中国メーカーのXiaomi(シャオミ)は2022年2月16日に、Snapdragon 8 Gen1搭載の最新高性能スマートフォン『Redmi K50 Gaming Edition』を発表した。
本モデルは『Redmi K40 Gaming Edition』(2021年4月発売)の後継モデルであり、基本スペックが大幅に向上しているほか、より快適なゲームプレイを可能にしたゲーミングスマホとなっている。
今回はこの『Redmi K50 Gaming Edition』について、実際に使用した感想を元にレビューしていきたいと思う。
なお、今回のレビュー時には12GB RAM + 128GB ストレージモデルを使用している。
高性能ゲーミングスマホ『Redmi K50 Gaming Edition』
今回紹介する『Redmi K50 Gaming Edition』は、パワフルなSnapdragon 8 Gen1を採用した高性能ゲーミングスマホだ。
現時点(記事執筆時点)で中国版のみの販売となっており、グローバル版販売の予定はない。
8GB+128GB / 12GB+128GB / 12GB+256GB の3モデルが販売されており、最も安価なモデルは 7万円前後(AliExpress参考価格)で購入が可能だ。
ブランド | Xiaomi(シャオミ) |
モデル名 | K50 Gaming Edition |
ディスプレイサイズ | 6.67インチ有機ELディスプレイ |
解像度 | 2,400×1,080(FHD+) |
リフレッシュレート | 120Hz |
OS | MIUI 13(Android 11準拠) |
CPU | Snapdragon 8 Gen1 |
RAM | 8GB / 12GB |
ストレージ | 128GB / 256GB |
SIMカード | 対応(デュアルnanoSIM) |
マイクロSDカード | 非対応 |
対応通信規格 | Wi-Fi, Bluetooth 5.2, GPS 5G :n1/ n3/ n5/ n8/ n28a/ n38/ n40/ n41/ n77/ n78 4G:FDD-LTE :B1/ B2/ B3/ B4/ B5/ B7/ B8/ B18/ B19/ B26 TDD-LTE:B34/ B38/ B39/ B40/ B41/ B42 3G:WCDMA:B1/ B2/ B4/ B5/ B6/ B8/ B19 2G:GSM:B2/ B3/ B5/ B8 ; CDMA 1X : BC0 |
搭載カメラ | フロント:20MP リア:64MPメインカメラ+8MP超広角カメラ+2MPマクロカメラ |
バッテリー容量 | 4700mAh |
本体サイズ | 162.5×76.7×8.5 mm |
本体重量 | 約210g |
CPUには "Snapdragon 8 Gen1 オクタコアプロセッサー" を採用しており、8GB/12GB RAM(メモリ)を搭載。パワフルなパフォーマンスで大抵の作業を快適にこなすことが可能だ。
6.67インチ有機ELディスプレイは2,400×1,080(FHD+)解像度、および最高120Hzの高リフレッシュレートに対応しており、美しく滑らかな映像を楽しむことが出来る。
▼メディア視聴やゲーミング用デバイスとしても文句のない映像クオリティを実現。
▼強固なゴリラガラスを採用しており、衝撃にも強い。
ストレージは128GB/256GBの2モデルが用意。マイクロSDカード等のストレージ拡張には対応していない。
通信規格はWi-FiやBluetooth、GPSに対応。デュアルnanoSIMカードの挿入にも対応しており、4G・5G回線通信も可能だ。
内部にはJBLチューニングのクアッドスピーカーが内蔵。立体的かつ高品質なサウンドを楽しむことが出来る。
前面には20メガピクセルのフロントカメラを、背面には64MPメインカメラ+8MP超広角カメラ+2MPマクロカメラを搭載。下手なデジカメに引けを取らないほど美しい映像・写真を撮影することが出来る。
そして本製品最大の徳高として、ポップアップ式の物理LRショルダーボタンが搭載されている点が挙げられる。
▼両側面にそれぞれ搭載された2つのショルダーボタンには、ゲーム中の好きな操作機能を割り当てることが可能。
このように、比較的リーズナブルな価格に対して充実したスペック構成を擁する、高コスパなAndroidゲーミングスマホとなっている。
製品本体および付属品
▼外箱の様子
▼内容物をすべて取り出した様子
内容物一覧は以下の通り。
【内容物一覧】
- スマートフォン本体
- スマホケース
- 説明書
- 電源アダプタ
- USBケーブル
- カードスロット開閉用ピン
▼説明書は日本語非対応ですが扱い方で困ることはないだろう。
▼スマホの外観。薄ベゼルの6.67インチディスプレイを搭載。
▼前面中央には20メガピクセルのフロントカメラを搭載。
▼背面は独特な光沢が見られ、手触りにも多少の高級感がある。
▼背面上部には64MPメインカメラ+8MP超広角カメラ+2MPマクロカメラを搭載
▼本体重量は約210gと、6.67インチモデルとしては一般的な重量だ。
▼厚みは8.5 mmと薄い。
続いてインターフェースについて紹介していく。
▼本体右側面には、2つのポップアップ式ショルダーボタンと電源ボタンが搭載されている。
▼トリガーをスライドすることで、両側のショルダーボタンがポップアップする。
▼利用するときだけショルダーボタンをポップアップさせることが出来るため、普段はスマホ利用の邪魔にならない。
▼左側面には、音量調節ボタンやカードスロットが用意。
▼付属のピンを用いてスロットを開き、デュアルnanoSIMカードの挿入が可能となる。
▼本体上部の様子。JBLチューニングのスピーカーが2基搭載されている。
▼下部の様子。Type-Cポートに加えて、コチラにもJBLチューニングのスピーカーが2基搭載。
上下にそれぞれ2基ずつ、計4基のスピーカーが搭載されていることで、立体的なサウンドを楽しめるようになっている。
ちなみに、本製品には専用のケースが付属している。
▼実際に装着した様子
ケースの品質自体は中々良く、そのまま利用できるレベルだと感じた。
ただしケーブルの種類によっては底部のType-Cポートに挿入しづらくなってしまうため、必要に応じて自身の好みのケースを別途購入すると良いだろう。
AnTuTuベンチマークテスト
本機について、スマホ・タブレット端末の性能を測ることのできる『AnTuTuベンチマークテスト』を実施してみた。
▼Android端末におけるAnTuTuベンチマークテストの実施方法はコチラを参照
-
Android端末でAnTuTuベンチマークテストを行う超簡単な方法(2023年時点)
スマートフォン・タブレットなどのモバイル端末のスペック(スコア)を計測することのできるツールとして、『AnTuTu Benchmark』(アンツツ ベンチマーク)というものがあります。 AnTuTuと ...
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結果として、約85,2万点のスコアを記録することが出来た。
7万円前後で購入可能なスマホとしては、かなり高いスコアを記録できている。
ウェブサイト閲覧や動画視聴はもちろん、『原神』などの激重ゲームアプリでも問題なく快適に遊ぶことのできる性能の高さだ。
iPadなどのiOS端末で同等のスコアを出すには、10万円前後のモデルを購入する必要があるため、いかに本製品のコスパが優れているかがわかる。
仕事や動画視聴、ゲーミング用のタブレットを探している幅広い方にオススメできるモデルである。
それでは以下からは、実際に使用した感想について紹介していく。
FHD+・120 Hzの美しく滑らかな映像
本機のディスプレイは2,400×1,080(FHD+)解像度、最高120Hzの高リフレッシュレートに対応しており、非常に美しく滑らかな映像を楽しむことが可能だ。
▼リフレッシュレートは設定アプリより切り替えることが出来る。
▼ウェブサイト閲覧時も、細かい文字まで明瞭に表示されるため見やすい。ページスクロールもなめらかで心地よい。
▼ディスプレイの発色が良く、ゲームや映画、アニメなどでもカラフルな映像を楽しめる。120Hzの高リフレッシュレートで描画される映像は実に滑らかで、快適な操作を楽しめる。
映像視聴やゲーミングをメイン目的にスマホの購入を検討している方でも、満足度の高い体験が可能だろう。
大抵の作業をスムーズにこなすことが可能
本機のパフォーマンスを確認すべく、ウェブサイト閲覧時・動画視聴時の動作について検証した。
ウェブブラウジングは基本的に快適であり、画像が多めのサイトや、処理の重いサイトであっても スムーズに閲覧することが出来た。
▼ほとんどのウェブサイトがスピーディに表示される。
また、YouTubeやネットフリックスなどの動画サイトを閲覧した場合においても、スピーディかつスムーズに動画を再生することが可能であった。
▼フルHD画質以上の美しい映像を、スムーズに視聴することが出来る。アニメから実写映画まで、満足度の高い映像体験が可能だ。
以上の通り、ウェブサイト閲覧や動画視聴といった一般的なスマホ用途に関しては、何の問題もなく快適に行うことが出来た。
JBLチューニングスピーカーによる高品質サウンド
本機のクアッドスピーカーついて音質を確認してみた。
実際に様々な楽曲を視聴したが、いずれの場合においてもクリアで鮮明なサウンドを堪能できた。
中~高音域に関しては聞き取りやすく、スピーカー4基による音圧も強いため、低音に関してもこの価格帯のスマホにしては優れた表現を実現できている。
スピーカーが上下に分かれているおかげで、音に多少の立体感が生まれており、ゲームアプリプレイ時にはステレオ音声で相手の位置を音で把握することも可能であった。
イヤホン等を接続せずとも、そこそこ満足度の高いサウンド体験が可能だろう。
実用性の高いフロント・リアカメラ
また、本機に搭載されていカメラについても確認した。
▼実際にフロント(前面)カメラで撮影した画像。
フロントカメラに関して、画質は概ね良好であり、全体的に明るく、ヒトの輪郭から表情までクリアに映し出すことが出来ていた。
発色も自然で肉眼で見た場合に近い。激しく動いても気になるレベルの残像は発生しないため、見づらさを感じることもかなった。
自撮りだけでなく、ウェブ会議やオンライン授業など、オンライン通話用途に利用しても問題のない品質だ。
▼リア(背面)カメラで撮影した画像。
背面カメラについても、フロントカメラ以上に美しい写真を撮影することが可能であった。発色も良く、肉眼で見た場合に近い色合いを実現出来ている。
マクロカメラを搭載しているため、接写撮影時でも細部まで鮮明な写真を撮影することが可能だ。
旅行中の記念撮影用メインカメラとしても十分に活用できるクオリティだろう。
ゲーミング性能の確認
最後に、本機を用いて各種ゲームアプリを遊んだ際のパフォーマンスについても確認していく。
『PUBG』プレイ時
まずは『PUBG』の場合について。
まずグラフィッククオリティに関しては、現時点の最高設定である『UHD』までを選択することが出来た。
▼フレーム設定も "ウルトラ" まで選択可能。
実際に試合に参加してみたが、大人数のプレイヤーが密集する場所においても、処理落ちやカクつきなどはほとんど生じず、終始快適なゲームプレイが可能であった。
▼近くのテクスチャから遠くの風景まで、美しく描画される。
激しく動き回っても、ラグやフレームレート低下などを感じることはほとんどなかった。
▼120Hzの高リフレッシュレートのおかげで、全体的に動きがとても滑らかに描画される。
本気でスマホゲーを楽しみたいでも満足度の高い体験が可能だろう。
『統合版マインクラフト(旧PE)』プレイ時
続いて『統合版マインクラフト(旧PE)』の場合について。
ワールドを作成して実際にプレイしてみたが、スムーズで快適に操作することが出来た。
▼チャンク読み込み時にも全く重さを感じない。
▼処理の重くなりがちなジャングルバイオーム等でも、フレームレート低下やカクつきを感じることは無かった。
クリエイティブやサバイバル、またはマルチサーバーに参加した際などにも、パフォーマンスは非常に安定しており終始スムーズなゲーミングが可能であった。多人数マルチサーバーに参加した場合でも、スムーズな動作で楽しめるだろう。
『原神』プレイ時
最後に "激重" ゲームとしても有名な『原神』の場合について。
非常に重いゲームアプリとして有名な『原神』であるが、本機ではスムーズにプレイすることが可能であった。
▼画質設定はデフォルト状態で "中" に設定されており、デバイス負荷は "スムーズ" の状態。
▼画質設定を "最高" まで上げた場合でもプレイ可能だが、操作中に多少のフレームレート低下を感じることがあった。
▼美しく滑らかな描画で原神を楽しめる。
▼ "中" 画質設定以下であれば、激しく動いた場合でもカクつきや遅延を感じることはほとんどなかった。
『原神』クラスの激重ゲームでもこれだけ快適に遊べるのであれば、大抵のゲームアプリはスムーズに動作するだろう。
以上の通り、ゲーミング用途にも活用できるパフォーマンスを発揮するスマホとなっている。
好みの機能を割り当てることの出来るショルダーボタン
本製品に搭載された左右のショルダーボタンを活用することで、さらに快適なゲーミングを楽しめるようになる。
▼スイッチをスライドさせてショルダーボタンをポップアップさせる。
続いてゲームアプリ起動中に画面端をスワイプすると、ゲーム用の設定ウィンドウが出現する。
▼画面録画や各種通知オフなど、ゲーミングを快適にする各種機能を利用できる。
ここで "Shoulder button" を選択すると、左右のショルダーボタンに割り当てる操作機能を、ゲームアプリごとに自由に設定することが出来る。
▼画面上の好みの仮想コントローラのボタンを、各ショルダーボタンに割り当てることが可能。
これにより、ゲームコントローラーのLRトリガーのようにショルダーボタン利用できるようになる。
ショルダーボタンを使いこなすことで、ゲームプレイ時の操作効率を間違いなく向上させることが出来るだろう。
ちなみに非ゲームプレイ時には、スマホ利用に関する好みの機能をショルダーボタンに割り当てることが可能だ。
▼各機能にワンクリックでアクセスできる、ショートカットボタンとしての役割も果たす。
発熱が気になる
本製品を使用していて唯一気になった点が、本体の発熱だ。
Snapdragon 8 Gen1搭載の高性能スマホによく見受けられる問題なのだが、特にゲームアプリなど、端末に負荷をかける処理を数分行っているだけで、スマホ自体がかなりの熱を帯びてくる。
性能の高さゆえの発熱なのだろうか。しかし熱を帯びてくると同時に、パフォーマンスにも顕著な影響が見られるようになる。
例えば原神を "中" 画質設定でプレイしたとき、20~30分ほどプレイし続けていると急激に本体が熱くなり、本来快適であるはずのパフォーマンスが低下して、フレームレート低下や多少のカクつきが感じられるようになってしまった。
せっかくの高スペック構成であるにもかかわらず、それ自体の熱でパフォーマンスが低下してしまうのはもったいないと感じた。
初期設定に注意
なお本製品は現時点(記事執筆時点)で グローバル版の販売が無い。
そのため、購入時点でスマホは中華仕様となっており、見たことのないアプリがプリインストールされていたり、言語設定が英語or中国語になっている。
また、初期状態でGoogle Play Storeアプリがインストールされておらず、自身でダウンロードする必要がある。
▼中国版Android端末にGoogle Playストアアプリをインストールする方法はコチラ
中国版スマホ・タブレットにGoogle Playストアアプリを導入する方法を簡単に解説
これらの点を除けば、根本的な扱い方は通常のAndroid端末と同じだが、利用中に何かしらの不都合を感じるかもしれない。
購入時にはその点に留意した方が良いだろう。
『Redmi K50 Gaming Edition』のまとめ
今回紹介した『Redmi K50 Gaming Edition』について、特徴をまとめると以下の通りだ。
良かった点
- 軽量化かつ薄型な筐体サイズ
- 高級感のある筐体素材
- 大抵の作業を快適にこなせる高い性能
- 『原神』など激重ゲームアプリも快適に動作する3D処理性能
- 実用的なカメラ性能
- 優れたスピーカー音質
- ゲーミングにうってつけのポップアップ式ショルダーボタン
悪かった点
- グローバル版が未発売
- 高負荷時の発熱が気になる
以上の通り、7万円前後という比較的リーズナブルな価格に対して、AnTuTuスコア80万点超えのパワフルな性能を発揮する高性能ゲーミングスマホとなっている。
FHD+解像度・120Hzリフレッシュレート対応の曲面ディスプレイにより、滑らかで美しい映像を楽しむことが出来る。また強力なパフォーマンスにより、大抵の作業を快適にこなすことが可能だ。
JBLチューニングのクアッドスピーカーによる音質は良く、映像視聴やゲーミング目的でスマホを探している方でも、満足度の高い体験が可能だろう。
カメラ性能も優れており、オンライン通話はもちろん、旅行時や記念撮影用カメラとしても十分に活用できる品質だ。
そして何より、ポップアップ式のショルダーボタンは実にユニークなアイデアだ。普段のスマホ利用時には便利なショートカットボタンとして活用でき、ゲームプレイ時には物理的なLRボタンとして操作性を向上させることに貢献する。まさにゲーミングスマホとしてはうってつけの機構だ。
一方で、スマホ本体の発熱が気になった。持っていられないほどの熱を帯びるワケでは決してないが、いかんせん発熱がパフォーマンスへダイレクトに影響するため、もう少しどうにかならなかったのか、というのが正直なところだ。
価格に対する性能の高さは及第点レベルに達していると言えるだろう。しかし前述した発熱の問題があるため、高負荷状態で長時間使用し続けると、持ちづらいほどの温度に達する点には注意した方が良いだろう。
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