中国のテクノロジー企業であるMobvoiは2024年5月に、最新スマートウォッチ「TicWatch Pro 5 Enduro」を日本国内で発売した。
ちょうど1年前の2023年5月にリリースされた『TicWatch Pro 5』をベースに改良され、より速く、よりスムーズな操作性と接続性を備えたスマートウォッチとなっている。超低消費電力ディスプレイと高速充電テクノロジーを採用し、前モデルを超える90時間という脅威の連続駆動時間を実現している。
今回、提携先より本製品を提供していただいたので、実際に使用した感想を基にレビューしていきたいと思う。
▼前モデル『TicWatch Pro 5』のレビューはコチラ
-
『TicWatch Pro 5』レビュー | 頑丈で高級感もある高性能スマートウォッチ
中国のテクノロジー企業であるMobvoiは2023年5月に、最新スマートウォッチ「TicWatch Pro 5」を日本国内で発売した。 同シリーズの前作から2年半の歳月を経てリリースされた本製品は、G ...
続きを見る
Wear OS by Google搭載の高性能アウトドアスマートウォッチ
今回紹介する『TicWatch Pro 5 Enduro』は、Wear OS by Google搭載のAndroid向けスマートウォッチだ。iPhoneなどのiOSデバイスとの接続には対応していないので注意したい。
メーカー | Mobvoi |
モデル名 | TicWatch Pro 5 Enduro |
カラー | オブシディアンブラック |
ディスプレイ | 1.43インチ AMOLED+FSTN液晶 |
解像度 | 466×466 / 326ppi |
OS | Wear OS by Google |
CPU | Snapdragon W5+ Gen 1 |
RAM | 2GB |
ストレージ | 32GB |
マイク&スピーカー | 内蔵 |
NFC | 対応 |
Felica | 非対応 |
耐久規格 | MIL-STD-810H |
防水規格 | 5ATM |
対応OS | Android8.0以上(iOS非対応) |
対応通信規格 | Bluetooth 5.2, Wi-Fi 2.4GHz |
位置測位システム | GPS, GLONASS, Galileo, BeiDou, QZSS |
バッテリー | 628mAh |
持続時間 | スマートモード:約90時間 エッセンシャルモード:約45日間 |
高速充電 | 約30分(2日間利用可能) |
本体サイズ | 50.15 × 48.0 × 11.95 mm |
本体重量 | 約44.7g(バンド込み) |
ウォッチケース材質 | ステンレス, 7000シリーズアルミウム, 高強度ナイロン, グラスファイバー |
ディスプレイ材質 | サファイアクリスタルガラス |
バンド材質 | フッ素ゴム(フルオロエラストマー) |
バンド幅 | 24mm |
日常利用やビジネス利用はもちろん、アウトドア利用にも特化したモデルであり、5ATM規格の防水性能と、MIL-STD-810H規格の耐衝撃性能を備えている。ディスプレイはサファイアクリスタルガラスで保護されており、ぶつけたり擦ったりした場合でもキズが付いたり割れづらくなっている。
気圧計やコンパスなどの機能も搭載しており、アウトドアな場面で利用するにはうってつけだ。
▼水泳などのマリンアクティビティにも利用可能。
前モデル(TicWatch Pro 5)と同じく、筐体には回転式クラウンが用意されており、手袋を付けたままでもスムーズな操作が可能。。クラウンの形状をドーム型に変更するなど改良がなされており、感触が良くなっており、誤動作も起きづらくなっている。
1.43インチのAMOLED(有機EL)ディスプレイと、超低消費電力ディスプレイ(FSTN液晶)の2層ディスプレイを採用。前モデル(TicWatch Pro 5)よりもバッテリーの持続時間が向上し、スマートモードでは最大90時間、エッセンシャルモードでは
最大45日間持続する超長寿命を実現している。
『TicWatch Pro 5 Enduro』はCPUに「Snapdragon W5+ Gen 1」を、OSには「Wear OS by Google」を採用しており、実にスムーズな処理と操作を楽しめる。ウォッチ内にはフィットネスアプリや健康管理アプリをはじめ、バリエーション豊かなプリインストールされているうえ、Google Play Storeアプリ経由でウォッチ上から様々なアプリを自由に追加することも可能だ。
▼100種類以上のワークアウト計測にも対応。
Mobvoi 製「TicHealth」アプリがプリインストールされており、心拍数、血中酸素、睡眠、ストレス、健康目標など
の機能を利用可能。毎日の活動レベルのモニタリングから心拍数、睡眠パターンなどのトラッキングまで、自身の健康状態を常に把握できる。
そのほか、32GBの内蔵ストレージが用意、マイク&スピーカー内蔵、NFC対応など、全体的に優れたスペック構成のモデルとなっている。
製品本体および付属品
▼外箱の様子
▼内容物をすべて取り出した様子。
内容物一覧は以下の通り。
【内容物一覧】
- スマートウォッチ本体
- ユーザーマニュアル
- 充電ケーブル
▼ユーザーマニュアルは日本語にも対応。
▼ウォッチ本体の外観
▼1.43インチディスプレイを搭載。サファイアクリスタルガラスで保護されており、ぶつけたり擦ったりした場合でもキズが付いたり割れづらくなっている。
▼バンドの幅は24mm、素材にはフッ素ゴム(フルオロエラストマー)を採用。頑丈で汚れが目立ちづらく、肌触りも良い。
▼左側面の様子。
▼右側面の様子。サイドボタン、回転式クラウンが用意。
▼裏面の様子。
▼手首に当たる部分には、生体情報を読み取るためのセンサーと、充電端子が用意。
▼上下の付け根のレバーを引くことで、バンドを交換できる。
▼実際に装着した様子。バンド込みで約44.7gと非常に軽く、装着していても重さはほとんど感じられない。
▼バンドの肌触りも良く、長時間装着し続けていても痛みや擦れは生じなかった。
そして5ATMの防水規格で設計されているため、装着した状態で手洗いを行ったり、シャワーを浴びても故障することはない。
スピーカーに水が浸入して音がくぐもって聴こえる場合に備えて、水抜き機能も用意されている。
マグネット式充電でバッテリーを急速回復
本製品付属の充電ケーブルは、マグネット吸着式となっている。
充電の際は、スマートウォッチ背面のポートにケーブル端子を近づけるだけでカチッと磁石で吸着し、充電が開始される。
いちいち端子を手探りで探して接続する必要もないため、普段からストレスなく充電を開始出来る。
▼充電中はバッテリー残量が小数点2位までリアルタイムに表示される。
充電速度は速く、バッテリー残量がほぼゼロに近い状態でも、60~70分ほど給電を行うことで満充電まであっという間に満充電状態まで回復させることが可能だ。
▼充電中の様子
公式アプリのインストールでスマホと同期
本製品の利用を開始する際は、スマートウォッチと連携したいスマホやタブレット端末へ、事前に公式アプリをインストールしておこう。
▼専用アプリ(Android対応)
サイドボタンを長押しするとスマートウォッチが起動し、ペアリングスタンバイ状態となる。
▼アプリ側でウォッチが検出されると、設定画面に進める。
▼ウォッチにセキュリティ保護を施すことも可能。
▼初期設定が完了するとウォッチがアプリ上に登録され、すべての機能を利用できるようになる。
▼利用を開始した状態。
Wear OS by Google搭載で非常に豊富な機能を利用可能
本製品にはWear OS by Googleが搭載されており、一般的なスマートウォッチ以上に豊富な機能が用意されている。
▼一覧からバリエーション豊かなアプリ・ツールを利用可能。
▼主なプリインストール機能を一部紹介(ウォッチ上のスクリーンショット)
このように、実に豊富な機能がプリインストールされており、初起動時から本格的なウォッチ利用を楽しめるようになっている。
マップ機能を利用すれば、ペアリング中のスマホのナビゲーション情報がウォッチ上に表示されるようになる。
▼音声入力に対応しているので、いちいちタッチする手間を省ける。
YouTube Musicアプリでは、YouTube上の音楽をダウンロードしたり、再生することが可能。
▼32GBものストレージを内蔵しているため、数百曲分の音楽を保存してオフライン状況でも再生できる。
▼Googleカレンダーとの同期も可能。イベント等がウォッチ上に通知されるようになるため、リマインダーとして優秀だ。
▼本製品はNFCに対応しているため、各種カード類をスマホ経由で登録して、ウォッチ上から利用できる。
▼気圧計や高度計など、アウトドア時に役立つ機能も豊富に揃っている。
Playストアからアプリを自由にインストール可能
また、本製品にはPlayストアアプリもプリインストールされており、ストア経由で新しいアプリや機能を自由に追加出来る。
▼アプリ画面。
上述した通り内蔵ストレージが非常に大きいため、豊富なアプリをインストールできる点は嬉しい。
バリエーション豊かなウォッチフェイス
アプリから無料のテーマをインストールすることで、ウォッチフェイスのデザインを自由に変更することも可能だ。
▼公式が配布するテーマを、オンライン上から有料/無料でインストール出来る。
クール系からビジネス系、デザイナーズ系まで幅広いバリエーションが用意されており、常に新しいテーマが更新されている。
▼デザイン性を重視するか、見やすさを重視するか、好みのテーマを適用しよう。
常時表示機能にも対応しており、ウォッチ上に必要最低限の情報を常に表示させることも可能。
▼常時表示機能をオンにした際の簡易表示。
なお、テーマカラーや表示レイアウトを変更できる機能も用意されている。
▼同じテーマでも、気分を変えて利用できる。
高度な健康管理が可能
本製品では、公式アプリと組み合わせることで高度な健康管理を行うことが出来る。
100種類を超えるワークアウト計測に対応しており、高精度なGPS測位を利用して、精密な運動強度を計測できる。
5ATMの防水規格に対応しているため、水泳などのアクティビティ計測にも活用できる。
計測後のワークアウトデータはアプリ内に保存される。健康促進具合をグラフ等で可視化できるため、毎日のアクティビティのモチベーションアップにも繋がるだろう。
運動計測以外にも、心拍数測定、血中酸素飽和濃度測定、睡眠管理、ストレス管理など、様々な健康モニタリング機能が用意されている。
スマートウォッチを装着しているだけで自身の健康状態を24時間体制でモニタリングできる、上手く活用することで健康寿命の延長にもつながるだろう。
なお、外部ツールと連携することで、データの共有&同期を行うことも出来る。
通知連動機能がとても便利
スマートウォッチを利用している中で、個人的に最も重宝している機能が "スマホ通知連動" である。
これはスマホ上に通知された着信、メッセージ受信、その他SNSアプリ等のプッシュ通知を、スマートウォッチ上でも確認できる機能だ。
この機能を利用すると、音声着信はもちろん、メッセージ受信時に内容を確認することも可能となる。LINEやSkype、E-mailなど、メッセージアプリで届いたテキストの内容をディスプレイで確認することもできる。
▼アプリごとに通知のON/OFFを切り替えられる点も嬉しい。
▼各種通知をスマートウォッチ上で確認できるため、スマホを出さずとも内容を把握することが出来るようになる。
▼高解像度ディスプレイのおかげで、細かな文字まで見やすい。
各通知はバイブレーションで通知してくれるため、重要な着信やメッセージが届いた際にも、気付かずにとり逃してしまった!確認が遅れてしまった!といった事態を防ぐことが出来るだろう。
なお本製品はマイク&スピーカーを内蔵しているため、スマートウォッチ上で音声通話を行うことも可能だ。
▼ウォッチ上でダイヤル操作を行うことも出来る。
クラウン回転ボタンでスムーズな操作が可能
本製品には側面にクラウン回転ボタンが用意されており、ダイヤルのように回転させることで、画面送りやズームイン/アウト(マップアプリ)などの操作を行うことができる。
反応性は良好で、グローブなどを装着していても操作できるため、アウトドアアクティビティの際には重宝する機能だと言える。
『TicWatch Pro 5 Enduro』のまとめ
今回紹介した『TicWatch Pro 5 Enduro』について、特長をまとめると以下の通りだ。
良かった点
- スタイリッシュなデザイン
- 優れた耐久性
- 快適な着け心地
- 公式アプリ上で詳細なカスタマイズ、調整、データ確認が可能
- Playストアアプリから機能を自由に追加可能
- 32GBストレージを内蔵
- ウォッチテーマを自由にカスタマイズ可能
- 高度な健康管理が可能
- 非常に素早くい充電速度
- 便利なスマホ通知連動機能
悪かった点
- iOS非対応
- Felica非対応
以上の通り、非常に機能の充実した高機能スマートウォッチとなっている。
優れた耐久性・耐水性に対してスタイリッシュなデザインとなっており、アウトドアアクティビティだけでなく、ビジネスの場に装着して行っても違和感はないだろう。
デフォルトで用意されている機能に加えて、32GBの大容量ストレージに、Playストア経由で多種多様なアプリを自由に追加できるため、拡張性にも優れたモデルだと言える。
ワークアウト計測や睡眠モニタリング機能をはじめとした多くの健康管理ツールも用意されており、装着しているだけで、普段から健康を意識できるようになるだろう。
バッテリーの持ちも良好で、充電なしで7日間ほど連続利用しても問題なかった。また充電速度が非常に早く、わずかな10分ほどの充電で2~3日はバッテリーがもつ。
一方で、iOS非対応、Felica非対応な点に関してはやや残念だ。できればiOSにも対応してほしいところだ。
何はともあれ、通話対応、NFC対応の高品質なスマートウォッチを探している方にとって、選択肢に入れて良いモデルの一つだと言える。
▼こちらの記事もオススメ
-
『TicWatch Pro 5』レビュー | 頑丈で高級感もある高性能スマートウォッチ
中国のテクノロジー企業であるMobvoiは2023年5月に、最新スマートウォッチ「TicWatch Pro 5」を日本国内で発売した。 同シリーズの前作から2年半の歳月を経てリリースされた本製品は、G ...
続きを見る
-
『TicWatch Pro 3 Ultra GPS』レビュー | Wear OS by Google対応スマートウォッチ
最近では身に着けるデバイス、いわゆる "ウェアラブルデバイス" が爆発的な普及を見せており、スマートウォッチはその最たる例と言って良いだろう。 スマートウォッチと言えばApple Watchなどの高価 ...
続きを見る