おもに電子計測器やテスターを製造・販売しているブランドのViciは、ディスプレイ・スクリーンの明るさ・輝度を手軽に測定できるルクスメーター『Vici LX1336B』を販売している。
フォトダイオード式の光センサーを搭載しており、27×22mmの受光部でテレビやモニター、スマートフォン、タブレット端末などの画面の明るさを、実用的な精度で測定できる。
AliExpressなどから購入可能であり、価格は12,000円~15,000円ほど。一般的に高価なモデルが揃っているルクスメーターの中でも、比較的リーズナブルな価格となっている。
今回、本製品を自前で購入したので、実際に使用した感想を基にレビュー(短評)していきたいと思う。
ブランド | Vici |
計測範囲 | 10 ~ 200,000 cd/m2(nits) |
精度 | <10,000cd/㎡ , the accuracy is ±(4%rdg + 1figure) >10,000cd/㎡ , the accuracy is ±(5%rdg + 1figure) |
再現性 | ±2% |
自動セロ調整 | 対応 |
低バッテリー表示 | 対応 |
自動原電オフ | 対応 |
温度特性 | ±0.1%/℃ |
分解能 | 0.1cd/m2 |
センサー | フォトダイオードおよびフィルター |
サンプリングレート | 3回/秒 |
データホールド | 対応 |
液晶サイズ | 67×40mm |
バッテリー | 9V 乾電池(非付属) |
受光部 | 27×22mm |
本体サイズ | 125×87×28mm |
本体重量 | 公称値:約300g 実測値:約272g(電池込み) |
今回紹介する『Vici LX1336B』は、フォトダイオード式の光センサーを搭載したルクスメーターだ。
本体部分に67×40mmサイズの液晶ディスプレイを備えており、本体から伸びる受光部をディスプレイ・スクリーンに当てることで、明るさ(輝度)を測定することができる。
▼手のひらサイズのコンパクトな筐体。専用ポーチも付属しており携行性に優れている。
計測範囲は10 ~ 200,000 cd/m2(nits)。計測精度は<10,000 cd/㎡ の場合で±(4%rdg + 1figure)、10,000 cd/㎡ の場合で±(5%rdg + 1figure)となっている。
プロ仕様の本格的な機器(±1~3%程度)には劣るものの、テレビやモニター、スマートフォン、タブレット端末などの大体の画面明るさ(輝度)を測定する用途には十分に活用できるレベルだ。
▼(参考)ルクスメーターの精度目安表
精度 | 評価 | 用途の例 |
±1% | 研究・医療用途向け | プロフェッショナルな測定(光学研究、医療機器校正) |
±2% | 専門機器・プロ用途向け | 映像・写真スタジオの照明測定、厳密な品質管理 |
±3% | 高品質な一般向け機器 | 工場やオフィスの照度管理、高精度の環境測定 |
±4% | 一般的な精度 | 一般的な照度測定(室内光、屋外光、ディスプレイ評価) |
±5% | 簡易測定向け | 簡易な光測定(家庭用、DIY用途、ライト比較) |
±10% | 参考程度の測定向け | 基本的な明るさの確認(目安測定、玩具・安価な測定器) |
バッテリーは充電式ではなく、9V 乾電池(非付属)で駆動する。
筐体デザイン自体もシンプルで、誰でも扱いやすいルクスメーターとなっている。
製品本体および付属品
▼AliExpressで注文すると、航空便により以下のような梱包で届いた。
▼ルクスメーター本体および付属品は、専用ポーチに収まっている。
▼内容物をすべて取り出した様子
内容物一覧は以下の通り。
【内容物一覧】
- Vici LX1336B本体
- ユーザーマニュアル
- 専用ポーチ
▼ユーザーマニュアルは英語表記のみ。
▼Vici LX1336B本体の外観。
▼Vici LX1336B本体部分のサイズは125×87×28mm。普段は保護ケース(オレンジ色部分)に入っており、その場合は1cmほど厚みが増す。
▼コンパクトなサイズで、付属ポーチに入れて気軽に持ち運べるだろう。
本体正面には67×40mmの液晶ディスプレイが用意。
ディスプレイの下には電源ボタンのほか、レンジ調節ボタンとホールドボタンが用意。
▼レンジ調節ボタンを押すことで、表示最大値を200、2,000、20,000、200,000に切り替えることができる。
▼本体上部からは、フォトダイオード式の光センサーを搭載した受光部が伸びている。
▼測定の妨げになるため、ゴミなどが入り込まないように注意したい。
▼背面の様子
背面のフタを展開することで、簡易的なスタンドとして機能する。
このように、ルクスメーター本体自体はいたってシンプルなデザインとなっている。
9V 乾電池(別売り)の挿入
本製品は9V 乾電池で駆動するが、電池自体は付属しないので自前で用意する必要がある。
▼9V 乾電池。コンビニで売っていることは少ないが、ドンキやイオン、家電量販店などで購入できる。
Vici LX1336Bを覆っているオレンジ色のカバーを外すと、下部に電池投入部が用意されている。
伸びているケーブル先端に乾電池を取り付けてフタをする。
これでVici LX1336Bの使用準備は完了だ。
▼なお、電池を入れた状態の本体重量は約272g。
実際に測定してみた
実際にVici LX1336Bを使って、スマホのディスプレイ輝度を測定してみた。
Vici LX1336B正面の電源ボタン(赤色)を押すと、電源がオンになりディスプレイに数値が表示される。
あとはこの状態で、本体から伸びる受光部を、測定したいデバイスの画面上に載せるだけで、明るさ(輝度)が測定される。
▼受光部に隙間が空かないように、平らな部分に押し当てよう。
▼『POCO X7 Pro 日本語版』のディスプレイ輝度を測定した様子。
電源を入れて受光部をディスプレイやスクリーンに当てるだけで、迅速に明るさを測定できる。コンパクトかつ軽量な筐体サイズも相まって、非常に手軽で扱いやすいルクスメーターとなっている。
本製品の計測範囲は10 ~ 200,000 cd/m2(nits)であり、最高でも4,000nitsあたりが限度のスマホ・タブレット端末に問題なく対応可能。
計測の精度は<10,000 cd/㎡ の場合で±(4%rdg + 1figure)、10,000 cd/㎡ の場合で±(5%rdg + 1figure)となっている。
スマホやタブレット端末の場合は±(4%rdg + 1figure)の精度で測定できるため、実測値として十分な信頼性があると言える。
▼(参考)ルクスメーターの精度目安表
精度 | 評価 | 用途の例 |
±1% | 研究・医療用途向け | プロフェッショナルな測定(光学研究、医療機器校正) |
±2% | 専門機器・プロ用途向け | 映像・写真スタジオの照明測定、厳密な品質管理 |
±3% | 高品質な一般向け機器 | 工場やオフィスの照度管理、高精度の環境測定 |
±4% | 一般的な精度 | 一般的な照度測定(室内光、屋外光、ディスプレイ評価) |
±5% | 簡易測定向け | 簡易な光測定(家庭用、DIY用途、ライト比較) |
±10% | 参考程度の測定向け | 基本的な明るさの確認(目安測定、玩具・安価な測定器) |
レンジ変更、ホールド機能を用意
なお、本体正面に用意されている200、2,000、20,000、200,000のボタンを押すことで、測定レンジを切り替えることができる。
とは言っても、テレビやモニター、モバイル端末の明るさを測定する分には、常時 "20,000" に合わせておけば問題ないだろう。
また、「HOLD」ボタンを押すことで、現在ディスプレイに表示されている測定値を保持できる。
測定値を都度記録したい場合に役立つ機能だ。
『Vici LX1336B』のまとめ
今回紹介した『Vici LX1336B』について、特長をまとめると以下の通りだ。
良かった点
- コンパクトかつ軽量な筐体サイズ
- 専用ポーチ付属で携行性に優れている
- シンプルなデザイン
- 簡易スタンド搭載
- テレビやモニター、モバイルデバイスの明るさを測定する分には十分な計測精度
- 取り扱いが簡単
- 手ごろな価格
悪かった点
- 9V 乾電池は自前で用意する必要あり
- (本体から受光部をつなぐ線が切れそうで心配)
以上の通り、テレビやモニター、スマートフォン、タブレット端末などの画面の明るさを測定するには、十分な計測精度と範囲を備えたルクスメーターとなっている。
本体サイズは実にコンパクトかつ軽量。専用ポーチが付属するため、持ち運ぶ際や収納する際にも便利だ。
必要最低限のインターフェースのみが用意されたシンプルなデザインで、初めて扱う方でも支障なく扱えるだろう。
稼働させるためには、別売りの9V 乾電池が必要。9V 乾電池を常備している家庭は多くないと思う。いちいちこの機器のために電池を買いに出るのはやや面倒だ。
扱い方は実に簡単であり、電源を入れて受光部をスクリーンに当てるだけ。一般的なスマホやタブレット端末の場合は±(4%rdg + 1figure)の精度で測定できるため、実測値として十分な信頼性があると言える。
AliExpressなどから購入可能であり、価格は12,000円~15,000円ほど。一般的に高価なモデルが揃っているルクスメーターの中でも、比較的リーズナブルな価格である点もGOOD。
デバイスのディスプレイ・スクリーン輝度(明るさ)を測定したいと考えている方には、ぜひオススメしたい一品だ。
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