モニターをはじめ、数多くのガジェットを手掛けてきたInnocnは、同ブランドの新モデルとして『INNOCN 27C1U Super』をリリースした。
27インチディスプレイ搭載、台座一体型のユニークな4Kモニターであり、スピーカー内蔵、65W給電対応のType-Cポートを搭載するなど、実用的な構成のモデルとなっている。
今回、メーカーより本製品を提供していただいたので、実際に使用した感想を基にレビューしていきたいと思う。
ブランド | Innocn |
型名 | 27C1U Super |
ディスプレイサイズ | 27インチ IPS 非光沢 |
解像度 | 3840×2160(4K)HDR10対応 |
アスペクト比 | 16:9 |
色域 | sRGBカバー率:99% DCI-P3カバー率:99% |
リフレッシュレート | 60Hz |
スピーカー | 搭載 |
インターフェース | ・HDMI2.0 ・ディスプレイポート(DP)1.4 ・USB-A 2.0 ×2 ・USB-B 2.0 ・USB Type-C(65W給電対応) ・3.5mmオーディオジャック |
可動域 | ・高さ:±120mm ・傾き:-5°~ 20° ・回転:±90° |
VESAマウント | 対応(75mm×75mm) |
本体サイズ | 613.3×367×57.16mm(モニター部分のみ) |
今回紹介する『INNOCN 27C1U Super』は、3840×2160(4K)解像度、HDR10対応の27インチ非光沢IPSディスプレイを搭載した、高性能モニターだ。sRGBカバー率:99%、DCI-P3カバー率:99%を誇り、カラフルな描画を楽しめる。
▼高解像度かつ色鮮やかな映像を描画可能。
本製品の最大の特長は何と言っても、モニターに台座が一体化している点だ。
キーボードを下に収納したり、台座の上に様々なツールを置いておくことが可能。台座が不要な場合は外して、代わりにVESAマウントを取り付けることも出来る。
モニター背面には充実のインターフェースを備えており、PCから最新ゲーム機まで、幅広いデバイスとの接続に対応。65W給電に対応したType-Cポートも用意されているため、Macbookなどの対応デバイスとケーブル一本で接続することができる。
そして、高さ:±120mm、傾き:-5°~ 20°、回転:±90°の柔軟な可動域を備えており、様々な使い方が可能だ。
製品本体および付属品
▼外箱の様子
▼内容物をすべて取り出した様子。
内容物一覧は以下の通り。
【内容物一覧】
- モニター本体
- 電源ケーブル
- ユーザーマニュアル
- HDMIケーブル
- Type-Cケーブル
- DisplayPortケーブル
- スタンド
- 台座
- ドライバー&ネジ一式
- キャリブレーションシート
付属品紹介
▼モニターを固定設置するための台座。作業スペースは横幅542mm、奥行265mmの広さがある。
▼モニター本体と台座を繋ぐためのスタンド&固定金具。
▼VESAマウントを装着する際に使うネジ&ドライバーが付属。
▼HDMIケーブル、Type-Cケーブル、DisplayPortケーブルなど、多彩なケーブルが付属。モニター購入後、すぐに様々なデバイスと接続できる点は嬉しい。
モニター本体
▼モニター本体の外観。サイズは613.3×367×57.16mm。
▼下部には各種操作ボタン(ホームボタン、選択ボタン、戻るボタン、電源ボタン)が用意。
▼背面の様子。
▼背面中央にはスタンド取付部が用意。VESAマウント(75mm×75mm)にも対応。
▼スピーカーが内蔵。モニター本体からでもサウンドを出力できる。
そして下部には、インターフェースが集約されている。
▼HDMI2.0、ディスプレイポート(DP)1.4、USB-A 2.0 ×2、USB-B 2.0、USB Type-C(65W給電対応)、3.5mmオーディオジャック、AC電源ポートが用意。
モニターの組み立て手順
モニターを組み立てる手順はいたって簡単だ。
まずスタンドをモニター背面に取り付ける。
▼ツメがカチッとハマるように取り付ける。
続いて台座をスタンド下部に合わせて、付属の金具で固定する。
▼金具を用いて、台座裏面からスタンドを固定。
▼ネジは素手で回せるようになっているため、ドライバー等は不要。
これだけの手順で、モニターの組み立てが完了する。誰でも簡単に設置できるだろう。
▼実際に組み立てた様子。安定性は優れており、ちょっとやそっとの揺れで倒れることは無い。
▼台座の下部には6.5cmのスペースが空いており、キーボードなどの周辺機器を収納できる。
▼真上から見た様子。
▼背面の様子。
▼スタンドにはケーブルを通すための穴が用意されている。
柔軟な可動域を備える
本製品は高さ、前傾、後傾、垂直回転の柔軟な可動域を備えている。
▼モニターを一番高く上げた状態。
▼一番高く上げた状態で、台座から約17cmの高さ。
▼モニターを一番低く下げた状態。
▼一番低く下げた状態で、台座から約5.5cmの高さ。
▼真横から見た様子。前傾5度、後傾20度の角度で調節が可能。
そして本製品はディスプレイ部分の90度回転に対応しており、画面の縦横を変更できる。
設置場所や用途に応じて柔軟な調整が出来る点も、本製品の大きなメリットの1つだ。
様々な物を置くのに便利な台座
▼実際にPCと接続した様子。
台座の下には約6.5cmの隙間が空いているため、キーボードやマウスなどのPC周辺機器を収納しておくには丁度良い。
また、台座上のスペースにも、お気に入りの置物や周辺機器を置いておくことができる。
▼キーボードの設置面と段を分ける分、同じ平面スペースでもより多くの物を置くことができる。
正直、人によってはこの台座が不要に感じる方もいるだろう。
そのような場合には、上述した通りVESAマウントを装着することで、モニターアーム等と接続することをオススメしたい。
鮮やかな4K非光沢IPSディスプレイ
本製品の4Kディスプレイで描画される映像は、実に鮮明で見やすい。
ウェブサイト閲覧時でも細かな文字まで鮮明に描画される。非光沢IPSパネルを採用しているため、画面への映り込みが無く、目が疲れづらい。
▼ベゼル幅も約5mmほどと薄く、デュアルモニター化にも適しているだろう。
YouTubeで動画を再生してみたが、sRGB:99%、DCI-P3:99%高い色域カバー率によって、深みのある色鮮やかな映像を楽しむことができた。
▼IPSパネルの発色は良好だ。
▼細部までカラフルかつ明瞭に描画される。映像視聴目的でも満足度の高い体験が可能だろう。
試しにPCゲームもプレイしてみた。
▼PC版モンスターハンターライズをプレイ。
▼実際にプレイしている様子
PCゲームに関しても、特に映像遅延などを体感することもなく、いたってスムーズに楽しめた。
ただ、この価格帯のモニターであれば、最高120Hz程度のリフレッシュレートは欲しかったところだ。
▼モンハンプレイ時の映像出力設定。このモニターは最大60Hzまでしか対応していない。
▼PS5とも接続してみた。
▼映像情報。
PS5のような最新世代機と接続した場合でも、美麗な映像でゲームを楽しむことが出来た。
▼実際にプレイしている様子
▼台座はコントローラーの置き場所としても便利。
以上の通り、非常に滑らかとは言えないものの、美麗な4K解像度でゲームを楽しめる。
普通にゲームを楽しむ分には支障はないが、格闘ゲームやFPSなど、瞬時の反応が求められるゲームには物足りないパフォーマンスだと言える。
縦表示に対応
上述した通り、本製品はディスプレイ部分を左右90度回転させることができる。
▼PC側のディスプレイ出力設定で向きを「縦」に変更。
▼回転(縦表示)させた様子。
縦に長く連なる情報を表示させたい場合などに、非常に役立つ形態となっている。
▼SNSなどのタイムラインをずらりと表示させたい場合にも便利。
スピーカー品質はイマイチ
本製品は背面下部にスピーカーを内蔵している。
だが、音質に関しては正直言って微妙だ。
音がくぐもって聴こえ、明瞭さや迫力が感じられない。また、モニター側の音量を最大に設定した場合でも、強い音圧で出力することができなかった。
あくまで最低限の品質だと言わざるを得ない。もし満足度の高いサウンド体験を楽しみたいのであれば、本体に用意されている3.5mmジャックを利用して、外付けスピーカー等の利用をオススメしたい。
▼オススメの外付けスピーカー
オプション項目が充実
画面右下のボタンを押すと、オプション画面を呼び出すことができる。
オプション画面では、明るさやコントラストと言った一般的なモニター設定が用意されている。
▼インターフェースは日本語にも完全対応しているため、問題なく扱えるだろう。
▼ブルーライトカット機能も用意。長時間の作業時にはほぼ必須の機能。
▼様々なプリセットモードが用意。
▼HDRのオン/オフを切り替え可能。
▼ゲーム用の設定項目も用意。
▼PIP・PBP機能も用意。複数ソースの映像を画面上に同時表示できる。
以上の通り、一般的な映像品質設定からゲーミング向けの機能まで、豊富な機能が用意されている。
65W Type-Cポート搭載
背面のType-CポートはUSB PD 65Wに対応しているため、ケーブル一本でノートPCなど対応デバイスと接続することが可能となっている。
逆高速充電に対応しており、モニターから外部デバイスへケーブル一本で給電を行うことも可能だ。
『INNOCN 27C1U Super』のまとめ
今回紹介した『INNOCN 27C1U Super』について、特長をまとめると以下の通りだ。
良かった点
- スタイリッシュなデザイン
- 柔軟な可動域
- 組み立てが簡単かつシンプル
- 充実した機能・オプションが用意
- 色鮮やかで滑らかな描画のIPSディスプレイ
- 目が疲れない非光沢パネル採用
- 充実した設定項目が用意
- 縦表示に対応
- USB PD 65W対応のType-Cポートを搭載
悪かった点
- リフレッシュレートが最大60Hz
- 内蔵スピーカーの品質はイマイチ
- 台座の必要性は人によって分かれる
スペック的には悪くない構成であり、本格的なゲーミングこそ難しいものの、普段使いや動画視聴、仕事作業、軽めのゲーミングなどの用途には十分に活用できるモニターとなっている。
ディスプレイを回転させての縦表示にも対応しているため、デュアルスクリーン化のためのモニターを探している方にはオススメできる。
台座の必要性は人によって分かれるだろうが、もし不要に感じる場合にはVESAマウントを使用するといった選択肢もある。また、実際に台座を使用してみるとキーボードをイイ感じにモニター下へ納めることが出来るため、デスク周りが結構スッキリする。
作業用モニターを探しており、本製品のデザインが自身のデスク周りに合致するのであれば、ぜひ試してみてほしい一品だ。
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