2023年、これまで数多くのミニPCを手掛けてきたNipogi社は、第12世代のAlder Lake N95プロセッサーを搭載したミニPC(小型デスクトップPC)として『NIPOGI AK1Plus』の販売を開始した。
Alder Lake-N100を搭載したミニPCよりも15%高速で、高性能かつ低消費電力化を実現しているとのこと。
今回、メーカーより本製品を提供して頂いたので、実際に使用した感想を基にレビューしていきます。
ブランド | NiPoGi |
型名 | NIPOGI AK1Plus |
OS | Windows 11 Pro (64bit) |
CPU | Intel Alder Lake-N N95プロセッサー, 3.4 GHz |
RAM | 16GB DDR4 |
ストレージ | 512GB SSD |
対応通信規格 | Dual-Band Wi-Fi 2.4G+5G Bluetooth 4.2 有線LAN |
グラフィック | Intel UHD Graphics |
インターフェース | USB 2.0 TypeA ×2 USB 3.0 TypeA ×2 HDMI 2.0 ×2 3.5mm オーディオジャック×1 有線LANポート ×1 電源ポート ×1 |
本体サイズ | 12.8 x 12.8 x 5.2 cm |
本体重量 | 約386g |
NIPOGI AK1Plusは12.8 x 12.8 x 5.2 cm、約386gというコンパクトかつ軽量な筐体サイズとなっており、付属の金具(VESAマウント)を利用してモニター裏などへ取り付けたり、カバンに入れて外出先へ持ち運ぶ用途にも対応可能だ。
CPUには第12世代のIntel Alder Lake-N N95プロセッサーを採用。DDR4 RAMを16GBを搭載するなど充実したスペック構成となっており、リモートワークやテレワーク仕事はもちろん、画像・動画編集やホームページ制作といったクリエイティブな用途にも適している。
ストレージには512GB SSDを搭載。必要に応じて容量拡張が可能なスペースも用意されている。
グラフィック処理にはIntel UHD Graphicsを用いており、最高4K解像度の出力に対応している。
通信規格はデュアルバンドWi-Fi(2.4G+5G)およびBluetooth4.2に対応。
そしてコンパクトな筐体には充実のインターフェースが備えられており、一般的なデスクトップPCと比べても遜色のない利便性を発揮する。
内部には静音・高効率の冷却ファンを内蔵。高負荷での長時間使用時でも、内部に熱がこもってパフォーマンス低下を招く事態を防ぐことができる。
このように、手のひらに載るほどコンパクトな筐体サイズに対して、通常のタワー型デスクトップPCにも劣らない実用的なミニデスクトップPCとなっている。
製品本体および付属品
▼外箱の様子
▼内容物一覧をすべて取り出した様子
内容物一覧
- ミニPC本体
- 電源アダプタ
- 説明書
- HDMIケーブル
- VESAマウント&ネジ
▼説明書は日本語にも対応している。
▼付属のVESAマウントを利用することで、モニター裏への取り付けが可能だ。
▼モニター裏への取り付けイメージ(画像は別の筐体)
▼ミニPCをモニター裏へ取り付けることで、デスク周りをコンパクトに収めることが可能だ。
▼電源アダプタはコンパクトなサイズ。
▼PC本体の外観。黒を基調としたシンプルかつスタイリッシュなデザイン。
▼片手に収まるほどのコンパクトさ。
▼背面の様子。四隅にはゴム製の滑り止めが施されている。
▼盗難防止用のロック穴も用意。
ドライバーで底面のビスを外すことで、ストレージ拡張用のポートが現れる。
そして底面には前後にロックレバーが用意されており、両方を右にスライドさせることで、ストレージ拡張ポートの取り外しが可能となっている。
底部のストレージ拡張用ポートを取り外すことで、よりコンパクトな状態でミニPCを利用できるようになっている。
▼ストレージを拡張しないのであれば、底部を取り外した状態でミニPCを利用すると良いだろう。
続いて本体インターフェースについて紹介していく。
▼向かって右側面には、電源ボタン、USB 3.0 TypeAポート×2、USB 2.0 TypeAポート×1 が用意。
▼背面には電源ポート、USB 2.0 TypeAポート×1、HDMI2.0ポート×2、LANポート×1、3.5mmオーディオジャック×1、盗難防止用ロック穴が用意。
以上の通り、限られたスペースに必要なポート類が集約されたインターフェース構成となっている。
一般的な作業は問題なくこなせる性能
本製品をいくつかの用途で実際に使用して、パフォーマンスを確認してみた。
▼サイズがコンパクトなため、デスク上に設置しても邪魔にならない。
▼実際にディスプレイ&電源を接続した様子。マウスやキーボードなどはBluetooth機器を用いることで、デスク周りをスッキリ収めることができるだろう。
▼マウスと並べると、あらためてそのコンパクトさが際立つ。
▼電源ON時には内部に仕込まれたLEDが青色に点灯する。
今回のレビュー時にはウルトラワイドモニターに接続して利用した。
▼映像出力情報
▼ストレージは初起動状態で443GB分が使用可能領域となっていた。
▼デバイスの仕様表
▼CrystalDiskMarkのベンチマークテスト結果。
まずは実際にいくつかのウェブサイトを閲覧し、動作を確認した。
画像の多いサイトから、Javascriptを多用した処理の重いサイトまで閲覧してみたが、いずれの場合においても、快適に閲覧することが可能であった。
▼ウルトラワイドモニターでスムーズなウェブブラウジングが可能。ページ読み込みからスクロールまでいたって快適だ。
▼高解像度出力で、細かな文字まで明瞭に描画される。
また、YouTubeやネットフリックスといったサイトにおいて動画を視聴してみた。
動画サイトにおいても、カクつくことなくスムーズに再生された。
▼高画質設定(4K)でもスムーズに動作を再生できる。
また、エクセルやワードなど、Officeソフトを用いた作業を行ってみた。
作業用ソフトの動作も問題なく快適に行うことができており、スムーズな表計算・文字入力等が可能であった。
▼同時に複数ウィンドウを開いた状態での作業も問題なし。
以上の通り、デスクトップPCとしての一般的な用途(ウェブサイト閲覧・動画視聴・作業用ソフト使用)は概ね快適にこなせるだけの性能だと確認できた。
リモートワークやオンライン授業用にPC購入を検討している方にも、十分に満足度の高いパフォーマンスを提供するだろう。
ゲーミング性能について確認
続いて、ゲーミング性能についても確認してみた。
今回は試しに『ファイナルファンタジー14』のベンチマークテストを実施した。
テスト条件
- 1920×1080解像度
- 標準品質(デスクトップPC)
- ウィンドウモード
- DirectX 11
上記の条件でベンチマークテストを行った結果、スコア1693点、評価は "設定変更が必要" であった。
デスクトップ用の最低設定まで落としてテストを実施したが、プレイには適さないという結果が得られた。
さすがにオンボードグラフィック処理では、FF14クラスのPCゲームを快適に遊ぶことは難しい。
軽めのブラウザゲーム程度であれば問題なく遊べるだろうが、本製品はあくまで仕事・作業用デバイスとして活用すると良いだろう。
優れた静音性
本製品の静音性は実に優れており、高負荷な作業を長時間続けた場合でも、ほとんど動作音が聞こえなかった。
▼耳を近づけると、かすかにフォーンという排気音が聞こえてくる程度。
レビュー時には重めの処理を実行するなどして、本製品を4時間ほど連続使用して、本体に負荷を与えてみたが、それでもファンの音は気になるほど大きくならなかった。
ただ、高負荷状態で連続稼働させた場合、筐体上部がやや熱をもっていた。
心配するほどの発熱ではないが、夏場などは、PC周辺の熱がこもらないように設置場所に気を付けた方が良いだろう。
『NIPOGI AK1Plus』のまとめ
今回紹介した『NIPOGI AK1Plus』について、特長をまとめると以下の通りだ。
良かった点
- コンパクトで軽量な筐体サイズ
- スタイリッシュなデザイン
- 充実したインターフェース構成
- 優れた静音性と放熱性能
- リーズナブルな価格
- 下部のストレージ拡張ポートを取り外すことで、さらに軽量化&省スペース化が可能
悪かった点
- ゲーミングには適していない
- 高負荷の連続使用時にはやや熱がこもる
以上の通り、手のひらサイズのコンパクトな筐体に対して、実用的な性能を発揮する小型デスクトップPCとなっている。
ウェブサイト閲覧や動画視聴はもちろん、作業用ソフトを用いた仕事にも問題なく活用することが可能だ。筐体前後のインターフェースも充実しており、多くのデバイスを同時接続できるため実用的な構成であると言える。
一方でゲーミングは向いていないため、ゲーミングも楽しみたい方は注意した方が良い。
それでも、2万円前後というリーズナブルな価格に対して十分な性能を実現できていると感じた。拡張性にも優れており、ストレージ増設を行うことで、より快適なPC利用が可能となるだろう。
コンパクトなサイズ、リーズナブルな価格で実用的な性能を擁するミニPCを求めている方には、ぜひオススメしたい一品だ。
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