モニターの開発を手掛けるInnocnは、同社が手掛けるブランドの最新ゲーミングモニター『INNOCN 24C1F』を2023にリリースした。
1920×1080(FHD)解像度、最高75Hzリフレッシュレート対応の24インチモニターであり、柔軟な可動域と充実したインターフェースを搭載。ゲーミングや動画視聴、仕事用途まで幅広く活用できる汎用性の高いモデルとなっている。
今回、メーカーより本製品を提供していただいたので、実際に使用した感想を基にレビューしていきたいと思う。
ブランド | Innocn |
型名 | Innocn 24C1F |
ディスプレイサイズ | 24インチ IPS 非光沢 |
解像度 | 1920×1080(FHD) |
アスペクト比 | 16:9 |
色域 | sRGBカバー率:99% DCI-P3カバー率:90% |
リフレッシュレート | 最高75Hz |
スピーカー | 非搭載 |
インターフェース | ・LANポート(RJ45) ・HDMI ・USB Type-C(65W) ・USB Type-A×2 ・USB Type-B ・3.5mmオーディオジャック |
可動域 | ・高さ:120mm ・左右:45度 ・前傾:5度 ・後傾:20度 ・垂直回転:90度 |
VESAマウント | 対応(75mm×75mm) |
本体サイズ | 540×330×60mm(モニター部分のみ) |
本体重量 | 約5.4kg |
本体サイズは540×330×60mm、重量は約5.4kgである。
24インチディスプレイはノングレア(非光沢)IPSパネルを採用。1920×1080(FHD)解像度に対応しており、ユーザーに臨場感あふれる映像体験を提供する。178度の広視野に対応しており、見る角度によって色やコントラストの変化は少なく、どの角度からでも鮮やかな映像を堪能することが可能。16:9の縦横比は人の目に適合し、快適な視覚体験をもたらす。
▼sRGBカバー率:99%、DCI-P3カバー率:90% に対応。
75Hzのリフレッシュレートに対応しており、滑らかな描画の映像を楽しめる。TUV低ブルーライト認証も取得しており、有害なブルーライトを低減してユーザーの眼を保護する。仕事用モニターとしても重宝するだろう。
1msの高速応答により遅延のない映像を提供。コンマ数秒の反応が求められるシューティングゲームなどにおいても、満足度の高いゲームプレイが可能となっている。
筐体背面には充実したポート類が用意されており、最新ゲーム機やPCなど、幅広いデバイスとの接続に対応可能。
【インターフェース構成】
- LANポート(RJ45)
- HDMI
- USB Type-C(65W)
- USB Type-A
- USB Type-B
- 3.5mmオーディオジャック
中でもType-CポートはUSB PD 65Wに対応しているため、ケーブル一本でノートPCなど対応デバイスと接続することが可能となっている。
そして非常に柔軟な可動域を擁しており、高さ:120mm、左右:45度、前傾:5度、後傾:20度、垂直回転:90度 の範囲で調節が可能。自身が最も使いやすい位置に素早く調整できる。
以上の通り、2万円前後のリーズナブルな価格に対して、優れたスペック構成と設計の高コスパモニターとなっている。
製品本体および付属品
▼外箱の様子
▼内容物をすべて取り出した様子
内容物一覧は以下の通り。
【内容物一覧】
- モニター本体
- 電源アダプタ
- ユーザーマニュアル
- HDMIケーブル
- スタンド
- ベース
- キャリブレーションシート
▼ユーザーマニュアルは日本語にも対応。
▼モニター設置に使うスタンド&ベース
モニター本体
▼正面から見た様子。
▼ノングレア(非光沢)IPSパネルで構成された24インチディスプレイを搭載。
▼右下には電源ボタンをはじめ、各種操作ボタンが搭載。
▼背面の様子
▼背面中央にはベースを取り付けるためのポートが用意されている。
▼そして背面下部には各ポートが集約されている。
▼画面左からLANポート(RJ45)、USB Type-A×2、USB Type-B、USB Type-C(65W)、HDMI、3.5mmオーディオジャック、AC電源ポートが用意。
このように、モニター自体はスタイリッシュなデザインとなっている。
自宅だけでなく、オシャレなオフィスなどに設置しても違和感は無いだろう。
ただ、スピーカーは非搭載のため、サウンド出力のためには別途スピーカーが必要な点に注意したい。
モニターの組み立て手順
本製品を組み立てる手順はいたって簡単だ。
まず、モニター背面へスタンドを取り付ける。
そしてスタンド下部へ、ベース部分を取り付ける。
そして底面のネジを手で締めることで、スタンドとベースが固定される。
これだけの手順で、モニターの組み立てが完了する。誰でも簡単に設置できるだろう。組み立てにドライバーが不要な点は嬉しい。
▼実際に組み立てた様子。安定性は優れており、ちょっとやそっとの揺れで倒れることは無い。
本体重量は約5.4kgと比較的軽く、場所をラクラク移動させることができるだろう。
▼背面の様子
▼スタンド底部にケーブルを通すための穴が用意されている。
非常に柔軟な可動域
本製品は高さ、左右、前傾、後傾、垂直回転の柔軟な可動域を擁している。
▼モニターを一番高く上げた状態。
▼一番高く上げた状態で設置面から約20cmの高さ。
▼モニターを一番低く下げた状態。
▼一番低く下げた状態で設置面から約7.5cmの高さ。
▼真横から見た様子。
▼前傾5度、後傾20度の角度で調節が可能。
▼真上から見た様子。
▼左右45度の角度調整(回転)に対応している。
▼左右の角度は、スタンド付け根のダイヤル表示で確認できる。
そして本製品はディスプレイ部分の90度回転に対応しており、画面の縦横を変更できる。
設置場所や用途に応じて柔軟な調整が出来る点も、本製品の最も大きなメリットの1つだろう。
色合いの鮮やかなディスプレイ
▼実際にPCと接続した様子
1920×1080(FHD)解像度対応ディスプレイで映し出される映像は、綺麗で見やすい。
▼ディスプレイの表示情報。最高75Hzのリフレッシュレートに対応。
ウェブサイト閲覧時でも細かな文字まで鮮明に描画されるため、見やすくて目が疲れづらく感じた。
▼視野角の広いディスプレイのおかげで、いずれの角度からでも鮮明に見える。ノングレア加工のおかげで、環境光などの反射で目が疲れるのを防ぐ。
▼ベゼル幅も約5mmほどと薄く、デュアルモニター化にも適しているだろう。
YouTubeで動画を再生してみたが、高い色域カバー率によって、深みのある色鮮やかな映像を楽しむことができた。
▼IPSパネルの発色は良好だ。
▼細部までカラフルかつ明瞭に描画される。映像視聴目的でも満足度の高い体験が可能だろう。
気になる色ムラなども見られず、ゲーミング、動画視聴などでも満足度の高い映像体験が可能となっている。
縦表示に対応
上述した通り、本製品はディスプレイを90度回転させて画面を縦表示することができる。
▼設定より画面の向きを "縦" に変更。
▼PC画面を縦向きに表示して視聴できる。
▼縦に長く連なる情報を表示させたい場合などに、非常に役立つ形態となっている。
充実したオプション項目
画面右下のボタンを押すと、オプション画面を呼び出すことができる。
オプション画面では、明るさやコントラストと言った一般的なモニター設定が用意されている。
▼インターフェースは日本語にも完全対応しているため、問題なく扱えるだろう。
▼低ブルーライト機能も用意。仕事や作業などで長時間画面を凝視する際にはうってつけだ。
▼ゲーミング用の設定項目も充実。
ゲーミング向けの機能(クロスヘアー)も用意されており、画面中央にマークを表示させることが可能。
▼シューティングゲームなどで、中央に照準を合わせる際に便利な機能だ。
▼Adaptive-Sync機能も用意。
以上の通り、一般的な映像品質設定からゲーミング向けの機能まで、豊富な機能が用意されている。
65W Type-Cポート搭載
背面のType-CポートはUSB PD 65Wに対応しているため、ケーブル一本でノートPCなど対応デバイスと接続することが可能となっている。
逆高速充電に対応しており、モニターから外部デバイスへ給電を行うことも可能だ。
満足度の高いゲーミング体験が可能
本製品は最大75Hzのリフレッシュレートに対応しており、PCゲームや家庭用ゲーム機などで滑らかな描画のゲーミングを楽しむことが可能だ。
▼PCゲームプレイ時
▼ゲーム側の設定で75Hzリフレッシュレートを指定。
一般的な60Hzモニターと比べて、より滑らかな描画でゲームを楽しむことが出来た。
激しいアクション(動き)やエフェクトなどもヌルヌル描画されるため、ゲームプレイ時の爽快感が増す。
▼PS5と接続してみた。
▼PS5接続時は60Hzで描画される。
PS5のような最新世代機と接続した場合でも、美麗な映像でゲームを楽しむことが出来た。
仕事や動画視聴、ゲーミングまで幅広い用途に活用できるモニターとなっている。
競合他機種との比較
競合機種であるDellの24.1インチモニター(Dell U2421E)との比較を基に、『INNOCN 24C1F』のコストパフォーマンスの良さについて見ていきたい。
2機種の価格・スペックは以下の通りだ。
上記の通り、いずれも24インチのIPSディスプレイを搭載。FHD解像度に対応している。
インターフェース構成は「Dell U2421E」の方が充実しているが、「INNOCN 24C1F」もUSB Type-C(65W)を搭載しているという点では頑張っている。
また、「Dell U2421E」は最大60Hzまでしかリフレッシュレートが出ないが、「INNOCN 24C1F」は最大75Hzのリフレッシュレート描画に対応しており、少しの差ではあるが、ゲーミングに関しては「INNOCN 24C1F」の方がやや向いていると言えるだろう。
可動域に関しては、いずれも左右、前傾、後傾、垂直回転の柔軟な可動域を擁している。
これらの点より、インターフェース構成の充実度を除けば、基本的な映像視聴体験や人間工学(可動域)などの点に関しては同等のクオリティで楽しめるモニター2機種となっている。しかし価格は「INNOCN 24C1F」が22,131円(税込)、「Dell U2421E」が37,048円(税込)と、約1.5万円もの差がついている。
コストパフォーマンスの点で見れば、これだけの性能・スペック構成を2万円前後で実現している「INNOCN 24C1F」に軍配が上がるだろう。
選ぶポイント
- コストパフォーマンス重視 ⇒「INNOCN 24C1F」
- ゲーミング目的でモニターを探している ⇒「INNOCN 24C1F」
- 予算に余裕があり、接続可能端子が多いモニターが欲しい ⇒「Dell U2421E」
『INNOCN 24C1F』のまとめ
今回紹介した『INNOCN 24C1F』について、特長をまとめると以下の通りだ。
良かった点
- スタイリッシュな薄ベゼルデザイン
- 非常に柔軟な可動域
- 組み立てが簡単かつシンプル
- 充実した機能・オプションが用意
- 色鮮やかで滑らかな描画のIPSディスプレイ
- USB PD 65W対応のType-Cポートを搭載
- リーズナブルな価格
悪かった点
- スピーカー非搭載
- 映像出力端子が少ない
- DP(ディスプレイポート)を非搭載
以上の通り、仕事や動画視聴、ゲーミングまで幅広い用途に活用できる高コスパなモニターとなっている。
フルHD解像度のIPSパネルで描画される映像は実にクリアで、細かな文字まで鮮明に描画されるため見やすい。明暗にメリハリがあり、ゲーミングや動画視聴時に、臨場感のある映像を楽しめる。
USB PD 65W対応のType-Cポートを搭載しており、モニター経由で外部デバイスへの給電を行うことが出来る点も便利だ。
そして何より、非常に柔軟な可動域を擁しており、縦表示にも対応しているため、ユーザーごとの使い道に応じて幅広い設置方法が可能となっている。
この価格帯のモニターとしては優れたスペックであり、同価格帯で汎用性の高いモニターを探している方にはぜひオススメしたい高コスパモデルと言える。
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