2024年10月29日(火)に中国で開催されたXiaomi(シャオミ)のローンチイベントにおいて、同社の最新スマートバンド『Xiaomi Smart Band 9 Pro』が正式発表された。
2024年7月に発表・発売され、当サイトでもレビューした『Xiaomi Smart Band 9』の上位互換モデル(Proバージョン)だ。『Xiaomi Smart Band 9 Pro』は、現時点において中国国内ですでに販売が開始されており、価格は399元(約8,500円)となっている。
今回、提携先より本製品(中国版・シルバー色)を提供していただいたので、実際に使用した感想を基にレビューしていく。
ブランド | Xiaomi(シャオミ) |
モデル名 | Xiaomi Smart Band 9 Pro(Mi Band 9 Pro) |
ディスプレイ | 1.74インチ, AMOLEDタッチスクリーン |
解像度 | 336x480 / 336ppi |
輝度 | 1200nits(ピーク) |
リフレッシュレート | 60Hz |
マイク | 搭載 |
スピーカー | 非搭載 |
搭載センサー | 加速度センサー、ジャイロセンサー、光学心拍・血中酸素センサー、環境光センサー、地磁気センサー |
防水規格 | 5ATM(50m防水、プールや浅瀬の水上活動に対応) |
対応通信規格 | Bluetooth 5.4、NFC |
位置測位 | 北斗、GPS、GLONASS、Galileo、QZSS |
OSサポート | Xiaomi HyperOS 2 |
対応OS | Android 8.0以降、iOS 12.0以降 |
バッテリー容量 | 350mAh |
充電時間 | 約75分 |
バッテリー持続時間 | 通常モード:約21日 AODモード:約10日 高負荷モード:約8日 |
本体カラー | シルバー系, ブラック系, ピンク系、ホワイト系 |
本体素材 | アルミ合金フレーム + 高強度ポリマー |
ディスプレイ材質 | 2.5D強化ガラス |
バンド素材 | TPU(熱可塑性ポリウレタンエラストマー)/本革 |
対応する手首の太さ | 135~205mm |
本体重量 | 約24.5g(バンド除く) |
本体サイズ | 43.27×32.49×10.8 mm(心拍センサー突起除く) |
『Xiaomi Smart Band 9 Pro』は前モデル『Xiaomi Smart Band 8 Pro』のデザインを踏襲しており、1.74インチの大きめな長方形ディスプレイを搭載している。
OSは「Xiaomi HyperOS 2」を採用。スムーズな操作を楽しめる。
1.74インチのAMOLEDタッチスクリーンは、336x480の解像度と1,200nitsのピーク輝度に対応。日中の明るい屋外でもスクリーンの見やすさが保たれる。2.2mmの極細ベゼルと77%の画面占有率のおかげで、装着していてスタイリッシュな印象を受ける。
本体部分にはアルミ合金フレームと高強度ポリマー素材を採用しており、軽量かつ頑丈。
本体サイズは43.27×32.49×10.8 mm(心拍センサー突起除く)、重量は約24.5g(バンド除く)と非常に軽量で、快適な装着感を実現している。
カラーバリエーションはシルバー系, ブラック系, ピンク系、ホワイト系の4種類が用意。従来モデルと同様にバンドを好みのものに自由に付け替えて、デザインのカスタマイズを楽しめる。
▼ウォッチフェイスも多種多様なデザインを選択可能。
精度が向上したセンサーと自社開発のアルゴリズムを搭載することで、心拍数や血中酸素、睡眠、ストレスのより正確なモニタリングが可能となっている。
女性の生理周期リマインダーや呼吸トレーニング機能も搭載され、24時間の健康サポート機能が充実している。
150種類以上のスポーツモードをサポート。5ATMの防水性能(50メートル防水)に対応しているため、水泳や水上スポーツの際にも装着することができる。
▼5ATMの優れた防水性能
高精度GNSSチップにより、北斗、GPS、GLONASS、Galileo、QZSSなどの位置測位衛星システムをサポート。スマホ無しでも、運動時の正確なルートトラッキングを行うことが可能だ。
NFC機能をサポートしており、公共交通機関のカードや鍵として利用できるほか、一部の自動車メーカー(Xiaomi車、BYDなど)のデジタルキーとしても利用できる。
▼天気予報や音楽コントロール、リマインダー、オフライン決済機能も搭載。
そして350mAhのバッテリーを搭載しており、通常モードで約21日、AODモードで約10日、高負荷モードで約8日のバッテリー持続が可能。いちいち充電する手間を省くことができる点が嬉しい。また高速充電にも対応しており、わずか約75分で満充電を完了できる。
製品本体および付属品
▼外箱の様子
▼内容物をすべて取り出した様子
内容物一覧は以下の通り。
【内容物一覧】
- スマートバンド本体
- 充電ケーブル
- ユーザーマニュアル
▼開封時にはバンドとウォッチ部分が分かれており、簡単に組み立てることができる。
▼43.27×32.49×10.8mmの本体部分に、1.74インチの大きめなAMOLEDタッチスクリーンが搭載。
バンドを除く本体重量は約24.5gと非常に軽量。
▼真横から見た様子。
▼後ろから見た様子。TPU(熱可塑性ポリウレタンエラストマー)製のバンドは汚れが付着しづらく、手触りも良好。
▼展開した様子。135~205mmの太さの手首に装着可能。
▼バンドはピンバックルタイプとなっている。
▼裏面の手首にあたる部分には、装着者の生体情報を読み取る端子と、充電ポートが用意。
▼また、裏面の端にはマイク穴が用意されている。
このように、スマートバンド自体はシンプルかつスタイリッシュなデザインとなっている。
余計なボタンやダイヤル類がないため、スッキリとした印象を受ける。初めてスマートバンドを使用する方でも困ることはないだろう。
非常に快適な着け心地
本製品の装着感は実に快適であり、柔らかいバンドが手首へ柔軟にフィットする。
本体部分が約24.5gという軽さのため、長時間装着し続けても手首の疲れや違和感を感じることはなかった。
▼強めに締め付けた場合でも、皮膚との擦れなどはほとんど生じない。見た目的にもスタイリッシュで、オシャレな場で他人に見られても気にならないだろう。
▼ピンバックルタイプのバンドは、脱着が非常にラクだ。
▼アルミ合金フレームの本体部分には高級感がある。
そして5ATMの防水規格で設計されているため、装着した状態で手洗いを行ったり、水を浴びても故障することはない。
▼TPU製のバンドも汚れが付着しづらく、水滴をはじく。
普段から自然な気分で装着し続けることが可能だ。
プライベートな場面から仕事場、アウトドアアクティビティまで、幅広いシーンに適したデザインとなっている。
公式アプリのインストールでスマホと同期
本製品の利用を開始する際は、スマートウォッチと連携したいスマホやタブレット端末へ、事前に公式アプリをインストールしておこう。
▼公式アプリ(iOS・Android対応)
スマートバンドに電源ケーブルを接続すると、起動してスクリーンが表示される。
▼今回使用しているのは中国版のため、対応言語は中国語・英語のみ。
▼Mi FitnessアプリでQRコードを読み取り、ペアリングを行う。
中国版では、地域設定を日本にするとペアリングできなかったため、地域を中国に設定する必要があった。
アプリ(スマホ)とのペアリングが完了すると、端末上でスマートバンドの状態を確認したり、データの分析や機能のカスタマイズなどを行うことが可能となる。
▼アプリメイン画面。アプリインターフェースは日本語にも対応している。
非常に豊富な機能を利用可能
本製品の機能充実度は高い。
▼ホーム画面から上下左右にスワイプすることで、各アプリや機能を利用可能。
60Hzのリフレッシュレートに対応していることもあり、スワイプ時にはスムーズに画面が遷移して気持ちが良い。
▼NFCサポートにより、「Alipay」や「Weixin Pay」などの機能を利用可能。
▼アプリより、交通系カードの追加も可能。
天気表示やタイマー、ストップウォッチ、リモート撮影など、前モデル(Xiaomi Smart Band 9)で搭載されていた機能はほぼ全て用意されている。
バンドのディスプレイ上に表示されるアプリ・ウィジェットは、アプリ上で自由にカスタマイズ可能だ。
▼現在地のリアルタイムの天候情報や週間天気予報を確認できる。
▼スマホ上の音楽を遠隔操作(再生・停止・ボリューム調整・曲送り&戻し)することも可能。
また、本製品にはマイクが内蔵されており、音声アシスタント「Mi AI」を利用できる。
Mi AIでは、声で各機能の検索・操作を行うことができる。
▼ただし中国版では、中国語のみに対応。
Xiaomi Smart Band 9 Proの文字表記を英語に変更する方法
中国版のXiaomi Smart Band 9 Proは、初起動時に文字表示が中国語になっている。
よほど中国語に堪能でなければ扱いに苦労するだろう。そこで、以下の手順で英語表記に変更することが可能だ。
※iOSにおける手順です。Androidデバイスの場合もアプリ言語を変更後、再同期してください。
まずスマホの設定アプリを開き、アプリ一覧から「Mi Fitness」を選択。
続いて、"優先する言語" をタップ。
ここで、言語を「English」に変更しよう。
完了後、「Mi Fitness」アプリを再起動すると、アプリ内表記が英語に変更されている。
この状態でスマートバンドと再同期を行うことで、スマートバンド上の文字表記も英語に変更される。
▼英語表記の方がまだ意味を理解しやすいだろう。
屋外でも見やすい高輝度スクリーン
『Xiaomi Smart Band 9 Pro』のピーク輝度は、前モデル(Band 9)と同じく1200nitに達する。これにより、屋外など明るい場所でも画面がクッキリと見える。
アウトドアな場面でスマートバンドを使う機会の多いユーザーにとって、助かる設計だ。
バリエーション豊かなバンドフェイス
アプリから無料のテーマをインストールすることで、スマートバンドのホーム画面(バンドフェイス)のデザインを自由に変更することも可能だ。
▼公式が配布する数百種類ものテーマを、オンライン上から無料でインストールすることが出来る。
クール系からビジネス系、デザイナーズ系まで幅広いバリエーションが用意されており、常に新しいテーマが更新されている。
▼デザイン性を重視するか、見やすさを重視するか、好みのテーマを適用しよう。
常時表示をサポート
『Xiaomi Smart Band 9 Pro』は常時表示をサポートしている。
常時表示をオンにすることで、スマートバンド非使用時にもディスプレイ上に最低限の情報が表示され、時刻などを常に把握することができる。
▼常時表示
▼通常表示状態
各テーマごとに常時表示に対応する簡易表示が用意されており、バッテリー消耗を最低限に抑えることが出来るようになっている。
常時表示機能をONにした状態でも、約10日間のバッテリー持続が可能だ。
高度な健康管理が可能
本製品では、公式アプリと組み合わせることで高度な健康管理を行うことが出来る。
運動(ワークアウト)計測
本製品はウォーキング、ランニング、サイクリング、ウェイトリフティング、水泳など、150以上のスポーツモードに対応している。
▼メジャースポーツからマイナースポーツまで、豊富な種類のワークアウトに対応。
▼5ATMの防水性能を備えているため、水泳などのウォーターアクティビティ計測にも対応している。
▼ワークアウト計測中の様子。心拍数などの運動強度情報をリアルタイムに把握できる。
ワークアウト終了後は、スマートバンド上、およびアプリ上で詳細な計測データを確認できる。
▼バンド上の表示
▼アプリ上の表示
そして本製品は高精度GNSSチップを内蔵しており、北斗、GPS、GLONASS、Galileo、QZSSなどの位置測位衛星システムをサポート。これにより、スマホ無しでも、運動時の正確なルートトラッキングを行うことが可能となっている。
▼バンド上の表示
▼アプリ上の表示
自身がどの程度の運動を行ったかを詳細に確認できるようになっているため、記録として積み上げていくことで、今後のモチベーション維持にもつながるだろう。
健康モニタリング機能
本製品には健康モニタリング機能が備わっており、ストレス・睡眠・心拍数・血中酸素飽和濃度などの数値を24時間監視(トラッキング)し、データとして可視化・保存しておくことができる。
▼健康状態に異常が生じた場合、即座に通知する機能も用意。
▼ストレス値を測ることのできる機能も用意。
▼睡眠のトラッキングも可能。
これらの健康指数データも、運動計測と同様にアプリ上で過去のデータを閲覧できる。
日々の健康状態が可視化されることで、体調管理を意識することができ、生活習慣を正すことで健康促進にもつながるだろう。
サードパーティデータの共有が可能
アプリでは「Zepp Life」や「ヘルスケア」など、サードパーティから過去のデータを転送(共有)することも可能だ。
健康データ等を引き続き利用したい場合には役立つだろう。
通知連動機能がとても便利
スマートバンドを利用している中で、個人的に最も重宝している機能が "スマホ通知連動" である。
これはスマホ上に通知された着信、メッセージ受信、その他SNSアプリ等のプッシュ通知を、スマートバンド上でも確認できる機能だ。
この機能を利用すると、音声着信はもちろん、メッセージ受信時に内容を確認することも可能となる。LINEやSkype、E-mailなど、メッセージアプリで届いたテキストの内容をディスプレイで確認することもできる。
各種通知をスマートバンド上で確認できるため、スマホを出さずとも内容を把握することが出来るようになる。
▼336x480ピクセルの解像度に対応した、大きめの1.74インチ有機ELディスプレイのおかげで、文字が見やすい。
各通知はバイブレーションで通知してくれるため、重要な着信やメッセージが届いた際にも、気付かずにとり逃してしまった!確認が遅れてしまった!といった事態を防ぐことが出来るだろう。
実際に利用してみると、実に便利で重宝する機能だ。
▼アプリごとに通知のON/OFFを切り替えられる点も嬉しい。
なお、本製品はマイクこそ内蔵しているものの、スピーカーを搭載しておらず、スタンドアローンでの通話には対応していない。
▼音声着信時は通話相手の確認と、着信切り操作のみが可能。
長持ちするバッテリー
本製品付属の充電ケーブルは、マグネット吸着式となっている。
充電の際は、スマートバンド背面のポートにケーブル端子を近づけるだけでカチッと磁石で吸着し、充電が開始される。
いちいち端子を手探りで探して接続する必要もないため、普段からストレスなく充電を開始出来る。
350mAhのバッテリー容量で、最大21日間の連続使用が可能。いちいち頻繁に充電する必要がない点は実に嬉しい。
また高速充電にも対応しており、わずか約75分で満充電を完了できる。
実際にバッテリー残量がほぼゼロに近い状態でも、1時間ほど給電を行うことで満充電まであっという間に回復させることが可能であった。
全体的に利便性の高い設計がなされた、高機能スマートバンドとなっている。
『Xiaomi Smart Band 9 Pro』のまとめ
今回紹介した『Xiaomi Smart Band 9 Pro』について、特徴をまとめると以下の通りだ。
良かった点
- 軽量で快適な装着感
- スタイリッシュかつ高級感のあるデザイン
- 非常に充実した機能を利用可能
- 5ATMの高い防水規格に対応
- 24時間の健康モニタリング機能
- GPSによる高精度なルートトラッキングに対応
- NFCサポートで、タッチ決済や交通系カードなどを利用可能
- 長寿命バッテリー
- 見やすい高輝度スクリーン
- 高速充電で素早く回復
- 常時表示をサポート
悪かった点
- 特になし(日本語版のリリースを求む)
以上の通り、日本円で8,000円台という比較的リーズナブルま価格に対して、非常に機能の充実した高コスパなスマートバンドとなっている。
血中酸素測定や睡眠モニタリング機能をはじめとした多くの健康管理ツールが用意されており、普段から自然と健康を意識出来るようになるだろう。
デザイン的にも軽量・薄型かつスマート、そして高級感のある印象を受けるため、ビジネスの場に装着して行っても違和感がない。女性や装着時の見た目を気にする方でも、抵抗感なく装着できるだろう。
ストラップは簡単に取り外せるため、別のストラップと気軽に交換して、気分転換を図ることも可能だ。
バッテリーの持ちは実に良好で、よほどヘビーに利用しない場合は、充電なしで3週間近くは利用し続けることが可能だ。また高速充電のおかげで、残量ゼロから1時間足らずで満充電できる。そして常時表示に対応している一方で、簡易表示によってバッテリーの長寿命化も実現。とことん実用性を重視した設計となっている。
そして何より、1.74インチのAMOLEDディスプレイは、実に見やすくて操作もスムーズに行える。1200nitsのピーク輝度に対応しているおかげで、明るい日中の屋外でもディスプレイの視認性が落ちることはない。
デザイン・機能充実度・バッテリー持続力・価格のすべての点において、高クオリティに仕上がっているスマートバンドだ。
ぜひとも、日本国内向けバージョンのリリースを期待したい。
なお、同時期には日本円で3,000円台のよりリーズナブルなモデル『Xiaomi Redmi Band 3』もリリースされている。最低限のバンド機能のみ利用できれば良いという方は、そちらを選択肢に入れても良いだろう。
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