数々のウェアラブルデバイスをリリースしてきたQCYは、オープンイヤーデザインで耳穴を塞がない、イヤーカフ型のワイヤレスイヤホン『QCY Crossky C30』を販売している。
イヤーカフを模したデザインを採用しており、従来のイヤホンとは比べ物にならないほど快適な装着感を実現。コンパクトかつ軽量なイヤホン本体には10.8mmデュアルマグネット・ハイセンシティー・ドライバーを搭載しており、優れた音質とクリアなボーカルを実現している。
今回、メーカーより本製品を提供していただいたので、実際に使用した感想を基にレビューしていきたいと思う。
ブランド | QCY |
モデル名 | QCY Crossky C30 |
カラー | パープル、ブラック、ホワイト |
防水仕様 | IPX5 |
対応通信規格 | Bluetooth5.4 |
タイプ | オープンイヤー |
ドライバー | 10.8mmデュアルマグネット・ハイセンシティー・ドライバー |
対応OS | iOS/Android |
対応プロトコル | HFP/A2DP/AVRCP |
バッテリー容量 | 400mAh |
連続使用時間 | ・イヤホン単体: 約5.5時間 ・ケース込み: 約25時間 |
充電時間 | 約2時間 |
充電端子 | Type-C |
空間音響 | 対応 |
対応アプリ | QYC |
低遅延モード | 対応(0.06s低遅延) |
マルチポイント接続 | 対応 |
マイク | 各2基、計4基のノイズキャンセリングマイク内蔵 |
サイズ | ・イヤホン(単体):29.0×15.7×26.0mm ・ケース:66.0×25.6×49.0mm |
重量 | イヤホン(単体):約5g |
イヤホンは人間工学に基づいたイヤーカフ型のデザインを採用しており、快適な装着感と軽さを実現。耳に挟む部分には柔軟な材質が使われ、耳の形を問わずやさしくフィットする。片側約5gの軽さのおかげで、長時間装着し続けても耳の痛みや疲れが感じづらくなっている。
コンパクトかつ軽量なイヤホン本体には10.8mmデュアルマグネット・ハイセンシティー・ドライバーを内蔵しており、優れた音質を実現している。空間オーディオにも対応しており、まるでサウンドに包まれているかのような音楽視聴体験が可能だ。
ゲームモードサポートにより、0.06s低遅延サウンドを楽しめる。本格的なゲーミングにも活用できるだろう。
高度な指向性オーディオ技術と自動サウンドビーム調整機能を搭載しており、電車やバスの中でも音漏れを最小限に抑えることができる。
マルチポイント接続に対応しており、2台のBluetoothデバイスと同時に接続可能。スマートフォンに接続したまま、タブレットやノートパソコンへ素早く切り替えることができ、接続し直す手間を省ける点が便利だ。
各2基、計4基のノイズキャンセリングマイクを内蔵しており、イヤホン越しにクリアな音声通話を楽しめる。
IPX5等級の防水仕様となっており、汗や雨水が付着しても壊れづらい。運動用イヤホンとしても活用できるだろう。
そしてバッテリー持続力も優れており、イヤホン単体で約5.5時間、ケース込みで約25時間の連続使用が可能。いちいち充電する手間を省くことができる。
製品本体および付属品
▼外箱の様子
▼内容物をすべて取り出した様子
内容物一覧は以下の通り。
【内容物一覧】
- 充電ケース
- イヤホン本体
- ユーザーマニュアル
- USB Type-Cケーブル
▼ユーザーマニュアルは日本語に完全対応。
充電ケース
製品には収納とイヤホンの充電器を兼ねた、チャージケースが付属する。
▼充電ケースの外観。丸みを帯びたフォルム。今回のレビュー時にはブラック色を使用している。
▼背面には充電用のType-Cポートが用意。
▼指でつまめるほどコンパクトかつ軽量なサイズ感。
▼ズボンのポケットにもラクラク収まるサイズだ。
▼フタをカパッと開けると、左右のイヤホンがスッポリ収まっている。
イヤホン本体
イヤホン本体は非常にユニークな形状となっている。
▼イヤホン本体の外観。イヤーカフ型のデザイン。
▼イヤホン単体は約5gと非常に軽い。
▼下部には充電端子とスピーカー穴が用意。
▼側面にはLEDインジケーターとタッチセンサーが内蔵。
左右イヤホンのタッチセンサーを触れることで、各機能へ瞬時にアクセスすることが可能だ。
デバイスとの接続(ペアリング)方法
『QCY Crossky C30』はBluetoothによるワイヤレス接続に対応しており、接続(ペアリング)方法はいたってシンプルだ。
初起動時は、イヤホンを収納した状態でチャージケースを開くことで、自動的にペアリング状態となる。
そしてデバイス側で "QCY Crossky C30" が表示されるので、選択することで接続(ペアリング)が完了する。
これだけの手順で接続を完了できる。
※もし正常に接続できない場合、タッチセンサーを5回タップしてイヤホンをリセットし、再接続を試してみてください。
次回以降は、ケースのフタを開くだけで自動的に接続されるようになるため、この手のデバイスの扱いが苦手な方でも、全く問題なく使用することができるだろう。
なお、本製品はマルチポイント接続にも対応しており、2台のBluetoothデバイスと同時に接続可能。スマートフォンに接続したまま、タブレットやノートパソコンへ素早く切り替えることができ、接続し直す手間を省ける点が便利だ。
専用アプリのインストールを推奨
ちなみに、本製品にはiOS・Android対応の公式アプリ(無料)が用意されており、デバイスにインストールしておくことでイヤホン機能の様々な調節を行うことが可能だ。
▼公式アプリ『QCY』
イヤホン起動中にアプリを開くと、"QCY Crossky C30" を追加できる。
▼アプリトップ画面。イヤホンの充電残量や接続状態、音質に関する各種パラメータの調節などを行うことができる。
▼非常に豊富な機能を利用可能。
▼アプリでゲームモードをオンにすることで、サウンドの遅延を最大60ms(0.06秒)に 短縮でき、音と映像の同期ズレが気にならなくなる。本格的なゲーミングにも適した機能だ。
▼電源オフタイマーの設定も可能。
圧倒的に快適な装着感
ペアリング済みのイヤホンをケースから取り出し、両耳にはめる。
スピーカー搭載部(小さく丸みを帯びた方)が耳穴側にくるよう、耳たぶにイヤホンを挟み込んで装着する。
▼耳に挟む部分には柔軟な材質が使われ、耳の形を問わずやさしくフィットする。
イヤホンは片耳で約5gほどしかなく、装着しても重さや不快感などは一切感じない。
そして人間工学に基づいたイヤーカフ型のデザインを採用しているおかげで、一般的な耳たぶの外周にかけるタイプのオープンイヤー型イヤホンよりも、圧倒的に自然かつ快適な装着感を実現できている。
装着していることを時々忘れそうになるほど自然な装着感で、長時間装着し続けても耳が痛くなったり、違和感や疲れを感じることはなかった。
自然な装着感の一方で、シッカリと耳に固定されるため、激しく動き回ってもズレ落ちることはない。IPX5等級の防水規格に対応していることもあり、激しい動きや発汗を伴う運動にもうってつけのイヤホンであると言える。
そして何より、耳穴を塞がず、耳の上に当てる感じで装着できるため、耳の閉塞感や圧迫感といった、インナーイヤー型で特有の不快感を感じることが一切なかった。
この快適さを一度味わうと、もはやオープンイヤー型のイヤホンを手放すことができなくなること間違いなしだ。
優れた音質で音楽を楽しめる
実際に本製品を使用して様々な楽曲を視聴してみた。
率直に言って、音質は良好だ。
中~高音域に関しては実にクリアに響き渡る。10.8mmデュアルマグネット・ハイセンシティー・ドライバーを内蔵することで、低音に関してもそこそこ響き、迫力のあるサウンドを楽しめた。
当サイトで最近レビューした「REDMI Buds 6 Pro」や「EarFun Air Pro 4」には敵わないものの、本製品も5,000円前後のオープンイヤー型イヤホンとしては、十分に優れた音質を実現できていると言える。
▼なお、アプリ上から空間オーディオをオンにできるが、オンにした場合でもそこまでの変化を感じることはできなかった。
音漏れは結構ある
本製品は高度な指向性オーディオ技術と自動サウンドビーム調整機能を搭載しており、電車やバスの中でも音漏れを最小限に抑えることができると謳っている。
しかし、実際に音楽を再生してみたところ、結構な音漏れがある。
▼ボリュームを30%ほどに抑えた場合でも、イヤホンから音が漏れ聴こえてくる。
オープンイヤー型イヤホンであるため、ある程度仕方がないとは言えるが、ボリュームを低めに設定した場合でも音が外部に漏れてしまう。
自宅で利用する分には問題ないが、バスや電車などの公共交通機関や、不特定多数の人が周囲に居る環境では、本製品を利用する際に注意した方が良いだろう。
同楽曲でも異なるサウンド体験を提供するカスタムサウンド機能
本製品にはカスタムサウンド機能が用意されており、公式アプリより切り替えが可能だ。
カスタムサウンドでは、ポップやベース、ロックなど、視聴する音楽種別に最適なサウンド環境をワンタッチで実現できる。
選択するプリセットによって全く異なる傾向のサウンドを楽しむことが出来る。しかも微々たる違いではなく、同じ楽曲でも体験がガラリと変わるほど、各プリセットが差別化されていた。
音響にあまり詳しくない方にとって、イコライザーをイジるのは敷居が高いが、このようにプリセットがいくつも用意されているおかげで、音の変化を気軽に楽しめるのは便利な機能であると感じた。
▼なお、イコライザーを詳細に調整できる項目も用意されている。
快適な通話性能
本製品には計4基のノイズキャンセリングマイクが内蔵されており、これ一台でハンズフリー通話を行うことが可能だ。
ノイズキャンセリングに対応しており、ノイズを低減した快適な通話を楽しめる。
実際にLINEやSkype通話時に利用してみたが、周囲のノイズをシャットアウトして使用者の声のみを明瞭に届けることができていた。
イヤホンタッチで様々な操作が可能
本製品では、両耳イヤホンの側面をタップすることで、様々な機能にアクセスできる。
タッチした際の機能は、アプリより自由にカスタマイズできる。
▼タップ、ダブルタップ、トリプルタップに分けて、異なる機能を割り当てることが可能。
▼曲送り/戻し、ボリューム調整、音楽再生/停止など、好みの機能を割り当てることができる。
これらの機能をうまく活用することで、より快適に本製品を活用できるだろう。
▼なお、タッチ感度の調節も可能だ。
スムーズな利用が可能
実際に『QCY Crossky C30』を使用すると、取り回しが実に楽なことに気が付くだろう。
まずケースからイヤホンを取り出すと瞬時にペアリングされ、耳に装着する頃にはサウンドを出力する準備が完了している。ワイヤレスイヤホンによってはペアリングに時間のかかるタイプもあるが、本製品はその点でストレスに感じることは無い。
そして使い終わった際は、チャージケースに収納することでBluetooth接続が解除され、充電が行われる。
この流れが非常にシンプルでラクなため、日常の中でストレスなく自然に使用し続けることが可能だ。
バッテリー持続時間は一般的
本製品は、イヤホン本体のスタンドアローン状態で最大5.5時間、チャージケースを併用することで最大25時間の使用が可能となる。
昨今のワイヤレスイヤホンとしては、短くもなく、長くもない、一般的なバッテリー持続時間であると言える。よほどヘビーに利用しなければ、3~4日ほどは連続して使用できるだろう。
▼ケース背面にType-Cポートを接続することで充電可能。
『QCY Crossky C30』のまとめ
今回紹介した『QCY Crossky C30』について、特徴をまとめると以下の通りだ。
良かった点
- イヤーカフデザインによる、非常に快適かつ自然な装着感
- スタイリッシュかつシンプルなデザイン
- ペアリング手順が簡単
- デュアルデバイス接続をサポート
- そこそこ優れたサウンド品質
- アプリ機能が充実
- ノイキャンマイク内蔵
- タッチ機能の詳細なカスタマイズが可能
- 性能に対して比較的リーズナブルな価格
悪かった点
- 音漏れが気になる
- ケースがワイヤレス充電に非対応
以上の通り、一般的なインイヤー型、およびオープンイヤー型イヤホンと比べても、圧倒的に快適な装着感を実現したワイヤレスイヤホンとなっている。
人間工学に基づいたイヤーカフ型のデザインを採用しているおかげで、一般的な耳たぶの外周にかけるタイプのオープンイヤー型イヤホンよりも自然かつ快適な装着感を実現できている。個人的には、いままで試してきたオープンイヤー型イヤホンの中で、最も優れた装着感であると感じた。
耳穴を塞ぐことなく音楽を楽しめるこの便利さと快適さは、一度体験すると手放せなくなるだろう。5ATMの防水規格に対応しているほか、シッカリとした固定感のおかげで、激しい動きや発汗を伴う運動にも利用できるイヤホンとなっている。
5,000円前後のイヤホンとしては音質もそこそこ良好。当サイトで最近レビューした「REDMI Buds 6 Pro」や「EarFun Air Pro 4」には敵わないものの、この価格帯のモデルの中では十分に優れた音質を実現できていると言える。
アプリ機能も充実しており、自身の使い勝手が最も良くなるようにイヤホンをカスタマイズすることが可能だ。
一方で、結構な音漏れがある点が気になる。オープンイヤー型イヤホンであるため、ある程度仕方がないとは言えるが、ボリュームを低めに設定した場合でも音が外部に漏れてしまう。自宅で利用する分には問題ないが、バスや電車などの公共交通機関や、不特定多数の人が周囲に居る環境では、本製品を利用する際に注意した方が良いだろう。
何はともあれ、抜群の着け心地を実現したイヤーカフ型ワイヤレスイヤホンとなっている。
イヤホンの装着感を最重要視したい方には、ぜひオススメしたい一品だ。
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