最近では、手のひらサイズの超小型デスクトップPCが数多く出回っています。
しかし多くの超小型PCは、サイズの軽量化を図るあまり、スペックを犠牲にしている製品が多いことも事実です。
そこで今回は、ミニデスクトップPCの中でも、サイズとスペック(性能)のバランスが非常に優れているモデルの1つである、
『MINISFORUM X35G』について紹介したいと思います。
ブランド | MINISFORUM |
モデル名 | X35G |
OS | Windows 10 Pro |
CPU | Intel Core i3-1005G1 |
GPU | インテルUHDグラフィックス(300MHz- 900MHz) |
メモリ | 16GB DDR SDRAM |
ストレージ | 256GB / 512GB HDD |
通信規格 | WiFi 6(802.11ax)、Bluetooth 5.1、2×2 MIMO(MU -MIMO)、RJ45*2 |
ビデオ出力 | HDMI (4K/60Hz)Display Port(5K/60Hz) USB-C(Thunderbolt 3 5K / 60Hz) |
音声出力 | HDMI 2.0 , DisplayPort , 3.5mm Audio Jack |
本体サイズ | 13.6 x 12.1 x 3.9 cm |
本体重量 | 50 g |
『MINISFORUM X35G』は、Indiegogoにおけるクラウドファンディングによって開発が開始されたミニデスクトップPCです。
わずか約13cm角・50グラム という圧倒的なコンパクトさに対して、4K映像出力にも対応したパフォーマンスを発揮します。
▼デスクトップPCとは思えないほどのサイズ。
通信規格に関しては WiFi 6(802.11ax)、Bluetooth 5.1に対応。各機器へのワイヤレス接続が可能です。
CPUにはIntel Core i3-1005G1を搭載。グラフィックこそオンボードであるものの、16GBの十分なRAMを積んでいるため、ブラウジングはもちろんのこと、軽めのPCゲームであれば十分にプレイすることができます。
▼通常のデスクトップPCに負けず劣らずのパフォーマンスを発揮する、強力なCPUを搭載。
また Thunderbolt 3、HDMI、USB 3.0、DisplayPort , オーディオジャック といった入出力ポートが用意されており、多種多様なデバイスとの接続が可能です。
ただしスピーカー自体は内蔵されていないので、サウンドを楽しむためにはイヤホンや、外付けのステレオ機器が必要です。
▼Thunderbolt 3ポートが用意されているミニデスクトップPCは珍しい。
本体ストレージは256GB / 512GBから選ぶことが可能。もしもストレージが足りなくなった場合は、側面のTFカードスロットにマイクロSDカードを挿し込むことで増量可能です。
数あるミニデスクトップPCの中でも、実用性の面で非常に優れた製品となっています。
今回はこの『MINISFORUM X35G』について、実際に使用した感想を元にレビューしていきます。
コンパクトかつシンプルな外観
▼本製品の付属品一覧
製品の付属品一覧
- Mini PC本体
- 取り付けブラケット
- HDMIケーブル(60cm)
- 電源アダプター
- 日本語取扱説明書
製品本体を実際に手に取ってみると、あまりの小ささ・軽さに驚かされました。
▼手のひらサイズの筐体。重量はたったの50グラムしかないため、バッグに入れて持ち運んでも全く支障にならないでしょう。
▼下手な財布や名刺入れなどよりも小さいです。
手触りは金属特有のヒンヤリ感があり、鈍い光沢とも合わさって、ちょっとした高級感があります。
ちなみに、付属の取り付けブラケットを利用することで、モニター裏面などに取り付けることが出来ます。
▼ビスも付属しているため、ドライバーがあればすぐに取り付けることが可能。
▼上部はメーカーロゴが印字されただけのシンプルな見た目。
▼正面には電源ボタンのほか、USB3.0ポート、Thunderbolt 3、マイク穴(左)、リセットボタン(右)が用意。
集音のためのマイクが搭載されているため、リモートワーク時のウェブ会議などの際には重宝するでしょう。
▼左側面の様子。冷却のための吸気口が開いており、TFカードスロット、ステレオジャックが用意。
▼右側面の様子。排熱口が開いている。
▼背面の様子。USB、LAN、HDMI、DPといった充実したポートが用意されている。
ミニデスクトップPCは一般的に、筐体サイズの小ささ故、搭載ポート(特にUSBポート)の数が犠牲にされがちです。
しかし本製品では上記の通り多くのポートが詰め込まれており、可能な限り機能性を重視した設計となっています。
▼ケーブル接続時の様子。
▼キーボードとマウスを有線接続すると貴重なUSBポートを2つ潰してしまうため、少しでもポート数を稼ぎたい方はBluetooth対応機器を使用することをオススメします。
▼マウスと比べると、いかに小さいかが分かると思います。
4K出力でも安定したパフォーマンスを実現
『MINISFORUM X35G』のOSには Windows10 Pro が採用されており、通常のPCと同様に使用することが出来ます。
▼実機の仕様一覧。
本体ストレージは、初期状態で237GBが使用可能でした(256GB搭載モデルの場合)。
▼4K(3840×2160)の映像出力に対応しており、非常に美麗なグラフィックでメディアを楽しむことが出来ます。
ミニPCとは思えないほど動作は安定しており、ウェブブラウジングはもちろんのこと、動画サイトにおける4K映像の視聴も難なくこなすことが出来ていました。
▼4K映像出力時でも動作は非常に軽く、カクついたり遅延が起きたりすることはほとんどありませんでした。
エクセルやパワーポイントなど重いソフトウェアを複数起動した場合でも、作業に支障をきたすことなくスムーズに動作可能。
この『MINISFORUM X35G』自体をメインPCとして使用することも十分に可能なレベルです。
ゲーミング性能について確認
一般的な動作については問題のないことが確認できました。
続いて、PCゲームをプレイした際のパフォーマンスについて調べてみました。
テスト①:FF14 ベンチマークテストの結果
まず最初に、大人気MMORPGである『ファイナルファンタジーXVI(FF14)』のベンチマークスコアを測ってみました。
計測条件
- 標準品質(ノートPC)
- 1920×1080 FHD
- ウィンドウモード
ノートPC向けの標準設定でテストした場合、"やや快適" という結果になりました。
ベンチマークスコアは3,000に満たない程度。快適とはいかないまでも、ある程度プレイすることは可能なレベルです。
リムサロミンサなどプレイヤーが大量に集まる場所では激しい処理落ちが発生すると思います。
しかし、過疎サーバーなどでレベル上げ等の作業をこなすことは可能でしょう。
テスト②:PC(java)版マインクラフトの結果
続いて、PC(java)版マインクラフトをインストールして、実際にプレイしてみました。
※なお、前提として軽量化MODのOptifineを導入してあります。
計測条件
- バージョン:1.16.5
- 描画距離:普通
- 描画クオリティ:最高
- 前提MOD:Optifine
シングルワールドでフレームレートを計測してみた結果、平均60fps以上 は出すことが出来ていました。
大規模な建造物が含まれるチャンクを読み込んだ際などには多少のカクつきを感じましたが、それ以外の通常プレイに関しては、ほとんど支障をきたすことはありません。
さすがに影MODはキツいですが、オブジェクト追加系MODを複数導入した場合でも十分にプレイすることは可能だと思います。
オンボードグラフィック、しかもミニデスクトップPCということを考えても、なかなか満足できる結果ではないでしょうか。
恐らく、ロー ~ ミドルロークラスのスペックを要求するPCゲーム程度であれば、ある程度快適に遊ぶことが出来ると考えられます。
平常時のファンの音は穏やかだが...
本体内部にはファンが内蔵されており、高負荷時には高速回転して熱を外部へ逃がします。
平常時においては、ファンの音は全くと言って良いほど気になりません。
長時間PCを使用し続けても、本体が熱をもつことはほとんどありませんでした。かなり優秀な排熱機構であると言えます。
ただし、PCソフトのインストール時など高負荷のかかる場合においては、ファンが高速回転するため結構な音が生じます。筐体内部が狭いぶん、回転音が高音になるため、下手なデスクトップPCよりも大きな音になります。
それでも高負荷のかかった際の一時的な回転数の増大時のみなので、ブラウジングや動画視聴など、普通の使い方で楽しんでいる分にはファン音が気になることは無いでしょう。
超小型デスクトップPC『MINISFORUM X35G』のまとめ
今回紹介した超小型デスクトップPC『MINISFORUM X35G』について、特長をまとめると以下の通りです。
良かった点
- コンパクトで軽量な本体
- 多数のポートを搭載
- 通常のデスクトップPCにも劣らないパワフルなスペック
- 軽めのPCゲームであればプレイ可能
- ほとんど気にならない排熱音(平常時)
悪かった点
- 高負荷時には一時的にファンの回転音がかなり大きくなる
以上のように、数あるミニデスクトップPCの中でも、サイズ感・スペックの両立をはかることができている、非常にオススメ度の高いモデルとなっています。
特に搭載ポート数がとても充実しているため、ミニPCにありがちなポート不足の悩みを解消することが出来ます。
ゲーミングに関しても、軽めのPCゲームであれば十分快適にプレイ可能です。FF14などの大規模MMOの場合でも、設定をかなり絞ればプレイできます。
ブラウジングや4K動画視聴時でもヌルヌル快適に動作するため、メインPCとしての使用にも耐えうるミニPCとなっています!
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