2023年4月、無線型のイヤホンを数多く手掛けるSoundPEATS(サウンドピーツ)は、同社の最新モデル『SOUNDPEATS Opera03』および『SOUNDPEATS Opera05』の販売を開始した。
makuakeにて先行予約が可能であり、早期単体価格はOpera03が8,250円(税込)、Opera05が10,080円(税込)となっている。
日本オーディオ協会の「Hi-Res Wireless」ロゴを冠したインナーイヤー型完全ワイヤレスイヤホンであり、ハイレゾの音を生きたまま届ける「LDACコーデック」に対応。リーズナブルな価格に対して、非常に品質の高いサウンド体験を実現した最新モデルとなっている。
今回、提携先より『SOUNDPEATS Opera05』を提供していただいたので、Opera03との比較もまじえつつ、実際に使用した感想を基にレビューしていきたいと思う。
ブランド | SOUNDPEATS |
モデル名 | SOUNDPEATS Opera05 |
タイプ | 無線(ワイヤレス) |
形式 | カナル |
本体操作 | タッチ式 |
ドライバー方式 | バランスド・アーマチュアドライバー 2基 |
再生周波数帯域 | 20Hz~40KHz |
対応コーデック | LDAC, AAC, SBC |
Bluetoothバージョン | Bluetooth 5.3 |
最大持続時間 | イヤホン単体:9時間 ケース込み:33時間 |
本体重量 | イヤホン単体:約7.3g ケース込み:約58.8g |
充電時間 | 約1.5時間 |
充電ポート | USB Type-C |
ENC通話ノイズキャンセリング機能 | 対応 |
ANCノイズキャンセリング | 対応 |
専用アプリ | SOUNDPEATS |
防水性能 | IPX4 |
『SOUNDPEATS Opera03』および『SOUNDPEATS Opera05』は、日本オーディオ協会によるハイレゾ認証取得済みの高性能ワイヤレスイヤホンだ。従来の約3倍のデータをイヤホンへ送信できるため、解像度と表現力に富んだ高音質サウンドがいつでも味わえる。
▼Opera03とOpera05の比較表。Opera05の方が上位互換モデルとなっている。
Opera 05は、“イヤホンの心臓”とも呼ばれるドライバーを3基搭載。ハイクラスのイヤホンに使われることが多いバランスド・アーマチュア(BA型)ドライバー×2基、大迫力サウンドが特長の12mmダイナミックドライバー×1基を搭載しており、実にクリアなサウンドを楽しむことができる。
( Opera03の場合は1基のBA型ドライバーと12mmダイナ
最新のBluetooth 5.3を採用しており、人通りの多い場所やターミナル駅でも音切れが起こりにくく、消費電力を抑えながら安定した通信品質を実現している。
アクティブノイズキャンセリング(ANC)と外音取り込み機能を搭載。ANC機能の騒音低減効果は、最大-30dB。
目覚ましのベルの音(60dB)→深夜の郊外(30dB)になるほどのノイキャン力で、日常的にあふれる騒音をかき消し、音楽と自分だけの空間を演出する。
イヤホンの形状にもこだわっており、多くの方の耳にフィットする人間工学に基づいた設計を採用。「パッシブ効果」と呼ばれる物理的な耳栓のような効果が得られる工夫も施されている。
そしてENC(環境騒音低減技術)も搭載しており、通話中のノイズを最大-50dB低減。片耳に2基ずつ、計4基のマイクが備わっており、「人の声」と「環境音」を正確に分別することが可能。ノイズを効率的にフィルタリングし、しっかりカットすることで、雑音のないクリアな音声を届けることができる。
通話中、ANC&ENC機能をONにすることで、自分の周囲の環境音を低減し、相手の声がよりクリアに聞こえるようにできる。「え?今なんて言ったの?」なんて聞き返すことはなくなるだろう。
公式無料アプリ「SOUNDPEATS」(iOS・Android)に対応。「今日は迫力のある低音を楽しみたい」「クラシックをしっとり味わいたい」といった気分に応じて、アプリ内では「ロック」「クラシック」など8種類のイコライザーが用意されているほか、その日の気分によって音を自由に調整することが可能だ。
イヤホン本体だけで最大9時間、充電ケースを使用すれば最大33時間もの再生時間を確保。毎日2時間使用しても、半ヶ月以上も持つロングバッテリー内蔵モデルとなっている。
以上の通り、1万円前後とは思えないほど品質の優れた、高コストパフォーマンスな完全ワイヤレスイヤホンとなっている。
製品本体および付属品
今回のレビューでは「Opera05」をメインに紹介していく。
▼外箱の様子
▼内容物をすべて取り出した様子。
内容物一覧は以下の通り。
【内容物一覧】
- イヤホン本体
- イヤーチップ×3ペア(S・M・Lサイズ各1ペア)
- 充電ケース
- USB-A to C 充電ケーブル
- 取扱説明書
- アプリ説明書
▼ユーザーマニュアルは日本語にも完全対応しているので安心だ。
サイズの異なる3セットの交換用イヤーピースが付属。充実したパッケージ内容となっている。
チャージケース
製品には収納とイヤホンの充電器を兼ねた、チャージケースが付属する。
▼指でつまめるほど非常にコンパクトなサイズ。正面中央にはLEDインジケータが搭載されている。
▼左側面にはマルチボタンが用意。
▼背面中央には充電用Type-Cポートが用意。
▼ズボンのポケットにもスッポリ収まるサイズ。
▼上部のフタをカパッと開けると、左右のイヤホンがスッポリ収まっている。
イヤホン本体
イヤホン本体も非常にコンパクトなサイズとなっている。
▼気を付けないと紛失し兼ねないほど小さい。
▼材質はプラスチックで軽く、筐体カラーが黒色のため、汚れなども目立ちづらい。
▼「Opera05」はゴールドの装飾が施されており、見た目的にも高級感がある。
▼側面にはタッチパネルが内蔵。
▼左右イヤホンのタッチパネルを利用して、各機能へ瞬時にアクセスすることが可能だ。
「Opera03」と「Opera05」の比較
▼「Opera03」(画像左)と「Opera05」(画像右)の比較。パッケージ内容(付属品)は全く同じだ。
▼ケースやイヤホンのサイズは同じだが、Opera03(画像左)はシルバー、Opera05(画像右)はゴールドがアクセントカラーとなっている。
▼イヤホンを取り出した様子。
▼アクセントカラーが異なるくらいで、サイズ感や重量は全く同じだ。
AirPods Proとの比較
▼「Opera05」(画像左)と私が所有する「AirPods Pro」(画像右)を並べた様子。サイズ的にはAirPods Proよりも一回り小さく、軽い。
▼全長は「Opera05」の方が短いが、見た目的にはOperaの方がデップリとした感じ。
専用カバーで持ち運びラクラク
なお、本製品は購入ページにて専用カバーも販売されており、ケースに装着することで、持ち運びがさらに容易になる。
▼専用カバー
▼ケースをスッポリ収めることができるほか、もう片側にType-Cケーブルや予備のイヤーチップを収納しておくことができる。
▼チャックの強度はシッカリしており、カバンなどにストラップ感覚で取り付けておくことで、よりスムーズに持ち運べるだろう。
デバイスとの接続(ペアリング)方法
『SOUNDPEATS Opera05』はBluetoothによるワイヤレス接続に対応しており、接続(ペアリング)方法はいたってシンプルだ。
イヤホンを収納した状態でケース側面のボタンを3秒以上長押しすると、インジケータが点滅し始めてペアリングモードになる。
デバイス側で "SOUNDPEATS Opera05" が表示されるので、選択することで接続(ペアリング)が完了する。
これだけの手順で接続を完了できる。
次回以降は、ケースのフタを開くだけで自動的に接続されるようになるため、この手のデバイスの扱いが苦手な方でも、全く問題なく使用することができるだろう。
なお、ケース正面のインジケータの点灯具合によって、バッテリー残量を把握することが出来る。
専用アプリのインストールを推奨
ちなみに、本製品にはiOS・Android対応の公式アプリ(無料)が用意されており、デバイスにインストールしておくことで様々な調節を行うことが可能だ。
▼公式アプリ『SOUNDPEATS』
▼アプリ画面。イヤホンの充電残量や接続状態、音質に関する各種パラメータの調節などを行うことが出来る。
▼ゲーミングや音楽視聴など、用途に応じてカスタマイズすることが可能。ノイズキャンセリングや外音取り込み機能の切り替えもここで行うことが出来る。
柔軟な使い方が出来る点も、本製品の魅力の1つだ。
▼新機能「アダプティブイコライザー機能」も用意。
非常に快適な装着感
実際にイヤホンを装着してみた。
まずペアリング済みのイヤホンをケースから取り出し、両耳にはめる。そしてイヤホン下部(伸びている部分)が垂直に下を向くように、耳にはめた状態で軽くひねって固定する。
イヤホンは左右数グラムほどしかなく、装着しても重さや不快感などは一切感じない。
長時間装着し続けても耳が痛くなったり、疲れることは無かった。
数あるワイヤレスイヤホンの中でも、実に快適な装着性を実現できていると言える。
装着した状態で動き回った場合でも落ちてしまうことはなかったが、ランニングなどの激しい運動時には、人によっては脱落してしまうかもしれないので要注意だ。
解像度と表現力に富んだ高音質サウンド
実際に本製品を使用して様々な楽曲を視聴してみたが、音質は非常に良好であり、1万円前後の比較的安いワイヤレスイヤホンとは思えないほどのクオリティだ。さすがはソニーが開発した高音質コーデックの代表格「LDAC」を採用しているだけあり、解像度と表現力に富んだ高音質サウンドを実現できていると感じた。
▼Opera05
さすがに低音に関してはAirPods Proなどのハイエンドモデルには敵わないが、中~高音に関しては、2万円クラスのモデルと遜色ないほど、実にクリアなサウンドを実現できていた。特にボーカル音の響きが良く、生歌に近い印象を受けるレベルであった。ホワイトノイズ等も特になく、高音でも割れることはなかった。
特にOpera 05は、ドライバーを3基搭載。また、ハイクラスのイヤホンに使われることが多いバランスド・アーマチュア(BA型)ドライバー×2基、大迫力サウンドが特長の12mmダイナミックドライバー×1基を搭載。そして高級イヤホンでの搭載が多い「メタル(金属製)ノズル」を採用し、3基のドライバーと一体化させることで、不要な音の振動や澱みを抑えたクリアな音を表現している。
私は今まで数多くの有線・無線タイプのイヤホンを試用してきたが、この価格帯でこれほどの音質を実現できているワイヤレスイヤホンは他に類を見ないレベルだ。
ワイヤレスイヤホンの場合、低音が弱く音に迫力が感じられない傾向にある。しかし『SOUNDPEATS Opera05』の場合、低音もそこそこシッカリとした重厚な響きを聴かせるため、EDMなどの楽曲でも迫力のあるサウンドを楽しむことができた。
ボリュームの調整幅も広く、音量を7割ほどに調整しても十分な音圧を感じることが可能であった。ただしあくまでインナーイヤー型の中では頑張っている部類というだけで、本格的なヘッドセットほどの低音は期待しない方が良いだろう。
ノイズキャンセリング機能や外音取り込み機能のレベルも高く、通話に使用した際にも周囲の環境音を低減し、快適な音声通話を楽しむことができた。
▼「ANCモード」「通常モード」「外音取り込みモード」の3種類から切り替え可能。
この価格帯のイヤホンの中では、間違いなくトップクラスのサウンドを実現できていると言える。
「Opera03」との違いは誤差レベル
ちなみに、Opera03との音の聴き比べを行ったが、音の奥行きに多少の差があるかな?と思う程度であり、体感的にはそこまでの音の違いは分からなかった。
▼Opera03
個人的には、出来るだけコストを抑えたいのであれば、Opera03でも十分に満足度の高いサウンド体験が可能だといった感想に達した。ただ見た目的にはOpera05の方が高級感があるため、デザインの好みに応じて選択しても良いだろう。
イコライザー(EQ)による調節が可能
公式アプリにはイコライザー(EQ)調節機能が用意されており、イヤホンの音質を自分好みにカスタマイズすることが出来る。
▼イコライザーによる詳細なカスタマイズが可能。
また、イコライザーを細かく調節するのが面倒な方向けに、複数のEQプリセットも用意されている。
EQプリセットでは、低音抑制や低音強調、ヒップホップ、クラシックなど、視聴する音楽種別に最適なサウンド環境をワンタッチで実現することが出来る。
選択するプリセットによって全く異なる傾向のサウンドを楽しむことが出来る。しかも微々たる違いではなく、同じ楽曲でも体験がガラリと変わるほど、各プリセットが差別化されていた。
音響にあまり詳しくない方にとって、イコライザーをイジるのは敷居が高い。しかしアプリ上でプリセットが用意されていることにより、音の変化を気軽に楽しめるのは優れた機能であると感じた。なお、どの設定が最適か分からない場合は、上述した「アダプティブイコライザー機能」を利用して自動調整を行ってもらっても良いだろう。
取り回しが楽
実際に『SOUNDPEATS Opera05』を使用すると、取り回しが実に楽なことに気が付くだろう。
まずケースからイヤホンを取り出すと瞬時にペアリングされ、耳に装着する頃にはサウンドを出力する準備が完了している。ワイヤレスイヤホンによってはペアリングに時間のかかるタイプもあるが、本製品はその点でストレスに感じることは無い。
そして使い終わった際は、チャージケースに収納することでBluetooth接続が解除され、充電が行われる。
この流れが非常にシンプルでラクなため、日常の中でストレスなく自然に使用し続けることが可能だ。ユーザービリティに優れた設計が成されていると感じられた。
タッチパネルのON/OFF切替が可能
ワイヤレスイヤホンのユーザーによっては、イヤホンに搭載されたタッチパネルを誤って触れてしまい、誤操作を起こしてしまった経験もあるだろう。
▼タッチ回数により、電源ON/OFF、音量調節、曲送/戻しなどの操作を瞬時に行うことが出来る。
人によっては誤作動にストレスを感じることがあるかもしれない。その場合は、前述したアプリの設定画面でタッチ操作をOFFにしておくことも可能だ。
長時間持続するバッテリー
このサイズにしては、本製品の充電は比較的長持ちする部類だ。
イヤホン本体のスタンドアローン状態で約9時間、チャージケースを併用することで33時間の使用が可能になり、外出先に2,3日持って行っても平気で充電が持続する。
ケース本体のバッテリーが低下した場合は、Type-Cケーブルを接続して充電できる。
▼Type-Cポートが背面に位置しているため、ケーブルを接続すると下画像のように不格好になってしまうのがやや欠点。
実際に1週間ほど試用してみたが、1日に3~4時間程度使用する分には、1週間で1, 2回ほど充電を行うだけで事足りた。いちいち充電する手間を省くことが出来る点は実に嬉しい。
『SOUNDPEATS Opera05』のまとめ
今回紹介した『SOUNDPEATS Opera05』について、特長をまとめると以下の通りだ。
良かった点
- 性能に対してリーズナブルな価格
- 価格以上に優れた音質
- 軽量かつコンパクトなケース
- バッテリー持続時間が長い
- 激しい動きでもズレ落ちない自然なフィット感
- ペアリングが簡単(スムーズ)
- 便利なEQプリセット
- 高度なANC・ENC機能
悪かった点
- Type-Cポートの位置が背面(ケーブル接続時に浮いてしまう)
- Opera03とOpera05は、体感的な音質の違いは特に感じられない
以上の通り、価格以上の性能を発揮するワイヤレスイヤホンとなっている。
音質も良く、特に中~高音域に関しては満足度の高いサウンド体験が可能だ。今まで数多くの有線・無線タイプのイヤホンを試用してきたが、この価格帯でこれほどの音質を実現できているワイヤレスイヤホンは他に類を見ないレベルだ。
特にワイヤレスイヤホンの場合、低音が弱く音に迫力が感じられない傾向にある。しかし『SOUNDPEATS Opera05』の場合は、低音もそこそこシッカリとした重厚な響きを聴かせるため、EDMなどの楽曲でも迫力のあるサウンドを楽しむことができた。
ただしあくまでインナーイヤー型の中では頑張っている部類というだけで、本格的なヘッドセットほどの低音は期待しない方が良いだろう。
バッテリー持続力も優れており、外出先でもケース携行で長時間の連続利用が可能。
一方、欲を言えばケース自体がワイヤレス充電に対応していてほしかったところだ。また、側面にタッチパネルに触れてしまい誤作動を起こしやすいためON/OFF切替機能が用意されている点は嬉しいが、個人的には感度調節機能も用意してほしいところだ。
また、Opera03とOpera05を聴き比べた結果、体感的な音質の違いは特に感じられなかった。もしどちらを購入すべきか迷っている場合は、見た目的な高級感に特にこだわらないのであれば、Opera03を選択しても十分に満足度の高い音楽体験が可能だろう。
1万円前後で性能の良い完全ワイヤレスイヤホンを探している方には、是非オススメしたい製品だ。
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