2022年3月、Realmeは自社ブランドスマートフォンの最新モデルである『realme GT Neo3』を発売した。
MediaTek Dimensity 8100を搭載した6.7インチ型のハイエンドスマホであり、以下の4モデルが販売中。現時点(記事執筆時点)で中国版のみの販売となっており、日本語版、グローバル版の発表はない。
- メモリ6GB+容量128GB
- メモリ8GB+容量128GB
- メモリ8GB+容量256GB
- メモリ12GB+容量256GB
また、わずか5分で50%までバッテリー充電を行うことの出来る150Wバージョンと、一般的な80Wバージョンの2つもリリースされている。
価格は150W充電+4500mAhバッテリー版が2799元(約5万3000円)、80W充電+5000mAhバッテリー版が1999元(約3万8000円)となっており、性能やスペック構成に対してリーズナブルな価格であると言える。
今回はこの『realme GT Neo3』について、150W充電+4500mAhバッテリー版を提供していただいたので、実際に使用した感想を元にレビューしていきたいと思う。
Dimensity 8100搭載のハイエンドスマートフォン
今回紹介する『realme GT Neo3』は、Android 12ベースのOSを搭載した、6.7インチ型のスマートフォンだ。
ブランド | realme |
モデル名 | GT Neo3 |
OS | realme UI 3.0(Android 12準拠) |
CPU | MediaTek Dimensity 8100 |
RAM | 6GB/8GB/12GB |
ストレージ | 128GB/256GB |
ディスプレイサイズ | 6.7インチ |
解像度 | 1080×2400 FHD+ |
リフレッシュレート | 最高120Hz |
SIMカード | デュアルnanoSIM対応 |
マイクロSDカード | 非対応 |
対応通信規格 | Wi-Fi, Bluetooth 2G: GSM:850/900/1800/1900 CDMA:BC0 3G: WCDMA:B1/B2/B4/B5/B6/B8/B19 4G: LTETDD: B34 / B38 / B39 / B40 / B41 (2515 ~ 2675MHz) 4G: LTE FDD: B1 / B2 / B3 / B4 / B5 / B7 / B8 / B18 / B19 / B26 / B28a 5G: NR_NSA n77/78/40/41(2496-2690MHz)/1/3/5/8 5G: NR_SA n78 / 40/41 (2496-2690MHz) / 1/3/5/8 / 28a |
バッテリー容量 | 150W充電+4500mAhバッテリー 80W充電+5000mAhバッテリー |
搭載カメラ | フロント:16MP リア:50MPメインカメラ + 2MP広角カメラ + 4MPマクロカメラ |
本体サイズ | 162.9 x 75.8 x 8.6mm |
本体重量 | 約200g |
CPUには "MediaTek Dimensity 8100" を採用しており、RAMは6GB/8GB/12GB(3モデル)を搭載。一般的なスマホ用途はもちろん、重いゲームアプリを快適に遊べるだけのパフォーマンスを発揮するスペック構成となっている。
6.7インチディスプレイは 1080×2400(FHD+)解像度、および最高120Hzの高リフレッシュレートに対応しており、美しく滑らかな映像を楽しむことが出来る。
ストレージは128GB/256GBの2モデルが用意。マイクロSDカードの挿入には対応していない。
通信規格はWi-FiとBluetoothに対応。デュアルnano SIMカードの挿入が可能なため、LTE通信やGPS通信にも対応している。
前面には16メガピクセルのフロントカメラを搭載。背面には50MPメインカメラ + 2MP広角カメラ + 4MPマクロカメラを搭載しており、遠景から近景にいたるまで高精細な写真を撮影できる。
そして150W充電+4500mAhバッテリー搭載バージョンでは、わずか5分で50%までの高速バッテリー充電を行うことが可能となっている。公式も "ちょっとした空き時間に十分な充電ができる" 点をメリットとして挙げている。
これほどのスペック構成にもかかわらず4万円~5万円前後という比較的リーズナブルな価格となっており、コストパフォーマンスにも優れたモデルと言えるだろう。
製品本体および付属品
▼外箱の様子
▼内容物をすべて取り出した様子
内容物一覧は以下の通り。
【内容物一覧】
- スマホ本体
- スマホケース
- 説明書
- USB Type-Cケーブル
- 充電アダプタ
- カードスロット開閉用ピン
今回のレビューでは150W充電+4500mAhバッテリー版を提供していただいた。
▼付属の充電アダプタ
▼スマホの外観。6.7インチディスプレイを搭載した筐体はコンパクトなサイズに収まっている。
▼前面には16メガピクセルのフロントカメラを搭載。
▼背面の様子。
▼背面素材は指紋が付着しづらく、汚れの目立たない造りとなっている。
▼背面には50MPメインカメラ + 2MP広角カメラ + 4MPマクロカメラを搭載。
▼162.9 x 75.8 x 8.6mmのコンパクトな筐体。本体重量は約200グラムと軽く、長時間持ち続けても疲れづらい。
▼厚みは8.6mmと薄く、ポケットに入れて持ち運んでも支障にならないだろう。
続いてインターフェースについて紹介していく。
▼右側面には電源ボタンを搭載。指紋認証にも対応している。
▼本体上部の様子
▼左側面には音量調節ボタンが用意。
▼本体下部にはカードスロット、Type-Cポート、ドルビーアトモス対応のデュアルステレオスピーカーを搭載。
▼付属のピンを用いてスロットを開き、デュアルnano SIMカードの挿入が可能。マイクロSDカードの挿入には対応していないので注意。
このように、インターフェース自体は一般的な構成となっている。
ちなみに、本製品には専用のケースが付属している。
▼実際に装着した様子
ケースの品質自体は中々良く、そのまま利用できるレベルだと感じた。
ただしケーブルの種類によっては底部のType-Cポートに挿入しづらくなってしまうため、必要に応じて自身の好みのケースを別途購入すると良いだろう。
AnTuTuベンチマークテスト
本機について、スマホ・タブレット端末の性能を測ることのできる『AnTuTuベンチマークテスト』を実施してみた。
▼Android端末におけるAnTuTuベンチマークテストの実施方法はコチラを参照
-
Android端末でAnTuTuベンチマークテストを行う超簡単な方法(2023年時点)
スマートフォン・タブレットなどのモバイル端末のスペック(スコア)を計測することのできるツールとして、『AnTuTu Benchmark』(アンツツ ベンチマーク)というものがあります。 AnTuTuと ...
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結果として、約81.7万点のスコアを記録することが出来た。
ハイエンドモデルと言って差支えのないスコアを記録しており、ウェブサイト閲覧や動画視聴はもちろん、『原神』などの激重ゲームアプリでも問題なく快適に遊ぶことのできる性能の高さだ。
他の機種で同スコア帯を記録するには、Galaxyなど10万円以上のハイエンドモデルを購入する必要があるため、いかに本製品のコスパが優れているかがわかる。
仕事や動画視聴、ゲーミング用のタブレットを探している幅広い方にオススメできるモデルである。
それでは以下からは、実際に使用した感想について紹介していく。
FHD+・120Hzの美しく滑らかな映像
本機のディスプレイは1080×2400(FHD+)解像度、最高1200Hzの高リフレッシュレートに対応しており、美しく滑らかな映像を楽しむことが可能だ。
▼リフレッシュレートは設定アプリより切り替えることが出来る。
また "ブライトHDRビデオモード" も用意されており、HDR動画を再生する際に画面輝度を自動で調節することも可能だ。
▼ウェブサイト閲覧時も、細かい文字まで明瞭に表示されるため見やすい。ページスクロールもなめらかで心地よい。
▼ディスプレイの発色が良く、ゲームや映画、アニメなどでもカラフルな映像を楽しめる。
▼120Hzの高リフレッシュレートで描画される映像は実に滑らかで、快適な操作が可能だ。
映像視聴やゲーミング目的にスマホの購入を検討している方でも、十分に満足度の高い体験が可能だろう。
ほとんどの作業をスムーズにこなすことが可能
本機のパフォーマンスを確認すべく、ウェブサイト閲覧時・動画視聴時の動作について検証した。
ウェブブラウジングは基本的に快適であり、画像が多めのサイトや、処理の重いサイトであっても スムーズに閲覧することが出来た。
▼ほとんどのウェブサイトがスピーディに表示される。
また、YouTubeやネットフリックスなどの動画サイトを閲覧した場合においても、スピーディかつスムーズに動画を再生することが可能であった。
▼フルHD画質以上の美しい映像を、スムーズに視聴することが出来る。
▼アニメから実写映画まで、満足度の高い映像体験が可能だ。
以上の通り、ウェブサイト閲覧や動画視聴といった一般的なスマホ用途に関しては、問題なく快適に行うことが出来た。
スピーカー性能はイマイチ
本機には下部にドルビーアトモス対応のデュアルステレオスピーカーが内蔵されている。
実際にいくつか音楽を再生してみたが、音質に関しては正直イマイチだ。
中~高音域に関してはそこそこ響くものの、音質はお世辞にも良いとは言えず、低音に関してはほとんど響かない。また音圧が弱く、サウンド出力が一方向のみのため、音の立体感も欠ける。
映画やアニメなどでセリフを聞き取るぶんには問題ないが、音質に関してそこまで期待しない方が良いだろう。
実用的な性能のカメラ
本機に搭載されていカメラの性能について確認した。
▼実際にフロント(前面)カメラで撮影した画像。
フロントカメラに関して、画質は概ね良好であり、全体的に明るく、ヒトの輪郭から表情までクリアに映し出すことが出来ていた。
発色も自然で肉眼で見た場合に近い。激しく動いても気になるレベルの残像は発生しないため、見づらさを感じることもかなった。
自撮りだけでなく、ウェブ会議やオンライン授業など、オンライン通話用途に利用しても問題のない品質だろう。
▼リア(背面)カメラで撮影した画像。
像を見ても分かる通り、流石は50メガピクセルであることもあり、背面カメラの方が鮮明で美しい写真を撮影することが可能であった。遠景から近景まで、クリアで発色の良い写真を撮影することができている。
またマクロカメラのおかげで、接写時にも細部まで鮮明な写真を撮影することも可能であった。
旅行時やアウトドアな場面での記念撮影用カメラとしても、十分に利用できる品質だと言える。
ゲーミング性能の確認
各種ゲームアプリを遊んだ際のパフォーマンスについても確認していく。
なお、本製品に搭載された "ゲームスペース" 機能により、パフォーマンスモードなど動作モードを切り替えることが可能だ。
▼そのほか、画面録画など便利な機能も利用することができる。
今回のレビュー時には、パフォーマンスモードに設定して動作を確認した。
『PUBG』プレイ時
まずは『PUBG』の場合について。
まずグラフィッククオリティに関しては『HD』までを選択することが出来た。
▼性能的にはFHD(最高画質設定)まで上げることが可能なはずだが、なぜかHDまでしか選択できなかった。
実際に何試合か参加してみたが、処理落ちやカクつきなどはほとんど生じず、快適なゲームプレイが可能であった。
▼木々のテクスチャから遠くの風景まで、クリアに描画される。
▼激しく動き回っても、ラグやフレームレート低下などを感じることはほとんどなかった。
120Hzリフレッシュレートのおかげで描画も滑らかなため、満足度の高い体験が可能であった。
『統合版マインクラフト(旧PE)』プレイ時
続いて『統合版マインクラフト(旧PE)』の場合について。
ワールドを作成して実際にプレイしてみたが、スムーズで快適に操作することが出来た。
▼チャンク読み込み時にも全く重さを感じない。
▼処理の重くなりがちな森林バイオーム等でも、スムーズな操作が可能だ。
なお、画質改善MODである『影MOD』を導入した場合でも、快適に動作させることが出来た。
※影MODの導入方法はコチラのサイトを参照。
影MODを始めとする多くのアドオンを導入したり、友人らと多人数マルチサーバーに参加した場合でも、スムーズな動作を実現することが可能だろう。
『原神』プレイ時
最後に "激重" ゲームとしても有名な『原神』の場合について。
非常に重いゲームアプリとして有名な『原神』であるが、本機ではスムーズにプレイすることが可能であった。
▼画質設定はデフォルト状態で "中" に設定されており、デバイス負荷は "スムーズ" の状態。
▼画質設定を "高" に設定した場合、デバイス負荷は "非常に高い" となるが、ゲーム自体はいたってスムーズに遊ぶことが可能であった。
中画質設定であれば、常時50fps以上でスムーズに動作した。
▼美しく滑らかな描画で原神を楽しめる。
▼激しく動いた場合でもカクつきや遅延を感じることはほとんどなかった。
『原神』クラスの激重ゲームでもこれだけ快適に遊べるのであれば、大抵のゲームアプリはスムーズに動作するだろう。
以上の通り、ゲーミング用途にも活用できるほどのパフォーマンスを発揮するタブレットとなっている。
バッテリーの持ちが良い
本製品(150W・5000mAh版)のバッテリーの持ちは非常に良好であり、長時間の高負荷利用を続けた場合でも、残量はそこまで減ることが無かった。
▼激重ゲームアプリを1時間弱ほどプレイし続けた場合、バッテリーは16%ほどしか減少しなかった。
最近の高性能スマホは優れた性能を発揮する一方で、高負荷使用時にかなりの発熱が起こり、パフォーマンス低下やバッテリーの急激な減少を引き起こすモデルが多々ある。
しかし本製品では、長時間利用した場合でも筐体自体はそこまで熱くならず、パフォーマンスへの影響もほとんど感じられなかった。バッテリーも、同性能の他モデルと比べて減りの速度がかなり抑えられている。
▼GTモードを起動することで、バッテリー効率をより向上させることが可能。
そしてバッテリー残量が低下した場合でも、150Wモデルであれば約5分の急速充電を行うことで、残量を5%⇒40%近くまで一気に回復させることができた。
公式が "ちょっとした空き時間に十分な充電ができる" と謳っている通り、実にストレスのない利便性を実現できていると感じた。
『realme GT Neo3』のまとめ
今回紹介した『realme GT Neo3』について、特徴をまとめると以下の通りだ。
良かった点
- コンパクトかつ軽量な筐体
- 大抵の作業を快適にこなせる高スペック構成
- 『原神』など激重ゲームアプリも快適にプレイ可能
- 実用的なカメラ性能
- 性能に対して比較的リーズナブルな価格
- 持ちの良いバッテリー
- 便利な150W高速充電
悪かった点
- スピーカー性能はイマイチ
- 記事執筆時点で中国版のみの販売
- マイクロSDカードに非対応
以上の通り、4~5万円前後の価格にも関わらず、最新Galaxyなど10万円台のハイエンドモデルにも引けを取らないパフォーマンスを発揮する、高コスパ・高性能なAndroidスマホとなっている。
ウェブサイト閲覧や動画視聴はもちろん、ゲーミングにおいても優れたパフォーマンスを発揮するため、ゲーム目的でスマホを探している方にもオススメだ。
基本性能が優れている点は言うまでもなく、バッテリーの持ちが良く、150W高速充電によりちょっとした空き時間で一気にバッテリーを回復できるため、ストレスなく利用することが可能となっている。
カメラ性能にも優れている一方で、スピーカー音質はイマイチのため、ゲーミングやメディア視聴の際にはイヤホン等の利用をオススメする。
なにはともあれ、コスパ的には非常に優れたモデルと言っても過言ではないだろう。
同価格帯でゲーミングにも適した高性能なスマホを探している方には、是非オススメしたいモデルだ。
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