らしい体験が可能な、高品質有線イヤホンとなっている。
1.2m長のケーブルは取り回しやすく、素材的にも変化クセがつきにくく、絡まりづらい。0.78mm標準2ピンコネクタ対応でケーブル交換も容易。汎用性に優れた設計だ。
Type-C端子を搭載するほか、付属アダプタを使用することで、Type-Aポートにも接続可能。iOS・Androidデバイス、PC、ゲーム機など、幅広いデバイスとの接続が可能な点は嬉しい。
イヤホン本体部分は軽量で、長時間装着し続けても耳に痛みを感じることは無かった。
そして肝心の音質についても、低音域から高音域まで、非常に解像度の高いサウンドを楽しむことができた。この価格帯の有線イヤホンの中でも間違いなく上位クラスに位置する音質と言えるだろう。純粋な音楽視聴から映画視聴、ゲーミング、音楽関連のクリエイティブな作業まで、幅広い用途に対応できる。
HDマイクの感度も良好。多少のノイズが乗ることはあるものの、日常の通話やオンライン会議、ゲーム中のボイスチャットにも問題なく利用できるマイク性能だと言える。
ケーブルのType-C端子側にはサンプルレートインジケーターが内蔵されており、再生中の音源のサンプルレートに応じて点灯色が変化し、音質を視覚的に確認できる。とくにハイレゾやMQA再生を重視するユーザーにとっては、信頼できる "可視化ツール" とし有用性の高い機能だろう。
割引適用時には8,000円台での購入が可能なイヤホンとしては、かなりクオリティの高いモデルであると言える。
スマホからPCまで、様々なデバイスに使用できる有線イヤホンを探している方には、ぜひオススメしたい一品だ。
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