2022年7月、Xiaomi(シャオミ)は同社の最新スマートフォンである『Xiaomi 12S Ultra』の販売を中国で開始した。
Qualcomm Snapdragon 8+ Gen 1搭載のハイエンドモデルであり、レザー調仕上げの筐体と、ライカと共同開発した高品質カメラを搭載。日本円で10万円を超える本体価格にふさわしいスペック構成の、高性能Androidスマホとなっている。
記事執筆時点で以下の3モデルが販売されている。
- 8GB RAM + 256GB
- 12GB RAM + 256GB
- 12GB RAM + 512GB
今回はこの『Xiaomi 12S Ultra』について、実際に使用した感想を紹介していきたいと思う。
AnTuTuスコア100万点超えのハイエンドスマホ
今回紹介する『Xiaomi 12S Ultra』は、AnTuTuベンチマークスコアで100万点超えを記録する性能を擁した、ハイエンドAndroidスマートフォンだ。
今回のレビュー時には12GB RAM + 256GBストレージモデルを提供していただいた。
ブランド | Xiaomi(シャオミ) |
モデル名 | Xiaomi 12S Ultra |
ディスプレイサイズ | 6.73インチ |
解像度 | 1440x3200 (WQHD+) AMOLED |
リフレッシュレート | 最高120Hz |
OS | MIUI 13 (Android 12ベース) |
CPU(SoC) | Qualcomm Snapdragon 8+ Gen 1 オクタコアプロセッサー |
RAM | 8GB / 12GB |
ストレージ | 256GB / 512GB |
SIMカード | デュアル nanoSIM対応 |
マイクロSDカード | 非対応 |
搭載カメラ | フロント:32MP リア:50MPメインカメラ + 48MP超広角レンズ + 48MP望遠カメラ |
生体認証 | 指紋認証・顔認証 |
バッテリー容量 | 4,860mAh(67Wターボチャージ対応) |
対応通信規格 | Bluetooth:5.2 Wi-Fi:802.11 a/b/g/n/ac (2.4GHz / 5GHz) NFC 5G:n1 / n3 / n5 / n8 / n28a / n38 / n40 / n41 / n77 / n78 / n79 4G:FDD-LTE:B1 / B2 / B3 / B4 / B5 / B7 / B8 / B12 / B17 / B18 / B19 / B26 4G:TDD-LTE:B34 / B38 / B39 / B40 / B41 / B42 *LTE B41(2496-2690 194MHz); 3G:WCDMA:B1 / B2 / B4 / B5 / B6 / B8 / B19 2G:GSM:B2 / B3 / B5 / B8 |
防水・防塵規格 | IP68 |
本体サイズ | 163.17mm×74.97mm×9.06mm |
本体重量 | 約225g |
筐体サイズは約163.17mm×74.97mm×9.06mm、重量は約225gであり、筐体背面素材にはビーガンレザー(革)を採用。デジカメのような手触りを実現している。
▼IP68等級の防水防塵規格に対応。
CPU(SoC)にはQualcomm Snapdragon 8+ Gen 1 オクタコアプロセッサーを採用。RAMは8GB/12GBの2モデルが用意されており、激重ゲームアプリを含め、ほとんどの作業を快適にこなせる性能を擁している。
6.73インチのAMOLED曲面ディスプレイは1440x3200 (WQHD+) 解像度、最高120Hzの高リフレッシュレートに対応しており、非常に美しく滑らかな映像を楽しむことができる。
▼縁まで映像が広がるエッジスクリーン。
ストレージは256GB/512GBの2モデルを用意。マイクロSDカードの挿入には対応していない。
通信規格はBluetooth、Wi-Fiをはじめ、デュアル nanoSIMの挿入に対応。国内の主要バンドによる5G通信を行うことが可能だ。
NFCにも対応している一方で、おサイフケータイ/Felicaには非対応な点に注意が必要だ。
そして筐体前面には32MPのフロントカメラを、背面には50MPメインカメラ + 48MP超広角レンズ + 48MP望遠カメラを搭載しており、旅行先での記念撮影はもちろん、オンライン授業やウェブ会議などの用途にも活用できるカメラ品質だ。
バッテリー容量は4,860mAh。一般的なスマホと比べて大容量となっている。67Wターボチャージにも対応しているなど、利便性に優れた構成となっている。
以上の通り、ハイエンドモデルと言って差支えのないスペック構成となっている。
メインスマホとしても問題なく利用できるだろう。
製品本体および付属品
▼外箱の様子
▼内容物をすべて取り出した様子。
内容物一覧は以下の通り。
【内容物一覧】
- スマートフォン本体
- スマホケース
- ユーザーマニュアル
- カードスロット開閉用ピン
- 電源アダプタ
- USB Type-Cケーブル
▼スマホの外観。6.73インチディスプレイを搭載した、シンプルかつスタイリッシュなデザイン
▼前面中央には32MPフロントカメラが内蔵。
▼背面の様子
▼背面上部には50MPメインカメラ + 48MP超広角レンズ + 48MP望遠カメラを搭載。
▼革製の背面は汚れが付着しづらく、高級感があり、手触りもデジカメに似ている。
▼163.17mm×74.97mm×9.06mmの筐体サイズはちょうど手に馴染む大きさであり、持ちやすい。
▼iPhone XR(画像右)と並べた様子。Xiaomi 12S Ultraの方が縦に一回り大きい。
▼厚みはiPhone XR(画像右)と同程度。
本体重量は約225gと、一般的なスマホと同程度の軽さ。
厚みは約9mmと薄い。ポケットなどに入れて持ち運んでも邪魔に感じないだろう。
▼カメラ部分も薄く、邪魔に感じることはないだろう。
続いて、インターフェースについて紹介していく。
▼本体右側面。電源ボタンと音量調節ボタンが搭載。
▼左側面には特に何もない。
▼上部にはHarman/KardonのDolby Atmos対応のスピーカーを1基内蔵。
▼下部にも同じくHarman/KardonのDolby Atmos対応スピーカーが1基内蔵されているほか、Type-Cポートとカードスロットが用意。
▼付属のピンを用いてスロットを開き、デュアルnanoSIMの挿入が可能だ。
全体的に必要最低限のインターフェースのみが搭載された、シンプルでスタイリッシュな印象を受けるデザインとなっている。
指紋認証・顔認証に対応
本製品は画面内指紋認証および顔認証に対応している。
いずれの認証制度も優れており、複数の認証方法を選択できる点は嬉しい。
スマホケースが付属
なお、本製品にはスマホケースが付属している。
▼実際に装着した様子。
ケースの質は中々良く、そのままメインケースとして利用しても支障のないレベルとなっている。
AnTuTuベンチマークテスト
本機について、スマホ・タブレット端末の性能を測ることのできる『AnTuTuベンチマークテスト』を実施してみた。
▼Android端末におけるAnTuTuベンチマークテストの実施方法はコチラを参照
-
Android端末でAnTuTuベンチマークテストを行う超簡単な方法(2023年時点)
スマートフォン・タブレットなどのモバイル端末のスペック(スコア)を計測することのできるツールとして、『AnTuTu Benchmark』(アンツツ ベンチマーク)というものがあります。 AnTuTuと ...
続きを見る
結果として、約102.7万点のスコアを記録することが出来た。
当サイトで今まで紹介した端末の中でも、約100万点近いスコアを記録したスマホ『motorola edge X30』を超えるハイスコアを記録した。
ウェブサイト閲覧や動画視聴はもちろん、『原神』などの激重ゲームアプリでも問題なく快適に遊ぶことのできる性能の高さだ。
13万円前後の『iPhone 13 Pro Max』がAnTuTu約80万点であることを考えると、いかに本製品のコスパが優れているかがわかる。
仕事や動画視聴はもちろん、ゲーミング用のスマホを探している方にも幅広くオススメできるハイエンドモデルである。ただし、一般的な用途でしかスマホを利用しない方にとっては、オーバースペック気味であるとも言える。
それでは以下からは、実際に使用した感想について紹介していく。
WQHD+・120Hzの美しく滑らかな描画
本機のディスプレイは 1440x3200 (WQHD+) 解像度、最高120Hzの高リフレッシュレートに対応しており、美しく滑らかな映像を楽しむことが可能だ。
▼リフレッシュレートは設定アプリより切り替えることが出来る。
また解像度に関しても、設定でFHD+とWQHD+とを切り替えることができる。
▼バッテリー消費量などを考慮して、必要に応じて切り替えると良いだろう。
▼ウェブサイト閲覧時も、細かい文字まで明瞭に表示され見やすい。ページスクロールもなめらかで心地よい。
また、曲面ディスプレイ(エッジスクリーン)により、縁ギリギリまで映像が描画される。
▼AMOLEDディスプレイの深みのある色合いが非常に綺麗で、ゲームや映画、アニメなどでもカラフルな映像を楽しめる。
▼120Hzの高リフレッシュレートで描画される映像は滑らかで、ストレスなく操作できる。
ゲーミングや映像視聴をメイン目的にスマホの購入を検討している方でも、満足度の高い体験が可能だろう。
ほぼすべての作業を快適にこなせる性能
本機のパフォーマンスを確認すべく、ウェブサイト閲覧時・動画視聴時の動作について検証した。
ウェブブラウジングは基本的に快適であり、画像が多めのサイトや、処理の重いサイトであっても スムーズに閲覧することが出来た。
▼ほとんどのウェブサイトが一瞬で表示される。
また、YouTubeやネットフリックスなどの動画サイトを閲覧した場合においても、スピーディかつ滑らかな動画再生が可能であった。
▼高画質設定の美しい映像を、スムーズに視聴することが出来る。
▼アニメから実写映画まで、満足度の高いカラフルな映像体験が可能。
以上の通り、ウェブサイト閲覧や動画視聴といった一般的なスマホ用途に関しては、何の問題もなく快適に行うことが出来た。
サウンド品質はまあまあ良い
本機のスピーカーについて、音質を確認してみた。
上述した通り、本製品にはHarman/KardonのDolby Atmos対応スピーカーが上下に計2基内蔵されている。
そのため音圧は強く、低音から高音までクリアで迫力のあるサウンドを楽しむことができる。
音にも立体感があるため、ゲームプレイ時でも満足度の高い体験が可能だろう。
高品質フロント・リアカメラ
また、本機に搭載されていカメラについても確認した。
▼実際にフロント(前面)カメラで撮影した画像。
フロントカメラに関して、画質は概ね良好であり、全体的に明るく、ヒトの輪郭から表情までクリアに映し出すことが出来ていた。
発色も自然で肉眼で見た場合に近い。激しく動いても気になるレベルの残像は発生しないため、見づらさを感じることもかなった。
自撮りだけでなく、ウェブ会議や授業など、オンライン通話用途に利用しても問題のない品質だ。
▼リア(背面)カメラで撮影した画像。
▼広角撮影時
▼1倍撮影時
▼2倍撮影時
▼屋外撮影(1倍)
▼屋外撮影(2倍)
背面カメラについても、フロントカメラ以上に鮮明で美しい写真を撮影することが可能であった。発色も良く、肉眼で見た場合に近い色合いを実現している。
上画像を見ても分かる通り、遠景から近景、広角まで、明瞭に撮影することができた。
旅行や記念撮影用のカメラとしても十分に活用できる品質だろう。
なお上画像を見ても分かる通り、リアカメラで撮影した画像にはデフォルトで撮影日時とレンズ性能が表示されるようになっている。
撮影モードの切り替えが可能
本製品に搭載されたカメラはXiaomi(シャオミ)とライカが共同開発したものであり、カメラアプリ使用時に撮影モードの切り替えが可能だ。
▼「Leica Vibrant」と「Leica Authentic」の2モードが用意。
Leica Vibrantはコンピューティショナルフォトグラフィーを極めたモード、Leica Authenicはライカらしい仕上げのモードになる。
▼「Leica Vibrant」モードで撮影した写真
▼「Leica Authentic」モードで撮影した写真
ゲーミング性能の確認
最後に、本機を用いて各種ゲームアプリを遊んだ際のパフォーマンスについても確認していく。
『PUBG』プレイ時
まずは『PUBG』の場合について。
まずグラフィッククオリティに関しては、現時点の最高品質である『FHD』を選択することが出来た。
▼フレーム設定はウルトラを選択可能。
実際に試合に参加してみたが、大人数のプレイヤーが密集する場所においても、処理落ちやカクつきなどはほとんど生じず、終始快適なゲームプレイが可能であった。
▼近くのテクスチャから遠くの風景まで、美しく描画される。
▼激しく動き回っても、ラグやフレームレート低下などを感じることはほとんどなかった。120Hz高リフレッシュレートのおかげで、全体的に動きが滑らかに描画される。
『統合版マインクラフト(旧PE)』プレイ時
続いて『統合版マインクラフト(旧PE)』の場合について。
ワールドを作成して実際にプレイしてみたが、スムーズで快適に操作することが出来た。
▼チャンク読み込み時にも全く重さを感じない。
▼処理の重くなりがちなバイオームでも、フレームレート低下やカクつきを感じることは無かった。
クリエイティブやサバイバル、またはマルチサーバーに参加した際などにも、パフォーマンスは非常に安定しており終始スムーズなゲーミングが可能であった。
多くのアドオンを導入したり、友人らと多人数マルチサーバーに参加した場合でも、スムーズな動作を実現することが出来るだろう。
以上の通り、『PUBG』や『マインクラフト』レベルのゲームアプリであれば、ほとんど問題なく快適に遊べることが確認できた。
『原神』プレイ時
最後に "激重" ゲームとしても有名な『原神』の場合について。
非常に重いゲームアプリとして有名な『原神』であるが、本機ではスムーズにプレイすることが可能であった。
▼画質設定はデフォルト状態で "中" に設定されており、デバイス負荷は "スムーズ" の状態。
▼画質設定を "最高" まで上げるとデバイス負荷も高まるが、依然としてスムーズな動作が可能であった。
▼最高画質設定で、とてもスムーズに原神をプレイすることができた。
▼激しく動いた場合でもカクつきや遅延を感じることはほとんどなかった。
『原神』クラスの激重ゲームでもこれだけ快適に遊べるのであれば、大抵のゲームアプリはスムーズに動作するだろう。
以上の通り、ゲーミングスマホとしても問題なく活用できるほどのパフォーマンスを発揮するスマホとなっている。
ゲームターボ機能が用意
ちなみに本機には "ゲームターボ(Game Turbo)" 機能が用意されており、スマホ処理をゲーム向けに最適化することが出来る。今回のパフォーマンス確認時には、この機能を活用してパフォーマンスを最適化したうえで、ゲームをプレイした。
▼各ゲームアプリに対する処理能力をブーストして、パフォーマンスを向上。
▼描画の最適化や、各種操作の反応性など、ゲーミングに関する詳細な調整を行うことが可能。
▼ゲームアプリをプレイ中に、画面左端をスワイプすることで、ゲームターボのメニュー画面を呼び出すことも出来る。
本格的にゲーミングを楽しみたい方にはうってつけの機能だ。
長持ちする大容量バッテリー
本製品には4,860mAhの大容量バッテリーが内蔵されており、長時間の連続利用が可能だ。
実際に満充電の状態から3時間ほどゲームアプリを連続して遊んでみたところ、15%ほどしかバッテリーが減っていなかった。
普通にスマホを利用する分には、1~2日ほど充電ケーブルに接続しなくても問題ないだろう。
また、本製品は67Wターボチャージに対応しており、少しの充電時間で一気にバッテリーを回復できる点も実用性の高さを向上させていると言えるだろう。
『Xiaomi 12S Ultra』のまとめ
今回紹介した『Xiaomi 12S Ultra』について、特徴をまとめると以下の通りだ。
良かった点
- スタイリッシュで高級感のあるデザイン
- ベゼルレスの曲面ディスプレイ
- 大抵の作業を快適にこなせるスペック
- 激重ゲームアプリもスムーズにプレイ可能
- 高音質スピーカー
- 品質の高い内蔵カメラ
- 長持ちする大容量バッテリー
悪かった点
- おサイフケータイに非対応
- 高負荷利用時の発熱がやや気になる
以上の通り、AnTuTuスコア100万点超えのパワフルな性能を発揮するハイエンドスマホとなっている。
WQHD+解像度・120Hzリフレッシュレート対応の曲面ディスプレイにより、滑らかで美しい映像を楽しむことが出来る。また強力なパフォーマンスにより、大抵の作業を快適にこなすことが可能だ。
デュアルスピーカーの音質が良く、音に立体感もあるため、映像視聴やゲーミング目的でスマホを探している方でも、満足度の高い体験が可能だろう。
カメラ性能も優れており、オンライン通話はもちろん、旅行時や記念撮影用カメラとしても十分に活用できる品質だ。
3D処理性能が優れているうえにゲームターボ機能も用意されているため、ゲーミングスマホを探している方にもオススメできるだろう。
ただ、個人的にはこの価格帯であればおサイフケータイに対応していてほしかったところだ。仕方がないが...。
何はともあれ、10万円前後で可能な限り性能の高いスマホを探している方には、是非オススメしたい一品だ。
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