中国のテクノロジー企業であるMobvoiは2023年5月に、最新スマートウォッチ「TicWatch Pro 5」を日本国内で発売した。
同シリーズの前作から2年半の歳月を経てリリースされた本製品は、Googleが提供する「Wear OS」を搭載、最新プロセッサー「Snapdragon W5+ Gen 1」を採用している点が大きな特長の、ハイエンドスマートウォッチとなっている。
今回、提携先より本製品を提供していただいたので、実際に使用した感想を基にレビューしていきたいと思う。
頑丈で高級感もある高性能スマートウォッチ
今回紹介する「TicWatch Pro 5」は、優れた耐久性を備える一方で、高級感のあるスマートなデザインも両立した高性能スマートウォッチだ。
メーカー | Mobvoi |
モデル名 | TicWatch Pro 5 |
ディスプレイ | 1.43インチ AMOLED+FSTN液晶 |
解像度 | 466×466 / 326ppi |
OS | Wear OS by Google |
CPU | Snapdragon W5+ Gen 1 |
RAM | 2GB |
ストレージ | 32GB |
マイク&スピーカー | 内蔵 |
NFC | 対応 |
Felica | 非対応 |
耐久規格 | MIL-STD-810G |
防水規格 | 5ATM |
対応OS | Android8.0以上(iOS非対応) |
対応通信規格 | Bluetooth 5.2, GPS, Wi-Fi |
バッテリー | 628mAh(約80時間持続) |
本体サイズ | 50.1 × 48.0 × 12.2 mm |
本体重量 | 約44.3g(ストラップ含む) |
バンド素材 | シリコン |
バンド幅 | 24mm |
▼公式プロモーション動画
CPUに最新チップ「Snapdragon W5+ Gen 1」を採用し、従来比2倍以上の次世代レベルの処理能力や高速応答、高い電力効率を実現している。
大容量バッテリーを備え、スマートモードならば80時間連続で駆動できる。最低限のモード(エッセンシャルモード)ならばなんと45日間の持続が可能となっている。
急速充電にも対応しており、30分で65%のバッテリーを回復可能。利便性に優れている。
ディスプレイのタップ操作に加えて、筐体側面に用意された回転クラウンを活用したスクロールにも対応。手袋などを装着した状態でも操作できるようになっている。
18色のバックライトを備え、気分やシーンに合わせて色味を選択できる。
1000種以上の文字盤が揃えられており、スタイルや雰囲気に合わせて着せ替えを楽しむことができる。
耐久性にも優れており、5ATMの防水規格および米国軍規格である「US-MIL-STD 810H」に適合し、雨、砂、氷、衝撃、振動などの環境ストレスに耐えられるタフネスさを誇っている。
画面には、コーニングゴリラガラスに指紋付着防止コーティングの施されたAMOLED+FSTN液晶の2層ディスプレイを採用。466×466解像度による鮮明な映像が描画されます。
一測位に関しては、GPS, GLONASS, Galileo, QZSS, Beidouの全5つのグローバル衛星システムを利用し、世界のどこにいても正確な位置データを取得可能。
心拍数、血中酸素レベル、呼吸率、ストレスレベル、心の健康などを、一度のタップ(90秒)で測定できる。
心拍数は24時間監視され、健康状態を全体的に把握することができる。不整脈、早拍、心房細動、心室細動などの一部の心疾患も検出できるため、潜在的な健康リスクを管理することも可能だ。
起床、浅い睡眠、深い睡眠、レム睡眠の各睡眠段階をトラッキング可能。さらに、心拍数、血中酸素レベル、呼吸率、肌温を追跡し、Mobvoi Healthアプリで睡眠パターンと全体的な健康状態を視覚的に管理できる。
そして「Wear OS by Google」を搭載しているため、Googleの各種アプリを使用することも可能となっている。
製品本体および付属品
▼外箱の様子
▼内容物一覧をすべて取り出した様子
内容物一覧は以下の通り。
【内容物一覧】
- スマートウォッチ本体
- 充電ケーブル
- ユーザーマニュアル
- 安全に関する説明書
▼マニュアルは日本語にも対応している。
▼スマートウォッチ本体の外観。
▼バンドにはシリコン素材を採用。
50.1 × 48.0 × 12.2 mmの筐体に、1.43インチの大きめなタッチディスプレイが搭載されている。
▼金属製のフレームで囲われた本体部分には、頑丈さと高級感が感じられる。
▼指紋防止処理が施されたゴリラガラスは強度に優れており、汚れも付着しづらい。常に綺麗な状態で試用し続けることができる。
▼真横から見た様子。右側面にはファンクションボタンと回転クラウンが用意されている。
▼裏面の様子。
▼裏面の手首にあたる部分には、装着者の生体情報を読み取る端子と、充電ポートが用意。
このように、筐体自体はシンプルでスタイリッシュなデザインとなっている。
インターフェース構成自体は、一般的なスマートウォッチとほとんど大差はない。
なお、バンド根本裏面のレバーを引くことで、バンドを簡単に取り外して交換することが可能だ。
マグネット式充電でバッテリーを急速回復
本製品付属の充電ケーブルは、マグネット吸着式となっている。
充電の際は、スマートウォッチ背面のポートにケーブル端子を近づけるだけでカチッと磁石で吸着し、充電が開始される。
いちいち端子を手探りで探して接続する必要もないため、普段からストレスなく充電を開始出来る。
▼充電中はバッテリー残量が小数点2位までリアルタイムに表示される。
充電速度は速く、バッテリー残量がほぼゼロに近い状態でも、60~70分ほど給電を行うことで満充電まであっという間に回復させることが可能だ。
▼充電中の様子
公式アプリのインストールでスマホと同期
本製品の利用を開始する際は、スマートウォッチと連携したいスマホやタブレット端末へ、事前に公式アプリをインストールしておこう。
▼専用アプリ(Android対応)
側面のファンクションボタンを長押しするとスマートウォッチが起動し、ペアリングスタンバイ状態となる。
▼インターフェースは当然、日本語にも完全対応している。
▼アプリ上にスマートウォッチが表示されるので、
アプリ(スマホ・タブレット端末)とのペアリングが完了すると、端末上でスマートウォッチの状態を確認したり、データの分析や機能のカスタマイズなどを行うことが可能となる。
▼利用を開始した状態。
快適な着け心地
本製品の装着感は実に快適であり、バンドが手首へ柔軟にフィットする。
また約44.3gという軽さのため、長時間装着し続けても手首の疲れや違和感を感じることはなかった。
▼強めに締め付けた場合でも、皮膚との擦れなどはほとんど生じない。優れた耐久度に足して見た目的にはスタイリッシュなため、オシャレな場で他人に見られても気にならないだろう。
▼どのような太さの手首にも柔軟にフィットする。
▼シリコン製のバンドは、ホコリや汚れが付着しやすく目立ちやすい点がやや難点。
そして5ATMの防水規格で設計されているため、装着した状態で手洗いを行ったり、シャワーを浴びても故障することはない。
このように、普段から自然な気分で装着し続けることが可能となっている。
Wear OS by Google搭載で非常に豊富な機能を利用可能
本製品にはWear OS by Googleが搭載されており、一般的なスマートウォッチ以上に豊富な機能が用意されている。
▼豊富なアプリや機能を利用可能。
▼YouTube Musicなどの音楽をストリーミング再生したり、内部ストレージに楽曲をダウンロードしてローカル再生することも可能。
▼32GBの内部ストレージが用意。内部ストレージに楽曲をダウンロード保存しておくことで、オフライン環境でも再生できるようになる。
▼GPSとマップアプリを活用したナビゲーション機能も用意。
▼アラームやストップウォッチなどの汎用的な機能から、健康管理アプリまで幅広い機能を利用できる。
▼空気圧測定器など、アウトドアアクティビティに役立つ機能も豊富に搭載。
ヘルスケア機能全般からアラーム、メッセージ&着信通知、天気予報、そのほか便利機能など、一般的なスマートウォッチで利用できる機能はほぼすべて用意されている。
▼通信規格に関しては、Bluetooth、Wi-Fi、NFCに対応。Felicaには非対応だ。
Google Fit、YouTube Music、GoogleマップといったGoogleサービスを全て利用可能。
※Googleアシスタントには非対応。
▼日本語(漢字)の言語パックが非搭載なのか、仮想キーボードからは "ひらがな入力" のみが可能となっている。
▼マイク内蔵のため、いちいち文字入力する必要はない。
CPUに「Snapdragon W5+ Gen 1」を採用していることもあり、あらゆる作業・操作をスムーズに行うことが可能であった。
そして本製品はPlayストアアプリを搭載しているため、スマートウォッチ上で様々な機能を自由に追加することが出来る。
ストアから豊富な機能を自由に追加可能。ユニークな機能も用意されており、新しいものがどんどん更新されている。
今後も新機能が続々と更新されることが予想される。デフォルトで多機能なだけでなく、拡張性にも優れたスマートウォッチとなっている。
バリエーション豊かなウォッチフェイス
アプリから無料のテーマをインストールすることで、ウォッチフェイスのデザインを自由に変更することも可能だ。
▼公式が配布するテーマを、オンライン上から有料/無料でインストール出来る。
クール系からビジネス系、デザイナーズ系まで幅広いバリエーションが用意されており、常に新しいテーマが更新されている。
▼デザイン性を重視するか、見やすさを重視するか、好みのテーマを適用しよう。
なお、本製品は常時表示にも対応しており、対応テーマはスタンバイ時に簡易表示になり、バッテリー消耗を抑えつつ時間などの情報を表示させておくことが可能だ。
高度な健康管理が可能
本製品では、公式アプリと組み合わせることで高度な健康管理を行うことが出来る。
100種類を超えるワークアウト計測に対応しており、高精度なGPS測位を利用して、精密な運動強度を計測できる。
▼5ATMの防水規格に対応しているため、水泳などのアクティビティ計測にも活用できる。
計測後のワークアウトデータはアプリ内に保存される。健康促進具合をグラフ等で可視化できるため、毎日のアクティビティのモチベーションアップにも繋がるだろう。
運動計測以外にも、心拍数測定、血中酸素飽和濃度測定、睡眠管理、ストレス管理など、様々な健康モニタリング機能が用意されている。
スマートウォッチを装着しているだけで自身の健康状態を24時間体制でモニタリングできる、上手く活用することで健康寿命の延長にもつながるだろう。
なお、購入時には各計測機能へのアクセス許可がOFFになっているため、初起動後に設定よりすべての計測に対して "許可" へ変更しておく必要がある。
なお、外部ツールと連携することで、データの共有&同期を行うことも出来る。
通知連動機能がとても便利
スマートウォッチを利用している中で、個人的に最も重宝している機能が "スマホ通知連動" である。
これはスマホ上に通知された着信、メッセージ受信、その他SNSアプリ等のプッシュ通知を、スマートウォッチ上でも確認できる機能だ。
この機能を利用すると、音声着信はもちろん、メッセージ受信時に内容を確認することも可能となる。LINEやSkype、E-mailなど、メッセージアプリで届いたテキストの内容をディスプレイで確認することもできる。
▼アプリごとに通知のON/OFFを切り替えられる点も嬉しい。
▼各種通知をスマートウォッチ上で確認できるため、スマホを出さずとも内容を把握することが出来るようになる。
▼高解像度ディスプレイのおかげで、細かな文字まで見やすい。
各通知はバイブレーションで通知してくれるため、重要な着信やメッセージが届いた際にも、気付かずにとり逃してしまった!確認が遅れてしまった!といった事態を防ぐことが出来るだろう。
なお本製品はマイク&スピーカーを内蔵しているため、スマートウォッチ上で音声通話を行うことも可能だ。
▼ウォッチ上でダイヤル操作を行うことも出来る。
クラウン回転ボタンでスムーズな操作が可能
本製品には側面にクラウン回転ボタンが用意されており、ダイヤルのように回転させることで、画面送りやズームイン/アウト(マップアプリ)などの操作を行うことができる。
反応性は良好で、グローブなどを装着していても操作できるため、アウトドアアクティビティの際には重宝する機能だと言える。
『TicWatch Pro 5』のまとめ
今回紹介した『TicWatch Pro 5』について、特長をまとめると以下の通りだ。
良かった点
- 高級感のあるスタイリッシュなデザイン
- 優れた耐久性
- 公式アプリ上で詳細なカスタマイズ、調整、データ確認が可能
- Playストアアプリから機能を自由に追加可能
- 高度な健康管理が可能
- 非常に素早くい充電速度
- 便利なスマホ通知連動機能
悪かった点
- iOS非対応
- Googleアシスタント非対応
- Felica非対応
以上の通り、非常に機能の充実した高機能スマートウォッチとなっている。
優れた耐久性に対して高級感のあるデザインとなっており、アウトドアアクティビティだけでなく、ビジネスの場に装着して行っても違和感はないだろう。
デフォルトで用意されている機能に加えて、Playストアから多種多様なアプリを自由に追加できるため、拡張性にも優れたモデルだと言える。ワークアウト計測や睡眠モニタリング機能をはじめとした多くの健康管理ツールも用意されており、装着しているだけで、普段から健康を意識できるようになるだろう。
バッテリーの持ちも良好で、充電なしで7日間ほど連続利用しても問題なかった。また充電速度が非常に早く、わずかな充電時間で数日は充電がもつ。
ただiOS非対応、Googleアシスタント非対応、Felica非対応な点に関してはやや残念だ。
何はともあれ、可能な限り高品質なスマートウォッチを探している方にとって、選択肢に入れて良いスマートウォッチだろう。
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