ゲーム周辺機器の開発・製造・販売を行う「MOJHON(旧:BIGBIG WON)」(中国・深圳)は、ディスプレイ付き高機能ゲーミングコントローラー(ゲームパッド)『MOJHON AETHER』を販売している。
前面中央にLCDディスプレイを備えており、背面ボタンへの割り当て、ジョイスティックの感度曲線やデッドゾーン(0デッドゾーンおよびマイナスデッドゾーンを含む)の調整を行ったり、振動レベルやジョイスティック、トリガーの補正機能を直感的に行うことが可能。
ホールスティックとホールトリガー搭載により、非常に快適な操作性を実現するなど、4,000円前後のリーズナブルな価格に対して、優れたスペック構成のモデルとなっている。
今回、メーカーより本製品を提供していただいたので、実際に使用した感想を基にレビューしていきたいと思う。
ブランド | MOJHON (旧:BIGBIG WON) |
モデル名 | MOJHON AETHER |
公式サイト | https://www.bigbigwon.com/product/controller/aether/ |
接続方式 | 有線接続(USB Type-C)、ワイヤレス接続(2.4G無線、Bluetooth) |
対応デバイス(OS) | Windows、ニンテンドースイッチ、iOS、Android 等 |
ジョイスティック | ホールエフェクトジョイスティック |
マクロプログラミング | 非対応 |
トリガー | ホール効果アナログトリガー |
振動機能 | 搭載 (4段階調整可能) |
ポーリングレート | 有線接続時:1,000Hz 無線接続時:1,000Hz |
モーター | H-bridge IC |
トリガーモード | リニアトリガーモード、クイックトリガーモード |
バッテリー | 600mAh |
連続使用時間 | 最大14時間 |
本体重量 | 約213g (実測値) |
今回紹介する『MOJHON AETHER』は、4,000円前後のリーズナブルな価格に対して、充実した機能を備え、優れたパフォーマンスを発揮するゲーミングコントローラーだ。
Bluetooth、2.4G無線、USB有線の計3種類の接続方法をサポート。Windows、ニンテンドースイッチ、iOS、Androidなど、幅広いデバイスとの接続が可能だ。
▼日本国内の技適取得済み。
コントローラーの前面中央にはLCDディスプレイが用意されており、背面ボタンへの割り当て、ジョイスティックの感度曲線やデッドゾーン(0デッドゾーンおよびマイナスデッドゾーンを含む)の調整を行ったり、振動レベルやジョイスティック、トリガーの補正機能などをコントローラー上で完結できる。
▼複雑な操作や、ソフトウェアを用いた調整は不要。
▼デッドゾーン補正も可能。0~マイナス補正にも対応しており、滑らかな操作性を楽しめる。
ワイヤレス接続、有線接続のいずれの場合でも1,000Hzポーリングレートを実現。どのような接続方法でも瞬時の反応と、精密な操作が可能となっている。
▼12bitサンプリングチップを採用し、特にFPSゲームなど高速応答を求められるタイトルにおいて、圧倒的なパフォーマンスを発揮。
▼セラミックアンテナを採用することで、優れた通信性能を実現。遅延を抑え、安定した高ポーリングレートで快適なゲーミングを実現する。
そして左右のスティックには、磁気ホール式センサーを採用。非接触型のセンサーにより摩耗損失がなく、高精度な入力を長期間保つことができる。
また、ホール効果アナログトリガーを採用しており、用途に応じて「リニアトリガーモード」と「クイックトリガーモード」を簡単に切り替え可能。
▼ゲームのジャンルに応じて、自身に最適な操作環境をその都度実現できる。
背面には2つの大きな背面ボタンが用意されており、好みのボタン機能を割り当てることが可能(マクロ機能には非対応)。
600mAh大容量バッテリーを内蔵しており、最大14時間の連続使用が可能。バッテリー切れを心配する必要がなく、長時間ゲームに没頭できるようになっている。
その他、4段階調整可能な振動機能、連射機能を搭載するなど、この価格帯のゲーミングコントローラーとしては実にコストパフォーマンスに優れたモデルと言える。
目次
製品本体および付属品
▼外箱の様子
▼内容物をすべて取り出した様子
内容物一覧は以下の通り。
【内容物一覧】
- MOJHON AETHER本体
- 2.4G USBドングル
- サポートカード
▼2.4G無線接続のためのUSBドングルが付属。
コントローラー本体
▼コントローラー本体の外観。
ホワイトとグレーを基調としたデザインであり、グリップ部分にはアクセントとして、雲紋のような模様がプリントされている。
▼筐体外観(360度)
▼本体重量は、実測で約213g。
一般的なゲーミングコントローラーと比べると比較的軽量であり、長時間持ち続けても手首が疲れづらい。
続いて、コントローラーのインターフェースについて見ていく。
▼コントローラー左側にはアナログスティック(左)、十字キーが搭載。
▼コントローラー右側にはアナログスティック(右)、ABXYボタンが搭載。
▼中央にはLCDディスプレイに加えて、HOMEボタン、スクリーンショットボタン、メニューボタン、FNボタンが用意。
▼コントローラー背面の様子。
▼背面にはM1/M2ボタンが用意。好みのボタン機能を割り当てることができる。
▼コントローラー上側の様子。LT/LBボタン、RT/RBボタン、Type-Cポートが用意。
このように、LCDディスプレイを除けば、ゲーミングコントローラーとして一般的なインターフェースを備えたデザインとなっている。ボタン数が過度に多すぎないため、操作時に混乱することは無いだろう。
『BIGBIG WON Gale』との比較
当サイトで以前レビューした、同ブランドの『BIGBIG WON Gale』と本製品を並べてみた。
▼『MOJHON AETHER』(右) と 『BIGBIG WON Gale』(左) を並べた様子。
▼『MOJHON AETHER』(下) と 『BIGBIG WON Gale』(上) を並べた様子。
筐体サイズ自体に大差はない。『BIGBIG WON Gale』の約233gと比べて、『MOJHON AETHER』は約213gであり、約20gほど軽量化を果たしている。
ディスプレイの点灯方法
コントローラーの中央のHOMEボタンを長押しすることで、電源がオンになり、ディスプレイが点灯する。
▼ディスプレイ上では現在の接続モードや、バッテリー残量を確認できる。
そしてFNボタンを押すと、メニュー画面が表示される。
▼ディスプレイのサイズは約1cm×約2cmと小さいが、文字の読み取りづらさは感じられなかった。
あとはコントローラーのボタン&スティック操作で、メニュー画面の操作が可能だ。
3種類の接続方法に対応
本製品は有線接続(USB Type-C)、ワイヤレス接続(2.4G無線、Bluetooth)に対応しており、いずれの場合もスムーズに接続を完了できる。
有線接続の場合
有線接続を行う場合は、Type-CケーブルでPCやゲーム機などと接続するだけで、利用準備が完了する。
Bluetooth接続の場合
コントローラーのメニュー画面より「接続」を選択すると、ペアリングモードが起動する。
この状態で、デバイス側で「Xbox Wireless Controller」を選択するだけで接続が完了する。
▼なお、メニュー画面の「モード」から、接続先を XINPUT(PC) と SWITCH(ニンテンドースイッチ) のいずれかに切り替えることができる。
2.4G無線接続の場合
2.4G無線接続を行う場合は、付属の無線ドングルをデバイス側へ接続する。
あとはコントローラーの電源を付けると、自動的に接続が完了する。
自動的に接続されない場合は、ドングル上部のペアリングボタンを長押しした後、Bluetooth接続の場合と同様、コントローラー上部のペアリングボタンを長押しすることで、2.4G無線接続が完了する。
非常に優れた操作感
実際に『MOJHON AETHER』を用いてゲームをプレイしてみた。
▼モンハンワイルズをプレイする様子
ホールスティックとホールトリガーの採用により、従来のコントローラーに比べて、入力の滑らかさと正確さが優れていると実感できた。
何より、ワイヤレス・有線接続のいずれの場合も1,000Hzのポーリングレートに対応しているおかげで、入力遅延は全く感じられず、操作がほぼリアルタイムでゲーム中に反映されていた。
アクションゲームからFPSにいたるまで、非常に反応性の良い操作感でゲームを楽しむことが可能であった。12bitサンプリングチップを採用している点も、操作精度の向上に貢献している。
ラフな質感の裏面により、滑りづらく、しっかり握り込むことが可能だ。
▼滑りにくいテクスチャ加工で長時間でも安定した操作感を実現。
ABXYボタンと十字キー(D-Pad)の押し心地も良好。特に十字キーに関してはショートストロークで即座に反応するため、高感度でフィードバックに優れている。カチカチという押下音も耳に心地よい。
▼わずかな押し込みで即時入力が可能な高応答性D-Pad。
RB/RT・LB/LTボタンの操作性も素晴らしい。RB/LBボタンは指の形状に合わせて横長に、RT/LTボタンは押す面積が広く、ミスタッチを起こしづらいよう設計されている。
▼ホール効果アナログトリガーを採用しており、後述する設定機能より、「リニアトリガーモード」と「クイックトリガーモード」を簡単に切り替え可能。
▼各ボタン・スティックの操作感確認
全体的に、優れた操作感を実現したゲーミングコントローラーとなっている。
本格的なゲーミングにも問題なく活用できるだろう。
スクリーンショットボタン操作時に、親指がスティックに干渉しやすい
ただ、スクリーンショットボタンを押す際に、親指が左スティックに干渉しやすい点がやや気になった。
以前レビューした『BIGBIG WON Gale』の場合、スクリーンショットボタンがスティックの真横あたりに位置していたので、咄嗟の操作時にも親指でボタンを押しやすかった。
▼BIGBIG WON Galeの場合
一方で本製品の場合、スクリーンショットボタンが左スティックよりも斜め上に位置しており、押す際に親指がスティックに干渉しやすい。
▼MOJHON AETHERの場合
おそらくLCDディスプレイを中央に配置したことにより、スクリーンショットボタンとメニューボタンの位置を上方にずらす必要があったのだと思われる。
そこまで重要な問題ではないが、スクリーンショットボタンを多用するユーザーにとっては、やや使いづらく感じるかもしれない。
LCDディスプレイによる直感的なカスタマイズが可能
本製品に搭載されたLCDディスプレイ上では、コントローラーの直感的なカスタマイズを行うことができる。
FNボタンを押すことでメニュー画面を表示。各機能へアクセスできる。
▼メニュー画面を操作する様子
デッドゾーン調整
「デッドゾーン」では、左右スティックのデッドゾーンを調整できる。
▼0~マイナス補正にも対応しており、滑らかな操作性を楽しめる。シビアな操作を求めるFPSプレイヤーにとっては、かなりのメリットだろう。
ボタンマッピング
「マッピング」では、コントローラー背面に用意されたM1・M2ボタンに、好みのボタン機能を割り当てることができる。
▼ここも誤操作の少ない配置で、押し心地も良好。
ただし、2つ以上のボタンを組み合わせたマクロ機能(マクロマッピング)には非対応なので注意したい。
連射機能
「連射」では、好みのボタンに連射機能を付与できる。
連射機能を付与したいボタンを選択するだけでオン/オフを切り替えられるため、実にスムーズかつ便利な機能だ。
トリガーモード切替
「トリガー」では、ホール効果アナログトリガーのモードを、「リニアトリガーモード」と「クイックトリガーモード」から切り替えることができる。
参考
- リニアトリガーモード:押し込み量に応じて入力が変化するアナログ式トリガー
- クイックトリガーモード:少し押しただけで即入力されるデジタル式トリガー
振動設定
「振動」では、振動機能の強弱をオフ・弱・中・強の4段階で切り替えることができる。
このように、いちいち専用アプリやソフトウェアを立ち上げる必要がなく、各調整をコントローラー単体で行うことができる点は非常に便利だ。
長持ちするバッテリー
本製品は600mAhの大容量バッテリーを内蔵しており、最長14時間の連続使用が可能となっている。
実際に本製品を継続して使用しているが、1日2時間ほどの利用頻度であれば、6日目の現時点でも充電なしでコントローラーを使用できている。いちいち充電する必要がない点は実に便利だ。
▼有線接続であれば、Type-C経由で充電を行った状態でプレイできるため、バッテリー切れをいちいち気にする必要が無い。
『MOJHON AETHER』のまとめ
今回紹介した『MOJHON AETHER』について、特長をまとめると以下の通りだ。
良かった点
- 有線接続(USB Type-C)、ワイヤレス接続(2.4G無線、Bluetooth)に対応
- 幅広いデバイスとの接続が可能
- 軽量で持ちやすいグリップデザイン
- ワイヤレス・有線接続のいずれも1,000Hzポーリングレートに対応
- ショートストロークで応答性に優れた十字キー(D-Pad)
- LCDディスプレイによる直感的なカスタマイズが可能
- 「リニアトリガーモード」と「クイックトリガーモード」を簡単に切り替え可能
- リーズナブルな価格
悪かった点
- スクリーンショットボタン操作時に、親指がスティックに干渉しやすい
- マクロ設定に非対応
以上の通り、4,000円前後のリーズナブルな価格に対して、優れた操作性とカスタマイズ性を兼ね備えた高コスパゲーミングコントローラーとなっている。
ワイヤレス・有線接続のいずれも1,000Hzポーリングレートに対応しており、入力遅延は全く感じられず、操作がほぼリアルタイムでゲーム中に反映される。アクションゲームからFPSにいたるまで、非常に反応性の良い操作感でゲームを楽しむことが可能であった。
ABXYボタンと十字キー(D-Pad)の押し心地も良好。特に十字キーに関してはショートストロークで即座に反応するため、高感度でフィードバックに優れている。
バッテリー持続力も優れており、最長14時間もの連続使用が可能。いちいち充電する手間を省ける点は嬉しい。
そして何より、LCDディスプレイを搭載することで、専用アプリやソフトウェアを立ち上げる必要がなく、各調整をコントローラー単体で行うことができる点は非常に便利だ。ホール効果アナログトリガーのモードを「リニアトリガーモード」と「クイックトリガーモード」とで簡単に切り替えることも可能となっている。
この価格帯のゲーミングコントローラー(ゲームパッド)の中では、間違いなく最高クラスのコスパを実現できていると言える。ただ個人的には、マクロマッピングにも対応していれば、文句なしに満点であっただけにやや残念だ。
できるだけ価格(コスト)を抑えつつ、使い物になる性能のゲーミングコントローラーを探しているのであれば、本製品は選択肢の一つに入れて間違いの無い一品だろう。
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