2025年2月20日(月)、OPPO(オッポ)は、同ブランドの最新折りたたみスマートフォン『OPPO Find N5』を正式発表した。
2023年10月に発表された「OPPO Find N3」の後継機にあたる最新モデルであり、これまでで最も薄い折りたたみスマホを謳って登場。
記事執筆時点において京东(China)など中国ECサイト等で購入が可能。12GB+256GBバージョンの価格は8,999元(約185,000円)であり、16GB + 512GBバージョンの価格は2,499シンガポールドル(約28万円)となっている。
今回、提携先より本製品(12GB+256GBモデル・グローバル版)を提供していただいたので、実際に使用した感想を基にレビューしていきたいと思う。
項目 | OPPO Find N5 |
カラー | ブラック系、ホワイト系、パープル系 |
OS | ColorOS 15(Android 15ベース) |
ディスプレイ | 内側:8.12インチ AMOLED 外側:6.62インチ AMOLED |
解像度 | 内側:2248×2480 外側:1140×2616 |
リフレッシュレート | 最高120Hz |
ピーク輝度 | 内側:2,100nits 外側:2,450nits |
CPU(SoC) | Snapdragon 8 Elite (7コア版) |
RAM | 12GB / 16GB LPDDR5X |
ストレージ | 256GB / 512GB / 1TB UFS 4.0 |
SIMカード | デュアルSIMサポート |
マイクロSDカード | 非対応 |
認証機能 | 顔認証、指紋認証(側面) |
カメラ | フロント: ・内側:8MP(f/2.4) ・外側:8MP(f/2.4) リア:50MPメイン(f/2.2)+50MP超広角(f/2.2)+8MP広角(f/1.8) |
スピーカー | ステレオスピーカー内蔵(Dolby Atmos対応) |
バッテリー | 5,600mAh(80W有線急速充電サポート、50Wワイヤレス充電サポート、有線逆充電サポート) |
通信規格 | Wi-Fi 7, Bluetooth 5.4, NFC |
対応バンド | [Version 1] GSM: 850/900/1800/1900MHz WCDMA: Bands 1/2/4/5/6/8/19 LTE FDD: Bands 1/2/3/4/5/7/8/12/13/17/18/19/20/25/26/28/66 LTE TDD: Bands 38/39/40/41/42 5G: n1/n2/n3/n5/n7/n8/n12/n20/n25/n26/n28/n38/n40/n41/n66/n77/n78[Version 2] 2G GSM: 900/1800MHz 3G WCDMA: 900/2100MHz 4G LTE FDD: Bands 1/3/5/8 4G LTE TDD: Band 40 5G NR: n1/n3/n5/n8/n40 |
位置測位 | GPS (L1+L5), GLONASS (G1), BDS (B1I+B1c+B2a), GALILEO (E1+E5a), QZSS (L1+L5) |
搭載ポート | USB Type-C 3.1 Gen2 (OTGサポート) |
防水規格 | IPX6、IPX8、IPX9 |
本体サイズ | 折りたたみ時:160.9 x 74.4 x 8.9 mm 展開時:160.9 x 145.6 x 4.2 mm |
本体重量 | 約229g |
『OPPO Find N5』にはブラック系、ホワイト系、パープル系の3つのカラーバリエーションが存在し、以下の3モデルが確認されている。
モデル | RAM+ストレージ |
OPPO Find N5 | 12GB+256GB |
16GB+512GB | |
16GB+1TB |
OSは最新のColorOS 15(Android 15ベース)を搭載。
外側には6.62インチのAMOLEDディスプレイを搭載。1140×2616解像度と最高120Hzリフレッシュレート、2,450nitsのピーク輝度に対応している。
そして展開した内側には8.12インチのAMOLEDディスプレイを搭載。2248×2480解像度と最高120Hzリフレッシュレート、2,100nitsのピーク輝度に対応しています。
筐体サイズは折りたたみ時:160.9 x 74.4 x 8.9 mm、展開時:160.9 x 145.6 x 4.2 mmで重量は約229gとなっており、折りたたみスマホとしては超薄型かつ軽量設計です。iPhone16 Proの厚みが8.25mmであることを考えると、『OPPO Find N5』がいかに薄いかが分かる。
▼iPhone 16 Pro Max(デザートチタニウム色)と並べた様子。厚さ8.25mmの16 Pro Maxと比べると半分以下の厚みしかない。
超薄型設計の一方で、IPX6、IPX8、IPX9 等級の防水性能を備えるほか、折りたたみ部(ヒンジ)の耐久性向上にも成功。頑丈さも備え、長期にわたり安心して利用できる。
▼折りたたみ部分(ヒンジ)の折り目が極力目立たないように設計されており、展開時でも映像への没入感を損ねることはないだろう。
▼『Oppo Find N5』(左)と一般的な折りたたみスマホ(右)を並べた様子。ディスプレイ消灯状態でも折り目がほとんど目立っていない。
CPU(SoC)には世界初となる「Snapdragon 8 Elite (7コア版)」を採用。一般的なスマホ用途はもちろん、本格的なゲーミング利用にも対応できる性能を備えている。通常のオクタコア版と比べると性能がやや劣るものの、そのぶん発熱を抑えることができるとのこと。
RAMは12GB / 16GB LPDDR5Xを採用。
ストレージは256GB / 512GB / 1TB UFS 4.0を用意。マイクロSDカードの挿入には対応していない。
顔認証に加えて指紋認証(サイド)にも対応しており、利便性は抜群だ。
NFCに対応するほか、Wi-Fi 7、Bluetooth 5.4、4G/5Gなどの高速通信規格の数々にも対応。
内側・外側のいずれにも8MP(f/2.4)フロントカメラを搭載。背面には50MPメイン(f/2.2)+50MP超広角(f/2.2)+8MP広角(f/1.8)の3眼構成カメラを搭載。優れた写真撮影性能を実現している。
5,600mAh大容量バッテリーを内蔵。長時間の連続使用、および短時間での充電が可能だ。80W有線急速充電、50Wワイヤレス充電をサポート。
製品本体および付属品
▼外箱の様子。本レビューではグローバル版のホワイト色を使用。
▼内容物をすべて取り出した様子
内容物一覧は以下の通り。
【内容物一覧】
- OPPO Find N5本体
- 電源アダプタ
- USB Type-Cケーブル
- SIMカードピン
- スマホケース
▼80W対応電源アダプタが付属。
▼スマホの外観(展開時)。展開時のサイズは160.9 x 145.6 x 4.2 mm。
▼前面右上には8MP(f/2.4)のフロントカメラを内蔵。
角度をつけると折りたたみ部分(ヒンジ)の折り目が多少見えるものの、一般的な折りたたみスマホと比べると、ほとんど目立たない。
▼背面の様子(展開時)。
▼背面には50MPメイン(f/2.2)+50MP超広角(f/2.2)+8MP広角(f/1.8)の3眼構成カメラを搭載。
▼筐体はIPX6、IPX8、IPX9 等級の防水仕様となっており、質感も硬く頑丈。汚れにも強く、汗や手脂が付着しても目立たない。
展開時のディスプレイサイズは8.12インチにもなり、小型タブレットのような感覚で迫力のある映像を楽しめる。
従来モデルよりも折りたたみ部(ヒンジ)の耐久性向上が図られており、ちょっとやそっとの力では "逆パカ" して壊れてしまうことはない。
▼展開⇔折りたたみの動作はスムーズかつスマート。少しの力で形態を変化させることが可能だ。
▼前面の様子(折りたたみ時)。折りたたみ時のサイズは160.9 x 74.4 x 8.9 mm。
▼前面中央には内側と同じく、8MP(f/2.4)フロントカメラを内蔵。
▼背面の様子(折りたたみ時)。
▼筐体重量は実測で約236.25g。
「iPhone 16 Pro」(約199g)などと比べると多少重いが、ズッシリ感を覚えるほどではなく、一般的なスマホと同様の感覚で携行できる。
折りたたみ時8.9mm、展開時4.2mmの超薄型設計
『OPPO Find N5』は折りたたんだ状態でも、厚みはわずか8.9mmに収まっている。
▼折りたたみ時の『OPPO Find N5』
▼折りたたみ時の『OPPO Find N5』(左)と「iPhone 16 Pro」(右)を並べた様子。
▼折りたたんだ状態でも、厚みはiPhone 16 Pro(8.25mm)とほとんど変わらない。
そして展開時には、4.2mmという驚異的な薄さとなる。
以前紹介した折りたたみスマホ「Xiaomi MIX Fold 3」(展開時厚さ:5.26mm)のことを超薄型スマホとして紹介していたが、『OPPO Find N5』はそれと比べてさらに1mmも薄くなっている。
▼展開時の様子。筆者がこれまでレビューしたスマホの中で最も薄い。
▼10円玉わずか3枚分の厚み。
▼「iPhone 16 Pro」(右)と並べた様子。
▼「iPhone 16 Pro」(上)と並べた様子。
これまでの一般的な折りたたみスマホには、折りたたみ時に厚みが増し、一般的なスマホと比べて携行性の面で劣るという欠点があった。
しかし本製品ほどの薄さであれば、もはやその欠点は解消されたも同然と言える。展開して大きなディスプレイでコンテンツを楽しめるという利点のみを享受できるため、折りたたみスマホとしてまさに完成版と言っても過言ではないモデルだ。
インターフェース構成
続いて、インターフェースについて見ていく。
▼本体右側面。電源ボタンと音量調節ボタンが搭載。電源ボタンは指紋認証に対応。
▼左側面にはアラームスライダーが搭載。サイレント ⇔ バイブ ⇔ 着信音の各モードを瞬時に切り替えることができる。
▼上部にはスピーカー穴が用意。
▼下部にもスピーカー穴が用意されているほか、カードスロット、 USB Type-C 3.1 Gen2 (OTGサポート)を備えている。
▼付属のピンでスロットを開き、デュアルnanoSIMカードの挿入が可能。マイクロSDカードには非対応となっている。
指紋認証・顔認証に対応
本製品は画面内指紋認証および顔認証に対応している。
電源ボタンが指紋センサーを内蔵しており、登録した指をかざすだけで非常にスムーズな認証・ロック解除が可能。利便性は抜群だ。
▼指紋認証の様子
いずれの認証精度も優れており、複数の認証方法を選択できる点は嬉しい。
スマホケースが付属
本製品にはパッケージにスマホケースが付属する。
▼付属のスマホケース
▼付属スマホケースを装着した様子。
▼ヒンジ部分に磁力で吸着するようになっている。
このように、付属ケースは筐体背面およびヒンジ部分のみをカバーする簡易的なものとなっている。
また、展開時にヒンジ保護部分がサイドディスプレイに当たってしまう点も気になった。
そのため、本製品を携行しつつ本格的に使用したい場合には、別売りのケースの購入をオススメしたい。
▼ワイヤレス充電に対応しているため、ワイヤレス充電・磁力吸着対応のものがオススメ。
AnTuTuベンチマークテスト
本機について、スマホ・タブレット端末の性能を測ることのできる『AnTuTuベンチマークテスト』を実施してみた。
▼Android端末におけるAnTuTuベンチマークテストの実施方法はコチラを参照
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Android端末でAnTuTuベンチマークテストを行う超簡単な方法(2025年時点)
2024年12月26日追記 記事内容を最新の状態に更新しました。 スマートフォン・タブレットなどのモバイル端末のスペック(スコア)を計測することのできるツールとして、『AnTuTu Benchmark ...
続きを見る
結果として、約232万点のスコアを記録することができた。
性能区分 | 総合スコア | 性能の目安 | |
---|---|---|---|
スマホ | タブレット | ||
エントリー | 30万点~50万点 | 20万点~40万点 | 基本的な操作や軽量アプリの使用に適している |
ミッドレンジ | 50万点~80万点 | 40万点~70万点 | 普段使いの操作、一般的なアプリ、軽めのゲームに快適に対応 |
上位ミッドレンジ | 80万点~120万点 | 70万点~100万点 | 重めのアプリや3Dゲームもある程度快適に動作 |
ハイエンド | 120万点~150万点 | 100万点~120万点 | 高負荷な作業(動画編集、最新3Dゲーム)にも対応でき、スムーズなマルチタスクが可能 |
フラッグシップ | 150万点~170万点 | 120万点~140万点 | 最先端の性能を備え、最新ゲームやAI処理、マルチメディア作業に最適 |
ウルトラハイエンド | 170万点~ | 140万点~ | ゲーミング専用機並みの性能。最大限のパフォーマンスが必要なコンテンツや今後リリースされる最新アプリケーションに対応可能 |
本製品は最新のハイエンドCPU(SoC)「Snapdragon 8 Elite」を搭載しているものの、発熱やバッテリー消耗を抑えるために7コア版を採用している。そのため、8コア版を搭載する「realme GT7 Pro Racing Edition」(約275万点)や「OnePlus 13」(約285万点)と比べると、スコア自体はやや低めだ。
しかし、低めと言えどもウルトラハイエンドクラスのスコアであることには違いない。ウェブサイト閲覧や動画視聴はもちろん、『原神』などの激重ゲームアプリでも問題なく快適に遊ぶことのできる性能の高さを備えている。ゲーミング用端末としても運用できるだろう。
それでは以下からは、実際に使用した感想について紹介していく。
綺麗で滑らかな折りたたみディスプレイ
『OPPO Find N5』の8.12インチAMOLEDメインディスプレイ(内側)は、2248×2480解像度、最高120Hzのリフレッシュレートに対応しており、美しく滑らかな映像を楽しめる。
▼グローバル版のインターフェース言語は日本語も選択可能であった。
▼リフレッシュレートは設定アプリより切り替えることが可能。
▼高解像度で細かい文字まで明瞭に表示されるため、ウェブサイト閲覧時も見やすい。ページスクロールもなめらかで心地よい。
▼有機ELディスプレイの発色は良好。深みのある黒色が実に綺麗だ。
120Hzの高リフレッシュレートで描画される映像は実に滑らかで、激しい動きを伴うゲームアプリでもストレスなく操作できる。
そして折りたたみ時には、セカンダリディスプレイ(外側)に映像が表示される。
セカンダリディスプレイの解像度は1140×2616、リフレッシュレートは同様に最高120Hzであい、滑らかで美しい描画を楽しめる。
そして、展開 ⇔ 折りたたみの際の映像の移り変わりは実にスムーズであり、進行中の作業やゲームを中断することなく、ディスプレイサイズを切り替えることが可能だ。
▼閉じるたびに異音などの発生もなく、スムーズに変形を行うことが可能だ。
▼展開時の映像遷移の様子
展開時・折りたたみ時のいずれの場合においても高品質な映像を楽しめるため、ゲーミングや映像視聴をメイン目的にスマホの購入を検討している方でも、満足度の高い体験が可能だろう。
なお、当然のごとくWidevineはL1サポートであり、ネットフリックスやAmazon Primeビデオなどにおいて、高画質設定の映像を楽しむことが可能だ。
ちなみに、デジタルルクスメーター「Vici LX1336B」を使用して画面の明るさを計測したところ、メインディスプレイ(内側)に関しては最高1,309nitの明るさを得られた。
▼明るさ最大(自動明るさ調整:オン)にした状態で、真っ白なページの中央を測定。
▼セカンダリディスプレイ(外側)は最高934nit。
なお、実際の見え方ベースでの明るさの目安は以下の通り。
明るさ (nits) | 実際の見え方・使用シーン |
---|---|
0~150 nits | 真っ暗な部屋での使用に適切。明るい場所ではかなり暗く感じる。 |
150~300 nits | 暗めの室内なら十分。明るい部屋ではやや暗く感じることもある。 |
300~500 nits | 室内使用では快適。カフェやオフィスの明るさにも十分対応。 |
500~700 nits | 明るい部屋や日陰の屋外で問題なく見える。直射日光下は少し厳しい。 |
700~1000 nits | 日陰や曇りの日の屋外で快適。直射日光下では「まあ見える」レベル。 |
1000~1500 nits | 晴れた日の屋外で十分見える。直射日光下でも大きな不満はない。 |
1500~2000 nits | 強い日差しの下でも快適。HDR動画視聴時は非常に鮮やかに映る。 |
2000~3000 nits | 強烈な直射日光下でもはっきり見える。HDRピーク輝度としても十分優秀。 |
3000 nits以上 | 眩しさを感じるほど明るい。屋外でも反射を感じにくく、最高の視認性。 |
本製品のディスプレイは、日中の屋外でも十分に見やすい輝度を実現できている。
2画面表示に対応
展開時のメインディスプレイを、2本指で中央上部から下に向けてスワイプ操作することで、ディスプレイを2つに分割して異なるアプリの画面を同時表示することが可能だ。
▼2画面表示を利用する様子
「攻略動画を観ながらスマホゲームをプレイ」「ネットで調べものをしつつ作業」など、活用方法は多岐に渡る。折りたたみスマホならではの非常に便利な機能だ。
音質は及第点
本機のスピーカーについて、音質を確認してみた。
▼音質確認の様子
本製品はDolby Atmos対応のステレオスピーカーを内蔵しており、筐体上下にスピーカー穴が用意されている。
中~高音域に関してはクリアで解像度の高いサウンドを楽しめる。サウンドが上下から出力されるため、ある程度の立体感を得ることもできた。
一方で、低音に関しては弱めであり、音量を最大まで上げても音圧はそこまで強くはなかった。
普通に映画やアニメ、ゲームを楽しむ分には問題はないが、迫力のあるサウンド体験を求めている場合は、イヤホンなど外部デバイスを利用した方が良いだろう。
▼なお、設定からサウンド効果を複数のプロファイルから変更することも可能だ。
優れたカメラ性能
本機に搭載されているカメラの性能について確認した。
▼実際にフロントカメラ(内側)で撮影した写真。
フロントカメラに関して、画質は実に良好であり、全体的に明るく、ヒトの輪郭から表情までクリアに映し出すことが出来ていた。発色も自然で肉眼で見た場合に近い。激しく動いても気になるレベルの残像は発生しないため、見づらさを感じることもかなった。
▼「パー」のジェスチャーでカウントダウン撮影する機能も搭載。
メインディスプレイは画面サイズが大きいため、自撮りだけでなく、ウェブ会議や授業など、オンライン通話用途にも向いてるだろう。
続いて3眼リアカメラについて。
▼リア(背面)カメラで撮影した写真。
▼屋外撮影(1倍)
▼屋外撮影(10倍)
▼屋外撮影(20倍)
▼屋外撮影(60倍)
▼屋外撮影(120倍)
▼屋外撮影(広角)
以上の通り、50MPメイン(f/2.2)+50MP超広角(f/2.2)+8MP広角(f/1.8)の3眼高性能背面カメラを搭載していることもあり、近景から遠景にいたるまで明瞭で美しい写真を撮影できた。
▼カメラ起動時に半分折りたたむことにより、フレックスモードでの撮影が可能。
特筆すべきは、望遠撮影性能の高さだ。一般的なスマホであれば10倍望遠撮影時ですら、遠景の輪郭がぼやけてしまい、不鮮明な写真しか撮ることができない。
しかし『OPPO Find N5』は最大120倍ズームの撮影に対応しており、撮影地点から約7km先にある高層ビル群の輪郭までをクッキリ捉えることができていた。
これは私が今までにレビューしてきた折りたたみスマホの中でも、圧倒的な望遠撮影性能であると言える。
▼撮影地点から約200m先にある自販機で何が売っているのかを確認できるレベルだ。
そしてマクロ撮影の性能も優れている。
▼サボテンの接写撮影時。肉眼ではほぼ見えない繊維の一本一本までを捉えることができた。
発色もフロントカメラ以上に良好であり、旅行や記念撮影用のカメラとしても十分に活用できる品質となっている。
▼(参考)リアカメラで録画した動画
夜間撮影性能の確認
また、夜間の屋外を撮影した際の写真について、「iPhone 16 Pro」で撮影したものと比較してみた。
※画像クリックで拡大
iPhone 16 Proのカメラ性能もさることながら、OPPO Find N5では周囲に光源の少ない屋外環境下でも、レンズ内の対象物の輪郭を鮮明に捉えることができていた。夜間の写真撮影にも十分に活用できる品質の高さだ。
ゲーミング性能の確認
本機を用いて各種ゲームアプリを遊んだ際のパフォーマンスについても確認していく。
『統合版マインクラフト(旧PE)』プレイ時
まずは『統合版マインクラフト(旧PE)』の場合について。
ワールドを作成して実際にプレイしてみたが、スムーズで快適に操作することが出来た。
▼チャンク読み込み時にも全く重さを感じない。
▼処理の重くなりがちなバイオームでも、フレームレート低下やカクつきを感じることは無かった。
▼フレームレートは常時60fps前後安定でプレイできていた。
▼マインクラフトプレイの様子
(「Backbone One 第2世代」を使用)
クリエイティブやサバイバル、またはマルチサーバーに参加した際などにも、パフォーマンスは非常に安定しており終始スムーズなゲーミングが可能であった。
多くのアドオンを導入したり、友人らと多人数マルチサーバーに参加した場合でも、スムーズな動作でゲームを楽しめるだろう。
『PUBG』プレイ時
続いて『PUBG』の場合について。
まずグラフィッククオリティに関しては、現時点で最高設定の『ウルトラHDR』を選択できた。
▼フレーム設定はウルトラを選択可能。
実際に試合に参加してみたが、大人数のプレイヤーが密集する場所においても、処理落ちやカクつきなどはまったく生じず、終始快適なゲームプレイが可能であった。
▼近くのテクスチャから遠くの風景まで、美しく描画される。
▼激しく動き回っても、ラグやフレームレート低下などを感じることはほとんどなかった。
▼滑らかな描画で鮮明なゲームプレイが可能。高解像度かつ大型ディスプレイの鮮明な描画で、遠方も索敵しやすい。
▼現時点で最高設定の『ウルトラHDR』の場合、フレームレートは常時40fps前後安定でプレイできていた。
なお、画質クオリティを「スムーズ」に、フレームレートを「Ultra Extreme」に設定した場合、90fps前後の高フレームレートで安定してプレイすることが可能であった。
▼PUBGプレイの様子(最高画質)
この通り、『PUBG』に関しても十分に満足度の高いゲームプレイが可能であった。
『原神』プレイ時
続いて "激重" ゲームとしても有名な『原神』の場合について。
非常に重いゲームアプリとして有名な『原神』であるが、本機では全く問題なくスムーズにプレイすることが可能であった。
▼画質設定はデフォルト状態で "高" に設定されており、デバイス負荷は "スムーズ" の状態。
▼画質設定を "最高" まで上げるとデバイス負荷も高まるが、依然としてスムーズな動作が可能であった。
▼大画面を活用して、ゲーミングPC並みの高品質グラフィック&高リフレッシュレートで原神を遊べる。
▼激しく動いた場合でもカクつきや操作遅延を感じることはほとんどなかった。
▼ "最高" 画質設定でも、60fps前後安定のスムーズなパフォーマンスで原神をプレイすることができた。
▼原神プレイの様子(最高画質)
『原神』クラスの激重ゲームでもこれだけ快適に遊べるのであれば、大抵のゲームアプリはスムーズに動作するだろう。
▼もちろん、セカンダリディスプレイでもゲームはプレイ可能。
ゲーミングスマホとしての運用にも適したモデルと言える。
ゲーミング向け機能が充実
ゲームアプリプレイ時に、ディスプレイ端を中央に向けてスワイプすることで、ゲーミング用のツールウィンドウを表示できる。
▼ハイパフォーマンスゲーミングを可能にする「Pro Gamer」を搭載。
▼ゲーミング用の便利機能が豊富に揃っている。
本気でスマホゲームに打ち込みたい方向けの機能も豊富に揃ったスマホとなっている。
80W有線急速充電、50Wワイヤレス充電サポート
本製品には5,600mAhのバッテリーが内蔵されており、一般的な利用頻度であれば、1~1.5日間ほどは余裕でバッテリーが持続するだろう。
実際に満充電の状態から4時間ほど、処理の重いゲームアプリをメインディスプレイで遊んでみたところ、30~35%ほどしかバッテリーが減っておらず、まだ1日以上持続可能な充電残量を残していた。
本製品は80Wの高速有線充電にも対応しており、わずかな充電時間であっという間にバッテリーを回復できる点も嬉しい。
そして何より、50Wワイヤレス充電をサポートしている点も嬉しい。
ただ筐体自体はマグネット吸着に非対応なため、ワイヤレス充電・磁力吸着対応ケースの購入をオススメしたい。
『OPPO Find N5』のまとめ
今回紹介した『OPPO Find N5』について、特長をまとめると以下の通りだ。
良かった点
- 折りたたみスマホ最薄クラスのスタイリッシュな筐体
- 高級感のあるデザイン
- 耐久性に優れたヒンジ部分
- 折り目の目立たないメインディスプレイ
- 優れた携行性
- 展開時に大画面でコンテンツを楽しめる
- Snapdragon 8 Eliteによる優れたパフォーマンス
- 高負荷ゲーミングも快適
- 画面分割で複数作業の同時進行が可能
- 発色の優れた有機ELディスプレイ
- 高品質カメラ搭載
- 50Wワイヤレス充電サポート
悪かった点
- スピーカー品質は及第点レベル
- 付属スマホケースの質は最低限
以上の通り、基礎性能・筐体デザイン・機能性・充電パフォーマンスのいずれの点も優れた、ウルトラハイエンド級の折りたたみスマホとなっている。
折りたたみ時に8.9mm、展開時には4.2mmの超薄型設計であり、筆者がこれまでレビューしたスマホの中で最も薄い。折りたたみスマホとしてまさに完成版と言っても過言ではないモデルだ。
高解像度の有機ELディスプレイで描画される映像は実に美しく滑らかであり、ゲーミング用のスマホとしても問題なく活躍してくれるだろう。画面が高輝度に対応しているおかげで、日中の屋外でも画面が見やすい。特に展開時の大画面でプレイするゲームは、普通のスマホと比べて迫力が段違いだ。
搭載CPU(SoC)は7コア版の「Snapdragon 8 Elite」だが、AnTuTuベンチマーク約232万点のハイパフォーマンスを実現。動画視聴からウェブサイト閲覧まで、ほとんどのスマホ作業を快適にこなすことができる。また『原神』レベルの激重ゲームアプリでも、通常時で60fps前後安定でプレイ可能だ。
そしてカメラ性能も優れており、120倍ズーム撮影・マクロ撮影・夜間撮影のいずれの場合もクリアで発色の美しい写真を撮影することができた。
50Wワイヤレス充電をサポートする点も嬉しい。いちいちケーブルに接続せずに素早く充電ができるのも、本製品の実用性の高さを底上げしている。
唯一、スピーカー性能だけは弱点と言えるかもしれないが、その他の点に関しては、すべてが高品質に造りこまれた傑作となっている。
折りたたみスマホを使ってみたいと考えている方には、ぜひ一度手に取って試してもらいたい一品だ。
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