中国のVivo(ヴィーヴォ、ビボ)は2023年6月、同ブランドの最新タブレットとして「iQOO Pad」を発売した。
アスペクト比7:5の12.1インチ大型ディスプレイを搭載しており、解像度は2,800×1,968(WQXGA+)に対応。高品質スピーカーを6基内蔵するなど、メディア視聴に適したタブレットだ。また、CPU(SoC)にはMediaTek Dimensity 9000+を採用しており、映像視聴からゲーミングまで、優れたパフォーマンスを発揮するモデルとなっている。
記事執筆時点で中国においてすでに販売が開始されており、以下の4モデルが用意されている。最低価格は2599人民元(約5万1500円)から用意。
- 8GB RAM + 128GBストレージモデル
- 8GB RAM + 256GBストレージモデル
- 12GB RAM + 256GBストレージモデル
- 12GB RAM + 512GB ストレージモデル
今回、提携先より本製品(8GB RAM + 128GBストレージモデル)を提供していただいたので、実際に使用した感想を基にレビューしていきたいと思う。
ブランド | Vivo |
モデル名 | iQOO Pad |
OS | OriginOS 3(Android 13ベース) |
CPU(SoC) | MediaTek Dimensity 9000+ |
RAM | 8GB / 12GB |
ストレージ | 128GB / 256GB / 512GB |
ディスプレイサイズ | 12.1インチ |
解像度 | 2,800×1,968(WQXGA+) |
リフレッシュレート | 最高144Hz |
SIMカード | 非対応 |
マイクロSDカード | 非対応 |
対応通信規格 | Wi-Fi: 802.11 a/b/g/n/ac/ax デュアルバンド Bluetooth 5.3 |
GPS | 非搭載 |
バッテリー容量 | 10,000mAh(44W高速充電対応) |
搭載ポート | USB Type-C(3.2 Gen 1) |
スピーカー | Dolby Atmos対応スピーカー6基内蔵 |
搭載カメラ | フロント:8MP リア:13MPメイン + 2MPマクロ |
本体サイズ | 高さ:266.03mm 横幅:191.60mm 厚さ:6.59mm |
本体重量 | 約585g |
『iQOO Pad』は、MediaTek Dimensity 9000+搭載で優れたパフォーマンスを発揮する、ハイエンドAndroidタブレットだ。
12.1インチディスプレイは2,800×1,968(WQXGA+)解像度および最高144Hzの高リフレッシュレートに対応しており、迫力のある大型画面で美しく滑らかな映像を楽しむことが可能だ。
計6基のDolby Atmos対応高品質スピーカーが搭載されており、立体感のある高品質サウンドを楽しめる。
ポートはUSB Type-C(3.2 Gen 1)を採用。高速データ伝送に対応するほか、外部映像出力も可能だ。
CPU(SoC)には "MediaTek Dimensity 9000+" を採用。RAMは8GB/12GB搭載しており、大抵の作業を快適にこなせる性能を擁している。
OSはAndroid 13ベースのOriginOS 3を採用。一般的なAndroidデバイスと同様の扱い方が可能。
前面には8MP(メガピクセル)のフロントカメラが、背面には13MPメインカメラ + 2MPマクロカメラが内蔵されており、風景撮影からオンライン通話まで、幅広い用途に活用することが可能だ。
そして10,000mAhの大容量バッテリーを内蔵しており、公式は14時間の連続動画再生が可能と謳っている。
一方、旧機種と同様にカードスロットは用意されておらず、マイクロSDカードの挿入によるストレージ拡張や、nanoSIMカード挿入によるLTE通信などには非対応となっている。
LTE通信やGPS通信を行うことが出来ないため、本製品は主に自宅やWi-Fi環境のある施設で作業やゲームを楽しむ用途に向いていると言えるだろう。
製品本体および付属品
▼外箱の様子
▼内容物一覧をすべて取り出した様子
内容物一覧は以下の通り。
【内容物一覧】
- タブレット本体
- ユーザーマニュアル
- 電源アダプタ
- USB Type-Cケーブル
▼タブレットの外観。12.1インチディスプレイを搭載したスタイリッシュなデザイン。
▼前面中央には8MPフロントカメラが内蔵。
▼背面の様子。
▼背面には13MPメイン + 2MPマクロカメラが搭載。
▼金属製のボディには鈍い光沢が見られ、高級感がある。指紋などの汚れも付着しづらい。
▼キーボードケース対応ポートも用意。
▼本体重量は約585gであり、ややズッシリ感がある。
▼厚みは6.59ミリと薄く、カバンなどに入れて持ち運んでも邪魔にならないだろう。
続いてインターフェースについて紹介していく。
▼右側面には音量調節ボタンが搭載。
▼スタイラスペン「iQOO pencil」装着用のポートも用意されている。
▼左側面には特に何もない。
▼上部には電源ボタン、およびDolby Atmos対応スピーカーが内蔵。
▼下部にはUSB Type-C(3.2 Gen 1)ポート、およびDolby Atmos対応スピーカーが内蔵。
USB 3.2 Gen 1対応ポートの利用で外部モニター等への映像出力も可能だ。
上下計6基のスピーカーを搭載することで、立体的なサウンドを実現する。
以上の通り、薄型の筐体に最低限のポート類のみが搭載されたインターフェース構成となっている。
カードスロットが用意されていないため、マイクロSDカードやSIMカードの挿入に対応していない点に注意したい。
AnTuTuベンチマークテスト
本機について、スマホ・タブレット端末の性能を測ることのできる『AnTuTuベンチマークテスト』を実施してみた。
▼Android端末におけるAnTuTuベンチマークテストの実施方法はコチラを参照
-
Android端末でAnTuTuベンチマークテストを行う超簡単な方法(2023年時点)
スマートフォン・タブレットなどのモバイル端末のスペック(スコア)を計測することのできるツールとして、『AnTuTu Benchmark』(アンツツ ベンチマーク)というものがあります。 AnTuTuと ...
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結果として、約95万点のスコアを記録することが出来た。
ウェブサイト閲覧や動画視聴はもちろん、『原神』などの激重ゲームアプリでも60fps安定で快適に遊ぶことのできる性能の高さだ。仕事や動画視聴、ゲーミング用のタブレットを探している幅広い方にオススメできるモデルである。
それでは以下からは、実際に使用した感想について紹介していく。
言語は英語・中国語のみに対応
本製品はOSに「OriginOS 3」を採用している。Android 13ベースではあるが、言語は英語・中国語のみ選択可能であった。
現時点で日本語対応バージョンはリリースされていないので注意したい。
WQXGA+・144Hzの美しく滑らかな映像
本機の12.1インチディスプレイは 2,800×1,968(WQXGA+)解像度、144Hzの高リフレッシュレートに対応しており、美しく滑らかな映像を楽しむことが可能だ。
▼リフレッシュレートは設定アプリより切り替えることが出来る。
▼ウェブサイト閲覧時も、細かい文字まで明瞭に表示されるため見やすい。ページスクロールもなめらかで心地よい。
なお、アスペクト比7:5の12.1インチディスプレイのおかげで、ウェブサイトをPC表示した場合でも、問題なく閲覧することができた。
▼PC表示でも支障なく閲覧可能。
続いて、動画サイトで幾つかの動画を視聴してみた。
▼ディスプレイの発色が良く、ゲームや映画、アニメなどでもカラフルな映像を楽しめる。
144Hzの高リフレッシュレートで描画される映像は実に滑らかで、画面移動の激しいアクションゲームやシューティングゲーム等においても、ストレスなく操作できる。
ゲーミングや映像視聴をメイン目的にタブレットの購入を検討している方でも、満足度の高い体験が可能だろう。
ほとんどの作業を快適にこなすことが可能
本機のパフォーマンスを確認するため、ウェブサイト閲覧時・動画視聴時の動作について検証した。
ウェブブラウジングは実に快適であり、画像が多めのサイトや、処理の重いサイトであっても スムーズに閲覧することが出来た。
▼ほとんどのウェブサイトが一瞬で表示される。
画像やスクリプト多めのサイトでも、読み込み時に遅延を感じたり、スクロール時にカクつきを感じることも無かった。
また、YouTubeやネットフリックスなどの動画サイトを閲覧した場合においても、スピーディかつスムーズに動画を再生することが可能であった。
▼最高画質設定の動画を、スムーズに視聴することが出来た。
以上の通り、ウェブサイト閲覧や動画視聴においては、何の問題もなく快適に行うことが出来た。
品質の高いクアッドスピーカー
本機には計6基のDolby Atmos対応スピーカーが搭載されており、立体感のあるサウンドを楽しむことが出来る。
Dolby Atmos対応スピーカーということもあって音質は良好で、中~高音域に関しては非常にクリアに響き渡るサウンドを楽しめた。
スピーカーを6基内蔵していることもあり、音圧も強く、低音に関してもそこそこ迫力のある音を出力できていた。音に立体感もあるため、ゲーミング時やメディア視聴時にも臨場感のある体験が可能だろう。
この価格帯のタブレットで、ここまでの音質を実現できている点には素晴らしいと言える。
メディア視聴用のタブレットとしては申し分のないスピーカー品質だろう。
実用性の高いフロント・リアカメラ
また、本機に搭載されていカメラについても確認した。
▼実際にフロント(前面)カメラで撮影した画像。
全体的に画質が良く明るく、人物の表情から背景の様子に至るまで、クリアに映し出すことが出来ていた。
激しく動いても残像などはほとんど発生せず、ウェブ会議やオンライン授業に利用しても全く問題ない品質だろう。
▼実際にリア(背面)カメラで撮影した画像。
背面カメラについても、フロントカメラ以上に鮮明で美しい写真を撮影することが可能であった。発色も良く、肉眼で見た場合に近い色合いを実現している。
遠景から近景まで、明瞭な写真を撮影することができた。
ゲーミング性能の確認
各種ゲームアプリを遊んだ際のパフォーマンスについても確認した。
今回は "激重" ゲームとしても有名な『原神』をプレイしてみた。
非常に重いゲームアプリとして有名な『原神』であるが、本機ではスムーズにプレイすることが可能であった。
画質設定はデフォルト状態で "中" に設定されていたが、"高" 以上に設定を上げても依然としてスムーズなゲームプレイが可能であった。
▼高画質設定で原神をスムーズにプレイ可能。
▼激しく動いた場合でもカクつきや遅延を感じることはほとんどなかった。
『原神』クラスの激重ゲームでもこれだけ快適に遊べるのであれば、大抵のゲームアプリはスムーズに動作するだろう。
ゲーミング用途にも活用できるほどのパフォーマンスを発揮するタブレットとなっている。
ゲーミングに役立つ機能が充実
なお、本製品にはゲーミングに役立つ機能が用意されており、アプリ起動中にディスプレイ左端をスワイプすることで、ツールウィンドウが表示される。
ツールウィンドウにはライブストリーミング配信機能、ミラーリング機能などが用意されており、配信者の方にも便利な機能が充実している。
▼ゲームアプリ起動中にサブ画面を出現させておくことも可能。
また、パフォーマンスパネルではゲームプレイ中のタブレットパフォーマンスを調節できる。
▼MONSTERモードは、ゲームを高FPSで快適に遊びたい場合に適している。
▼なお、設定アプリからはゲーミングに関するさらに詳細な調整を行うことができる。
長持ちする大容量バッテリー
本製品には10,000mAhの大容量バッテリーが内蔵されており、公式は14時間の連続動画再生が可能と謳っている。
実際に満充電の状態から5時間ほど処理の重いゲームアプリを連続して遊んでみたところ、56%ほどしかバッテリーが減っておらず、1日以上持続可能な充電残量を残していた。
普通にタブレットを利用する分には、1~2日ほど充電ケーブルに接続しなくても問題ないだろう。
また、本製品は44Wの高速充電にも対応しており、少しの充電時間で一気にバッテリーを回復できる点も実用性の高さを向上させていると言えるだろう。
長時間の高負荷使用時にもタブレット本体が高熱をもつことはなかった。
本格的なゲーミングはもちろん、長時間の作業利用にも適したタブレットと言えるだろう。
『iQOO Pad』のまとめ
今回紹介した『iQOO Pad』について、特長をまとめると以下の通りだ。
良かった点
- スタイリッシュで高級感のある筐体デザイン
- あらゆる作業を快適にこなせる高性能スペック
- WQXGA+解像度・144Hz高リフレッシュレート対応
- 『原神』など激重ゲームアプリも快適にプレイ可能
- 音質の良い6基のDolby Atmos対応スピーカー
- 実用的なカメラ性能
- 長持ちする大容量バッテリー
- USB Type-C(3.2 Gen 1)採用
- DP Alt Mode対応
悪かった点
- 日本語非対応(英語・中国語のみ)
- カードスロット非搭載(SIMカード、マイクロSDカード非対応)
以上の通り、比較的リーズナブルな価格に対して、AnTuTuベンチマークテストで95万点超えのハイスコアを記録するパフォーマンスを実現したハイエンドタブレットとなっている。
基本性能が優れている点は言うまでもなく、筐体自体も洗練されたデザインとなっており、持ち運びや拡張性にも優れている。
ウェブサイト閲覧や動画視聴はもちろん、ゲーミングにおいても優れたパフォーマンスを発揮するため、ゲーム目的でタブレットを探している方にもオススメだ。Dolby Atmos対応スピーカーの音質も良いため、満足度の高いサウンド体験も可能。なにより、12.1インチの大画面で描画される映像には迫力がある。
USB Type-C(3.2 Gen 1)を採用しており、高速データ伝送や急速充電に対応している点も、利便性向上に貢献している。
フロント・リアいずれのカメラの性能も高く、記念撮影やウェブ会議、オンライン授業などの用途にも十分に活用できるレベルとなっている。
一方でカードスロットが用意されておらず、マイクロSDカードやSIMカードの挿入対応していない点はやや残念だ。LTE通信やGPS通信を行うことが出来ないため、本製品は主に自宅やWi-Fi環境のある施設で作業やゲームを楽しむ用途に向いていると言えるだろう。
何はともあれ、高性能なタブレットを探している方には、間違いなくオススメできるモデルだろう。
ただし、現時点で日本語非対応(英語・中国語のみ)モデルのみの販売となっているため、注意が必要だ。
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