世界中で数多くのモバイル端末をリリースしてきたOnePlus(中国)は、同ブランドの最新スマートフォンである『OnePlus Ace 3 Pro』を2024年7月より販売開始した。
Snapdragon 8 Gen 3を搭載し、メモリは最大でLPDDR5X 24GB、ストレージは最大1TBのUFS 4.0を採用したハイエンドスマホとなっている。
現時点で以下の4モデルが販売されている。
- 12GB RAM + 256GB ROM
- 16GB RAM + 256GB ROM
- 16GB RAM + 512GB ROM
- 24GB RAM + 1TB ROM
今回、提携先より本製品(12GB RAM + 256GB ROMモデル)を提供していただいたので、実際に使用した感想を基にレビューしていきたいと思う。
ブランド | OnePlus |
モデル名 | OnePlus Ace 3 Pro |
カラー | グレー、グリーン、ホワイト |
防水防塵 | IP65 |
ディスプレイサイズ | 6.78インチ AMOLED |
解像度 | 2,780×1,264 |
リフレッシュレート | 最高120Hz |
OS | ColorOS 14.0(Android 14ベース) |
CPU(SoC) | Snapdragon 8 Gen 3 オクタコアプロセッサー |
RAM | 12GB/16GB/24GB LPDDR5X |
ストレージ | 256GB/512GB/1TB UFS 4.0 |
SIMカード | デュアル nanoSIM対応 |
マイクロSDカード | 非対応 |
搭載カメラ | フロント:16MP リア:50MPメイン+8MP超広角+2MPマクロ |
スピーカー | ステレオスピーカー内蔵(OReality Audio対応) |
USBポート | USB Type-C 2.0 |
バッテリー容量 | 6,100mAh(80W急速充電対応) |
対応通信規格 | Bluetooth 5.4, デュアルバンドWi-Fi 7, 5G, GPS |
対応バンド | GSM: 850/900/1800MHz CDMA:BC0 1X WCDMA: バンド 1/4/5/8 LTE FDD: 1/3/4/5/8/18/19/26/28A/66 LTE TDD: 34/38/39/40/41 5G NR:n1/n3/n5/n8/n28A/n38/n40/n41/n77/n78 |
本体サイズ | 瑠璃(グレー):163.30mm x 75.27mm x 8.85mm 皮革(グリーン):163.30mm x 75.27mm x 8.95mm セラミックス(ホワイト):163.30mm x 75.27mm x 8.69mm |
本体重量 | 瑠璃(グレー):約212g 皮革(グリーン):約207g セラミックス(ホワイト):約225g |
OnePlus Ace 3 Proは、Snapdragon 8 Gen 3を搭載し、メモリは最大でLPDDR5X 24GB、ストレージは最大1TBのUFS 4.0を採用したハイエンドスマホだ。
カメラ性能などを抑えた代わりにゲーム性能はかなり高く、30℃の環境でも原神を1時間平均59.6FPSでプレイできる。
中国版原神ではフレーム補間を使わないネイティブ120FPSプレイにまで対応し、遅延やぼけが少ない滑らかなゲームプレイが可能。
IP65防水防塵設計となっており、独自技術により、水に濡れた状態でも画面操作をスムーズにできるようになっている。
雨の中でスマホを操作するシーンは少ないとは思うが、洗い物の最中に電話が掛かってきて手をふく暇もなく操作しないといけない…というような時などに役立ちそうだ。
1.5K解像度で8T LTPOに対応したディスプレイを搭載。最高120Hzリフレッシュレートで、DisplayMate A+評価を受けており、鮮やかな描画を楽しめる。
また、OnePlus Ace 3 Proでは新技術が採用されており、なんと6,100mAhもの大容量バッテリーを搭載。2日に1回充電するだけで済むレベルで、100Wでの急速充電にも対応している。
屋外でのGPS利用という過酷な状況でも約9時間利用でき、バッテリー残量1%のときにスーパー省電力モードをオンにすれば15時間のスタンバイが可能だ。
ステレオスピーカーも搭載しており、イヤホンを付けずとも3Dサウンドを再生できる。
製品本体および付属品
▼外箱の様子
▼内容物をすべて取り出した様子。
内容物一覧は以下の通り。
【内容物一覧】
- OnePlus Ace 3 Pro本体
- スマホケース
- SIMカードピン
- ユーザーマニュアル
- ブランドシール
- 電源アダプタ
- USB Type-Cケーブル
▼100W対応のアダプタが付属。
▼専用のスマホケースが付属。
スマホ本体
▼スマホ本体の外観。今回のレビュー時にはグリーン色(皮革仕様)を用いており、163.30mm x 75.27mm x 8.95mm、約207gの筐体サイズ。
▼前面には16MPフロントカメラが内蔵。
▼背面の様子。
▼背面には50MPメイン+8MP超広角+2MPマクロの3眼構成カメラが搭載。
▼皮革を採用したグリーン色の筐体背面は、手触りがサラサラして気持ちよく、指紋や手脂などの汚れも目立ちづらい。
▼持ち運びに適したサイズ感と重量。
▼厚みは8.95mmと薄く、ポケット等に入れて持ち運んでも支障にならないだろう。
続いて、インターフェースについて見ていく。
▼本体右側面。電源ボタンと音量調節ボタンが搭載。
▼本体左側面にはアラートスライダーが用意。
▼上部には赤外線リモコンが内蔵。
▼下部にはカードスロット、Type-Cポート、ステレオスピーカーが内蔵。
▼付属のピンを用いてスロットを開き、デュアルnanoSIMカードの挿入が可能だ。マイクロSDカードの挿入には対応していない。
以上の通り、シンプルかつスタイリッシュなデザインとなっている。
AnTuTuベンチマークテスト
本機について、スマホ・タブレット端末の性能を測ることのできる『AnTuTuベンチマークテスト』を実施してみた。
▼Android端末におけるAnTuTuベンチマークテストの実施方法はコチラを参照
-
Android端末でAnTuTuベンチマークテストを行う超簡単な方法(2023年時点)
スマートフォン・タブレットなどのモバイル端末のスペック(スコア)を計測することのできるツールとして、『AnTuTu Benchmark』(アンツツ ベンチマーク)というものがあります。 AnTuTuと ...
続きを見る
結果として、約205万点のスコアを記録することが出来た。
10万円未満の価格帯のモデルにしては、非常に優れたスコア結果となった。
ウェブサイト閲覧や動画視聴はもちろん、『原神』を含めた激重ゲームアプリでも問題なく快適に遊ぶことのできる性能の高さとなっている。
本格的なゲーミング用のスマホを探している方にも間違いなくオススメできる、ハイエンドと言っても差し支えのないモデルである。
それでは以下から、実際に使用した感想について紹介していく。
美しく滑らかなエッジディスプレイ
本機のディスプレイは2,780×1,264解像度、最高120Hzの高リフレッシュレートに対応しており、美しく非常に滑らかな映像を楽しむことが可能だ。
▼リフレッシュレートは設定アプリより切り替えることが出来る。
▼解像度も切り替えが可能。バッテリー残量に応じて切り替えると良いだろう。
▼ウェブサイト閲覧時。細かい文字まで明瞭に表示され見やすく、ページスクロールもなめらかで心地よい。
▼AMOLEDディスプレイの深みのある色合いが非常に綺麗で、ゲームはもちろん、アニメなどでもカラフルな映像を楽しめる。
そしてエッジディスプレイを採用しているため、画面端まで映像が広がり、筐体サイズを最大限まで活かしたダイナミックな映像を楽しめる。
なお、他にも設定画面では、画質に関する調整項目が豊富に用意されている。
▼目の健康を守るためのアイコンフォート機能も用意。
あらゆる作業をスムーズにこなせる性能
ウェブブラウジングは基本的に快適であり、画像が多めのサイトや、処理の重いサイトであってもスムーズに閲覧することが出来た。
▼画像や動画などの埋め込みファイル読み込み時に、重さは一切感じられなかった。
また、YouTubeやネットフリックスなどの動画サイトを閲覧した場合においても、スピーディかつ滑らかな動画再生が可能であった。
▼YouTubeなどの動画サイトにおいても、最高画質設定でスムーズに再生可能。
▼発色は良好。実写映画からアニメまで、満足度の高い映像視聴が可能であった。
ウェブサイト閲覧や動画視聴といった一般的なスマホ用途に関しては、何の問題もなく快適に行うことができる性能を備えている。
なお、WidevineはL1サポートであり、Amazon PrimeビデオやHulu、Disney+などにおいて、高画質設定の映像を楽しむことが可能だ。
優れたサウンド品質
本機のスピーカーについて、音質を確認してみた。
本製品はステレオスピーカーを内蔵している。
音の立体感こそ欠けているものの、音質自体は実に良好で、中~高音域に関してはクリアなサウンドを楽しむことができる。
低音はあまり響かないが、映像視聴時やゲーミングの際には十分に満足度の高いサウンド体験を提供してくれるだろう。
高品質フロント・リアカメラ
また、本機に搭載されているカメラについても確認した。
▼実際にフロント(前面)カメラで撮影した画像。
フロントカメラに関して、画質は良好であり、全体的に明るく、ヒトの輪郭から表情までクリアに映し出すことが出来ていた。
発色も自然で肉眼で見た場合に近い。激しく動いても気になるレベルの残像は発生しないため、見づらさを感じることもかなった。
自撮りだけでなく、ウェブ会議や授業など、オンライン通話用途に利用しても問題のない品質だ。
▼リア(背面)カメラで撮影した画像。
背面カメラについても、フロントカメラ以上に鮮明で美しい写真を撮影することが可能であった。発色も良く、肉眼で見た場合に近い色合いを実現している。
50MPメイン+8MP超広角+2MPマクロの3眼構成カメラを搭載していることもあって、遠景から近景まで、明瞭に撮影することができた。特に遠景撮影時に関しては、望遠カメラを搭載していないものの、10倍以上の遠距離撮影時でさえ輪郭がある程度シャープに映る。
旅行や記念撮影用のカメラとしても十分に活用できる品質だろう。
アラートスライダーが便利
本製品は左側面にアラートスライダーを搭載しており、着信音モード、マナーモード、振動モードを瞬時に切り替えることができる。
▼スイッチを切り替えるだけで、各種モードを瞬時に切り替え可能。
会議などの大切な場面や、映画鑑賞時などの際に、マナーモードへパッと切り替えることができるのは便利だ。
ゲーミング性能の確認
本機を用いて各種ゲームアプリを遊んだ際のパフォーマンスについても確認していく。
『統合版マインクラフト(旧PE)』プレイ時
まずは『統合版マインクラフト(旧PE)』の場合について。
ワールドを作成して実際にプレイしてみたが、スムーズで快適に操作することが出来た。
▼チャンク読み込み時にも全く重さを感じない。
▼処理の重くなりがちなバイオームでも、フレームレート低下やカクつきを感じることは無かった。
クリエイティブやサバイバル、またはマルチサーバーに参加した際などにも、パフォーマンスは非常に安定しており終始スムーズなゲーミングが可能であった。
多くのアドオンを導入したり、友人らと多人数マルチサーバーに参加した場合でも、スムーズな動作を実現することが出来るだろう。
『PUBG』プレイ時
続いて『PUBG』の場合について。
まずグラフィッククオリティに関しては、現時点で最高設定の『ウルトラHDR』までを選択することが出来た。
▼フレーム設定はウルトラを選択可能。
実際に試合に参加してみたが、大人数のプレイヤーが密集する場所においても、処理落ちやカクつきなどはほとんど生じず、終始快適なゲームプレイが可能であった。
▼近くのテクスチャから遠くの風景まで、美しく描画される。
▼激しく動き回っても、ラグやフレームレート低下などを感じることはほとんどなかった。120Hz高リフレッシュレートのおかげで、全体的に動きが滑らかに描画される。
▼滑らかな描画で鮮明なゲームプレイが可能。遠方も索敵しやすい。
『PUBG』に関しても、満足度の高いゲームプレイが可能であった。
『原神』プレイ時
続いて "激重" ゲームとしても有名な『原神』の場合について。
非常に重いゲームアプリとして有名な『原神』であるが、本機では全く問題なくスムーズにプレイすることが可能であった。
▼画質設定はデフォルト状態で "高(High)" に設定されており、デバイス負荷は "スムーズ" の状態。
▼画質設定を "最高(Highest)" まで上げるとデバイス負荷も高まるが、依然としてスムーズな動作が可能であった。
▼最高画質設定の鮮明な描画で、高FPS(30~40fps)のスムーズなパフォーマンスで原神をプレイすることができた。
▼ゲーミングPC並みの高品質グラフィックで原神を遊べる。
公式は30℃の環境でも原神を1時間平均59.6FPSでプレイできると謳っているが、その喧伝にたがわぬパフォーマンスを発揮できていた。
▼実際に原神を最高画質でプレイした様子
あらゆるゲームアプリに対してフレーム補間が行われるため、非常にスムーズなゲームプレイを楽しめた。
ゲーミング向け機能が充実
なお、ゲームアプリ起動中にディスプレイ左端をスワイプすると、ゲーミングに適した各種機能を利用できる。
このウィンドウでは、画面録画や各種通知OFF、ゲームパッド設定など、ゲーミングに役立つ多彩な機能にアクセスすることが出来る。
▼着信強制拒否やネットワークアクセラレーション、画面録画、クイックスタートアップまで、非常に豊富な便利機能が用意。
▼ゲーミング中のフレームレート(fps)等もリアルタイムで確認可能。パフォーマンス切り替えもできる。
▼ゲーム映像に関して、より詳細に調整できるGPU設定項目も用意。画質に関する本格的な調整も可能だ。
以上の通り、ゲーミングスマホとしても問題なく活用できるほどのパフォーマンスを発揮するスマホとなっている。
長持ちするバッテリー
本製品には6,100mAhの大容量バッテリーが内蔵されており、長時間の連続利用が可能だ。
実際に満充電の状態から2時間ほどゲームアプリを連続して遊んでみたところ、20%ほどしかバッテリーが減っていなかった。ただし画質などのパフォーマンスに影響を及ぼす設定によっては、バッテリー消費速度は大きく変化する。
また本製品は最高80W高速充電に対応しており、少しの充電時間で一気にバッテリーを回復できる。
発熱が気になる
一方で、ゲーミングなど高負荷使用時の筐体の発熱が気になった。
この手のハイエンドスマホにはよくある不満点なのだが、OnePlus Ace 3 Proも例に漏れず、高負荷状態で長時間利用し続けた場合、背面が心配になるレベルの熱を持つ。
発熱によるパフォーマンスへの影響は感じられなかったが、あまりに熱を持つと心配になる方は、長時間のゲーミング利用時には各種パフォーマンス設定をやや低めに抑えてくこと良いだろう。
ゲームプレイ特化のハイエンド高コスパスマホ
今回紹介した『OnePlus Ace 3 Pro』について、特長をまとめると以下の通りだ。
良かった点
- 性能に対して比較的リーズナブルな価格
- 高級感のある筐体デザイン
- AnTuTu200万点超えの優れたスペック構成とパフォーマンス
- 発色の良い120Hz対応エッジディスプレイ
- 原神レベルの激重ゲーミングアプリも、最高画質設定で快適にプレイ可能
- アラートスライダーが便利
- 高品質カメラ搭載
- ゲーミング向けの機能が充実
- 長持ちするバッテリー
悪かった点
- 長時間の高負荷利用時の発熱が気になる
以上の通り、7万円台~の比較的リーズナブルな価格にもかかわらず、200万点超えのAnTuTuスコアを記録する、パワフルかつコストパフォーマンスに優れたハイエンドスマホとなっている。
2,780×1,264解像度・最高120Hzリフレッシュレート対応エッジディスプレイにより、滑らかで美しい映像を楽しむことが出来る。また強力なパフォーマンスにより、ゲーミングを含め大抵の作業を快適にこなすことが可能だ。スピーカーの品質も良好で、映像視聴やゲーミング目的でスマホを探している方でも、満足度の高い体験が可能だろう。
カメラ性能も優れており、オンライン通話はもちろん、旅行時や記念撮影用カメラとしても十分に活用できる品質だ。
バッテリーの持続時間も優れており、長時間の連続使用が可能。高負荷利用時に発熱がやや気になったが、パフォーマンスへの影響は感じられなかった。
そして何よりゲーミング向けの機能が充実しているほか、ゲームプレイ時にはフレーム補間も行われるため、どのようなゲームでも非常に滑らかなゲームプレイを楽しめるようになっている。優れたスペックと併せて、ゲーミング向けスマホとしてうってつけのモデルだと言える。
これだけのスペックとパフォーマンスを実現しつつ、比較的リーズナブルな価格で購入できる点は実に魅力的だ。
10万円以下でゲーミングにも利用できる優れた性能のAndroidスマホを探している場合は、間違いなく選択肢の1つに入れても良いモデルだろう。
▼こちらの記事もオススメ
-
『OnePlus Ace 3V』レビュー | 4万円台でAnTuTu140万点超えの高コスパAndroidスマートフォン
世界中で数多くのモバイル端末をリリースしてきたOnePlus(中国)は、同ブランドの最新スマートフォンである『OnePlus Ace 3V』を2024年3月より販売開始した。 記事執筆時点で以下の3モ ...
続きを見る
-
『OnePlus Ace 3 原神 刻晴コラボ版』レビュー | 刻晴デザインのハイエンドスマートフォン
2024年3月、OnePlus x 原神 コラボバージョンの『OnePlus Ace 3』が発売された。 今回のコラボでは原神の人気キャラクター "刻晴(こくせい)" が選ばれており、刻晴をモチーフと ...
続きを見る