2022年3月、Lenovo(レノボ)は最新タブレットである『Lenovo Legion Y700』を発表した。
昨今リリースされている一般的なタブレットが軒並み10インチ前後のサイズであるのに対して、Lenovo Legion Y700は8.8インチディスプレイを採用したコンパクトな筐体サイズのモデルとなっており、携行性や持ちやすさを重視する方にはうってつけのモデルとなっている。
▼ゲーミングにも適した高性能モデル
今回はこの『Lenovo Legion Y700』について、実際に使用した感想を元にレビューしていきたいと思う。
8.8インチ型のコンパクトな高性能タブレット
今回紹介する『Lenovo Legion Y700』は、2022年3月に発売されたLenovoの最新Androidタブレットだ。
8GB RAM+128GB、12GB RAM+256GBの2モデルが販売されており、430USD前後(約53,000円前後)で購入することができる。
なお、今回のレビュー時には12GB RAM + 256GB ストレージモデルを使用している。
ブランド | Lenovo(レノボ) |
モデル名 | Legion Y700 |
OS | Android 11 |
CPU | Snapdragon 870 オクタコアプロセッサー |
RAM | 8GB/12GB |
ストレージ | 128GB/256GB |
ディスプレイサイズ | 8.8インチ |
解像度 | 2560×1600(WQXGA) |
リフレッシュレート | 最高120hz |
SIMカード | 非対応 |
マイクロSDカード | 対応 |
対応通信規格 | Wi-Fi, Bluetooth |
搭載カメラ | フロント:8メガピクセル リア:13メガピクセル |
バッテリー容量 | 6,550mAh |
本体サイズ | 207×128×7.9mm |
本体重量 | 約375g |
CPUには "Qualcomm® Snapdragon™ 870 オクタコアプロセッサー" を採用しており、8GB/12GB RAM(メモリ)を搭載。パワフルなパフォーマンスで大抵の作業を快適にこなすことが可能だ。
8.8インチディスプレイは 2560×1600(WQXGA)解像度、および最高120Hzの高リフレッシュレートに対応しており、美しく滑らかな映像を楽しむことが出来る。
ストレージは128GB/256GBの2モデルが用意。カードスロットが搭載されており、マイクロSDカードの挿入でストレージ拡張も可能。
通信規格はWi-FiとBluetoothに対応。しかしSIMカードに非対応のため、LTE通信やGPS通信が行えない点に注意が必要だ。
前面・背面にはそれぞれ8メガピクセル・13メガピクセルの高画質カメラが内蔵されており、デジカメに負けず劣らずの高品質写真を撮影することができる。顔認証システムも搭載。
▼筐体上下には2基のJBLスピーカーを搭載しており、高音質かつ立体的なサウンドを楽しむことが可能だ。また、イヤホンジャックも搭載。
▼バッテリー容量は6,550mAhで、45Wの高速充電に対応。
仕事からウェブサイト閲覧、動画視聴、ゲーミングまで幅広い用途に活用できるAndroidタブレットとなっている。
製品本体および付属品
▼外箱の様子
▼内容物をすべて取り出した様子
内容物一覧は以下の通り。
【内容物一覧】
- タブレット本体
- 説明書
- USB Type-Cケーブル
- 電源アダプタ
- カードスロット開閉用ピン
▼付属の電源アダプタはType-A, Type-Cの両方に対応している。
▼タブレットの外観。8.8インチディスプレイを搭載した筐体はコンパクトなサイズに収まっている。
▼前面には8メガピクセルのフロントカメラを搭載。
▼背面の様子。
▼背面は鈍い光沢を見せており、そこそこの高級感もあります。
▼背面には13メガピクセルのリアカメラを搭載。
▼207×128×7.9mmのコンパクトな筐体。本体重量は約375グラムと軽く、長時間持ち続けても疲れづらい。
▼背面は指紋が目立ちやすい点が欠点だ。
▼厚みは7.9mmと薄く、カバンなどに入れて持ち運んでも支障にならないだろう。
続いてインターフェースについて紹介していく。
▼右側面には電源ボタン、音量調節ボタン、ゲームスイッチを搭載。ゲームスイッチをONにすると、ゲームアプリ利用時のCPU使用率やFPSなどを表示できる。
▼本体上部の様子。3.5mmオーディオジャック、JBLスピーカーを1基搭載。
▼下部の様子。Type-Cポート、JBLスピーカーを1基搭載。
▼そして左側面にはカードスロットが用意。
▼付属のピンを用いてスロットを開き、マイクロSDカードを挿入することができる。SIMカードの挿入には対応していない。
このように、薄型の筐体に必要なポート類がすべて詰め込まれたインターフェースとなっている。
最近のハイエンドタブには珍しく、3.5mmオーディオジャックが用意されている点が個人的には嬉しかった。
AnTuTuベンチマークテスト
本機について、スマホ・タブレット端末の性能を測ることのできる『AnTuTuベンチマークテスト』を実施してみた。
▼Android端末におけるAnTuTuベンチマークテストの実施方法はコチラを参照
-
Android端末でAnTuTuベンチマークテストを行う超簡単な方法(2023年時点)
スマートフォン・タブレットなどのモバイル端末のスペック(スコア)を計測することのできるツールとして、『AnTuTu Benchmark』(アンツツ ベンチマーク)というものがあります。 AnTuTuと ...
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結果として、約72.2万点のスコアを記録することが出来た。
ハイエンドモデルと言って差支えのないスコアを記録しており、ウェブサイト閲覧や動画視聴はもちろん、『原神』などの激重ゲームアプリでも問題なく快適に遊ぶことのできる性能の高さだ。
iPadなどのiOS端末で同等のスコアを出すには、10万円前後のモデルを購入する必要があるため、いかに本製品のコスパが優れているかがわかる。
仕事や動画視聴、ゲーミング用のタブレットを探している幅広い方にオススメできるモデルである。
それでは以下からは、実際に使用した感想について紹介していく。
WQXGA・120Hzの美しく滑らかな映像
本機のディスプレイは 2560×1600(WQXGA)解像度、120Hzの高リフレッシュレートに対応しており、美しく滑らかな映像を楽しむことが可能だ。
▼リフレッシュレートは設定アプリより切り替えることが出来る。
▼ウェブサイト閲覧時も、細かい文字まで明瞭に表示されるため見やすい。ページスクロールもなめらかで心地よい。
8.8インチディスプレイも小さすぎない大きさであり、十分に迫力のある映像を楽しむことが可能だ。
▼ディスプレイの発色が良く、ゲームや映画、アニメなどでもカラフルな映像を楽しめる。
▼120Hzの高リフレッシュレートで描画される映像は実に滑らかで、ストレスなく操作できる。
ゲーミングや映像視聴をメイン目的にタブレットの購入を検討している方でも、満足度の高い体験が可能だろう。
実用的な画面分割機能
本製品は画面分割(Display Split)機能に対応しており、好みの比率で画面を分割することが可能だ。
▼2つのアプリ画面を好みの比率で同時に表示することが可能。
2つの作業を並行して行いたい場合には、実に便利な機能だ。
大抵の作業を快適にこなすことが可能
本機のパフォーマンスを確認するため、ウェブサイト閲覧時・動画視聴時の動作について検証した。
ウェブブラウジングは実に快適であり、画像が多めのサイトや、処理の重いサイトであっても スムーズに閲覧することが出来た。
▼ほとんどのウェブサイトが一瞬で表示される。
画像やスクリプト多めのサイトでも、読み込み時に遅延を感じたり、スクロール時にカクつきを感じることも無かった。
▼Win OSと同様の操作が可能なPCモードも搭載している。
また、YouTubeやネットフリックスなどの動画サイトを閲覧した場合においても、スピーディかつスムーズに動画を再生することが可能であった。
▼4Kなど高画質の美しい映像を、スムーズに視聴することが出来る。
▼実写映画からアニメまで、満足度の高い体験が可能だ。
以上の通り、ウェブサイト閲覧や動画視聴においては、何の問題もなく快適に行うことが出来た。
品質の高いJBLスピーカー
本機には上下に計2基のJBLスピーカーが搭載されており、立体感のあるサウンドを楽しむことが出来る。
実際にいくつか音楽を再生してみたが、音質が非常に良く、中~高音域に関しては実にクリアなサウンドを楽しむことが出来た。
低音の響きはやや弱いものの、音圧は十分であり、迫力のある音を楽しむことが可能だ。
この価格帯のタブレットで、ここまでの音質を実現できている点には素晴らしいと言える。
▼ちなみに本製品はDolby Visionにも対応している。
実用性の高いフロント・リアカメラ
また、本機に搭載されていカメラについても確認した。
▼実際にフロント(前面)カメラで撮影した画像。
全体的に画質が良く明るい。人物の表情から背景の様子に至るまで、クリアに映し出すことが出来ていた。
激しく動いても残像などはほとんど発生せず、ウェブ会議やオンライン授業に利用しても全く問題ない品質だろう。
▼実際にリア(背面)カメラで撮影した画像。
背面カメラについても、フロントカメラ以上に鮮明で美しい写真を撮影することが可能であった。発色も良く、肉眼で見た場合に近い色合いを実現している。遠景から近景まで、クリアで発色の良い写真を撮影することができた。
タブレット搭載カメラとしては上々の品質を実現できていると言えるだろう。
ゲーミング性能の確認
最後に、本機を用いて各種ゲームアプリを遊んだ際のパフォーマンスについても確認していく。
▼認識したゲームアプリの動作を最適化するパフォーマンスモードをONにしてプレイした。
『PUBG』プレイ時
まずは『PUBG』の場合について。
まずグラフィッククオリティに関しては、現時点の最高設定である『FHD』までを選択することが出来た。
▼フレーム設定も "ウルトラ" まで選択可能。
実際に試合に参加してみたが、大人数のプレイヤーが密集する場所においても、処理落ちやカクつきなどはほとんど生じず、終始快適なゲームプレイが可能であった。
▼近くのテクスチャから遠くの風景まで、美しく描画される。
▼8.8インチディスプレイでも十分に迫力のあるゲーミングが可能。
激しく動き回っても、ラグやフレームレート低下などを感じることはほとんどなかった。
また、120Hzの高リフレッシュレートのおかげで、全体的に動きがとても滑らかに描画される。上下のJBLスピーカーにより、立体的なサウンドで敵の迫る方向を察知できるため、本気でゲームを楽しみたい方にも満足感の高い体験を提供できるだろう。
『統合版マインクラフト(旧PE)』プレイ時
続いて『統合版マインクラフト(旧PE)』の場合について。
ワールドを作成して実際にプレイしてみたが、スムーズで快適に操作することが出来た。
▼チャンク読み込み時にも全く重さを感じない。
▼処理の重くなりがちな森林バイオームでも、カクつきやフレームレート低下はほとんど感じられなかった。
クリエイティブやサバイバル、またはマルチサーバーに参加した際などにも、パフォーマンスは非常に安定しており終始スムーズなゲーミングが可能であった。
なお、画質改善MODである『影MOD』を導入した場合でも、快適に動作させることが出来た。
※影MODの導入方法はコチラのサイトを参照。
影MODを始めとする多くのアドオンを導入した状態でマルチサーバーに入っても、スムーズな動作を期待できるだろう。
『原神』プレイ時
最後に "激重" ゲームとしても有名な『原神』の場合について。
非常に重いゲームアプリとして有名な『原神』であるが、本機ではスムーズにプレイすることが可能であった。
▼画質設定はデフォルト状態で "中" に設定されており、デバイス負荷は "スムーズ" の状態。
▼画質設定を "高" に設定した場合、デバイス負荷は "非常に高い" となるが、ゲーム自体はいたってスムーズに遊ぶことが可能であった。
▼美しく滑らかな描画で原神を楽しめる。
▼激しく動いた場合でもカクつきや遅延を感じることはほとんどなかった。
『原神』クラスの激重ゲームでもこれだけ快適に遊べるのであれば、大抵のゲームアプリはスムーズに動作するだろう。
以上の通り、ゲーミング用途にも活用できるほどのパフォーマンスを発揮するタブレットとなっている。
ゲーミングに関する便利機能を多数搭載
本製品にはゲーミングに関する便利機能が多数搭載されている。
上述した通り、電源ボタン横に搭載されているゲームスイッチをONの状態に入れることで、ゲームアプリプレイ中、画面上にCPU使用率や温度、FPSなどの情報を表示することができる。
また、ゲームプレイ中に画面上部を下へスワイプすると、ゲーミングに関する各種ショートカット機能を表示することが可能だ。
▼現時点から時間を遡って録画データを保存できる "シャドウ録画" も用意。決定的瞬間を録画し忘れた場合にも安心だ。
▼ショートカットボタンは、設定アプリより構成を細かくカスタマイズできる。
このように、本格的なゲーミングを楽しみたい方にとって、重宝する機能が充実したモデルとなっている。
『Lenovo Legion Y700』のまとめ
今回紹介した『Lenovo Legion Y700』について、特徴をまとめると以下の通りだ。
良かった点
- コンパクトかつ軽量な筐体
- 大抵の作業を快適にこなせる高スペック構成
- 2560×1600(WQXGA)解像度・120Hz高リフレッシュレートのディスプレイ
- 『原神』など激重ゲームアプリも快適にプレイ可能
- ゲーミングに便利な機能が充実
- 音質の良いJBLスピーカー
- 実用的なカメラ性能
- 性能に対して比較的リーズナブルな価格
悪かった点
- SIMカード挿入に非対応
- グローバル版が未発売(記事執筆時点)
以上の通り、5万円前後の価格にも関わらず、iPadなど10万円クラスのハイエンドモデルにも引けを取らないパフォーマンスを発揮する、高コスパ・高性能なAndroidタブレットとなっている。
基本性能が優れている点は言うまでもなく、筐体自体も洗練されたデザインとなっており、8.8インチ型の筐体サイズは長時間の利用や持ち運びにも優れている。
ウェブサイト閲覧や動画視聴はもちろん、ゲーミングにおいても優れたパフォーマンスを発揮するため、ゲーム目的でタブレットを探している方にもオススメだ。
一方で、マイクロSDカードの挿入は可能なものの、SIMカードに対応しておらず、GPS等が利用できない点はやや残念だ。主に自宅やWi-Fi環境のある施設で作業やゲームを楽しむ用途に向いていると言えるだろう。
何はともあれ、同価格帯でゲーミングにも適した高性能なブレットを探している方には、是非オススメしたいモデルだ。
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