2023年3月、Xiaomi(シャオミ・中国)のサブブランドであるRedmiは、ミドルハイスペックスマートフォン『Redmi Note 12 Turbo』を発売した。
最新の『Snapdragon 7+ Gen 2』を採用しており、リーズナブルな価格に対してハイエンドモデルに引けを取らないパフォーマンスを発揮する高コスパモデルとなっている。
発売時点で以下のラインナップが用意されている。
- 8GB RAM + 256GBストレージ:1,999元(約3.8万円)
- 12GB RAM + 256GBストレージ:2,099元(約4万円)
- 12GB RAM + 512GBストレージ:2,399元(約4.6万円)
- 16GB RAM + 1TBストレージ:2,599元(約5万円)
- 12GB RAM + 256GBストレージ(ハリーポッターエディション):2,399元(約4.6万円)
今回、『Redmi Note 12 Turbo ハリー・ポッターエディション』を提供していただいたので、実際に使用した感想を基にレビューしていきたいと思う。
ブランド | Redmi(Xiaomi) |
型名 | Redmi Note 12 Turbo |
ディスプレイサイズ | 6.67インチ 有機ELディスプレイ |
解像度 | 2,400×1,080(FHD+) |
リフレッシュレート | 最高120Hz |
OS | MIUI 14(Android13ベース) |
CPU | Snapdragon 7+ Gen 2 オクタコアプロセッサー |
RAM | 8GB / 12GB / 16GB |
ストレージ | 256GB / 512GB / 1TB |
SIMカード | 対応(デュアル nano SIM) |
マイクロSDカード | 非対応 |
対応通信規格 | Wi-Fi(802.11 a/b/g/n/ac/ax), Bluetooth 5.3, NFC 3G:W-CDMA:1 / 5 / 6 / 8 / 19 4G LTE: FDD LTE:1 / 3 / 5 / 8 / 19 TD-LTE:34 / 38 / 39 / 40 / 41 / 42 5G NR:Sub6:n1 / n3 / n5 / n8 / n28 / n38 / n41 / n77 / n78 |
搭載カメラ | フロント:16MPカメラ リア:64MPメイン+8MP超広角+2MPマクロカメラ |
バッテリー容量 | 5,000mAh(67W急速充電対応) |
本体サイズ | 161.11×74.95×7.9mm |
本体重量 | 約181g |
Redmi Note 12 TurboはSnapdragon 7+ Gen 2を搭載している。
2022年のハイエンドSoC、Snapdragon 8+ Gen 1と同じTSMC 4nmプロセス・アーキテクチャ・ISPを使用しているおかげでミドルレンジモデルとは思えないほどの高い性能を誇っている。
普段使いに影響しやすいメモリやストレージもLPDDR5メモリ、UFS 3.1ストレージで抜かりはない。
ベイパーチャンバー冷却機構は3725mm²に。
ハイエンドモデルでは当たり前となった120Hzリフレッシュレートにもしっかり対応。
FHD+解像度のOLEDディスプレイで、輝度は1,000nitsと屋外でも見やすい明るさだ。
5,000mAh容量のバッテリーを搭載。
67Wでの急速充電が可能で、バッテリーは1.33日持つとのこと。
Redmiブランドではコスト削減のためOIS 光学式手ぶれ補正に非対応であることが多かったが、今回はOISに対応。手ぶれの少ない写真・動画撮影が可能となっている。
メインカメラは64MP。
原神を平均58FPSでプレイできるほどの性能にもかかわらず、中国では1999CNY (約3.8万円) ~で購入できてしまう。
ゲーム性能だけを求めるなら、もはやハイエンドスマホを買わなくても良いレベルになるとは驚きの一言だ。
なお、ラインナップにはハリー・ポッターとコラボした『Redmi Note 12 Turbo ハリー・ポッターエディション』が用意されており、外箱から筐体にいたるまで、ハリーポッターの世界観を模したデザインがなされている。
ハイエンドスマホを求めている方だけでなく、ハリーポッターファンにとっても垂涎もののモデルと言えるだろう。
製品本体および付属品
▼外箱の様子
▼ハリーポッターの世界観を模したデザインがなされている。
▼フタを開けた様子。
▼フタの裏には、階段下の物置部屋のハリーポッターへ宛てられた手紙を再現した用紙が同梱されている。
▼内部のフタは、賢者の石で登場した「みぞの鏡」を模したデザインとなっている。
▼フタの下側には、9と4分の3番線のプレートを模した、カードスロット開閉用ピンが同梱。
▼内側のフタを外した様子。
▼内容物をすべて取り出した様子。
内容物一覧は以下の通り。
【内容物一覧】
- スマートフォン本体
- ハリーポッターシール一式
- 入学許可証(手紙)
- 忍びの地図(ユーザーマニュアル)
- カードスロット開閉用ピン
- スマホケース
- USB Type-Cケーブル
- 電源アダプタ
▼電源アダプタは普通のデザイン。
▼ホグワーツの「忍びの地図」を模した、ユニークなデザインのユーザーマニュアル。
▼スマホ本体の外観。161.11×74.95×7.9mm、 約181gの筐体サイズ。
▼前面中央には16MPのフロントカメラを内蔵。
▼背面の様子。
▼背面には64MPメイン+8MP超広角+2MPマクロカメラを搭載。
▼持ち運びに適したサイズ感と重量。
▼ハリーポッターをモチーフとした背面デザインはカッコいい。
▼カメラ部分には、ハリーのメガネを模したユニークなデザインがなされている。
▼背面中央には、ホグワーツ魔法魔術学校の4つの寮を表すデザインに加えて、学校のモットーである「眠れるドラゴンをくすぐるべからず」(Draco dormiens nunquam titillandus)がラテン語で描かれている。
▼手触りは良好。指紋や手脂などの汚れも付着しづらい。
▼厚みは7.9mmと薄く、ポケット等に入れて持ち運んでも支障にならないだろう。
続いて、インターフェースについて見ていく。
▼上部にはDolby Atmos対応のスピーカーが内蔵されているほか、3.5mmイヤホンジャックも用意。
▼下部にもスピーカーが内蔵。カードスロットやType-Cポートも用意。
▼付属のピンを用いてスロットを開き、デュアルnanoSIMカードの挿入が可能だ。
▼左側面の様子。
▼右側面には音量調節ボタン、電源ボタンが用意。電源ボタンは指紋認証に対応している。
指紋認証・顔認証に対応
本製品は指紋認証および顔認証に対応している。
複数の認証方法を選択できる点は嬉しい。電源ボタンの指紋認証精度は高く、ストレスなくロック解除できる。
専用ケースが付属
本製品には専用ケースが付属している。
▼実際に装着した様子。
背面の半分だけカバーされるという変わったデザインだが、左手で持った際に指の当たる部分が筐体に直接触れないため、汚れの付着防止にはなるのだろう。
AnTuTuベンチマークテスト
本機について、スマホ・タブレット端末の性能を測ることのできる『AnTuTuベンチマークテスト』を実施してみた。
▼Android端末におけるAnTuTuベンチマークテストの実施方法はコチラを参照
-
Android端末でAnTuTuベンチマークテストを行う超簡単な方法(2023年時点)
スマートフォン・タブレットなどのモバイル端末のスペック(スコア)を計測することのできるツールとして、『AnTuTu Benchmark』(アンツツ ベンチマーク)というものがあります。 AnTuTuと ...
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結果として、約93.5万点のスコアを記録することが出来た。
ウェブサイト閲覧や動画視聴はもちろん、『原神』を含めた激重ゲームアプリでも問題なく快適に遊ぶことのできる性能の高さだ。
5万円前後で入手可能なモデルとしては、実に優れた性能を実現していると言える。ハイエンドモデルと言っても差支えのないスコアだ。価格相応のパフォーマンスを実現出来ていると言える。本格的なゲーミング用のスマホを探している方にもオススメできるモデルである。
それでは以下から、実際に使用した感想について紹介していく。
FHD+・120Hzの美しく滑らかな薄ベゼルディスプレイ
本機のディスプレイは2,400×1,080(FHD+)解像度、最高120Hzの高リフレッシュレートに対応しており、美しく滑らかな映像を楽しむことが可能だ。
▼リフレッシュレートは設定アプリより切り替えることが出来る。
▼薄ベゼルデザインのため、手のひらいっぱいに映像が広がる。
▼ハリーポッターエディションでは、デフォルトでスニッチが飛び回るアニメーション付き背景が設定されていた。
▼ウェブサイト閲覧時も、細かい文字まで明瞭に表示され見やすい。ページスクロールもなめらかで心地よい。
最高120Hzの高リフレッシュレートで描画される映像は実に滑らかで、ストレスなく操作できる。
▼なお画面スリープ中にスマホを手に取ると、時間や日付情報などが簡易表示される設定も用意。
ほぼ全ての作業をスムーズにこなせる性能
本機のパフォーマンスを確認すべく、ウェブサイト閲覧時・動画視聴時の動作について検証した。
ウェブブラウジングは基本的に快適であり、画像が多めのサイトや、処理の重いサイトであっても スムーズに閲覧することが出来た。
▼ほとんどのウェブサイトが一瞬で表示される。
また、YouTubeやネットフリックスなどの動画サイトを閲覧した場合においても、スピーディかつ滑らかな動画再生が可能であった。
▼最高画質の美しい映像を、スムーズに視聴することが出来る。
▼発色も良好。実写からアニメまで、満足度の高い映像体験が可能だ。
優れたサウンド品質
本機のステレオスピーカーについて、音質を確認してみた。
本製品ではDolby Atmos対応のステレオスピーカーによる高音質な音楽を楽しめる。
音質自体は良好で、中~高音域に関してはクリアなサウンドを楽しむことができる。上下にスピーカーが内蔵されているため、映像視聴時やゲーミング時にもそこそこ立体感のある音が出力される。
一方で、低音に関しては潰れてしまっており、音圧こそ強いものの、そこまでの迫力は感じられなかった。
普通にサウンドを楽しむには申し分のない音質だと感じたが、本格的なサウンド体験を楽しみたい場合には、スピーカーやイヤホンの接続をオススメしたい。
高品質フロント・リアカメラ
また、本機に搭載されているカメラについても確認した。
▼実際にフロント(前面)カメラで撮影した画像。
フロントカメラに関して、画質は概ね良好であり、ヒトの輪郭から表情までクリアに映し出すことが出来ていた。
▼リア(背面)カメラで撮影した画像。広角撮影。
▼1倍撮影時
▼2倍撮影時
▼3倍撮影時
▼屋外撮影(1倍)
▼屋外撮影(3倍)
▼屋外撮影(10倍)
背面カメラについても、フロントカメラ以上に鮮明で美しい写真を撮影することが可能であった。発色も良く、肉眼で見た場合に近い色合いを実現している。
上画像を見ても分かる通り、遠景から近景、広角まで、明瞭に撮影することができた。特に遠景撮影時に関しては、10倍拡大撮影を行った場合でも、鮮明な輪郭で撮影することが可能であった。
旅行や記念撮影用のカメラとしても十分に活用できる品質だろう。
最後に、本機を用いて各種ゲームアプリを遊んだ際のパフォーマンスについても確認していく。
ゲーミング性能の確認
最後に、本機を用いて各種ゲームアプリを遊んだ際のパフォーマンスについても確認していく。
『PUBG』プレイ時
まずは『PUBG』の場合について。
まずグラフィッククオリティに関しては、現時点で最高設定である『FHD』を選択することが出来た。
▼フレーム設定はウルトラを選択可能。
実際に試合に参加してみたが、大人数のプレイヤーが密集する場所においても、処理落ちやカクつきなどはほとんど生じず、終始快適なゲームプレイが可能であった。
▼近くのテクスチャから遠くの風景まで、美しく描画される。
▼激しく動き回っても、ラグやフレームレート低下などを感じることはほとんどなかった。120Hz高リフレッシュレートのおかげで、全体的に動きが滑らかに描画される。
▼滑らかな描画で鮮明なゲームプレイが可能。咄嗟の反応もしやすい。
『PUBG』に関しては、満足度の高いゲームプレイが可能であった。
『統合版マインクラフト(旧PE)』プレイ時
続いて『統合版マインクラフト(旧PE)』の場合について。
ワールドを作成して実際にプレイしてみたが、スムーズで快適に操作することが出来た。
▼チャンク読み込み時にも全く重さを感じない。
▼処理の重くなりがちなバイオームでも、フレームレート低下やカクつきを感じることは無かった。
クリエイティブやサバイバル、またはマルチサーバーに参加した際などにも、パフォーマンスは非常に安定しており終始スムーズなゲーミングが可能であった。
多くのアドオンを導入したり、友人らと多人数マルチサーバーに参加した場合でも、スムーズな動作を実現することが出来るだろう。
『原神』プレイ時
最後に "激重" ゲームとしても有名な『原神』の場合について。
非常に重いゲームアプリとして有名な『原神』であるが、本機ではスムーズにプレイすることが可能であった。
▼画質設定はデフォルト状態で "低" に設定されており、デバイス負荷は "スムーズ" の状態。
▼しかし、グラフィック設定を "高" に設定した場合でも、常時60fps前後で安定したゲームプレイが可能であった。
▼高画質設定の鮮明な描画で、スムーズに原神をプレイすることができた。
▼激しく動いた場合でもカクつきや遅延を感じることはほとんどなかった。
このように、『原神』クラスの激重ゲームでも常時60fps前後安定で遊ぶことが可能であった。大抵のゲームアプリはスムーズに動作するだろう。
ゲームターボ機能が用意
ちなみに本機には "ゲームターボ(Game Turbo)" 機能が用意されており、スマホ処理をゲーム向けに最適化することが出来る。今回のパフォーマンス確認時には、この機能を活用してパフォーマンスを最適化したうえで、ゲームをプレイした。
▼ゲームアプリをプレイ中に、画面左端をスワイプすることで、ゲームターボのメニュー画面を呼び出すことも出来る。
▼パフォーマンスの切り替えから、画面録画、着信OFFなど、様々な便利機能を利用できる。
本機でゲーミングを楽しみたい方にとっても、うってつけの機能が搭載されたスマホとなっている。
長持ちするバッテリー
本製品には5,000mAhの大容量バッテリーが内蔵されており、長時間の連続利用が可能だ。
実際に満充電の状態から7~8時間ほどゲームアプリを連続して遊んでみたところ、35%ほどしかバッテリーが減っていなかった。ただし画質などのパフォーマンスに影響を及ぼす設定によっては、バッテリー消費速度は大きく変化する。
長時間の連続使用後にも、筐体は気になるほどの熱は持たなかった。
また本製品は67W高速充電に対応しており、少しの充電時間で一気にバッテリーを回復できる。
短時間の充電で数時間分のバッテリーを回復できる点は魅力的だ。
『Redmi Note 12 Turbo ハリー・ポッターエディション』のまとめ
今回紹介した『Redmi Note 12 Turbo ハリー・ポッターエディション』について、特長をまとめると以下の通りだ。
良かった点
- 優れたスペック構成とパフォーマンス
- 性能に対して比較的リーズナブルな価格
- 汚れづらい筐体素材
- 美しい120Hz対応ディスプレイ
- 原神レベルの激重アプリも、高画質設定で快適にプレイ可能
- 長持ちするバッテリー
- 実用的なカメラ性能
- ゲームターボ機能が用意
悪かった点
- 低音がほぼ響かないスピーカー
以上の通り、5万円前後という比較的リーズナブルな価格に対して、100万点近いAnTuTuベンチマークスコアを記録するほどの、パワフルな性能を発揮する高コスパなミドルハイレンジスマホとなっている。
FHD+解像度・120Hzリフレッシュレート対応ディスプレイにより、滑らかで美しい映像を楽しむことが出来る。優れた性能により、大抵の作業を快適にこなすことが可能だ。
カメラ性能も優れており、オンライン通話はもちろん、旅行時や記念撮影用カメラとしても十分に活用できる品質となっている。デュアルスピーカーの音質もそこそこ良く、音圧も強い。ただし低音に関してはほとんど響かないため、そこまでの期待は禁物だ。
3D処理性能が優れているうえにゲームターボ機能も用意されているため、ゲーミングスマホを探している方にもオススメできる。
そして何より、ハリーポッターの魔法使いの世界を模したデザインとパッケージ内容はユニークであり、ハリーポッターのファンであれば入手する価値のあるファンアイテムだと言える。
5万円前後で可能な限り実用性の高いスマホを探している方には、是非オススメしたいモデルだ。
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