数々のジンバル(スタビライザー)をリリースしてきたHohemは、同ブランドの最新ジンバルである『hohem V3』をリリースした。
iPhone&Androidスマホ対応の高性能な3軸スマートフォン向けジンバルだ。マグネット式 AI追跡機能が搭載されており、常に被写体を中心に追跡して撮影できる。ジェスチャー操作にも対応。リモコン部分を取り外して遠隔からの操作も可能。
アップグレードされた3軸手ぶれ補正機能 hohem 8.0 を搭載しており、非常に精度の高い手振れ補正を実現している。そして専用アプリと連携することで、ビューティ機能やプロ並みの映像を撮影できるプリセットも利用可能だ。
今回、メーカーより本製品を提供していただいたので、実際に使用した感想を基にレビューしていきたいと思う。
ブランド | Hohem |
型名 | Hohem V3 |
専用アプリ | Hohem Hoy |
接続方式 | Bluetooth |
対応スマホサイズ | ・最大300g ・幅58 ~ 98mm ・最大厚さ12.5 mm ・最大7インチ |
バッテリー容量 | 1,400mAh |
連続稼働時間 | 最大13時間 |
充電時間 | 約2時間 |
可動範囲 | パン: 310°、ロール: 330°、チルト: 315° |
本体サイズ | ジンバル本体(展開時):127×65×312mm ジンバル本体(折りたたみ時):98×44×160.5mm AIトラッカー:42×16.5×25mm |
本体重量 | ジンバル本体:約420g AIトラッカー:約13.6g |
発光出力 | 2W |
色温度 | 6500K / 2700K / 5000K |
hohem V3 スマホ用ジンバルには「マグネット式 AI追跡機能」が搭載されており、顔の追跡に制限がなく、常に被写体を中心に追跡して撮影することができる。また、AI追跡時にはBluetoothやアプリに接続する必要がなく、特定のジェスチャーを行うだけで追跡を開始または停止できる。
▼ジェスチャー操作に対応。離れた場所からでも自分一人で遠隔操作できる。
▼3段階調節可能な撮影用ライトも搭載。
本体サイズは98×44×160.5mm、約420gと軽量かつコンパクトなデザインとなっており、折りたたむができ携行性にも優れている。
▼最大300g、幅58 ~ 98mm、最大厚さ12.5 mm、最大7インチまでのスマホの装着に対応。
コンパクトな筐体には延長ロッドが内蔵されており、引き上げることで手持ち部分を最大205mm延長可能。角度も0°から 90°までまで調節でき、ユニークな角度での撮影や自撮りに最適だ。
アップグレードされた3軸手ぶれ補正機能「hohem 8.0」を搭載。hohem 8.0では手ぶれ補正アルゴリズムにより、高度な手ぶれ補正効果を実現している。構造がアップグレードされたため、広角撮影でも安定した映像を撮影することができるようになっている。スマホのブレを抑え、高品質で鮮明な動画や画像を簡単に撮影することが可能だ。
最大13時間持続可能なバッテリーを内蔵しており、外出先でも充電残量を気にすることなく使用できる。なお、充電残量ゼロの状態から、わずか2時間程度で満充電状態まで回復させることが可能だ。
製品本体および付属品
▼外箱の様子
▼内容物をすべて取り出した様子。
内容物一覧は以下の通り。
【内容物一覧】
- ジンバル本体
- 六角棒レンチ
- ユーザーマニュアル
- クイックスタートガイド
- 専用ポーチ
- USB Type-Cケーブル
▼ユーザーマニュアルは日本語にも対応。
▼図解付きのクイックスタートガイドが付属するため、各機能の使い方は簡単に理解できる。
▼専用ポーチが付属。
▼付属品をすべてポーチに入れて、コンパクトに収納・持ち運びができる。
ジンバル本体
▼ジンバルの外観。折りたたんだ状態のサイズは98×44×160.5mmと実にコンパクト。
本体重量は約420gと非常に軽く、片手で長時間持ち続けても腕が疲れづらい。
▼各関節のロックを解除することで、全体を展開できる。
▼本体部分には操作インターフェースが集約されている。
▼正面には上下選択ボタン、ディスプレイ、操作スティック、Mボタン、撮影ボタンが用意。
なお、正面操作部分は取り外してリモコンとしても使用できる。
▼右側面には電源ボタン、Type-Cポートが用意。
▼左側面には明るさ調節ダイヤルが用意。
▼背面には角度調節トリガーが用意。
▼底部には三脚装着用のネジ穴が用意。
また、底部には三脚が内蔵されており、展開することでジンバルを安定させて設置できる。
▼ジンバル上部の様子
▼スマホ装着部。
▼スマホ装着部はバネの力で伸縮する。最大300g、幅58 ~ 98mm、最大厚さ12.5 mm、最大7インチまでのスマホを装着可能。
ジンバルのグリップ部分は滑りづらく握りやすい径で設計されている。
また、ジンバル中腹を上に引っ張ることで、手持ち部分を最大205mm延長させることが可能だ。
以上の通り、ジンバル本体はコンパクトなサイズに機能が集約された、無駄のない洗練されたデザインとなっている。
AIトラッカー
ジンバル上部には脱着可能なAIトラッカーが付いている。
▼AIトラッカー。42×16.5×25mm、約13.6gの非常に小さなサイズ。
▼AIトラッカーの正面にはレンズとLEDライトが内蔵されている。
▼背面の様子。
▼右側面にはAIトラッキングスイッチが用意。
▼下部にはマグネットと充電用端子が用意。
ジンバルの使用開始まで
ジンバルを使用開始するまでの手順を紹介していく。
専用アプリの準備
まずは 専用アプリ(iOS・Android対応)を無料インストールしておく必要がある。
そしてジンバル側面の電源ボタンを長押しして、電源をオンにしよう。
するとアプリ画面上に、検出されたジンバルが表示されるので、接続を完了させよう。
ジンバルにスマホを取り付ける
アプリインストール後、スマホをジンバルに取り付けよう。
▼スマホを取り付けた様子。
撮影開始
あとはインストールしておいたアプリを起動し、メイン画面より "撮影開始ボタン” をタップするだけだ。
▼撮影を開始すると、アプリ専用の撮影画面が表示される。
これだけの手順で、ジンバルの使用が可能となる。初めて扱う方でも問題なくセットアップを完了することができるだろう。
直接・遠隔のいずれでもスムーズな操作が可能
実際にスマホを装着して、ジンバルを操作してみた。
上述した通り、本製品にはジンバル本体中腹にすべての操作インターフェースが集約されており、ほぼすべての操作について、ジンバルを持つ片手で行うことが可能だ。
▼正面の撮影ボタンを押して撮影・録画を開始。
▼アナログスティックでジンバルのアームを操作できる。
▼実際に操作している様子
M(モード)ボタンを押すことでモードを切り替えることができる。現在のモードは左側の縦長ディスプレイに表示される。
▼L(ロック)モード
▼PF(パンフォロー)モード
▼PTF(パンチルトフォロー)モード
▼POV(ポイント・オブ・ビュー)モード
【Mボタン操作】
- Mボタン1回押す:モード切り替え
- Mボタン2回押す:アーム位置再調整
- Mボタン3回押す:インセプションモード起動
▼背面レバーを押すことで、スマホの向きを180°反転させることが可能だ。
【トリガー操作】
- トリガー長押し:スポーツモード「S」
- 2回押す:ジンバルの再設定
- 3回押す:逆180°パンニング回転
なお、Mボタンを2回連続で押すことで、スマホの向きを縦横入れ替えることもできる。
▼実際に操作している様子
また、左側面のダイヤルは明るさ調節以外にも、押す回数に応じて様々な機能を利用できる。
【ダイヤル操作】
- 3秒間長押し:ライトのオン/.オフ切り替え
- 2階押し:ライトの色温度切り替え
- 5階押し:リモコンとの接続
- 7階押し:Bluetoothペアリングモード起動
- 上下スクロール:明るさ調節
このように、ジンバルに搭載された多彩なボタン、レバー、トリガー類を使用することで、非常に多くの機能を利用することができる。上動画を見ても分かる通り、操作に対する反応は良好であり、操作遅延などは特に見られなかった。
ただ、機能がとにかく多く複雑なため、初めて扱う時は各機能の操作方法を憶えるのに苦労するかもしれない。しかし慣れることで、実にスムーズな撮影が可能となるだろう。
リモコンによる遠隔操作も可能
リモコン部分を取り外して、遠隔操作することもできる。
充実した設定項目
アームの移動速度など、ジンバル動作に関する各パラメーターはアプリの設定画面より自由に変更することができる。ジンバルを自分好みにカスタマイズすると良いだろう。
▼アプリ上で動作に関する細かな調節が可能。
▼最高4K・60fpsの映像を撮影可能。
その他にも、高クオリティな写真・動画撮影をサポートする多くの便利機能が搭載されている。本格的な利用を開始する前に、一通りアプリに目を通しておくと良いだろう。
▼ユニークで高クオリティな動画を撮影できるプリセットが複数種類用意。
高度な手振れ防止機能
本製品には独自の手振れ防止技術が搭載されている。
そのため、激しくジンバルを振った場合でも、ブレや残像をほとんど感じさせない映像を記録できるようになっている。
▼実際に振ってみた様子
動画を見ても分かる通り、ジンバル本体を様々な角度に傾けても、スマホは一定角度・方向のみを安定して撮影している。
▼実際にジンバルを振りつつ撮影した映像
上動画は大きくジンバルを振りかざしながら撮影を行っているが、滑らかかつ安定した動画が撮影できている。
以下に手振れ防止が優秀であるかが分かると思う。ブレを防止できているおかげで不快な残像なども発生していないため、視聴者にとってストレスのない動画となっている。
動画の質を重視したいインフルエンサーであれば、まさにうってつけの機能であると言える。
▼様々な持ち方が可能。撮影場面や場所に応じて柔軟に使い分けることができるだろう。
高精度AI顔追跡&ジェスチャーコントロールによる快適な自撮りが可能
アプリには自撮り撮影用の美顔フィルタなども豊富に用意されている。
▼自撮りインフルエンサーにとっては助かるだろう。
▼高クオリティな自撮りを楽しめるプリセットも豊富に用意。
手振れ防止ジンバルとしてだけでなく、単純な自撮り棒としても優秀なガジェットとなっている。
また、AIトラッカーのライトをオンにすることで、顔面を明るく照らすことが可能。夜間や暗所での撮影には役立つだろう。
▼ライトの色温度は6500K / 2700K / 5000Kから変更可能。
そしてAIトラッカーのAI追跡機能を使用することで、ジェスチャーコントロールおよび自動顔追跡機能を利用することが可能だ。
まず、AIトラッカーの電源をオンにする。
そしてカメラから0.5~1.5m離れた場所で、指で "OK" のカタチを作ると、ジェスチャーが認識され自動顔追跡が開始される。
▼AI追跡機能がオンになると、前方ランプの点灯色が緑色になる。
逆に ”パー" のジェスチャーを取ることで、自動顔追跡が終了する。
▼AI追跡機能がオフになると、前方ランプの点灯色が赤色になる。
▼実際にトラッキングさせて撮影した様子
上動画を観ても分かる通り、被写体(私)が常にカメラ内に収まるように追跡することが出来ている。
AI自動追跡機能の精度は高く、素早くカメラの範囲外へ動いた場合でも、被写体を逃すことはなかった。
ジンバルの可動範囲はパン: 310°、ロール: 330°、チルト: 315°と非常に広いため、身長179cmの筆者がカメラから1.5mほどの距離で試用した場合でも、腰を曲げる必要もなく、顔をしっかりと撮影できていた。
そしてジェスチャーコントロールの認識精度も実に優れており、実際に使用していて認識ミスを起こすことはほとんどなかった。
▼ジェスチャー操作の種類
撮影開始&終了、そして自動追跡の切り替えを行う場合にもいちいちスマホやスタンドを操作する必要が無いため、ウェブ会議、オンライン授業などで撮影に集中したい場合にも、実に重宝する機能だろう。
静音性に優れている
本製品の静音性は実に優れており、電源を入れる時、トラッキングでカメラスタンドが回転する時などに、音は一切聞こえてこない。
稼働音がしないため、動画録画中に雑音やノイズ等が入り込むこともなかった。
映像・音声の両面で高品質な動画を撮影できるスマホジンバルとなっている。
長持ちするバッテリー
本製品は1,400mAhのバッテリーを内蔵しており、最大13時間もの連続使用が可能だ。
実際に使用してみたところ、10時間を超えてもまだ残量があった。いちいちジンバルを充電する手間を省くことができる点は嬉しい。外出先に持参しても、安心して使用できるだろう。
そして充電速度も素早く、約2時間でバッテリーを満充電することが可能だ。
旧モデル(Hohem M6 Kit)のようなリバースチャージ機能こそ搭載していないものの、全体的に実用性に優れた設計がなされたジンバルとなっている。
『hohem V3 スマホジンバル』のまとめ
今回紹介した『hohem V3 スマホジンバル』について、特長をまとめると以下の通りだ。
良かった点
- 携行性に優れたコンパクトなサイズ
- 充実したパッケージ内容
- 非常に多くの機能が搭載されたジンバル本体
- リモコンによる遠隔操作にも対応
- 操作に対する反応性が良好
- 高度な手振れ防止機能
- 専用アプリの機能が豊富
- 高精度な顔自動追跡&ジェスチャーコントロール機能
- 長持ちする大容量バッテリー
悪かった点
- リバースチャージに非対応
以上の通り、プロ並みの高品質映像を撮影できる多機能・高性能なスマホジンバルとなっている。
ただ高機能なだけでなく、片手でほとんどの機能にアクセスできるデザインがなされており、全体的にユーザービリティが高いと感じた。操作に対する反応性も良好であり、必要に応じて動作読度を自分好みにカスタマイズできる点も嬉しい。また、リモコンを取り外して遠隔操作もできるため、従来モデルよりも応用の幅が広がっている。
そして何より、手振れ補正機能は流石の一言であり、実際に手を大きく振って撮影した映像も、まるで定点カメラのように安定していたことには驚かされた。
高精度な顔自動追跡、ジェスチャーコントロール機能なども搭載されているため、オンライン授業やリモート会議、そして動画サイトへの配信目的でも重宝するだろう。
コンパクトに折りたためるうえ、専用ポーチも付属。重量は軽く、バッテリーも長持ちするなど、外出先に携行して長時間撮影を行うには、まさにうってつけの一品だと言える。
SNSへの投稿にはまっており、プロ並みにクオリティの高い映像を撮影したいのであれば、ぜひ本製品のようなジンバルの購入を検討してはいかがだろうか。
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