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『KanDao Meeting Ultra』レビュー | タッチディスプレイ&360カメラ搭載のオールインワン会議システム

2023-09-19

レイ(管理人)

最新ガジェット大好きなWEBデザイナー。理系大学院修了。国内外の企業と提携し、年間200以上のガジェットをレビューしています。日々の暮らしを豊かで楽しいものにする電子機器や家電などを、分かりやすく丁寧に紹介します。

Kandao Technology(本社:中国・深圳)は、2023年5月9日(火)に革新的なAIを搭載した高性能のデュアル・タッチディスプレイ付き360度カメラシステム『KanDao Meeting Ultra』を発表した。本記事執筆時点ですでに販売が開始されており、技適も取得済みだ。

2つの傾斜可能な15.6インチの大型のフルHDタッチディスプレイ、2個の4Kレンズ、内蔵オペレーションシステム、8個のマイク、Hi-Fiスピーカーなどを搭載した、オールインワン360度カメラシステムとなっている。これ1台で多人数の参加するウェブ会議を円滑に開催することが可能だ。

今回、メーカーより本製品を提供していただいたので、実際に使用した感想を基にレビューしていきたいと思う。

ブランド Kandao
製品名 KanDao Meeting Ultra
対応OS Windows 7以降
Mac OS 10.8以降
対応プラットフォーム Zoom、Teams、GoToMeeting、Skype、BlueJeans、Slack、Google Meet、Cisco Webex、Polycom、 StarLeaf、Tencent meeting、DingTalk Meeting、Huawei Cloud Meeting等の会議プラットフォームに対応
ディスプレイ 15.6インチ液晶ディスプレイ、10点マルチタッチ対応、1920×1060解像度・60Hz
カメラ解像度 3840×2160@30fps / 1920×1080@30fps / 1280×720@30fps, MJPEG / H.264
視野角 360度全方位
マイク 8基の無指向性マイク内蔵
スピーカー 10W Hi-Fiスピーカー内蔵
USB USB A×3:マウスやキーボードなどの周辺機器との接続⽤
USB Type C(出力用)×1:パソコンと接続、オーディオ/ビデオ(UVC/UAC)伝送
USB Type C(入力用)×1:給電用
HDMI HDMI 2.1×2:映像出⼒用、システム画⾯表⽰
HDMI 2.0×1:パソコンからの画⾯共有⽤映像⼊⼒
Wi-Fi 2.4G+5G デュアルバンドWi-Fi 6
Bluetooth 5.0対応
電源 ⼊⼒: AC100-240V 50/60Hz 0.45A以下
出⼒: DC 15V 3A
PoE給電: 802.3bt
マイクロSDカード FAT32、exFat形式をサポート(最⼤1TGBまで)
本体サイズ 366×157×327mm
本体重量 約4,190g

▼公式の紹介動画

今回紹介する『KanDao Meeting Ultra』は、Android OS を搭載した、モニター付きの高性能会議システムだ。

Zoom、GoToMeeting、Skype、Teams、Polycom、Google Meet など、ほとんどの主要なビデオ会議プラットフォームに対応。一方でAPI/クラウド/IPアドレスの保存は禁止されており、セキュリティも確保されている。

筐体上部には、220°魚眼レンズを搭載した、360度全方位対応カメラが内蔵。広範囲を映すことができるため、会議参加者は1台のカメラの前に肩を寄せ合って座る必要はなくなる。4K解像度・30FPSに対応しているほか、ノイズリダクション・アルゴリズムを搭載し、今までにない鮮やかで高画質なオンライン会議体験を提供してくれる。

▼アップグレードされたAI検出アルゴリズム4.0を備えており、会議の話し手を瞬時に認識し、トラッキングして映し続けることで、対面で話しているような体験を実現できる。

そして前後に計2基の15.6型タッチディスプレイを搭載。リアルな発色と広角の視野角に対応しており、会議参加者全員の顔を映し出すことが出来る。

▼画面タッチでスムーズな操作が可能。優れたスペックと安定した伝送システムにより、ノイズのないクリアなオンライン通話を実現する。

筐体自体には計8基の無指向性マイクと、10W Hi-Fiスピーカーが内蔵。半径 5.5mの広範囲から高音質な音声を拾うことができるほか、相手側からの声も明瞭に響き渡り、聴き取りやすい。

このように、これ1台に全方位カメラ・タッチディスプレイ・高性能マイク&スピーカーのすべての機能が集約されており、まさにオールインワン会議システムと呼ぶにふさわしいツールとなっている。

製品本体および付属品

▼外箱の様子

▼内容物一覧をすべて取り出した様子

内容物一覧は以下の通り。

【内容物一覧】

  • KanDao Meeting Ultra本体
  • 電源ケーブル
  • 電源アダプタ
  • ユーザーマニュアル
  • 補償カード
  • リモコン
  • USB Type-Cケーブル

▼ユーザーマニュアルは日本語にも対応している。

▼遠隔操作用のリモコンが付属。

▼Meeting Ultraの大抵の作業を遠隔で行うことが出来る。

▼リモコン操作には単四電池×2(別売り)が必要。

▼電源アダプタは比較的コンパクトなサイズで場所を取らない。

▼電源ケーブルの先端は3P形状のため、使用場所によっては3P⇒2P変換プラグが必要となるだろう。

KanDao Meeting Ultra本体

▼KanDao Meeting Ultra本体。366×157×327mmの比較的コンパクトなサイズに収まっている。

▼本体重量は約4,190g。片手で持ち運べないこともなく、移動時もラクだ。

▼底部には三脚用のネジ穴が用意。

▼筐体前後には、タッチ操作対応の15.6インチ液晶ディスプレイが搭載されている。

▼真上から見た様子。

▼筐体上部にはミュートボタン音量+ボタン音量-ボタンモード切替ボタン電源ボタンが搭載。

▼側面から見た様子。

▼側面下部にはLANポートType-C電源ポートUSB-AポートHDMIポート(入力用)HDMIポート(出力用)×2 が用意。なお、LANケーブル経由の電力供給(PoE給電)に対応している。

▼また、下部に盗難防止用ロック穴(Kensingtonセキュリティロック)が用意されている。

▼反対側面の様子。

▼反対側面の下部にはUSB Type-Cポート(出力用)USB-Aポート×2Micro SDカードスロット が用意されている。

Micro SDカードスロットを挿入することで、会議中の映像録画や静止画撮影データを保存することが可能となる。

ディスプレイは0~48度の範囲で角度調整が可能。

広視野角カメラ

筐体上部には、前後に220°魚眼レンズから成る360度全方位対応カメラが搭載されている。

▼レンズ部分はカバーで保護されており、非使用時のプライバシー流出を防ぐことが出来る。

前後に搭載されたカメラにより広範囲を映すことができるため、会議参加者は1台のカメラの前に肩を寄せ合って座る必要はなくなる。4K解像度・30FPSに対応しているほか、ノイズリダクション・アルゴリズムを搭載し、今までにない鮮やかで高画質なオンライン会議体験を提供してくれる。

非常に充実した機能を搭載

実際に、会議室に『KanDao Meeting Ultra』を設置して利用してみた。

▼スタイリッシュでオシャレさも感じさせるデザイン。

▼比較的コンパクトなサイズに収まっているため、会議室のデスク上へ設置しても邪魔には感じられないだろう。

Meeting Ultraに電力を供給すると電源がONになり、前後ディスプレイにセットアップ画面が表示される。

▼付属リモコンとのペアリングを要求されるため、画面の指示に従ってリモコンを接続する。

リモコンのセットアップが完了すると、メインメニュー画面が表示される。

Meeting UltraにはAndroid OSが搭載されており、単体でもウェブ会議を始められる。「Zoom」や「Bluejeans」といったウェブ会議用ツールもプリインストール済み。

▼Meeting Ultra内にユーザーマニュアルや製品紹介が用意。扱い方で困った場合でもすぐに解決策を見つけることが出来る。

▼設定画面では、インターネット接続設定やBluetooth機器の管理をはじめ、充実した項目が用意。

▼Windows、iOS、Androidデバイス向けのミラーリング機能も用意。

▼インターフェース言語はデフォルトで日本語に設定されていたが、言語変更も可能だ。

静電容量方式に対応している前後ディスプレイは、10点マルチタッチに対応しており、スマホやタブレットと同様の感覚で文字入力、スワイプやスクロール、ドラックなどの操作を直感的に行うことが出来る。

Meeting UltraはデュアルバンドWi-Fi 6に対応しており、インターネット接続設定を完了することで、ダウンロードセンターから好みのアプリをインストールできる。

▼「Google Meet」や「Skype」など、主要なウェブ会議ツールのほとんどに対応している。

なお、Meeting Ultraは初期状態でGoogle未認証状態のため、ディスプレイ上に表示されるGSF IDを登録することで、ホワイトリストへの追加を行うことが出来る。

▼前述したGoogle Meet等のアプリをインストールしたい場合は、事前にホワイトリスト追加を行っておこう。

このように、Android OSを搭載したMeeting Ultraは、スタンドアローン状態で非常に充実した機能を利用できる

ウェブ会議を行う際に、いちいちPC等を持参して接続しなくても、Meeting Ultra単体で様々なアプリを利用して会議を開催できるため、実に利便性に優れていると言えるだろう。

360度全方位をクリアに映し出す高品質カメラ

カメラ性能を確認するため、内蔵のZOOMアプリを用いて簡単な会議を行ってみた。

会議アプリを起動するとカメラ映像が表示される。

Meeting Ultraのカメラは4K解像度・30fps・HDRに対応しており、会議参加者の顔の輪郭から表情にいたるまで、実に鮮明に映し出すことが出来ていた。発色も良好で、肉眼で見た場合に近い色合いで映し出せており、違和感を覚えることはなかった。

▼環境光が背後から入り込み、逆光になる環境でも映像が白くなりすぎることはなく、見やすい明度・輝度へと常に自動調節される。

▼ノイズリダクション・アルゴリズムを搭載しており、ノイズを抑制しつつ映像の鮮明さを向上させている。

上述したように、Micro SDカードを挿入しておくことで、会議中の映像や静止画を録画することも可能だ。

そして360度全方位に対応していることもあり、とにかく視野角が広い

▼220°魚眼レンズにより幅広い範囲をカバー。

Meeting Ultraの前面はもちろん、ほぼ90度直角の側面に位置する人物まで明瞭に映し出すことが出来ており、会議室デスクの中央に設置しておけば、参加者がどの位置に座っても顔をとらえることが出来るようになっている。

▼Meeting Ultraのほぼ真横に位置する人物まで、逃さすキャプチャー。

会議モードも複数用意。AIアルゴリズムが発言者を自動認識して強調表示する「スピーカーモード」、参加者全員を表示する「ギャラリーモード」、画面を上下2分割して180度パノラマ映像を表示する「グローバルビューモード」など、状況や場面に応じて使い分けることが可能だ。

▼グローバルビューモード。

▼ギャラリーモード。

▼スピーカーモード。発言者が最も大きな枠で強調表示される。

AIアルゴリズムによる正確な追尾

本製品に搭載されたAIアルゴリズムは、話者を認識して強調表示するだけでなく、参加者の顔が常に映像内に収まり続けるように、カメラで自動追尾するようになっている。

▼実際に追尾している様子。

上動画を観ると分かるように、参加者がMeeting Ultra付近を行ったり来たりしている様子をカメラが自動的に追尾し、常に映像内に収め続けている。

これにより、歩き回りながら、どの位置からでもプレゼンテーションを行うことが可能となっている。精度は高く、素早く移動した場合でも対象を見失うことなく、追尾し続けることが出来ていた。なお、追尾感度はオプション画面より調節できる。

高品質カメラ&マイク内蔵

本製品には計8基の無指向性マイクと、10W Hi-Fiスピーカーが内蔵されている。

パワフルな10W Hi-Fiスピーカーのおかげで、小さな声でも明瞭に聞き取ることが可能であった。相手側に低い声から高い声まで発声を試してもらったが、いずれの場合でも一定の品質が保たれている。スタンドアローン状態でも十分な音質を確保できているため、外付けスピーカー等を別途用意する必要はないだろう。

そして計8基のマイクは、高性能なうえにノイズキャンセリング機能に対応しており、環境音などのノイズを完全にシャットアウトして、発声者の声だけを相手側に伝えることが出来ていた。また、小さな声や離れた場所の声でもクリアに届けることのできる高い集音性能を実現しており、相手とのオンライン会話でストレスを感じることはなかった。

PC・スマートデバイス接続で活用の幅を拡張

これまで紹介したように、Meeting Ultraは単体でも品質の高い多人数ウェブ会議を実現できる。

一方でPC接続した場合、活用の幅をさらに拡張することが可能だ。

付属USBケーブルでPCと接続した場合、Meeting UltraはウェブカメラとしてPC側に認識され、PC側でも映像を確認できるようになる。PC側でよりスムーズな操作を行うことができるほか、Micro SDカードを用意せずとも、PC側で会議の様子を録画することも可能だ。

また、HDMIケーブルでPCに接続した場合、PC画面を共有することも出来る。最大2台の外部ディスプレイへのHDMI映像出力にも対応しているため、会議の様子を広い会議室でより多くの人に見てもらうことも可能となっている。

そしてWindows、iOS、Androidデバイス向けのミラーリング機能(AirPlay、Miracast)も用意されており、面倒な配線無しで多彩なデバイスとの映像共有にも対応。

応用の幅が実に広いデバイスだと言える。

『KanDao Meeting Ultra』のまとめ

今回紹介した『KanDao Meeting Ultra』について、特長をまとめると以下の通りだ。

良かった点

  • 会議室の景観を崩さない、スタイリッシュなデザイン
  • 4K解像度・30fps・HDR対応の高性能カメラ
  • 10点マルチタッチ対応の高解像度ディスプレイ
  • 高度なAIアルゴリズム
  • Meeting Ultra単体で充実した機能を利用可能
  • 高精度の追尾機能
  • 高品質カメラ&マイク内蔵
  • PC・スマートデバイス接続で活用の幅を拡張可能

悪かった点

  • 背後に光源のある場合、画面への映り込み(反射)が生じて見づらくなる

以上の通り、これ1台で全方位カメラ・タッチディスプレイ・高性能マイク&スピーカーのすべての機能が集約された、オールインワン会議システムとなっている。

カメラ・マイク・スピーカーのいずれの品質も優れており、タッチディスプレイの映像や操作感度も良好。そのうえMeeting Ultra内にAndroid OSがインストールされており、PC等を用意せずとも、スタンドアローン状態でウェブ会議に関する充実した機能を利用できるなど、全体的に素晴らしい設計がなされている。

PCとのUSB・HDMI接続に対応しているほか、Windows、iOS、Androidデバイス向けのミラーリング機能(AirPlay、Miracast)も用意。会議の様子を、直接的な参加者以外の人々へリアルタイムに共有する用途にも向いている。

そしてデザイン面でも優れている。これだけの機能を比較的コンパクトなサイズに集約できており、見た目的にも会議室の雰囲気を損なわないスタイリッシュなフォルムとなっている。

「ウェブ会議環境を整えたいが、どのようなガジェット・ツールを用意すれば良いのか分からない」といった場合、本製品1台を設置しておけば間違いなく高品質な会議を実現できるだろう。

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