中国のXiaomi(シャオミ)は2023年3月、同ブランドの最新スマートフォンとして『Xiaomi Redmi 12C』を日本国内向けに販売開始した。
2万円前後のリーズナブルな価格にもかかわらず、MediaTek Helio G85 オクタコアプロセッサー搭載のパワフルなパフォーマンスを発揮する格安スマートフォンであり、サブスマホとしてはうってつけのモデルとなっている。
以下の2モデルが販売されている。
- 3GB RAM + 64GB ストレージ
- 4GB RAM + 128GB ストレージ
今回、提携先より本製品の "4GB RAM + 128GB ストレージ" モデルを提供して頂いたので、実際に使用した感想を基にレビューしていきたいと思う。
ブランド | Xiaomi(シャオミ) |
モデル名 | Redmi 12C |
ディスプレイサイズ | 6.71インチ |
解像度 | 1,650×720(HD+) |
リフレッシュレート | 非公表 |
OS | Android 12、MIUI 13 |
CPU(SoC) | MediaTek Helio G85 オクタコアプロセッサー |
RAM | 3GB / 4GB |
ストレージ | 64GB / 128GB |
マイクロSDカード | 対応(最大1TBまで) |
SIMカード | デュアルnano SIM対応 |
インカメラ | 500万画素 |
アウトカメラ | 5,000万画素 |
生体認証 | 指紋認証・顔認証 |
バッテリー容量 | 5,000mAh |
対応通信規格 | Bluetooth 5.1、Wi-Fi(802.11 a/b/g/n/ac), NFC, LTE, GPS 3G W-CDMA:1 / 2 / 4 / 5 / 6 / 8 19 4G LTE FDD LTE:1 / 2 / 3 / 4 / 5 / 7 / 8 / 13 / 18 / 19 / 26 / 28 / 66 TD-LTE:38 / 40 / 41 5G NR:非対応 |
Felica | おサイフケータイに非対応 |
本体サイズ | 高さ:168.76mm 横幅:76.41mm 厚さ:8.77mm |
本体重量 | 約192g |
Redmi 12Cは、MediaTek Helio G85 オクタコアプロセッサーによって、ゲーム、イメージング、または日常使用においてクラス最高のパフォーマンスとスムーズな体験を提供する格安スマートフォンだ。
筐体サイズは約168.76mm×76.41mm×8.77mm、重量は約192gであり、背面には指紋認証機構を搭載している。
6.71インチ、1,650×720(HD+)解像度に対応したディスプレイを搭載。大きめの画面で満足度の高い映像視聴を楽しめる。
RAMは3/4GB、ストレージは64/128GBの2モデルを用意。いずれも最大7GBのRAM拡張が可能なうえ、マイクロSDカードの挿入で最大1TBの容量拡張も可能だ。
50MPメインカメラを搭載したRedmi 12Cは、より詳細な撮影や光のキャプチャー能力が向上しており、どんな光の環境でも思い出に残る瞬間を記録することができる。背面に強力なHDRとナイトモード機能が備わっており、バックライトショットから夜景の撮影まで、光の条件に関係なくクリアなショットが可能だ。
バッテリー容量は5,000mAh。一般的なスマホと比べて大容量となっている一方で、Redmi 12CはType-Cポートではなく「micro USBポート」を搭載。10Wでしか充電できないのがネックだ。
以上の通り、micro USBポートを採用している点を除けば、全体的に充実したスペック構成の格安スマホとなっている。
製品本体および付属品
▼外箱の様子
▼内容物をすべて取り出した様子。
内容物一覧は以下の通り。
【内容物一覧】
- スマートフォン本体
- クイックガイド
- カードスロット開閉用ピン
- USB ケーブル
- 電源アダプタ
▼スマホの外観。6.71インチディスプレイを搭載した、シンプルかつスタイリッシュなデザイン
▼前面には500万画素のフロントカメラを内蔵。
▼背面の様子。
▼背面には5000万画素のリアカメラを搭載。
▼168.76mm×76.41mm×8.77mmの筐体サイズはちょうど手に馴染む大きさであり、持ちやすい。
▼背面素材は汚れや指紋、手脂などが付着しづらく、目立ちづらい素材で造られている。
▼厚みはわずか8.77mm。ポケットなどに入れて持ち運んでも邪魔に感じないだろう。
続いて、インターフェースについて紹介していく。
▼本体右側面。電源ボタンと音量調節ボタンが搭載。
▼左側面にはカードスロットが用意。
▼付属のピンを用いてスロットを開き、デュアルnanoSIM、もしくは最大1TBまでのマイクロSDカードの挿入が可能だ。
▼上部には3.5mmイヤホンジャックが用意。
▼下部にはスピーカーが1基内蔵されているほか、micro USBポートが用意。個人的にはType-Cポートにしてほしかったところだ。
全体的に必要最低限のインターフェースのみが搭載された、シンプルでスタイリッシュな印象を受けるデザインとなっている。
指紋認証・顔認証に対応
本製品は指紋認証および顔認証に対応している。
指紋認証機構は背面に用意されている。
認証制度は良好で、パッと指をかざすだけでスマホロックを解除することが可能だ。
AnTuTuベンチマークテスト
本機について、スマホ・タブレット端末の性能を測ることのできる『AnTuTuベンチマークテスト』を実施してみた。
▼Android端末におけるAnTuTuベンチマークテストの実施方法はコチラを参照
-
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結果として、約21.4万点のスコアを記録することが出来た。
この価格帯のスマホとしては、かなり頑張ったスコア結果であると言える。
ウェブブラウジングや動画視聴はもちろん、大抵の作業を快適にこなせるだけの性能だ。
仕事や動画視聴、ゲーミング用のスマホを探している方にもオススメできるモデルである。GPUスコアも十分に高いため、『原神』など処理の重い3Dゲームアプリでも、設定を抑えることである程度スムーズに動作するだろう。
それでは以下からは、実際に使用した感想について紹介していく。
大抵の作業を快適にこなせる性能
本機のパフォーマンスを確認すべく、ウェブサイト閲覧時・動画視聴時の動作について検証した。
ウェブブラウジングは基本的に快適であり、画像が多めのサイトや、処理の重いサイトであっても スムーズに閲覧することが出来た。
▼ほとんどのウェブサイトが一瞬で表示される。
▼FHD+解像度ディスプレイのおかげで、細かな文字も鮮明に描画される。
また、YouTubeやネットフリックスなどの動画サイトを閲覧した場合においても、スピーディかつ滑らかな動画再生が可能であった。
▼高画質設定の美しい映像を、スムーズに視聴することが出来る。
▼アニメから実写映画まで、満足度の高いカラフルな映像体験が可能。
スピーカー品質は普通
本機のスピーカーについて、音質を確認してみた。
本製品は下部にスピーカーを1基内蔵しているのみだが、比較的クリアなサウンドを楽しむことが出来た。
低音こそほとんど響かないものの、中~高音域に関しては明瞭に響くため、映画やアニメ視聴時において、セリフを聞き取る分には全く問題ないだろう。
ただし音に立体感はなく、音圧も弱いため、迫力のあるサウンドを楽しみたい場合はイヤホン等の利用をオススメする。
実用的なフロント・リアカメラ
また、本機に搭載されていカメラについても確認した。
▼実際にフロント(前面)カメラで撮影した画像。
フロントカメラに関して、画質は概ね良好であり、全体的に明るく、ヒトの輪郭から表情までクリアに映し出すことが出来ていた。
発色も自然で肉眼で見た場合に近い。激しく動いても気になるレベルの残像は発生しないため、見づらさを感じることもかなった。
自撮りだけでなく、ウェブ会議や授業など、オンライン通話用途に利用しても問題のない品質だ。
▼リア(背面)カメラで撮影した画像。
背面カメラについても、フロントカメラ以上に鮮明で美しい写真を撮影することが可能であった。発色も良く、肉眼で見た場合に近い色合いを実現している。
上画像を見ても分かる通り、遠景から近景、広角まで、明瞭に撮影することができた。ただし、5倍以上のズーム撮影時は流石に画質が悪くなる。
それでも、旅行や記念撮影用のカメラとしても十分に活用できる品質だと言える。
ゲーミング性能の確認
本機を用いて各種ゲームアプリを遊んだ際のパフォーマンスについても確認していく。
『PUBG』プレイ時
まずは『PUBG』の場合について。
まずグラフィッククオリティに関しては『HD』までを選択することが出来た。
実際に試合に参加してみたが、大人数のプレイヤーが密集する場所においても、処理落ちやカクつきなどはほとんど生じず、終始快適なゲームプレイが可能であった。
▼近くのテクスチャから遠くの風景まで、美しく描画される。
▼激しく動き回っても、ラグやフレームレート低下などを感じることはほとんどなかった。90Hz高リフレッシュレートのおかげで、全体的に動きが滑らかに描画される。
本気でスマホゲーを楽しみたい場合にも、満足度の高い体験が可能だろう。
『統合版マインクラフト(旧PE)』プレイ時
続いて『統合版マインクラフト(旧PE)』の場合について。
ワールドを作成して実際にプレイしてみたが、スムーズで快適に操作することが出来た。
▼チャンク読み込み時にも全く重さを感じない。
▼処理の重くなりがちな森林バイオームでも、フレームレート低下やカクつきを感じることは無かった。
クリエイティブやサバイバル、またはマルチサーバーに参加した際などにも、パフォーマンスは非常に安定しており終始スムーズなゲーミングが可能であった。
多くのアドオンを導入したり、友人らと多人数マルチサーバーに参加した場合でも、スムーズな動作を実現することが出来るだろう。
以上の通り、『PUBG』や『マインクラフト』レベルのゲームアプリであれば、ほとんど問題なく快適に遊べることが確認できた。
『原神』プレイ時
最後に "激重" ゲームとしても有名な『原神』の場合について。
非常に重いゲームアプリとして有名な『原神』であるが、本機では設定さえ調整すればスムーズにプレイすることが可能であった。
▼画質設定はデフォルト状態で "最低" に設定されており、デバイス負荷は "スムーズ" の状態。
▼画質設定を "低" まで上げるとデバイス負荷も高まるが、依然としてスムーズな動作が可能であった。
▼さすがに画質設定を中以上に上げると顕著なフレームレート低下が発生し、ゲームプレイに大きく支障をきたした。
低画質でも十分に綺麗な映像でゲームを楽しむことが可能だ。
▼低画質以下の設定であれば、激しく動いた場合でもカクつきや遅延を感じることはほとんどなかった。
『原神』クラスの激重ゲームでもこれだけ快適に遊べるのであれば、大抵のゲームアプリはスムーズに動作するだろう。
以上の通り、ゲーミング用途にもある程度活用できるほどのパフォーマンスを発揮するスマホとなっている。
長持ちするバッテリー
本製品には5,000mAhの大容量バッテリーが内蔵されており、一般的なスマホと比べても長い時間連続して利用することが可能となっている。実際に満充電の状態から3時間ほどゲームアプリを連続して遊んでみたところ、30%ほどしかバッテリーが減っていなかった。
普通にスマホを利用する分には、1~2日ほど充電ケーブルに接続しなくても問題ないだろう。
しかし一方で、micro USBポートによる10W充電しか行えないため、充電に時間がかかるのがネックだ。
設計上の問題で仕方がなかったのだろうが、ここはやはり一般的なType-Cポートを採用してほしかった。
『Xiaomi Redmi 12C』のまとめ
今回紹介した『Xiaomi Redmi 12C』について、特長をまとめると以下の通りだ。
ポイント
- 軽量かつスタイリッシュな筐体デザイン
- リーズナブルな価格に対して実用的なスペック構成
- 大抵の作業を快適にこなせる性能
- 高品質カメラ
- 背面指紋認証に対応
- デュアルnanoSIMカードの挿入に対応
- 3.5mmイヤホンジャックが用意
悪かった点
- スピーカーの音質はそこそこレベル
- Type-Cではなくmicro USBポートを搭載
- ⇒ 充電速度が遅い(10W)
以上の通り、2万円前後という価格帯に対して、全体的にバランスの取れたスペック構成となっており、実用性の高い格安スマートフォンであると言える。
デュアルnano SIMの挿入に対応しており、サブスマホとして十分に活用できるだろう。
HDC+解像度対応ディスプレイは鮮明に描画され、発色もカラフルで美しく、ウェブブラウジングからゲームプレイ、動画視聴まで満足度の高い体験が可能であった。
カメラはフロント・リアのいずれに関しても優れており、記念撮影、オンライン通話など幅広い用途に活用できる。
このコンパクトな筐体サイズに対して、5,000mAhの大容量バッテリーを実装できた点も見事だ。ただやはり、micro USBポートの採用は本製品の大きなデメリットの1つと言わざるを得ない。
いずれにせよ、1~2万円前後の価格帯で使えるスペックのスマホを探しているのであれば、選択肢の1つに入れても良いモデルだろう。
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