中国のvivoは、同ブランドの最新スマートフォンである『vivo X100 Ultra』をリリースした。
記事執筆時点で以下の3モデルが販売されている。
- 12GB RAM + 256GB ストレージ:6499元(約14万円)
- 16GB RAM + 512GB ストレージ:7299元(約15.7万円)
- 16GB RAM + 1TB ストレージ:7999元(17.2万円)
2022年11月にリリースされ、圧倒的なカメラ性能で好評を得た『vivo X90 Pro+』の後継にあたるモデルであり、メインカメラに1インチ SONY LYT-900センサー採用、ZEISSとのコラボにより様々なカメラハード改善が行われるなど、さらに優れたカメラパフォーマンスを発揮する最新モデルとなっている。
今回、提携先より本製品を提供していただいたので、実際に使用した感想を基にレビューしていきたいと思う。
ブランド | vivo |
モデル名 | vivo X100 Ultra |
カラー | チタンカラー、ブラック、ホワイト |
ディスプレイサイズ | 6.78インチ AMOLED |
解像度 | 3200×1440(WQHD+) |
ピーク輝度 | 3000nit |
リフレッシュレート | 最高120Hz |
OS | Android 14 |
CPU(SoC) | Snapdragon 8 Gen 3 |
RAM | 12GB / 16GB LPDDR5X |
ストレージ | 256GB / 512GB / 1TB UFS4.0 |
防水防塵 | IP69 |
SIMカード | デュアル nanoSIM対応 |
マイクロSDカード | 非対応 |
搭載カメラ | フロント:50MP リア:50MPメイン+50MP超広角+200MP望遠カメラ |
スピーカー | ステレオスピーカー内蔵 |
生体認証 | 画面内指紋認証・顔認証 |
バッテリー容量 | 5,500mAh(急速充電:有線80W / 無線30W) |
対応通信規格 | Bluetooth 5.4, Wi-Fi 7, GPS, NFC, 5G |
対応バンド | 2G GSM:850/900/1800/1900MHz 2G CDMA:BC0 3G WCDMA:B1/B2/B4/B5/B6/B8/B19 4G TD-LTE:B34/B38/B39/B40/B41/B42 4G FDD-LTE:B1/B2/B3/B4/B5/B7/B8/B12/B17/B18/B19/B20/B25/B26/B28/B66 5G:n1/n2/n3/n5/n7/n8/n12/n20/n25/n26/n28/n38/n40/n41/n66/n77/n78/n79 |
本体サイズ | 164.07×75.57×9.23mm |
本体重量 | 約229g |
vivo X100 Ultraは1インチ SONY LYT-900センサーをメインカメラとしており、ZEISSとのコラボにより様々なカメラハード改善が行われている。
ZEISS T*コーティングによりフレアやゴーストが低減されており、平均可視光反射率は0.2%未満とのこと。
CIPA 4.5レベルの強力な手ぶれ補正を実現している。
望遠にはSamsung HP9センサーを採用し、なんと200MP・2億画素に。
こちらもCIPA 4.5レベルの強力な手ぶれ補正となっており、ZEISS T*コーティングもしっかりされている。
20倍ズームでも綺麗に撮影できるというテレマクロや望遠ポートレート撮影が可能。
2億画素のおかげでクロップしてもディテールが保たれており、ポスター印刷にも耐えられるほどとのこと。
瞳オートフォーカスに対応したため、より手軽にポートレート撮影ができる。
専用のカメラキットや潜水撮影用のシェルも発売される。
vivo X100 Ultraはカメラだけでなく、その他の部分もトップクラスだ。
ディスプレイにはSamsung E7発光材料が採用されており、3200 x 1440解像度でピーク輝度は3000nitとなっている。
超音波式の指紋認証センサーを採用しているため、高速な認証が可能だ。
Snapdragon 8 Gen 3を搭載し、バッテリー容量は5,500mAhと大きめ。
高速なデータ転送ができるUSB 3.2 Gen 1ポートを搭載している。
製品本体および付属品
▼外箱の様子
▼内容物をすべて取り出した様子。
内容物一覧は以下の通り。
【内容物一覧】
- スマホ本体
- スマホケース
- ユーザーマニュアル
- USB Type-Cケーブル
- 電源アダプタ
- SIMカードピン
▼付属の電源アダプタ
▼スマホケースも付属。
▼スマホ本体の外観。6.78インチのエッジディスプレイを搭載。
▼正面には50MPのインカメラを内蔵。
▼背面の様子。
▼背面には50MPメイン+50MP超広角+200MP望遠の3眼構成カメラが内蔵。
2億画素の驚異的な望遠カメラを備えており、非常にクオリティの高い遠距離撮影を楽しめる。
164.07×75.57×9.23mm、約229gの筐体は手に持ってみるとややズッシリ感があるが、携行性に支障をきたすレベルではない。
▼手触りや素材感にも高級感がある。
▼背面素材は指紋や汚れが付着しづらい。
▼背面のカメラ部分がやや飛び出たデザイン。
続いて、インターフェースについて紹介していく。
▼本体右側面。電源ボタン、音量調節ボタンが搭載。
▼本体左側面の様子。
▼本体上部の様子。
▼本体下部にはカードスロット、Type-Cポートが用意されているほか、ステレオスピーカーが内蔵。
▼付属のピンでスロットを開き、デュアルnanoSIMカードの挿入が可能。
全体的に必要最低限のインターフェースのみが搭載された、シンプルでスタイリッシュな印象を受けるデザインとなっている。
指紋認証・顔認証に対応
本製品は画面内指紋認証および顔認証に対応している。
▼指紋認証は画面内認証に対応。
指紋認証の精度はかなり高く、登録した指をパっとかざすだけで瞬時に認証を完了できた。
AnTuTuベンチマークテスト
本機について、スマホ・タブレット端末の性能を測ることのできる『AnTuTuベンチマークテスト』を実施してみた。
▼Android端末におけるAnTuTuベンチマークテストの実施方法はコチラを参照
-
Android端末でAnTuTuベンチマークテストを行う超簡単な方法(2023年時点)
スマートフォン・タブレットなどのモバイル端末のスペック(スコア)を計測することのできるツールとして、『AnTuTu Benchmark』(アンツツ ベンチマーク)というものがあります。 AnTuTuと ...
続きを見る
結果として、約208万点(2,083,201点)のスコアを記録することが出来た。
ハイエンドモデルと言って差支えのないスコアを記録しており、ウェブサイト閲覧や動画視聴はもちろん、『原神』などの激重ゲームアプリでも問題なく快適に遊ぶことのできる性能の高さだ。
仕事や動画視聴、ゲーミング用のスマホを探している方にもオススメできるモデルである。
それでは以下からは、実際に使用した感想について紹介していく。
WQHD+解像度・120Hzで美しく滑らかな描画のエッジディスプレイ
本機のディスプレイは3200×1440(WQHD+)解像度、最高120Hzの高リフレッシュレートに対応しており、美しく滑らかな映像を楽しむことが可能だ。なお、リフレッシュレートや解像度は設定アプリから切り替えることが出来る。スマホの扱い方やバッテリー残量に応じて調節すると良いだろう。
▼高解像度ディスプレイのおかげで、ウェブサイト閲覧時も細かい文字まで明瞭に表示されて見やすい。ページスクロールもなめらかで心地よい。
最高120Hzの高リフレッシュレートで描画される映像は実に滑らかで、ストレスなく操作できる。
▼ディスプレイの発色が良く、ゲームや映画、アニメなどでもカラフルな映像を楽しめる。
また、エッジディスプレイ(曲面スクリーン)により、縁ギリギリまで映像が描画される。
ゲーミングや映像視聴をメイン目的にスマホの購入を検討している方でも、満足度の高い体験が可能だろう。
あらゆる作業をスムーズにこなせる性能
本機のパフォーマンスを確認すべく、ウェブサイト閲覧時・動画視聴時の動作について検証した。
ウェブブラウジングは基本的に快適であり、画像が多めのサイトや、処理の重いサイトであっても スムーズに閲覧することが出来た。
▼ほとんどのウェブサイトが一瞬で表示される。
また、YouTubeやネットフリックスなどの動画サイトを閲覧した場合においても、スピーディかつ滑らかな動画再生が可能であった。
▼最高画質の美しい映像を、スムーズに視聴することが出来る。
なお、本製品はWidevine L1をサポートしているため、ネットフリックスやHulu、Amazonプライムビデオなどの動画サイトにおいて高画質設定の映像を楽しめる。
サウンド品質はそこそこ
本機のステレオスピーカーについて、音質を確認してみた。
率直に言って、サウンドの品質はそこそこレベルだ。
中~高音域に関してはクリアに響き渡る一方で、低音はあまり響かず迫力に欠ける。
またスピーカーが1基のみのため、音に立体感がない。
音自体はクリアで聞き取りやすいが、迫力のあるサウンドは求めない方が良いだろう。
非常に高画質なカメラ
また、本機に搭載されているカメラについても確認した。
▼実際にフロント(前面)カメラで撮影した画像。
50MPのフロントカメラに関して、画質は非常に良好であり全体的に明るく、ヒトの輪郭から表情までクリアに映し出すことが出来ていた。発色も自然で肉眼で見た場合に近い。激しく動いても気になるレベルの残像は発生しないため、見づらさを感じることもかなった。
自撮りだけでなく、ウェブ会議やオンライン授業など、オンライン通話用途に利用しても問題のない品質だ。
▼ZEISS機能が用意されており、有効化することでよりリアルで自然な写真撮影が可能となる。
▼リア(背面)カメラで撮影した画像。
▼屋外撮影時(1倍)
▼屋外撮影(10倍)
▼屋外撮影(50倍)
50MPメイン+50MP超広角+200MP望遠カメラの3眼高性能背面カメラを搭載していることもあり、近景から遠景にいたるまで非常に明瞭で美しい写真を撮影できた。旅行や記念撮影用のカメラとしても十分に活用できる品質となっている。
▼マクロカメラによる接写撮影は圧巻。サボテンの毛一本にいたるまで実に鮮明に映し出すことが出来た。
特に2億画素望遠レンズの威力はすさまじく、最大100倍の望遠撮影時には、撮影地点から約6km先にあるビル群の輪郭までを捉えることが出来ていた。これは私が今までにレビューしてきたスマホの中でも、最高クラスの望遠撮影性能であると言える。
▼望遠撮影時の手振れ補正も一級品。100倍ズーム時でも手振れをかなり抑えてくれるため、輪郭の鮮明な写真を撮影できた。
▼約6km先のビル群のカタチまで鮮明に捉えることが出来ていた。
▼数km先で飛んでいる鳥の姿までも捉えることができた。
▼100m以上離れた自販機で、どの商品が売っているのか判るレベルだ。
その他にも、潜水撮影モードや、VRコンテンツ用の3D撮影モードなど豊富な機能が用意されており、幅広い用途に活用できるようになっている。
写真・動画撮影メインでスマホを探している方にとって、間違いなく満足できる体験を提供するだろう。
ゲーミング性能の確認
本機を用いて各種ゲームアプリを遊んだ際のパフォーマンスについても確認していく。
『統合版マインクラフト(旧PE)』プレイ時
まずは『統合版マインクラフト(旧PE)』の場合について。
ワールドを作成して実際にプレイしてみたが、スムーズで快適に操作することが出来た。
▼チャンク読み込み時にも全く重さを感じない。
▼処理の重くなりがちなバイオームでも、フレームレート低下やカクつきを感じることは無かった。
クリエイティブやサバイバル、またはマルチサーバーに参加した際などにも、パフォーマンスは非常に安定しており終始スムーズなゲーミングが可能であった。
多くのアドオンを導入したり、友人らと多人数マルチサーバーに参加した場合でも、スムーズな動作を実現することが出来るだろう。
『PUBG』プレイ時
続いて『PUBG』の場合について。
まずグラフィッククオリティに関しては、現時点で最高設定である『ウルトラHDR』を選択することが出来た。
▼フレーム設定はウルトラを選択可能。
実際に試合に参加してみたが、大人数のプレイヤーが密集する場所においても、処理落ちやカクつきなどはほとんど生じず、終始快適なゲームプレイが可能であった。
▼近くのテクスチャから遠くの風景まで、美しく描画される。
▼激しく動き回っても、ラグやフレームレート低下などを感じることはほとんどなかった。120Hz高リフレッシュレートのおかげで、全体的に動きが滑らかに描画される。
▼滑らかな描画で鮮明なゲームプレイが可能。遠方も索敵しやすい。
以上の通り、『PUBG』や『マインクラフト』レベルのゲームアプリであれば、ほとんど問題なく快適に遊べることが確認できた。
『原神』プレイ時
続いて "激重" ゲームとしても有名な『原神』の場合について。
非常に重いゲームアプリとして有名な『原神』であるが、本機ではスムーズにプレイすることが可能であった。
画質設定はデフォルト状態で "高" に設定されており、デバイス負荷は "スムーズ" の状態であった。
▼画質設定を "最高" まで上げるとデバイス負荷も高まるが、依然としてスムーズな動作が可能。
▼最高画質設定の鮮明な描画で、スムーズに原神をプレイすることができた。
▼ゲーミングPC並みの高品質グラフィックで原神を遊べる。
高画質設定で激しく動いた場合でも、カクつきや遅延を感じることはほとんどなかった。全体的に50~55fps前後でスムーズなゲームプレイを楽しめた。
『原神』クラスの激重ゲームでもこれだけ快適に遊べるのであれば、大抵のゲームアプリはスムーズに動作するだろう。
ゲーミング向けの機能が充実
なお、ゲームアプリ起動時にディスプレイ左端をスワイプすると、ゲーミング向けの各種機能を利用できる。
このウィンドウでは、画面録画や各種通知OFF、ゲームパッド設定など、ゲーミングに役立つ多彩な機能にアクセスすることが出来る。
▼画面録画や音声変更ツールなど、ゲーム配信向けの機能も充実している。
▼パフォーマンスモードの切り替えも可能。バッテリー残量と相談してパフォーマンスを調節できる。
また、設定アプリ内にもゲーミング用の設定項目が充実している。
▼ "Botモード" などのユニークな機能も用意。
以上の通り、本格的なゲーミングを楽しみたい方にもうってつけの機能が満載だ。
長持ちする大容量バッテリー
本製品には5,500mAhの大容量バッテリーが内蔵されており、長時間の連続利用が可能だ。
実際に満充電の状態から3時間ほどゲームアプリを連続して遊んでみたところ、15%ほどしかバッテリーが減っていなかった。
普通にスマホを利用する分には、1~2日ほど充電ケーブルに接続しなくても問題ないだろう。
そして本製品は有線80W / 無線30Wの急速充電に対応しており、30分ほどの充電で一気にバッテリーを回復できる点も、実用性の高さを向上させていると言えるだろう。
また、長時間の高負荷利用時にも、本体の発熱はそこまで気になるレベルではなかった。
▼背面に触れるとやや温かさを感じる程度。
MediaTek Dimensity 9300を搭載した同ブランドの旧モデル『VIVO X100 Pro』では、高負荷使用時に筐体の発熱が生じて、パフォーマンスへ影響を及ぼす問題点が存在していた。
しかし、本製品ではそのデメリット・問題点をクリアできており、長時間安心して使用し続けられるハイエンドスマホへと進化している。
『vivo X100 Ultra』のまとめ
今回紹介した『vivo X100 Ultra』について、特長をまとめると以下の通りだ。
良かった点
- スタイリッシュなデザイン
- AnTuTuベンチマーク200万点超えのハイパフォーマンス
- 激重ゲームアプリもスムーズにプレイ可能
- 圧倒的なカメラ性能
- 非常に優れた望遠撮影性能
- 有線80W / 無線30Wの急速充電に対応
- リバースワイヤレスチャージが可能
- 長時間の高負荷使用時にも、発熱によるパフォーマンスへの影響は体験できなかった
悪かった点
- スピーカー品質はそこそこレベル
- 筐体自体はややズッシリ感がある
以上の通り、圧倒的な基礎性能とカメラ性能を備えたハイエンドスマホとなっている。
AnTuTuベンチマーク200万点超えのハイパフォーマンスを実現。基本性能が非常に高く、動画視聴からウェブサイト閲覧まで、大抵の作業を快適にこなすことが出来る。また『原神』レベルの激重ゲームアプリでもスムーズに動作した。
3200×1440(WQHD+)解像度・120Hz高リフレッシュレート対応のエッジディスプレイで描画される映像は実に美しく滑らかであり、Widevine L1もサポートしているため、動画視聴用端末やゲーミングスマホとして活躍できる。3000nitのピーク輝度のおかげで、日中の屋外でも画面が見やすい。
そして何よりカメラ性能が非常に優れており、近距離・遠距離撮影から接写、広角撮影にいたるまで、スマホカメラの中でも最高クラスの品質で写真撮影を楽しむことができた。特に2億画素の望遠カメラによる撮影性能は圧巻の一言であり、現時点で入手可能なスマホの中では最高レベルの品質だろう。
この手のハイエンドモデルにありがちな発熱問題に関しても、本製品ではクリアすることが出来ており、安心して長時間使用し続けることが可能となっている。
圧倒的な性能とカメラ性能を備えたスマホを求めている方にとって、間違いなく買いの一品だろう。
▼こちらの記事もオススメ
-
『VIVO X100 Pro』レビュー | AnTuTu200万点超え、圧倒的なカメラ性能を誇るハイエンドスマホ
2023年11月、中国のVIVOは同ブランドの最新スマートフォンとして『VIVO X100 Pro』の販売を開始した。 MediaTek Dimensity 9300搭載、LPDDR5X RAM採用、 ...
続きを見る
-
『vivo X90 Pro+』レビュー | Snapdragon 8 gen 2搭載のハイエンドスマートフォン
2022年11月28日、Vivoは最新モデルのスマートフォンである『vivo X90 Pro+』の販売を開始した。 Snapdragon 8 gen 2搭載の6.78インチ型ハイエンドAndroidス ...
続きを見る