世界中に数多くの翻訳デバイスをリリースしてきたTimekettle(タイムケトル)は、アプリ翻訳対応、装着後すぐに翻訳を開始できる高性能AI翻訳イヤホン『Timekettle W4 Pro』を販売している。
40言語・93アクセントの高精度な翻訳に対応。2人での会話翻訳モードに加え、傍聴通訳モード、通話&動画通訳モードなど、様々なシーンに適した翻訳モードを搭載。
充電ケースを含めると最大20時間もの連続使用が可能。海外旅行や出張、他言語が飛び交う会議の場でも時間を気にせず使用できる、高性能翻訳イヤホンとなっている。
今回、メーカーより本製品を提供していただいたので、実際に使用した感想を基にレビューしていきたいと思う。
ブランド | Timekettle |
モデル名 | Timekettle W4 Pro |
音楽再生 | 対応 |
通話音声 | 対応 |
メディア翻訳 | 対応 |
サイズ | イヤホン:80.1×57.7×25.4mm 充電ケース:83.3×83.5×41.7mm |
重量 | イヤホン(片耳):約16.1g 充電ケース(イヤホン含む):約188.1g |
充電時間 | イヤホン:約1時間 充電ケース:約1.5時間 |
稼働時間 | 翻訳機能利用:約6時間 音楽再生:約12時間 充電ケース含む:約20時間 |
バッテリー容量 | 800mAh(充電ケース) |
充電回数 | 2回(充電ケース) |
イヤホンタイプ | オープンイヤー |
搭載ポート | Type-C |
オンライン翻訳対応言語 | 40言語・93アクセント |
オフライン翻訳対応言語 | ・英語 ⇔ 中国語、日本語、韓国語、フランス語、スペイン語、ロシア語、ドイツ語 ・中国語 ⇔ 英語、日本語、韓国語、フランス語、スペイン語、ロシア語、ドイツ語 |
対応アプリ | Timekettle |
マイク | ノイズキャンセリングマイク3基内蔵(片耳) |
本製品は40の言語と93のアクセントを95%の高精度でリアルタイム翻訳可能。付属する2つのオープンイヤー型イヤホンを相手とシェアすることで、瞬時に翻訳を開始。スマホやイヤホンの操作も不要なため、スムーズな異言語コミュニケーションを実現できる。
▼世界中の主要言語をサポート。どの国を訪れても困らない。
アプリ経由で言語パッケージをダウンロードすることで、オフライン環境でも主要言語の翻訳が可能。飛行機の機内やビルの地下など、電波の届かない場所でも使用することが可能だ。
▼非常に高い精度で翻訳可能。ミスや誤解のないコミュニケーションを実現。
翻訳の処理スピードは最短0.2秒と非常に素早く、会話のリズム感を阻害することなく、翻訳会話を楽しむことができる。
2人での会話翻訳モードに加え、傍聴通訳モード、通話&動画通訳モードなど、様々なシーンに適した翻訳モードを搭載。スマホで再生している動画の音声をリアルタイム翻訳しながら視聴することも可能だ。
イヤホン自体はオープンイヤー型のデザインを採用し、快適性と衛生面を両立。長時間装着し続けても耳の痛みや疲れを感じづらいほか、耳穴に入れない造りのため、不特定多数の人々とも抵抗感なくイヤホンを共有できるだろう。
ワイヤレスイヤホンには計3基のノイズリダクションマイクが内蔵されており、環境音や周囲の人物の声を遮断しつつ、装着者の声のみを拾い上げる。複数人が周囲に並んでいる環境でも支障なく会話できる。
音質も優れており、クリアな本質音声を聴くことができるほか、音楽視聴用のイヤホン代わりとしても使用できる。
▼通常のイヤホンとしても十分に活用できるレベルの音質を備えている。
そして、イヤホン単体で約6時間、充電ケースを含めると約20時間もの連続翻訳使用が可能。長引く会議や、長時間フライトを経た現地到着後すぐに使用したい場合にも安心だ。
製品本体および付属品
▼外箱の様子
▼内容物をすべて取り出した様子
内容物一覧は以下の通り。
【内容物一覧】
- 充電ケース
- イヤホン本体
- ユーザーマニュアル一式
- USB Type-Cケーブル
▼ユーザーマニュアルは日本語にも対応。
Timekettle W4 Pro 翻訳機本体
▼左右の翻訳機本体は充電ケースに入っている。
左右のチャージケースは磁力でピタッとくっつき、コンパクトな箱として持ち運べる。
充電ケースのサイズは83.3×83.5×41.7mm、重量は左右のイヤホン込みで約188.1gとコンパクトかつ軽量。服のポケットに入れて持ち運ぶのは厳しいが、カバンなどに入れて支障なく携行できるだろう。
▼正面にはLEDインジケータが内蔵。
▼後部にはType-Cポートが用意。
▼底部にはペアリングボタンが用意。
翻訳イヤホン本体
▼イヤホン本体の外観。オープンイヤー型デザインを採用しており、サイズは80.1×57.7×25.4mmとやや大型。重量は約16.1g(片耳)と軽量だ。
▼ノイズ低減効果のあるマイクを3基ずつ両側に内蔵しており、自然かつクリアな翻訳会話を楽しむことができる。
▼手のひらサイズのイヤホン。マイクを多数内蔵しており、口の方に伸びた形状となっている。
▼表側の様子。表示ランプが内蔵。
▼裏側の様子。耳穴を塞がないデザイン。耳穴にあたる部分にスピーカー穴が用意されている。
▼イヤホン先端には充電用端子を搭載。
このように、イヤホン本体は非常にシンプルなデザインとなっている。
▼実際に装着した様子
イヤホン自体は片側約16.1gほどしかなく、耳穴を塞がないオープンイヤーデザインのおかげで、装着しても重さや不快感などはほとんど感じない。
長時間装着し続けても耳が痛くなったり、疲れることは無かった。
耳穴に入れない造りのため、不特定多数の人々とも抵抗感なくイヤホンを共有できるだろう。
装着した状態で動き回った場合でも落ちてしまうことはなく、歩行中や動き回っていても安心して翻訳機能を利用できるだろう。
スマホアプリとのペアリング
本製品は、付属する2つのオープンイヤー型イヤホンを相手とシェアすることで、瞬時に翻訳を開始。スマホやイヤホンの操作も不要だ。
ただし、翻訳機能を最大限に利用するためには、スマホアプリとのペアリングを行う必要がある。
▼対応アプリ(iOS・Android対応)
充電ケース裏面のペアリングボタンを長押しすると、ペアリングモードに移行する。
そして、アプリ上で「W4 Pro」を選択することで、ペアリング(接続)が完了する。
▼アプリメイン画面。
これだけの手順で接続を完了できる。
次回以降は、ケースのフタを開くだけで自動的に接続されるようになるため、咄嗟の場面でもスムーズに翻訳機能を利用できるだろう。
アプリのメインメニューより、以下の3種類の翻訳モードを選択できる。
- 会話通訳
- 傍聴通訳
- 通話と動画通訳
場面や用途に応じて柔軟に使い分けることができる。
会話通訳
「会話通訳」は、対面する2人がそれぞれ片方ずつ翻訳イヤホンを装着することで、相互にリアルタイムの通訳音声を聴きながら会話できるモードだ。
▼会話する人と自分が、お互いに片方ずつのイヤホンを装着。
そして相手と自分話す言語をそれぞれ選択するだけで、スムーズな通訳会話を開始できる。
▼40言語・93アクセントを選択可能。
実際に会話通訳モードを利用して英語話者との会話を行ってみたが、非常にスムーズな会話を実現できていた。翻訳の精度が高く、多少早口で喋っても会話内容がキチンと認識されるため、ストレスなく日本語⇔英語での会話を楽しめた。
▼通訳中は、アプリ上に互いの発言内容が翻訳付きで表示される。
音質も良好で聞き取りやすく、アプリ操作も簡単なため、初めて会った異言語の方と一緒に『Timekettle W4 Pro』を使用する場合でも、支障なく会話を楽しめるだろう。
特定のスラングや専門用語などを話すと正常に翻訳されないこともあるが、ハッキリと(各言語の)標準語を話すぶんには、互いに違和感なく相手の会話内容を認識することができていた。
▼人物名や地名などの専門用語をカスタマイズして、翻訳の精度を上げることのできる機能も用意されている。
なお、アプリ上に表示される文字のサイズや、聴こえてくる通訳音声の性別を変更することも可能だ。
傍聴通訳
「傍聴通訳」は、会議や発表会における音声を翻訳して聴き取りたい場合に適したモードだ。
このモードでは、両方もしくは片方のイヤホンを自分だけ装着する。
そしてアプリ上で翻訳言語を指定し、スマホマイクで発言者の声を拾うだけで、イヤホン越しに通訳音声を聴くことができる。
▼聴き取った音声と、翻訳言語がアプリ上に表示される。
実際に翻訳機能を試してみた。
レビュー時には試しに、さまざまな分野の著名人による講演を視聴できる「TED(Technology Entertainment Design)」の音声を、この傍聴通訳モードで翻訳させてみた。
※翻訳中のアプリ画面と、録音データを掲載している。録音データでは、イヤホンからの通訳音声が裏でかすかに聴こえるので、注意して聴いてみてほしい。
▼英語⇒日本語の翻訳の様子
▼英語⇒日本語の翻訳の様子(音声)
▼中国語⇒日本語の翻訳の様子
▼中国語⇒日本語の翻訳の様子(音声)
上動画を観ても分かるとおり、非常に精度の高いリアルタイム翻訳を行うことができている。
公演の発言内容をかなり正確にヒアリングして、日本語へスピーディに翻訳。たまにヒアリング内容に細かな誤りが生じる場合もあるが、全体的な発言内容から細かなニュアンスまでを理解する分には、十分な精度を実現している。
翻訳された内容はアプリ内に記録され、いつでも過去の履歴を確認できる。
▼発表会における発言内容を後から見直したい場合にも便利だ。
続いて、日本語から英語への翻訳も試してみた。
▼日本語⇒英語の翻訳の様子
▼日本語⇒英語の翻訳の様子(音声)
日本語の場合も、発言内容を正確に聴き取り、翻訳できていることが分かる。
海外の学会発表やカンファレンス、会議などにおける発言内容を高精度に把握できる、非常に有用性の高い機能となっている。
通話と動画通訳
「通話と動画通訳」は、スマホの音声通話や、他アプリで再生する動画の音声を翻訳しながら視聴できる機能だ。
個人的に、これが本製品で最も便利な機能だと感じている。
このモードでも、両方もしくは片方のイヤホンを自分だけ装着し、アプリ上で翻訳言語を指定する。
そして聴き取りを開始した状態でスマホの音声通話を開始、もしくは動画アプリを起動し、動画を再生する。
すると画面上にフローティングウィンドウが表示され、動画音声の元言語・翻訳テキストがリアルタイムに表示される。
そしてイヤホンからは動画言語と通訳音声が同時に再生されるため、「傍聴通訳」の場合と同様の感覚で、通訳しつつ動画視聴を楽しめる。
実際に翻訳機能を試してみた。
本モードの場合も、TEDの音声を翻訳させてみた。
※翻訳中のアプリ画面と、イヤホン音声の録音データを掲載している。録画動画には、録音したイヤホン越しの通訳音声を合成している。
▼英語⇒日本語の翻訳の様子
▼英語⇒日本語の翻訳の様子(音声)
▼中国語⇒日本語の翻訳の様子
▼中国語⇒日本語の翻訳の様子(音声)
▼日本語⇒英語の翻訳の様子
▼日本語⇒英語の翻訳の様子(音声)
動画を観ても分かる通り、「会話通訳」「傍聴通訳」の場合と同様の精度で、スマホ上のアプリで再生する動画に対しても、リアルタイムの高精度通訳を行うことができている。
海外配信者の動画を観る場合、過去の海外カンファレンスの動画を視聴したい場合など、幅広い活用方法が思いつく、非常に便利な機能となっている。
長時間持続するバッテリー
本製品はイヤホン単体で約6時間の通訳、約12時間の音楽再生が可能。800mAhバッテリーを内蔵する充電ケースを含めると、約20時間もの連続使用が可能となっている。
実際に翻訳機能を利用しつつ動画を視聴してみたが、3時間ほど使い続けた後でもまだ半分以上のバッテリー残量を保っていた。
長時間連続で利用できる点は実用的であると言える。長引く会議や、長時間フライトを経た現地到着後すぐに使用したい場合にも安心だ。
オフライン翻訳機能も用意
上述した翻訳例はすべてオンライン環境で実施したものだが、インターネット接続のできないオフライン環境でも、翻訳機能を利用することができる。
オフライン翻訳機能を利用するためには、対応するオフライン言語パッケージをダウンロードしておく必要がある。
ダウンロード可能なオフライン言語パッケージは、以下の通りだ。
- 英語 ⇔ 中国語、日本語、韓国語、フランス語、スペイン語、ロシア語、ドイツ語
- 中国語 ⇔ 英語、日本語、韓国語、フランス語、スペイン語、ロシア語、ドイツ語
▼日本語との通訳に対応しているオフライン言語は、現時点(記事執筆時点)で英語、中国語のみ。
ただし、オフライン言語パッケージを購入するには、"Fish" と呼ばれる特殊なポイントを利用する必要がある。
▼1言語パッケージに必要な5 Fishを購入するためには1,500円必要。
パッケージの費用がそこそこかかるのが難点だが、一度ダウンロードしてしまえば、飛行機の中や建物の地下など、通信が制限される環境でもオンラインの場合と遜色ない精度の翻訳機能を利用できるようになる。
翻訳頻度の高い言語ペアに関しては、いざという時のためにオフライン用パッケージを購入しておいても良いだろう。
なお、購入時点で通訳可能な時間数も300分に限られており、それ以上の時間を追加するためにはFishで利用時間を購入する必要がある。
『Timekettle W4 Pro』のまとめ
今回紹介した『Timekettle W4 Pro』について、特徴をまとめると以下の通りだ。
良かった点
- 快適な装着感を実現するオープンイヤーデザイン
- コンパクトで携行性に優れた充電ケース
- 装着してすぐに通訳機能を利用可能
- 40の言語と93のアクセントをサポート
- クリアなスピーカー品質
- 様々なシーンに対応できる3種類の翻訳モードが用意
- 非常に高精度の通訳
- スマホアプリ上の動画音声の通訳にも対応
- 長時間持続するバッテリー
悪かった点
- オフライン言語パッケージ、通訳利用時間の購入にFishが必要
以上の通り、快適な装着感・高精度な通訳・高い汎用性、優れたバッテリー持続力のすべてを満たした、高性能AI翻訳イヤホンとなっている。
オープンイヤーデザインのイヤホンの装着感は実に快適。耳穴を塞ぐカナル型と比べて清潔感があるため、不特定多数の人々とも抵抗感なくイヤホンを共有できるだろう。
イヤホン内蔵のマイク&スピーカーの品質も良好。通訳機能を利用しない場合は、通常のワイヤレスイヤホンとして音楽視聴用途にも利用できる。
そして通訳精度は実に優れており、1対1の対話から発表会における発言者の通訳、そして他アプリで再生する動画音声の翻訳まで、遅延のないスムーズな通訳を実現できていた。
個人的に「通話と動画通訳」は、本製品で最も便利な機能だと感じた。海外配信者の動画を観る場合、過去の海外カンファレンスの動画を視聴したい場合など、幅広い活用方法が思いつく、非常に便利な機能となっている。
長時間連続で利用できる点も実用的であると言える。長引く会議や、長時間フライトを経た現地到着後すぐに使用したい場合にも安心だ。
一方で、オフライン言語パッケージや通訳利用時間の購入には、いちいちFishを購入する必要がある点がややメンドクサイ。長時間利用すればするほどそれなりの費用がかかるため、価格ももう少し抑えてほしいところだ。
何はともあれ、優れた装着感と、幅広いシーンに対応できる高汎用性とを両立した、質の高い翻訳イヤホンだと言える。
海外旅行、海外出張、異言語話者との発表会等を予定している方には、ぜひオススメしたい一品だ。
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